私の恋人はイケメン妖なので、あなた達とは次元が違います!

つきの

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体育祭 1

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今日は待ちに待った体育祭!


律との出番は午後から。

昼休憩前には来るって言ってたけど、大丈夫かな?



その頃律は……



「なぁお前、姫を知らねぇか?」

ーーえ、何この人超カッコいいんだけど!!

ーー姫って私のこと⁈私ってお姫様みたいに可愛いかった⁈やだどうしよう!

ーー何でよ!確かにあんたは姫乃ひめのだけど、3組の桃原さんの事じゃない?



「おい、聞いてるか?俺の女なんだが。」

ーーえー!嘘ー!!

ーー桃原さんってこんなカッコいい彼氏いたの⁈

ーーショックー!

……女に無視されたのなんて初めてだぞ。
もういい。他を当たるか。


ーーねぇ見て、瑞希!あの人めちゃカッコいいよ!声かけちゃおうよ!

ーーえ、何?真奈…っきゃーーっ!!…バタッ。



「は?おい、大丈夫か?」

ーーちょっとしっかりして、瑞希!まだ傷は浅いわ!

ーーだめ…、なんてオーラなのっ…私こんなの耐えられない…!

ーー何言ってんの!これから話しかけなきゃいけないのよ⁈あんなイケメンを逃す気⁈

ーーで、でも!


「ここにまともな奴は居ないのか?」



行く先々で女子を卒倒させながら姫を探し歩いていた。




「もー、遅いなぁ律。」

もうすぐ午前の部終わっちゃうよ。

そんな事を思っていると、
後ろの方がヤケに騒がしい事に気付いた。



ーー誰あれ!超かっこいいー!

ーー身長高くてイケメンなんて、どんな優良物件!?

ーー彼女いるのかな⁈話しかけちゃう?

ーーダメよ!そんな事したら死ぬわよ!


ふーん?…そんなにかっこいい人?

まぁ、私の律に比べたらきっと月とスッポンよ!
律はイケメンなだけじゃなくて身長も高いし、小顔で銀髪に綺麗な赤目。
肌だって透き通ってるし、あの笑顔なんか胸キュンが治まらない。
良い所は見た目ばかりじゃないわ。
ちょっと意地悪なところもいいし、私を軽々と抱き上げてくれるところも好き。


あー、律の事考えてたら早く会いたくなってきた。

「律まだかなぁ。」

そう呟きながら騒動の元へ目をやると、


そこには皆の視線を独り占めしている律が立っていた。


「…律⁈」


いつもの如く皆を惹きつけるオーラを放っていてカッコいいが、問題はそのファッション。
首元の大きく空いた白のカットソーが律の体にフィットして体格の良さを醸し出している。
そして黒のジーンズは長い足を際立たせていた。
程よくアクセも身につけており、空いた襟から見える鎖骨と捲った袖から出ている逞しい腕がいい。エロかっこいいよ律!


THE・大人の色気!!

「っ何あれ…っ、かっこいい…っ!!」


見事に耳や尻尾は無く、髪型は変わらず短めの綺麗な銀髪だ。身長も高いまま。

どこからどう見ても人間。


でも、目立ち過ぎでしょーー!!


そんな事を思っていると、律と目が合った。


「あ、姫!悪ぃ、待ったか?」

こちらに歩み寄ってくる律。
そのキラキラした笑顔もヤバぃ…。


「や、大丈夫…。」


ーーえ、あの人桃原さんの知り合い⁈

ーーまさか、彼氏じゃないよね?

ーー嘘ー!彼氏だったらめちゃショックなんだけど!


ちょっと、私達さらに目立ってるよ律!
少しはそのオーラを収めて!


「そうかよかった。誰も姫の事教えてくれなくてな。
これから飯なんだろう?早く食べよう、腹が減った。」


「う、うん。こっち。」

私の事を誰かに聞いてたの?
お弁当はすでに持ってきているし、とりあえず早くここから離れたい!


「ね、中庭で食べようよ。」

あそこなら、律とゆっくり食べられるし!
そう言って中庭に向かおうとすると、


「あぁ、分かった。でも待て。」


「え?」

何?と言う前に律に荷物を取られ、右手を握られた。


はぐれるとまずいからな。これで行こう。」

何気に恋人繋ぎだ。


っ!もう律ーー!そんな素敵な微笑みやめてー!
私の心臓潰す気ですか!?

さっきから皆に見られているのと、律がカッコ良すぎるのとで、私はもういっぱいいっぱいだ。


と、そこに…


「姫ちゃーん!」

遠くから幼馴染の声が聞こえてきた。


「香奈。」

なんか凄い必死な感じを受けるけど…?


「もー、すごい噂だよ⁈
人間離れした男の人の事なんだけどね、とても綺麗で妖艶で、全ての女の子を射止める顔とスタイルを持ってて、彼女の事をお姫様のように「姫」ってイケメンボイスで呼んでて、一目見たら卒倒するくらいのオーラを放ちながら姫ちゃんを探してるって!」


香奈は駆け寄ってくるなりそう言い放った。


!?それどんな噂よ⁈
そんなに卒倒した子がいるの⁈
ここに来るまでどれだけの女の子を射止めて来たのよ律!


「…律、ここに来るまでにそんなに女の子に話しかけてきたの?」


「?あぁ。姫はどこにいるかって女達に聞いて回ってた。だが答えてくれた女は1人もいなかったぞ。酷いよな。」


「っ⁈運動場に来てって言ったじゃん!」


「悪い。」

律は周りのざわめきに一切動じていない様子だ。
結構、図太い神経持ってるよね。



「あの!私、岸本香奈です、はじめまして!貴方が噂の男の人ですよね!」

香奈は頰を染めて律を見上げてる。

…ちょっとジェラシーだよ律。ホントに皆のハートを射止めてどうするの⁈


「そうかよろしく。ほら、姫もう行こう。」

香奈には一瞬目をやったけど、一言答えて終わりだった。

あれ?ちょっと素っ気ない?


「姫ちゃん、姫ちゃん!凄いね、こんなにかっこいい彼氏!皆驚いてるよっ。」

そんなキラキラとした目で見られると、ちょっと照れる。


「ぅ、そうかな?」

凄いのは律がかっこいいからなんだけど、
そんな律が私と居てくれてることが素直に嬉しい。

散々揶揄ってきた男子達を見返してやりたい気持ちもあったけど、ここまで騒がれると流石に恥ずかしいというか…。こんなんで例の競技、大丈夫かな?


❇︎❇︎❇︎


それから私達3人は騒がれる中、やっとお弁当にありつけた。


「うん。上手い。これ全部お前が作ったのか?」

それは今日の自信作の唐揚げ!
今日のためにたくさんのメニューを作ってきた。

「そう!今日は張り切ってたくさん作ったんだから!」


「流石だな。」

律のために作った稲荷寿司もスーパーの中では最高級品の材料を使ったのよ!


「うんうん。稲荷寿司もちゃんと美味しい!」


それからも律は私の作ったお弁当を黙々と食べ続け、あっという間に全て平らげた。


「あー、美味かった。」


「私も姫ちゃんみたいに料理上手になりたいなぁ。」


「えへへー、照れるなぁ。」

良かった、美味しいって言ってもらえて。
頑張って早起きして作った甲斐があったよ~!


そんな幸せな気分に浸っていた所に、あの3人組が話しかけてきた。



「おー、噂通り本当にイケメンじゃん。ってか銀髪かよ。」


「桃原に頼まれて今日限りの彼氏っすか?お兄さんも大変っすねー。」


「なぁ、そんだけイケメンなら可愛い女の子腐る程いるんだろ?俺達にも女の子紹介して下さいよ?」

ニヤニヤと笑っている男子達を一目見ると、
律は心底不思議そうな顔をして私に尋ねてきた。


「なんだ?この低劣な奴らは。俺に話しかけてるのか?
違うよな?ニヤニヤと気持ち悪くて醜い顔だ。」


「…え、律?」


「時代の流れとは恐ろしいな…。人間の男とはこんな低劣なものだったろうか?お前は俺で良かったな。」

悪びれも無くそう言ったのだ。


「あ?お兄さん何言ってんの?」

「もしかして醜いって俺らの事じゃないっすよね?」


「何?自覚してないのか。そしてやっぱり俺に話しかけてたのか…。やめてくれるか?」

呑気に茶をすする律。


「はぁ?いくら年上だからってその態度は無いだろ。ふざけてんの?」


「年なんぞ関係ない。俺はただ低劣な奴らと話をするのが嫌なだけだ。時間がもったいないからな。分かったら失せろ。」


「えっと…。律、落ち着いて?
普段はあんなに気持ち悪い顔じゃないんだよ?」


「?じゃあ何故わざわざあのような気色悪い顔をする?それに愚かな行為もだ。あれで本当にお前と同年代なのか?している事はガキのようだぞ。」


「えー、うん、一応…」


「まぁ、確かに紹介できる女はいるが、
あれでは女も寄り付かんだろう。それに女の方が可哀想だ。
…!もしや、人間の女とはあのような男が好みなのか⁈」


「それは無い。私もこの人達は嫌いだし。」


「そうだな。そもそもお前は俺だけを好きでいればいいんだ。間違ってもこんな短足下等生物を好きになんてなるなよ?話すことも許さん。口が腐るぞ。」


ちょ、すごい辛辣!!どうしたの律⁈


「おいおい、あんた。さっきから聞いてれば、少し顔が良いからって調子に乗るなよ?」

「つーか、人間がどうのって、お前も人間だろ。頭おかしいんじゃね?」


「?別に調子に乗ってはいないし、おかしくもない。俺は至極真っ当な事を言っているだけだ。それに他人よりも自分の事を気にしたらどうだ?その愚かな行為と醜い顔でどうやって女を射止めるつもりか知らんが。

……鏡見たことあるか?」

律は心底哀れんだ目で男子達を見た。


「っ何だって⁈」

ちょっと、掴みかかって来そうな勢いじゃん。流石にマズいんじゃない?

「律、もうやめなよ!」


「何でだ?他人を妬むより、自分を磨く方が賢明だろう。
姫もそうやって努力をしてきたんだろ?努力してきた者を妬んで揶揄い、嘲笑うような奴、碌な人生を歩めないぞ。」


律、そんな風に思ってくれてたんだ。


「は?別に、俺達はただ思ったことを親切に教えてやってるだけだろ?」

「そうだぞ。あんた知らねぇの?こいつ、ガサツで男勝りだし、女の魅力なんてカケラも無ぇんだぞ?もしかしてこいつの事マジで好きとか?」


「…何が親切だ。愚かにも程がある。
それに姫の魅力ならばたくさんあるぞ。まぁ、お前らは知らなくても何も問題は無いがな。

だが、今後は誰であろうと姫を傷つける者は決して許さん。それを心して発言しろよ。」

男子達を睨む律の目は怖かったけど、その想いはとても優しいものだった。


「はっ、一々古臭い奴だな。年寄りかっての!もう行こうぜ。」


「っあぁ。」



年寄りって…。まぁ、900歳なので年寄りなのかな?

でも見た目は20代後半…。


「…年寄り?」


「おい失礼だな。まだ俺は900歳と言ったろ。人間にしたら30歳くらいだ。」


「え、そうなの⁈」

そんなに…。じゃあやっぱり私が死んでからも、律はずっとずっと生き続けるんだね。


「…俺はずっとお前といるからな。」


「うん。時間が許す限り、一緒がいいな。」


「もちろんだ。」

私と律は寄り添う。抱き寄せてくれるこの腕も、温もりも大好きだ。

私には律がいる。たったそれだけで心が強くなれるの。


「あのー、私まだいるんだけど…。(900歳ってなんだろ…?)」


「っ!香奈…!」


しまったぁ!完全に周りが見えなくなってたっ!


「…だからなんだ。おい、離れるな。」

ちょっと、抱き寄せないで!離れてほしいんだけど…!


「いや、律?あまり人前でくっつくのは恥ずかしいから…。」


「俺は問題無いぞ。」


「律は問題なくても、私にはあるのよ!」


「…そうか。分かった。」

そう言うと律は残念そうに抱き寄せる手を離してはくれたが、距離は依然近いままだ。


「ふふ、本当に仲良しなんだね。幸せそうでよかった。」


「ありがとう香奈。」


「…ふぁ、あー、腹もこなれたし、少し寝る。姫、膝貸せ。」

そう言うと、律は私の了承なしに膝へと頭を乗せてさっさと目を閉じた。


「ちょっと、律⁈」

今人前では恥ずかしいって話したばかりじゃん!


でも律は私の呼びかけを無視して、スヤスヤと眠る。

っほんと寝顔もカッコいいんだから!
私の心臓はいつ休まればいいのよ⁈



こうして騒がしいお昼休憩は過ぎていった。




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