私の恋人はイケメン妖なので、あなた達とは次元が違います!

つきの

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柳瀬の想い

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柳瀬 sideーー

それは、中庭での事だった。



「また会いたいな…。」


たまたま近くにいた桃原から、そんな言葉が聞こえてきた。


「え?誰に?」


「あ…。」


「ねぇ、姫ちゃん誰に会いたいの?え、もしかして好きな男の子とか!?うそー!いつの間にそんな人できたのー⁈どこの学校?うちじゃないよね?」

岸本が目を輝かせて桃原を見ている。


「ちょ、香奈!声大きいよ!」


…なに、頰染めてんだよ。

「ふーん、お前気になる男でもいんの?」



気がつけば、桃原に声を掛けていた。


「!ほんとあんた何でいつも人の会話聞いてるのよ!関係ないでしょ!?」


「…聞こえてきたんだよ。うるせぇな。」
俺だって声掛けるつもり無かったよ。

俺が不機嫌そうにしてたからか、桃原が不思議そうに見上げてくる。

クソ!こっち見んな!
可愛い…!


…そう、何を隠そう俺は桃原の事が好きだ。

あれだけ酷い事言っておきながら都合いい事は分かってる。
いつから好きなのか、それははっきりとは覚えてない。

本当はもっとあいつと話したいし、桃原の事を知りたいって思う。けど気恥ずかしさの方が増してしまって、つい思ってもない事を言ってしまう。


俺は「姫」って名前、好きだ。
明るくて元気で。そして何より可愛い。

勝気で男勝りなところもあるけど、本当はそんな所も好きなんだ。
こいつとの掛け合いも楽しいし、こんな面白い女もそういないと思う。

それなのに…


「そっかぁ、姫ちゃんにもやっと恋する相手が現れたんだね!」


「違うって!なんでそうなるの⁈」


「えー、だって姫ちゃんのさっきの顔、恋する乙女みたいだったよ?」


「っ、こ⁈恋!?」

まじかよ…。



「へー、桃原って好きな男出来たんだ?」

「その名前も教えたのかよ?」

あいつらは……
いつも桃原を揶揄って遊んでた奴らだ。
俺とは違って桃原に気持ちがある訳じゃない。


「何よ、悪い?それこそあんた達には関係ないと思うんだけど。」


「いや、だってさ。もしそいつが桃原の事好きになったとしたらさ、どんな奴か気になるじゃん?」

「女らしさ無ぇしなぁ。どこに魅力感じるんだよ。やっぱ見た目か?」

「もしかして遊ばれてんじゃね?大丈夫かぁ?」

桃原の表情が、一瞬傷ついたように見えた。
本当は、いつも俺達がそんな表情かおさせてるって分かってた。

俺は、本当はそんな事言いたいんじゃ無い。
ただ、今更なんて言えばいいのか分からなくて…。

でも、俺はもうやめる。


「やめろ、こいつの言う通り俺にもお前らにも関係ない事だろ。」


「…え?柳瀬?」

そんな驚いた顔すんなよ。笑える顔だな、おい。


「は?何だよ、柳瀬。お前だって思ってんだろ?」

「今更イイコぶんなくていいって。思った事はちゃんと口にしないと。溜め込むとイケないんだぜ?」


「別にそんなんじゃねぇ。
ただ俺はもう桃原にとやかく言うのやめるってだけだ。
……今まで悪かったな。」

謝って簡単に許されるとは思ってないけど…
このままじゃダメだと思うから。


「っどうしたの柳瀬、どっかで頭打ったりした⁈」

おい。

「お前、人の謝罪に対して失礼なやつだな。…とにかく俺はもうお前を揶揄ったりしないし、笑わない。
今まで本当に悪かったと思ってる。」


「えっと、…それは、嬉しいけど。えっと、どうもありがとう…?」

何でお前が謝るんだよ、やっぱ変なやつ。



「ふーん、まぁ俺達は思った事を素直に言ってるだけだし。」


「俺達嘘はつけねぇしなぁ。」


「…そういう事だから。お前らも程々にしろよ。今度ゆっくり話そうぜ桃原。」


「うん…。」


はぁ…。俺これからどうしたらいい?
今更気持ち伝えても、信じてくれないだろうしな。

ホント俺ってだせぇな。


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