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異世界編 1章
第16話 奴隷その3
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為次は自分から言い出したお使いの帰り道、何も考えずにトボトボと歩いていた。
何も考えていないと言うよりは放心状態である。
それもそのはずである、知らない世界に来てから4日目。
つい、数日前までは日本で戦争をしていた為次であるが、今の状況はとても理解しがたい。
帰り道を無くして、知らない人の別荘を借りて、ドラゴンを倒して、金貨を手に入れて……
数日のうちに色々あり過ぎた。
あと、もっと大切なことを忘れている気がする……
何かマズいことをした気がする……
だが、現実とは思えないこの変な世界での出来事なのだ、考える必要もないだろう。
だから、為次は考えるのをやめていた。
30分くらい歩いただろうか? 階段を降りると為次は正気を取り戻した。
誰かに声を掛けられたからだ。
それは2人の兵士であった。
行きに出会った上級国民区画の番人である。
「おい! 貴様、ようやく戻ったのか。上級国民区画で変態行為でもしてるんじゃないかと心配したぞ」
「しかも、こいつ、奴隷まで買ってきやがるし」
隣の兵士が言った言葉の意味が為次には分からなかった。
「あ? ほ?」
「アホじゃない! 貴様の方がアホ面しやがって、いいご身分だな」
「奴隷? 奴隷って? 何言ってんの?」
「お前が手に握っている鎖の奴だ。そうだろう? 違うのか?」
「え? 鎖?」
為次は恐々振り返ると、首輪と手枷をした少女が袋を持って立っている……
重たい袋を持って今まで歩いてきた様子で、はぁはぁと肩で息をしていた。
「えっと…… 誰?」
「はぃ? 先程、ご主人様に買っていただいたのですが……」
「え? ご主人様? んっと、どっち?」
訊きながら為次は二人の兵士を交互に指した。
「なんで俺達なんだよ! バカかお前はっ」
「だって他に周りに人が居ないじゃないか」
もう一人の兵士も困惑気味だ。
「お前は何を言っているんだ?」
「その娘の鎖を握っているのは、お前だろっ!」
兵士の言葉に為次は冷たく硬い感触のある自分の左手を見る。
確かに鎖が握られている。
その鎖の先を目で辿ると少女の首輪へと繋がっていた。
「…………」
為次はようやくガザフ邸での出来事を思い出してきた。
確かに自分は奴隷を買った。
いや、買ってしまった。
買うつもりなどまったく無かったのに、買ってしまった。
焦る為次は考える。
やばい、ヤバイ、俺は何をしているんだ。
こんなの買ってどうすんだよ。
幸いここには3人しか居ない、いっそ全員撃ち殺すか?
……って、何を考えているんだ、そんなことできる分けないだろ。
落ち着け、俺よ、考えるんだ! しんきんぐた~いむ。
「…………」
為次は無い知恵を絞って考えた。
もっとも、考えたとこで無駄なのだが。
それでも頑張って考える。
そうだ! 思い出した!
俺はお腹が空いているんだ。
ご飯を食べれば万事急須。
いや、万事急須じゃダメじゃん。
つか急須ってなんだよ、お茶でも飲むのかよ、俺。
そうだ! お茶を飲めばすべて上手く行くって意味の四文字熟語に違いない。
間違いない。
などと支離滅裂な考えがまとまったらしい。
「すいません、お茶ください」
「は? 突然、何を言っているんだ?」
「なぜ俺達が、貴様にお茶をご馳走せねばならん!?」
怒る兵士とは反対に少女は為次に向かって深々と頭を下げる。
「ご、ごめんなさい…… 今はお茶が手元にありません…… も、申し訳ございません、ご主人様……」
恐怖で引きつった顔には薄らと涙が浮かんでいる。
「え? あ、あの…… お茶をって言っただけでありまして、なんで泣きそうなの? ねぇ、なんで?」
それを聞いた少女は、突然その場で為次に向かって土下座をすると必死に哀願を始めるのだ。
「も、申し訳ございません、お許しください。もう二度と泣きません、泣きません、どうかお許し下さいご主人様…… う、うぇ、うぐぅ」
泣かないと言いながらも、少女は顔を伏せたまま泣いている様子だ。
「おいおい、そういうのは家に帰ってからやれよ」
「ったく、ヒドイ奴だな」
二人の兵士は口々に為次を非難した。
「ちょ、ま、ええ!?」
最早、為次はこの状況が何がなんだか訳が分からない。
完全にパニックになってしまった。
階段を下りて、お茶下さいと言ったら少女が土下座しながら泣きだしたのだ。
色々抜けてるっぽいが、何も考えられない。
だから為次は突然叫びだす。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
すると土下座少女を左脇に抱え、右手にお金の入った袋を持ち、いきなり走り始める。
もうどうしていいのか分からず、とにかく逃げ出したかった。
だから走った。
「あ、行っちまった……」
「ほんとおかしな野郎だぜ、まったく……」
※ ※ ※ ※ ※
しばらく走り続けた為次は疲れた。
少女も袋も持って走るには重いのだ、そんなの当たり前だ。
為次は人気のない路地に逃げ込むと、肩で息をしながら座り込んだ。
「はぁ、はぁ、はぁ…… 疲れま、した」
そんな為次を少女は横に座りながらキョトンとした表情で見つめている。
為次も少女を見ると目が合った。
だが、少女がカワイイので慌てて目線を逸らすのだ。
「あ、あの…… うぐっ」
為次は何かを言おうとしたが、その言葉をすぐに飲み込む。
そして、今一度冷静になって考える。
お、落ち着け俺よ。
下手なことを言えば、また泣き叫ばれてしまいます。
そうです、そうなんです。
どうしよう? お茶がヤバイのは理解したかも。
おおっ! そうだまず首輪を外そう。
それがいい、そうしよう。
とりあえず次の行動を決めた為次は首に巻かれている首輪を手にしてみる。
鍵穴があった。
「あれ? 鍵持ってないよ、俺」
「首輪の鍵ですか?」
「はい、そうです」
「私の胸の内ポケットに入っています」
「ああ、そうなんですか、じゃあ出してもらっていいですか?」
「私が出せばよろしいのですか?」
「はい、そうです」
バカな為次は気が付いていないが、手枷をされている少女には内ポケットの鍵は取れない。
少女が鍵を取り出すには服を引き裂くしかないのだ。
だから、少女は躊躇いもなく自分の服の胸の辺りを破こうとした。
「ちょ、あーっと、待ってくだしあ」
「はぃ?」
「何をしてらっやいますか? ですか?」
なぜか敬語で喋っている為次。
自分でも何を言っているのかよく分からなくなってきた。
「え? 鍵を……」
「あーはいはい、よく考えたら、手錠を外さないと取り出せませんよね」
「大丈夫です、胸の所を破けば取り出せます。幸い生地も薄いので」
「あ、はい、でもちょっと待って下さい。何が幸いか分かんないけど」
「はい……」
為次は今とてもマズイ状況に置かれている。
少女が鍵を取り出すとおっぱい丸出しになってしまう。
かと言って、為次が取り出すのはさすがに危険だ、危険すぎる。
だから為次は悩んだ……
ど、ど、どうしよう……
このまま首輪を付けっぱなしで人混みの中を行く分けにもいかない。
ここで首輪と手錠を何とかして取り外さないと、くそっ。
当然おっぱい出しながら歩けとは言えない、ならば俺が取り出すしかない。
しかし、なんだってあんなとこに鍵を入れたんだ?
そもそも、そんなとこにポッケあるのもおかしいでしょ、嫌がらせか? ガザフの野郎め。
まあ、今はガザフのことはどうでもいいや、とにかく危険を承知で俺がやるしかないか……
やれるのか? 俺よ…… がんばれ、俺。
悩んだ末に為次は言う。
「あ、あのですね……」
ゴクリと生唾を飲み込む。
「はぃ?」
「その…… わたくしめが取り出してもよろしいでしょうか? 鍵を」
「はい。では、よろしくお願いします。ご主人様」
「で、でわ、失礼します……」
そう言いながら、為次はそっと少女の首元から服の中に手を入れた。
くっ、意外とおっぱいがデカイなこの娘。
などと思いながら為次が胸の辺りを探ると、何かの突起に手が当たった。
「んっ、んぁぁ」
少女は甘い吐息を漏らす。
「も、も、も、申し訳ございません。わざとじゃないんです。ほんとです、ほんとなんです。信じて下さい!」
為次は必死に謝りながら慌てて手を引き出した。
「は、はい、私は大丈夫です。お願いします、ご主人様」
「……はぃ」
そして、再びチャレンジするのだ。
少女の服に手を入れると、柔らかい感触が為次の手に伝わってくる。
「ぬぉぉぉ…… (うぉぉぉ、ふにふに ふにふに)」
「あっ、あぁぁん…… ん、んぁぁぁっ」
為次の手が少女の胸を触れるたびに、少女は身悶えしながら堪えている。
「はぁ、はぁっ、あっ、くぅぁぁ…… あっ、んんっ、はぁっ」
しかし、声は抑えられないらしい。
甘い吐息を漏らしながら、可愛い声で鳴き続けているのだった。
……………
………
…
しばらく、裏路地でこいつら何やってんの的なシチュエーションを二人は過ごした。
その成果もあり、なんとか為次は鍵を探りあてた。
ようやくではあるが、決してわざとではない。
わざとではないはずだ。
そして、鍵を取り出したのだ。
為次がんばった。
「と、取れました」
「はぁ、はぁ、ん…… あ、ありがとうございます。ご主人様ぁ」
そう言う少女は両手で胸を押さえ頬を赤らめていた。
ちょっとよだれも垂れている。
そんな少女を見ながら為次は思う。
写真を撮っておきたい。
と。
だが、為次はその欲望を抑え首輪と手枷を外すのだ。
「じゃあ、外すますですね」
「はい、お願いします。ご主人様」
鍵を開けると、首輪も手枷も直ぐに外れた。
金属製で結構重い。
首輪は戦っている時も付けていたのを為次は思い出した。
もしかすると、奴隷になってからずっと付けさせられていたのかも知れない。
その首輪を手に持ちながら為次は思う。
まだ続くのかコレは……
頭がおかしくなりそうだ。
と……
何も考えていないと言うよりは放心状態である。
それもそのはずである、知らない世界に来てから4日目。
つい、数日前までは日本で戦争をしていた為次であるが、今の状況はとても理解しがたい。
帰り道を無くして、知らない人の別荘を借りて、ドラゴンを倒して、金貨を手に入れて……
数日のうちに色々あり過ぎた。
あと、もっと大切なことを忘れている気がする……
何かマズいことをした気がする……
だが、現実とは思えないこの変な世界での出来事なのだ、考える必要もないだろう。
だから、為次は考えるのをやめていた。
30分くらい歩いただろうか? 階段を降りると為次は正気を取り戻した。
誰かに声を掛けられたからだ。
それは2人の兵士であった。
行きに出会った上級国民区画の番人である。
「おい! 貴様、ようやく戻ったのか。上級国民区画で変態行為でもしてるんじゃないかと心配したぞ」
「しかも、こいつ、奴隷まで買ってきやがるし」
隣の兵士が言った言葉の意味が為次には分からなかった。
「あ? ほ?」
「アホじゃない! 貴様の方がアホ面しやがって、いいご身分だな」
「奴隷? 奴隷って? 何言ってんの?」
「お前が手に握っている鎖の奴だ。そうだろう? 違うのか?」
「え? 鎖?」
為次は恐々振り返ると、首輪と手枷をした少女が袋を持って立っている……
重たい袋を持って今まで歩いてきた様子で、はぁはぁと肩で息をしていた。
「えっと…… 誰?」
「はぃ? 先程、ご主人様に買っていただいたのですが……」
「え? ご主人様? んっと、どっち?」
訊きながら為次は二人の兵士を交互に指した。
「なんで俺達なんだよ! バカかお前はっ」
「だって他に周りに人が居ないじゃないか」
もう一人の兵士も困惑気味だ。
「お前は何を言っているんだ?」
「その娘の鎖を握っているのは、お前だろっ!」
兵士の言葉に為次は冷たく硬い感触のある自分の左手を見る。
確かに鎖が握られている。
その鎖の先を目で辿ると少女の首輪へと繋がっていた。
「…………」
為次はようやくガザフ邸での出来事を思い出してきた。
確かに自分は奴隷を買った。
いや、買ってしまった。
買うつもりなどまったく無かったのに、買ってしまった。
焦る為次は考える。
やばい、ヤバイ、俺は何をしているんだ。
こんなの買ってどうすんだよ。
幸いここには3人しか居ない、いっそ全員撃ち殺すか?
……って、何を考えているんだ、そんなことできる分けないだろ。
落ち着け、俺よ、考えるんだ! しんきんぐた~いむ。
「…………」
為次は無い知恵を絞って考えた。
もっとも、考えたとこで無駄なのだが。
それでも頑張って考える。
そうだ! 思い出した!
俺はお腹が空いているんだ。
ご飯を食べれば万事急須。
いや、万事急須じゃダメじゃん。
つか急須ってなんだよ、お茶でも飲むのかよ、俺。
そうだ! お茶を飲めばすべて上手く行くって意味の四文字熟語に違いない。
間違いない。
などと支離滅裂な考えがまとまったらしい。
「すいません、お茶ください」
「は? 突然、何を言っているんだ?」
「なぜ俺達が、貴様にお茶をご馳走せねばならん!?」
怒る兵士とは反対に少女は為次に向かって深々と頭を下げる。
「ご、ごめんなさい…… 今はお茶が手元にありません…… も、申し訳ございません、ご主人様……」
恐怖で引きつった顔には薄らと涙が浮かんでいる。
「え? あ、あの…… お茶をって言っただけでありまして、なんで泣きそうなの? ねぇ、なんで?」
それを聞いた少女は、突然その場で為次に向かって土下座をすると必死に哀願を始めるのだ。
「も、申し訳ございません、お許しください。もう二度と泣きません、泣きません、どうかお許し下さいご主人様…… う、うぇ、うぐぅ」
泣かないと言いながらも、少女は顔を伏せたまま泣いている様子だ。
「おいおい、そういうのは家に帰ってからやれよ」
「ったく、ヒドイ奴だな」
二人の兵士は口々に為次を非難した。
「ちょ、ま、ええ!?」
最早、為次はこの状況が何がなんだか訳が分からない。
完全にパニックになってしまった。
階段を下りて、お茶下さいと言ったら少女が土下座しながら泣きだしたのだ。
色々抜けてるっぽいが、何も考えられない。
だから為次は突然叫びだす。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
すると土下座少女を左脇に抱え、右手にお金の入った袋を持ち、いきなり走り始める。
もうどうしていいのか分からず、とにかく逃げ出したかった。
だから走った。
「あ、行っちまった……」
「ほんとおかしな野郎だぜ、まったく……」
※ ※ ※ ※ ※
しばらく走り続けた為次は疲れた。
少女も袋も持って走るには重いのだ、そんなの当たり前だ。
為次は人気のない路地に逃げ込むと、肩で息をしながら座り込んだ。
「はぁ、はぁ、はぁ…… 疲れま、した」
そんな為次を少女は横に座りながらキョトンとした表情で見つめている。
為次も少女を見ると目が合った。
だが、少女がカワイイので慌てて目線を逸らすのだ。
「あ、あの…… うぐっ」
為次は何かを言おうとしたが、その言葉をすぐに飲み込む。
そして、今一度冷静になって考える。
お、落ち着け俺よ。
下手なことを言えば、また泣き叫ばれてしまいます。
そうです、そうなんです。
どうしよう? お茶がヤバイのは理解したかも。
おおっ! そうだまず首輪を外そう。
それがいい、そうしよう。
とりあえず次の行動を決めた為次は首に巻かれている首輪を手にしてみる。
鍵穴があった。
「あれ? 鍵持ってないよ、俺」
「首輪の鍵ですか?」
「はい、そうです」
「私の胸の内ポケットに入っています」
「ああ、そうなんですか、じゃあ出してもらっていいですか?」
「私が出せばよろしいのですか?」
「はい、そうです」
バカな為次は気が付いていないが、手枷をされている少女には内ポケットの鍵は取れない。
少女が鍵を取り出すには服を引き裂くしかないのだ。
だから、少女は躊躇いもなく自分の服の胸の辺りを破こうとした。
「ちょ、あーっと、待ってくだしあ」
「はぃ?」
「何をしてらっやいますか? ですか?」
なぜか敬語で喋っている為次。
自分でも何を言っているのかよく分からなくなってきた。
「え? 鍵を……」
「あーはいはい、よく考えたら、手錠を外さないと取り出せませんよね」
「大丈夫です、胸の所を破けば取り出せます。幸い生地も薄いので」
「あ、はい、でもちょっと待って下さい。何が幸いか分かんないけど」
「はい……」
為次は今とてもマズイ状況に置かれている。
少女が鍵を取り出すとおっぱい丸出しになってしまう。
かと言って、為次が取り出すのはさすがに危険だ、危険すぎる。
だから為次は悩んだ……
ど、ど、どうしよう……
このまま首輪を付けっぱなしで人混みの中を行く分けにもいかない。
ここで首輪と手錠を何とかして取り外さないと、くそっ。
当然おっぱい出しながら歩けとは言えない、ならば俺が取り出すしかない。
しかし、なんだってあんなとこに鍵を入れたんだ?
そもそも、そんなとこにポッケあるのもおかしいでしょ、嫌がらせか? ガザフの野郎め。
まあ、今はガザフのことはどうでもいいや、とにかく危険を承知で俺がやるしかないか……
やれるのか? 俺よ…… がんばれ、俺。
悩んだ末に為次は言う。
「あ、あのですね……」
ゴクリと生唾を飲み込む。
「はぃ?」
「その…… わたくしめが取り出してもよろしいでしょうか? 鍵を」
「はい。では、よろしくお願いします。ご主人様」
「で、でわ、失礼します……」
そう言いながら、為次はそっと少女の首元から服の中に手を入れた。
くっ、意外とおっぱいがデカイなこの娘。
などと思いながら為次が胸の辺りを探ると、何かの突起に手が当たった。
「んっ、んぁぁ」
少女は甘い吐息を漏らす。
「も、も、も、申し訳ございません。わざとじゃないんです。ほんとです、ほんとなんです。信じて下さい!」
為次は必死に謝りながら慌てて手を引き出した。
「は、はい、私は大丈夫です。お願いします、ご主人様」
「……はぃ」
そして、再びチャレンジするのだ。
少女の服に手を入れると、柔らかい感触が為次の手に伝わってくる。
「ぬぉぉぉ…… (うぉぉぉ、ふにふに ふにふに)」
「あっ、あぁぁん…… ん、んぁぁぁっ」
為次の手が少女の胸を触れるたびに、少女は身悶えしながら堪えている。
「はぁ、はぁっ、あっ、くぅぁぁ…… あっ、んんっ、はぁっ」
しかし、声は抑えられないらしい。
甘い吐息を漏らしながら、可愛い声で鳴き続けているのだった。
……………
………
…
しばらく、裏路地でこいつら何やってんの的なシチュエーションを二人は過ごした。
その成果もあり、なんとか為次は鍵を探りあてた。
ようやくではあるが、決してわざとではない。
わざとではないはずだ。
そして、鍵を取り出したのだ。
為次がんばった。
「と、取れました」
「はぁ、はぁ、ん…… あ、ありがとうございます。ご主人様ぁ」
そう言う少女は両手で胸を押さえ頬を赤らめていた。
ちょっとよだれも垂れている。
そんな少女を見ながら為次は思う。
写真を撮っておきたい。
と。
だが、為次はその欲望を抑え首輪と手枷を外すのだ。
「じゃあ、外すますですね」
「はい、お願いします。ご主人様」
鍵を開けると、首輪も手枷も直ぐに外れた。
金属製で結構重い。
首輪は戦っている時も付けていたのを為次は思い出した。
もしかすると、奴隷になってからずっと付けさせられていたのかも知れない。
その首輪を手に持ちながら為次は思う。
まだ続くのかコレは……
頭がおかしくなりそうだ。
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