片翼を染めた華

第一章

第八話 次男

ドタドタドタドタドタ、タッ

ドゴォォォ

「ぎゅうぇ」

　私と同じ年位で顔が一風に似ている無表情の男の子が無言で出突進してきた・・・・・・・が、わざとか、はたまた力加減を間違えたのか私に抱き着いてきた。もとい突進してきた。その為、私はカエルが潰れたような声を出した。一風は目を開いてびっくりしている。ん？なんかこの子が走ってきた突進してきたこと自体驚いているような・・・・・・・・・・ぐ、ぐぐ力が強い。つぁ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「お、おい陽仁はるひと、瑛菜が苦しんでいるだろう離してやれ」

　一風さんは焦りながら突進男と私と距離をおかせた。

「っは！ここはどこ？」

　私は陽仁という人が抱きしめている間、気を失っていたようだ。なんかすごく悲しかったそして懐かしかった様な気がした。



「「・・・・・・・・・・・・・・」」

　うん？なんか視線を感じるな。この場全員（使用人含めて）が私を見ているな、別に変なことしたかな？なんか微妙な目で見られているような・・・・・・・・・・気のせいかしかも陽仁っていう人も見られてるような。

「・・・・・・・・なに？」

「イヤ、お前陽仁に何かさせたか？？」

　一風さんは目を細めて私を見た。

「？・・・・見ていたどうり・・・・陽仁・・・・・さん？に突進されて、そしてすごい力で絞められたから普通にちょっと気を飛ばしていただけだよ。もし何か妖術で変なことをしようとしたら普通に潰すし（物理で）ね。」

「イヤ別に何でもない。ふぅでは席に着こう母上と父上はもうすぐ着くはずだ」

　一風は何かを誤魔化すように言葉を紡いだ。一風の言葉に使用人たちは動き出した。感情を見せない表情で。
　ん？なんか視線を感じるな、私は後ろを振り返ると陽仁・・・さん・・・・もうめんどーだから次男でいいか、次男はたまたまか私から顔を背けるように横を向いていた。私はまた前を向くと、また後ろから視線を感じた。さっきより早く振り返ると次男も早く振り返る。この行動をさっきからしている。止めるのは私がが負けた気がして止められなかった。私って意外と負けず嫌いなのかな？くだらない動きをしながら、そう思った。くっあっちの動きも早いクソ、すぐ後ろを振り返らないでスキをついてやる。チッこれもちゃんと反応しやがった。しかも無表情で！！次は堂々とすごく早く振り返ってやる。

「・・・・・・・・・陽仁と瑛菜、ご飯が冷めちゃうから食べようか。えっとその行動をしたいならご飯を食べてからしたら？？」

　庵司おじさんと桃百ちゃんは話し合いを終えたのか部屋に入ってきて、陽人と私の行動を不思議に思いずっと見ていたらしいが庵司おじさんが我慢できずに声を出したらしい。（桃百ちゃん談）

　庵司おじさんの言葉に次男は無表情でこちらを見てきた、私は笑顔で陽人を見た。初めて私と次男は初めて目を合わせた。

「「いや、いい（です）」」

庵司おじさんはテーブルの上座に座った。桃百ちゃんは上座側の右側に座り一風は桃百ちゃんの隣に座った。そして次男は上座側の左側に座った。私は陽仁の隣に座った。全員座ったころに食事が運ばれてきた。まぁまぁ豪華だった。　　

「「「「いただきます」」」

私以外の人は手を合わせていただきます言った。あれ何でこんなことするんだっけ？・・・・・・・・・・・・・

















「ふふ何故手をあわせて‘‘いただきます‘‘っていうのわね料理の食材となった自然の恵みに感謝するためなんだよ。」

なんで？わたしたちがつかまえたのに？？

「確かにそうだね。だけどね命は巡るんだ。何でこのイノシシは生きていたと思う？正解はねドングリやタケノコやクリなどの自然の恵みから生きてこられたんだよ。そしてイノシシは死んで土にかえり木や草の栄養となるんだよ」

そうなの？

「うんそうだよ。だからね、瑛菜当たり前に物ある人がいると考えてはいけないんだよ。一つの些細な出来事で全てがなくなることだってあるだから感謝するんだよ」

えっ父様も？いなくなっちゃうの？すごく強いのに？やだよ！

「ふふ僕はまだ死なないよ。瑛菜これから一人で生きることを余儀なくされることになるだろう。けれどいつか君が大切だと思う人たちに会えるよ。だから――――――」
























「瑛菜？？どうしたんの？さっきから読んでも返事をしないし」

　桃百ちゃんがこちらを心配そうに見つめていた。私は顔に笑みを張り付けた。


「大丈夫何でもない」


　温かくて美味しいご飯を食べ始めた。