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「はぁ伸びてない」
俺はいつもの画面――小説情報ページ――を見てそう呟いた。小説家になろうにて俺が投稿している小説『補助魔法と約束の場所』の小説情報ページだ。
補助魔法と約束の場所
連載中 全429部分 1部分目を読む|最新部分を読む
あらすじ
攻撃魔法のセンスが一切ない主人公アゼル。補助魔法に関しては誰よりも多くの種類を、誰よりもうまく使うことができるが、ダメージを与える魔法の使えないアゼルは周囲から評価されてこなかった。
しかしある日その実力を見出され、世界の命運を守る闘いに巻き込まれていく。
作者名 弓月鴎理
キーワード R15 魔法 男主人公 最強 チート ハーレム
掲載日:2016年7月19日
最新部掲載日:2018年5月16日
感想:84件
レビュー:0件
ブックマーク登録:25件
総合評価:587ポイント
ポイント評価 250pt:287pt(文章評価:ストーリー評価)
開示設定:開示されています
文字数:1020698
ここ数ヶ月俺は小説をまったく更新できていない。ポイントが伸びないのは当たり前ではあるのだ。
ただでさえ評価されていない――数百ポイントも評価されていることはありがたいことであるが、同じぐらいの文字数のほかの作品。それも同じファンタジージャンルの作品と比べると決して伸びているとはいえない――のに、最近ではつまらないとか、日本語がおかしいとか、文章力がないとか、作者の自己投影が見え透いてきもいとか、そういったことをあまりに言われるので続きを書くのが億劫だった。
とりあえず少しでもより多くの人が読んでくれるようになればと序盤の文章を編集するのが最近の俺の日課だった。今は最初のボスとでもいうべきキャラクター「ジーヴス」が主人公であるアゼルに負けた直後の話を書いていた。
アゼルに散々嫌がらせをしたジーヴスは、もっとひどい目にあったほうが痛快かもしれないと思って、以前までのものよりジーヴスをひどい目に遭わせることにした。
とりあえず1話分を書き直したので、その旨をSNSで宣伝してみる。30分ほど経ってSNS上に反応があった。俺の作品を最終部分まで読んで、よく励ましの言葉をくれる読者だ。
『改稿した部分すごく面白くなってると思います。更新再開楽しみにしてます』
最後の文章が少しだけ、ちくりと俺の胸を刺した。果たして今度はいつ更新できるのだろうか。数は多くないとはいえ俺の書くものを待っていてくれる人は確かにいるというのに。俺という奴は。
流石に眠くなってきた。明日も学校がある。そろそろ寝なければ、俺はベッドに戻るのもわずらわしく机の上で突っ伏すようにして目を閉じた。
2
朝日のまぶしさに目が開いた。寝すぎたのか、少し頭が痛い。俺は目をこすりながらベッドから這い上がる。あれ? 俺昨日はベッドでは寝なかったはずなのに。
見回してみるとそこは見慣れない部屋だった。ふかふかのベッド俺の部屋が5つぐらいは入るのであろうかという広すぎる空間。そんな豪奢な部屋の雰囲気を台無しにするかのように悪趣味な調度品が所狭しと並べられている。
今頭の中に浮かんだフレーズには覚えがある。何かの小説で呼んだフレーズだ。
俺はとりあえず部屋を出て、あたりを調べてみることにした。見て回るだけではなく、時折おーいと呼びかけて誰かが出てこないか確かめていた。
「おや坊ちゃん」
燕尾服をまとった初老の男性が少し離れた部屋の入口から顔を出し、こちらへ反応を返してくれる。
「坊ちゃんってのは俺のことですか?」
「はあ。まだ寝ぼけておられるようですな。顔を洗ってきてはどうですか」
「いや大丈夫です。寝ぼけてはいない。頭は割りとクリアです」
「はぁ、そうですか?」
怪訝そうな目で見られた。
「ちょっと俺の名前を言ってみてくれないか」
「名前ですか。やはり寝ぼけておりませんか? あなたさまは名家コーラル家の嫡男、ジーヴス・コーラル様でございます」
ジーヴス・コーラル。それはまぎれもなく、俺の小説『補助魔法と約束の日々』のかませ犬キャラクターの名前だった。
俺はいつもの画面――小説情報ページ――を見てそう呟いた。小説家になろうにて俺が投稿している小説『補助魔法と約束の場所』の小説情報ページだ。
補助魔法と約束の場所
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あらすじ
攻撃魔法のセンスが一切ない主人公アゼル。補助魔法に関しては誰よりも多くの種類を、誰よりもうまく使うことができるが、ダメージを与える魔法の使えないアゼルは周囲から評価されてこなかった。
しかしある日その実力を見出され、世界の命運を守る闘いに巻き込まれていく。
作者名 弓月鴎理
キーワード R15 魔法 男主人公 最強 チート ハーレム
掲載日:2016年7月19日
最新部掲載日:2018年5月16日
感想:84件
レビュー:0件
ブックマーク登録:25件
総合評価:587ポイント
ポイント評価 250pt:287pt(文章評価:ストーリー評価)
開示設定:開示されています
文字数:1020698
ここ数ヶ月俺は小説をまったく更新できていない。ポイントが伸びないのは当たり前ではあるのだ。
ただでさえ評価されていない――数百ポイントも評価されていることはありがたいことであるが、同じぐらいの文字数のほかの作品。それも同じファンタジージャンルの作品と比べると決して伸びているとはいえない――のに、最近ではつまらないとか、日本語がおかしいとか、文章力がないとか、作者の自己投影が見え透いてきもいとか、そういったことをあまりに言われるので続きを書くのが億劫だった。
とりあえず少しでもより多くの人が読んでくれるようになればと序盤の文章を編集するのが最近の俺の日課だった。今は最初のボスとでもいうべきキャラクター「ジーヴス」が主人公であるアゼルに負けた直後の話を書いていた。
アゼルに散々嫌がらせをしたジーヴスは、もっとひどい目にあったほうが痛快かもしれないと思って、以前までのものよりジーヴスをひどい目に遭わせることにした。
とりあえず1話分を書き直したので、その旨をSNSで宣伝してみる。30分ほど経ってSNS上に反応があった。俺の作品を最終部分まで読んで、よく励ましの言葉をくれる読者だ。
『改稿した部分すごく面白くなってると思います。更新再開楽しみにしてます』
最後の文章が少しだけ、ちくりと俺の胸を刺した。果たして今度はいつ更新できるのだろうか。数は多くないとはいえ俺の書くものを待っていてくれる人は確かにいるというのに。俺という奴は。
流石に眠くなってきた。明日も学校がある。そろそろ寝なければ、俺はベッドに戻るのもわずらわしく机の上で突っ伏すようにして目を閉じた。
2
朝日のまぶしさに目が開いた。寝すぎたのか、少し頭が痛い。俺は目をこすりながらベッドから這い上がる。あれ? 俺昨日はベッドでは寝なかったはずなのに。
見回してみるとそこは見慣れない部屋だった。ふかふかのベッド俺の部屋が5つぐらいは入るのであろうかという広すぎる空間。そんな豪奢な部屋の雰囲気を台無しにするかのように悪趣味な調度品が所狭しと並べられている。
今頭の中に浮かんだフレーズには覚えがある。何かの小説で呼んだフレーズだ。
俺はとりあえず部屋を出て、あたりを調べてみることにした。見て回るだけではなく、時折おーいと呼びかけて誰かが出てこないか確かめていた。
「おや坊ちゃん」
燕尾服をまとった初老の男性が少し離れた部屋の入口から顔を出し、こちらへ反応を返してくれる。
「坊ちゃんってのは俺のことですか?」
「はあ。まだ寝ぼけておられるようですな。顔を洗ってきてはどうですか」
「いや大丈夫です。寝ぼけてはいない。頭は割りとクリアです」
「はぁ、そうですか?」
怪訝そうな目で見られた。
「ちょっと俺の名前を言ってみてくれないか」
「名前ですか。やはり寝ぼけておりませんか? あなたさまは名家コーラル家の嫡男、ジーヴス・コーラル様でございます」
ジーヴス・コーラル。それはまぎれもなく、俺の小説『補助魔法と約束の日々』のかませ犬キャラクターの名前だった。
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