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私の好きな人が好きな私の親友1
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エミリエンヌとドミニクがくっつく前の話です。
★★★
私の好きな人は私の親友が好きだった。
彼女は完璧に美しかった。外見だけでなく、心までも。
だから私は、彼女のことも大好きで、だから苦しかった。彼女が嫌な女の子ならよかった。
そしたら存分に嫌いになれたのに。
私の彼を取らないで、って。そんなあなたのことが嫌いって。
でも彼女は優しすぎるほどに優しくて、嫌いになる要素など一切なかった。
女である私ですら、「守らなくては」と庇護欲をそそられるほどに。
だけどたまに彼女が羨ましくなって、彼女はそんな私の心の中など知る由もなく、どんなに私の心があれていようと、いつも変わらずキラキラした笑顔で見てくれて、私はそんな醜い私のことが嫌い。
★★★
「なーなー。お前からそろそろ口利きしてくれよ」
情けない口調でねだってくるのは、幼なじみのドミニクだ。
エミリエンヌは紅茶を飲みながら、あきれた顔で彼を眺める。彼女のジト目に気づかないのか、ドミニクはさらに続けた。
「社交界デビューも済ませたんだし、そろそろヴィオレットにも縁談が来る頃だろ?おちおちしてたらどこぞの馬の骨ともつかねーやつと、縁談がまとまるかもしれないじゃん」
エミリエンヌは「はぁ」と深くため息をついた。
なぜ好きな人から恋愛相談をされなくてはいけないのか。
ドミニクがひどい人間のようだが、これはエミリエンヌに原因がある。彼を好きだということを気づかれないように、自分の恋心をひた隠しにして、親友ポジションに徹してきたからだ。
言いづらいが、ドミニクに言わなくてはいけない。
エミリエンヌはもう一度ため息をついて、重苦しい口を開けた。
「あのね。もう遅いの」
「遅い!?もう縁談申し込んだやつがいるのか?早く親父に言って手紙書かないと、いや、それよりヴィオレットの屋敷に直接行って……!」
今にも部屋を飛び出しかねない勢いのドミニクの手を、エミリエンヌはつかんだ。
「もう縁談まとまってるから。もうすぐヴィオレットお相手のところに行くらしいわよ」
「はぁ!?」
ドミニクはエミリエンヌの言葉に、顔面を蒼白させてへなへなとその場に座りこんだ。
「じょ、冗談……」
「いくら私でもこんな質の悪い冗談言わないわよ」
「どうして早く言ってくれないんだよー!」
「いや、急に決まったみたいで、私も聞いた時には縁談まとまってたから」
どうにかドミニクをなだめ、「せめて結婚する前に謝罪したい。プレゼントを渡したい」というのを渋々了承した。
ヴィオレットが結婚する、と分かればドミニクは自分に気持ちを向けてくれる可能性があるのではないか、とわずかでも考えてしまった自分が恥ずかしい。
もう自分の手の届かないところにヴィオレットが行ってしまうと分かってもなお、ドミニクは彼女を好きなのだ。その気持ちがエミリエンヌに向くことはない。
自分を好きになってくれないことよりも、ドミニクが悲しい思いをすることが辛い。
ドミニクをなだめながら、エミリエンヌは心の中で呟く。
(お願い私のことを好きになって)
★★★
私の好きな人は私の親友が好きだった。
彼女は完璧に美しかった。外見だけでなく、心までも。
だから私は、彼女のことも大好きで、だから苦しかった。彼女が嫌な女の子ならよかった。
そしたら存分に嫌いになれたのに。
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でも彼女は優しすぎるほどに優しくて、嫌いになる要素など一切なかった。
女である私ですら、「守らなくては」と庇護欲をそそられるほどに。
だけどたまに彼女が羨ましくなって、彼女はそんな私の心の中など知る由もなく、どんなに私の心があれていようと、いつも変わらずキラキラした笑顔で見てくれて、私はそんな醜い私のことが嫌い。
★★★
「なーなー。お前からそろそろ口利きしてくれよ」
情けない口調でねだってくるのは、幼なじみのドミニクだ。
エミリエンヌは紅茶を飲みながら、あきれた顔で彼を眺める。彼女のジト目に気づかないのか、ドミニクはさらに続けた。
「社交界デビューも済ませたんだし、そろそろヴィオレットにも縁談が来る頃だろ?おちおちしてたらどこぞの馬の骨ともつかねーやつと、縁談がまとまるかもしれないじゃん」
エミリエンヌは「はぁ」と深くため息をついた。
なぜ好きな人から恋愛相談をされなくてはいけないのか。
ドミニクがひどい人間のようだが、これはエミリエンヌに原因がある。彼を好きだということを気づかれないように、自分の恋心をひた隠しにして、親友ポジションに徹してきたからだ。
言いづらいが、ドミニクに言わなくてはいけない。
エミリエンヌはもう一度ため息をついて、重苦しい口を開けた。
「あのね。もう遅いの」
「遅い!?もう縁談申し込んだやつがいるのか?早く親父に言って手紙書かないと、いや、それよりヴィオレットの屋敷に直接行って……!」
今にも部屋を飛び出しかねない勢いのドミニクの手を、エミリエンヌはつかんだ。
「もう縁談まとまってるから。もうすぐヴィオレットお相手のところに行くらしいわよ」
「はぁ!?」
ドミニクはエミリエンヌの言葉に、顔面を蒼白させてへなへなとその場に座りこんだ。
「じょ、冗談……」
「いくら私でもこんな質の悪い冗談言わないわよ」
「どうして早く言ってくれないんだよー!」
「いや、急に決まったみたいで、私も聞いた時には縁談まとまってたから」
どうにかドミニクをなだめ、「せめて結婚する前に謝罪したい。プレゼントを渡したい」というのを渋々了承した。
ヴィオレットが結婚する、と分かればドミニクは自分に気持ちを向けてくれる可能性があるのではないか、とわずかでも考えてしまった自分が恥ずかしい。
もう自分の手の届かないところにヴィオレットが行ってしまうと分かってもなお、ドミニクは彼女を好きなのだ。その気持ちがエミリエンヌに向くことはない。
自分を好きになってくれないことよりも、ドミニクが悲しい思いをすることが辛い。
ドミニクをなだめながら、エミリエンヌは心の中で呟く。
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