私の恋人はイケメン妖なので、あなた達とは次元が違います!

つきの

文字の大きさ
14 / 18

海 1

しおりを挟む



「律~!夏休みだよー!海行こー!」


「俺には夏休みなんてものは無い。」
 

「えー、何言ってんの。年中休みみたいなものでしょう?」


「おい、酷い言い草だな。」


「うちの学校って夏休みはバイトオッケーだからさ、友達の親戚が経営してる海の家を手伝う事になって。
せっかくだし、律も行こうよ!1泊2日のお泊り!2日で結構お給金貰えるみたいだよ!」


「…仕方ないな。」


「やったぁ!!」






遡る事3日前ーー



「やっと明日から夏休みだよ~!」

「なぁ、桃はあの彼氏と上手くいってんの?」
 
「優希…。ま、まぁ。それなりに?」
 

「ねぇ、姫ちゃん!彼氏さんも含めてみんなでどこか遊びに行こうよ!」


「いいね!でも律来るかなぁ?」


「それは説得しといてよ!で、どこ行く?」


「あ、それなら私、親戚がやってる海の家を手伝う事になってるんだけど一緒にどう?お給金も貰えるし、午前の手伝いが終わったら午後は自由だし!!宿代も食事代もいらないよ!」


そう提案してきたのは同じクラスの日高 茉由実ひだか まゆみ
ちなみに最初の子は垣本 優希かきもと ゆうき。最近は何かと一緒のこの4人。


「うっそマジで?お金も入るなんて最高じゃん。行こうよ桃!」


「私も行きたいなぁ、姫ちゃんはどう?」


「うーん、一応律に聞いてみるね。私も皆と遊びたいし。」


という訳でのお誘いだった。


❇︎❇︎❇︎



そうして、当日。

目的の海の家がある町までは電車を使ってじゃないと行けない程には遠かった。
メンバーは私と律、香奈、茉由実に優希。
今日は駅の前で皆と待ち合わせだ。


「んふふー!その服もカッコいいね律!」

相変わらず色気を振りまいてるけど、カッコいいものは仕方ない。

「変な笑い方はやめろ。」


「酷い!だって嬉しいんだもん。また律と出かけられて。しかも今回は海だよ!」


「まぁそうだな。俺もお前と一緒にいれるのは嬉しいぞ。」


「そ、そう。えへへ。」


それにしても皆はまだかなぁ。約束の時間を10分過ぎたけど、大丈夫かな?



あ、来た。


「ごめーん!待った⁈」

香奈は2人と来たんだね。

「香奈、優希、茉由実おはよう。全然大丈夫だよ。」

「嘘だ、30分待った。」


「な、律シーッ!!」


「ホントごめんね、準備に手間取っちゃって。」

「大丈夫だから。電車の時間も余裕あるしね。
律、今回誘ってくれたのがこの子で、」

「茉由実って言います。私が誘ったのに遅れてすみませんでした。」

「あぁ。もういい。」


「それで隣の子が優希。2人ともいつも仲良くしてくれてるの。」


「よろしく律さん。」


「よろしくお願いします!」


「あぁ。いつも姫といてくれてありがとな。」


「律くん、姫ちゃん。今日は楽しみだね!昨日は眠れなかったよー!」


「りつくん…。」


「あ、ダメだったかな?」


「…別にどうでもいい。」


「ふふ、ありがとう。今日も律くんはカッコいいね!」


それから私達5人は予定していた電車に乗れたんだけど、思ってた以上に混んでいた。
しかも今は吊革も手すりも無いところで電車の揺れに耐えている状況だ。

これ、辛い…!体幹弱いから転びそう!
香奈達も必死そうだ。


「…姫、辛ければ俺に捕まっとけ。」

「え?」

見上げると、律はこの高身長だから普通は握るためにあるんじゃない吊革を吊るすためのパイプを握っていた。

「ありがと。ほんと大きいよね律。こういう時は羨ましいよ。」

お言葉に甘えて律の腰元を掴む。
香奈達は大丈夫かな?

「ふん、チビは大変だな。」

「チビ⁈」

その言葉に反論しようと顔を上げた時、電車がカーブにかかったのか、大きく揺れた。
私は咄嗟に律に抱きつく事で難を逃れたが…


「っきゃあ!」

「っと。…大丈夫か?」

「!う、うん。ありがとう律さん。」

転びそうになった茉由実の腕を咄嗟に掴んでくれたみたい。


「おぉ、反射神経すご。カッコいいな律さん。」

「ねー。律くん頼りになるー!」


「ねぇ律、人が空くまでは皆で律に捕まってちゃだめ?このままじゃ危ないよ。」

律は190㎝もあるから掴むところあるけど、私達は150㎝代のチビ組だ。
ちなみに私は先日160㎝から159㎝へ降格した。
優希も159㎝、茉由実は155㎝。
香奈に至っては150㎝だ。吊革にすら届かない。

「いいぞ。」


「ありがとう!ほら、皆転んじゃう前に律に捕まって!」

「じゃあ遠慮なく~」

「し、失礼します!」

「わーい!これなら安心だね~」


そして、バンザイする律を中心に4人の女の子がピタリと囲むという不思議な光景が生まれた。



ーー何だよあれ、ハーレムかよ。

ーークソ羨ましいっ!!見せつけんな!


不本意にも律は周りの男達から眺望と嫉妬の目で見られる羽目となったのだった。


それからもしばらく電車に揺られ、
やっと目的の町へと着く。



そして、目の前に広がるのは…


そう、海!!!



「わぁ~!海だぁーー!」
久しぶりの海!テンション上がるー!

「「海だーー!」」
優希も茉由実も上がってる。

「海ーー!」
香奈も同じく。

「…だからなんだ。」
そこで下がるなよ!


「もぅ、律ったら協調性大事だよ?」


「今日の目的は海だから来たんだ。別に叫ばなくても分かってる。」


「まぁまぁ、律さん!楽しみましょう!」


❇︎❇︎❇︎



それから私達は海の家を経営している茉由実の親戚のおばさんに挨拶をした。
午前中はしっかりとお手伝いをして、お給金と午後からの律との思い出作りのために頑張らなきゃ!

そして肝心のお手伝いの内容は、接客と客引きだって。
そこで、接客は私達が請け負うことにした。だって律は苦手そうだしね。

そう思って律には店の前で客引きをお願いしたんだけど…


全然お客さん来ないじゃん!

おかしいなー、律に引き寄せられてたくさん来ると思ったのに…
そう不思議に思って店の外に出てみると、

そこにはたくさんの女の人がいた。律を囲んで。
ちょっと!店に入って来ないんじゃ意味ないよ!


「ねぇ、お兄さん!この後一緒に海で泳がない?」

「えー、私と行こうよー?」


「俺にかまうな。お前達が行くべきはあっちだ。」
律はちゃんと仕事をこなそうとしてるみたいだけど。

「じゃあお兄さんが一緒に来てくれたら行ってあげるー。」

「俺はここを任されたから行けない。分かったら早く店に行け。」

…あんな客引でも女の人は寄ってくるんだね。流石、律。


「ねぇいいの姫ちゃん、律くんモテモテだよ?」

「んー、私は別に大丈夫だけど、律が女の子達にキレないかが心配かな。」

「そりゃ大丈夫じゃない?律さん大人でしょ。」

…そうだといいけど。


でも流石にこれ以上はお店に迷惑かけるだろうし、どうしよう。 

…なんて思っていたら、おばさんが店の奥から出てきた。


「ほらほら、あんた達!何してんだい。ウチに用が無いならさっさと海で遊んでおいで!」

「えー、私はお兄さんに用があるんだけどー。」

「私もー。」

「この子はウチの雇い人だよ。営業妨害はやめとくれ。」

「もうなんなの、おばさんに用なんて無いの!」

「俺もお前達に用は無い。」

「そんな事言わないで、ねぇあっちで楽しも?」

「ここよりもっと楽しいよ?」

…にしてもしつこいお姉さん達だなぁ。

私の彼氏なんだけど…!
ここまでしつこいといい加減ムカムカしてきた。

そんな雰囲気を感じ取ったのか、

「…姫、こっち来い。」

「なに…」

「私の事⁈やだぁ!お姫様だなんてっ、お兄さんもその気なんじゃなーい!」

「何言ってんの!私を見て言ってたでしょ⁈」

ちょっと!どう見ても律は私を見てたじゃん⁈どこに目ぇつけてんの⁈

「お前達じゃない。姫早く来い。」

「う、うん。」


お姉さん達の前に出るのは嫌だけど…仕方ないなぁ。まぁ、私彼女だし!

私は律に急かされ駆け寄った。


「…何この子。もしかして姫ってこの子?」

「子供なんて呼んでないの。あっちで大人しくお手伝いしてて?」

お姉さん達は律の前だからかニコニコ笑ってはいるけど、目は怖い。


「えっと、律?」

この状況どうしたら…


「こいつが俺の女で、お前達じゃない。分かるか?可愛いだろ?これで分かったよな?」

そう言い切ってくれたのは嬉しいけど、大勢の前で抱き寄せられると恥ずかしいんですが…。


「この子供が?」

「お兄さんの?」

ちょっと、今私の胸を見たでしょう!
そんなに子供に見える!?確かにCカップしか無いけど!
お姉さん達みたいな爆乳じゃないけど!


「そうだ。お前達とは雲泥の差だろう。」

「そうね。雲泥の差だわ。」

だから胸を見るな!
「悪かったわね!胸が小さくて!!」


「は?」

「あ。」

「「……」」

「…俺が言いたいのはそこじゃない。」

「…分かってる、ごめんなさい。」

もう、なんで私だけ恥ずかしい思いしなきゃなんないの⁈


「なぁにー、本当に恋人なの?
なんだ、残念。」

「でもお兄さんもうちょっとボリュームある子を選んだ方がいいんじゃない?私みたいな。じゃあねぇ、さよなら~。」



「「……」」



「酷い。」

「…大丈夫だ。俺はお前の全てが好きだぞ。」

「うん。ありがと…。」


他の人達も、私が出てきたからか律目当ての子達はブツブツ言いながらも引いていった。


「ぷふ、見てて面白かったよ、2人とも。」

「面白くない!小さい言われたのに!優希はいいよね、Eカップもあって。」

「ちょっと、そんな事デカイ声で言わないでよ!」



「「ふ、いいよね2人とも…。」」

「「あ。」」


香奈と茉由実は…可愛いよ。うんホントに。




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ハイスぺ幼馴染の執着過剰愛~30までに相手がいなかったら、結婚しようと言ったから~

cheeery
恋愛
パイロットのエリート幼馴染とワケあって同棲することになった私。 同棲はかれこれもう7年目。 お互いにいい人がいたら解消しようと約束しているのだけど……。 合コンは撃沈。連絡さえ来ない始末。 焦るものの、幼なじみ隼人との生活は、なんの不満もなく……っというよりも、至極の生活だった。 何かあったら話も聞いてくれるし、なぐさめてくれる。 美味しい料理に、髪を乾かしてくれたり、買い物に連れ出してくれたり……しかも家賃はいらないと受け取ってもくれない。 私……こんなに甘えっぱなしでいいのかな? そしてわたしの30歳の誕生日。 「美羽、お誕生日おめでとう。結婚しようか」 「なに言ってるの?」 優しかったはずの隼人が豹変。 「30になってお互いに相手がいなかったら、結婚しようって美羽が言ったんだよね?」 彼の秘密を知ったら、もう逃げることは出来ない。 「絶対に逃がさないよ?」

4度目の転生、メイドになった貧乏子爵令嬢は『今度こそ恋をする!』と決意したのに次期公爵様の溺愛に気づけない?!

六花心碧
恋愛
恋に落ちたらEND。 そんな人生を3回も繰り返してきたアリシア。 『今度こそ私、恋をします!』 そう心に決めて新たな人生をスタートしたものの、(アリシアが勝手に)恋をするお相手の次期公爵様は極度な女嫌いだった。 恋するときめきを味わいたい。 果たしてアリシアの平凡な願いは叶うのか……?! (外部URLで登録していたものを改めて登録しました! ◇他サイト様でも公開中です)

溺愛ダーリンと逆シークレットベビー

吉野葉月
恋愛
同棲している婚約者のモラハラに悩む優月は、ある日、通院している病院で大学時代の同級生の頼久と再会する。 立派な社会人となっていた彼に見惚れる優月だったが、彼は一児の父になっていた。しかも優月との子どもを一人で育てるシングルファザー。 優月はモラハラから抜け出すことができるのか、そして子どもっていったいどういうことなのか!?

俺を信じろ〜財閥俺様御曹司とのニューヨークでの熱い夜

ラヴ KAZU
恋愛
二年間付き合った恋人に振られた亜紀は傷心旅行でニューヨークへ旅立つ。 そこで東條ホールディングス社長東條理樹にはじめてを捧げてしまう。結婚を約束するも日本に戻ると連絡を貰えず、会社へ乗り込むも、 理樹は亜紀の父親の会社を倒産に追い込んだ東條財閥東條理三郎の息子だった。 しかも理樹には婚約者がいたのである。 全てを捧げた相手の真実を知り翻弄される亜紀。 二人は結婚出来るのであろうか。

溺愛彼氏は消防士!?

すずなり。
恋愛
彼氏から突然言われた言葉。 「別れよう。」 その言葉はちゃんと受け取ったけど、飲み込むことができない私は友達を呼び出してやけ酒を飲んだ。 飲み過ぎた帰り、イケメン消防士さんに助けられて・・・新しい恋が始まっていく。 「男ならキスの先をは期待させないとな。」 「俺とこの先・・・してみない?」 「もっと・・・甘い声を聞かせて・・?」 私の身は持つの!? ※お話は全て想像の世界になります。現実世界と何ら関係はありません。 ※コメントや乾燥を受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。

幼馴染の生徒会長にポンコツ扱いされてフラれたので生徒会活動を手伝うのをやめたら全てがうまくいかなくなり幼馴染も病んだ

猫カレーฅ^•ω•^ฅ
恋愛
ずっと付き合っていると思っていた、幼馴染にある日別れを告げられた。 そこで気づいた主人公の幼馴染への依存ぶり。 たった一つボタンを掛け違えてしまったために、 最終的に学校を巻き込む大事件に発展していく。 主人公は幼馴染を取り戻すことが出来るのか!?

『冷徹社長の秘書をしていたら、いつの間にか専属の妻に選ばれました』

鍛高譚
恋愛
秘書課に異動してきた相沢結衣は、 仕事一筋で冷徹と噂される社長・西園寺蓮の専属秘書を務めることになる。 厳しい指示、膨大な業務、容赦のない会議―― 最初はただ必死に食らいつくだけの日々だった。 だが、誰よりも真剣に仕事と向き合う蓮の姿に触れるうち、 結衣は秘書としての誇りを胸に、確かな成長を遂げていく。 そして、蓮もまた陰で彼女を支える姿勢と誠実な仕事ぶりに心を動かされ、 次第に結衣は“ただの秘書”ではなく、唯一無二の存在になっていく。 同期の嫉妬による妨害、ライバル会社の不正、社内の疑惑。 数々の試練が二人を襲うが―― 蓮は揺るがない意志で結衣を守り抜き、 結衣もまた社長としてではなく、一人の男性として蓮を信じ続けた。 そしてある夜、蓮がようやく口にした言葉は、 秘書と社長の関係を静かに越えていく。 「これからの人生も、そばで支えてほしい。」 それは、彼が初めて見せた弱さであり、 結衣だけに向けた真剣な想いだった。 秘書として。 一人の女性として。 結衣は蓮の差し伸べた未来を、涙と共に受け取る――。 仕事も恋も全力で駆け抜ける、 “冷徹社長×秘書”のじれ甘オフィスラブストーリー、ここに完結。

冷淡だった義兄に溺愛されて結婚するまでのお話

水瀬 立乃
恋愛
陽和(ひより)が16歳の時、シングルマザーの母親が玉の輿結婚をした。 相手の男性には陽和よりも6歳年上の兄・慶一(けいいち)と、3歳年下の妹・礼奈(れいな)がいた。 義理の兄妹との関係は良好だったが、事故で母親が他界すると2人に冷たく当たられるようになってしまう。 陽和は秘かに恋心を抱いていた慶一と関係を持つことになるが、彼は陽和に愛情がない様子で、彼女は叶わない初恋だと諦めていた。 しかしある日を境に素っ気なかった慶一の態度に変化が現れ始める。

処理中です...