後継社長奮闘す

tathufuntou

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第六章 次代を創る

リ・ビジョンを具体化する③

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「街を経営する」その一翼を
担える会社へ成長する。

リ・ビジョンと言う
壮大なテーマを
『サービス事業の自立』
まずは、この一点で、前に進めたい。

社長ミーティングのため
会議室に早めに来て待つ
取締役部長と経営企画室長。

「あれもこれもは出来ない
まずは、やりたくても
これまで、できなかった
ここからスタートしたい」

二人の想いは強いのだが、
果たして達社長に
なんと言われるか?

大いに不安なのも事実である。

「早いですね」
笑顔で入ってきた達社長。

この時ばかりは、
二人には、なぜか不気味に
映る、そんな笑顔に感じた。

取締役部長
「リ・ビジョンの具体化について
の中間報告です」

社長の目の前には
『リ・ビジョン具体化  
         中間報告』
と書かれた
数十ページはあるだろう
資料が置かれている。

達社長からすると、
中間報告を特段、
求めた訳ではなかった

しかし、
不安な気持ちから
その場を持つことに
したのだろう。
そう理解していた。

「結論から申し上げます」

経営企画室長らしく
静かな口調で語り始めた。

「目次の次のページを
ご覧下さい」

「具体化の一歩として
メンテナンス、リニューアル
を事業として自立させる
ことを考えています」

達社長は、
二人の表情をじっと観ていた。

しばらく沈黙の時間が
流れた。

「壮大なことを考える前に
まず、やることがあると
考えました」

沈黙を破ったのは
取締役部長だった。

達社長
「自立とは何を意味しますか?」

「事業部として、利益を
安定的に創出できる
ことだと思います」
経営企画室長。

「なるほど、それだけですか?」
達社長は、少し上を向き
問いかけるように聞いた。

二人が安易に提言してきた
訳ではないことは、
目の前にある資料一つ観ても
よくわかっている。

しかし、
やらなかったのでなく
できなかった。

それが、悔しいが
リニューアル型事業の
自社の歴史なのだ。

「達社長がおっしゃっりたい
ことはよくわかっています」

「しかし、それでも
スタートはこの事業からだと
考えています」

「資料8ページ以降にも
記載しましたが、過去私達が
関わった物件の6割近くは
ニーズがあります」

「また、建設領域ですが、
決して単価が高くない
リピートを前提とした
リニューアル、
メンテナンス事業」

「これをやらずに、
サービスの事業化はないと
思います」

取締役部長
珍しく一気にまくし立てた。

「なぜ、
出来なかったのでしょう」
達社長、再度質問をした。

「・・・」
取締役部長 天井を見上げる

「他社と差別化出来ず
無理な価格競争で疲弊
したからでしょうか?」

「確かに」
「経営企画室長はいかが
ですか?」

「リニューアル型の事業が
建築や土木、住宅など
他の事業より
下に見られていた
からでしょうか?」

経営企画室長は、
取締役部長を横目で見ながら
呟くように、答えた。

達社長
「私も、実は、それが
一番の要因だと考えています」

「リニューアル型事業を
リ・ビジョンの
スタート事業にする」

「悪くないと思います」

「ただし、それには
事業モデルだけでなく、
社内の風土改革も必要では
ないでしょうか?」

「そこまで視野に入れて
提言して欲しいです」

二人は、
社長の決意を改めて感じる
と同時に
リニューアル型事業が
会社の歴史をも大きく
変える事業だと痛感した

『戦略は組織に規定される』

あらゆる老舗企業に
立ちはだかる壁を
取り除く取り組みだからだ。

帰路につく
二人の足取りは重たいもの
だった

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