幽霊倶楽部メルティキッスにようこそ

月樹《つき》

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白珪学園編

第十五話 活動開始

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『おばあちゃんのご飯、もっと食べる~!!タカラと離れたくな~い!!』
 と、さんざん駄々をこねていたルークお兄様も…
『これ以上、我儘言って仕事を溜め込むようなら、来月は全て片付けるまで行かせませんよ!!いいですか?私は手伝いませんからね!!』
 と側近のギルバート様にTV電話で脅され、泣く泣く帰っていきました。

 おばあちゃんは『まぁまぁ…』と笑顔で見送りつつも、ちょっと寂しそう…。
 お兄様、細身なのにすごく食べるから
『やっぱり若い男の子は食べっぷりが良いわ~』
 と嬉しそうでしたからね…。

 お兄様もいなくなり、また穏やかな日々が戻ってきました。

 こちらで初めて受けた定期テストは、歴史が聖アルメリア王国のものとは異なるため、少し苦戦しましたが…他はまずまずの成績をおさめることができました。
 語学もあちらでは五か国語を話しておりましたので、プラス一か国増えるぐらいは、そう難しくありません。
 たぶん耳が良いので、聞いた発音をそのまま覚えるのが得意なのだと思います。
 定期テストが終わると、クラブ活動も本格的に始まりました。


 幽霊倶楽部メルティキッスでは、毎週水曜日に定例会があり、みんなで活動内容を決めます。
 もちろん、その日はタナトスさんが準備してくれるアフタヌーンティー付きです。
 私のお気に入りは、新鮮な果物がたっぷりのフルーツタルトですが、倶利伽羅くんは甘い物よりもサンドイッチなどの方が好みのようです。
 大道寺先輩はクリームをたっぷりのせて食べるスコーン。
 椿先輩や花屋敷家の皆様は、何故かいつも紅茶のみです。

 定例会以外にも、急ぎの案件があると、椿先輩が授業中でも呼びに来るのですが…

 先日も…

『一大事よ!!今こそ幽霊倶楽部メルティキッスの腕の見せどころ!!』
 と椿先輩が教室に乗り込んで来たので…

「うっ…先生、急に気分が悪くなりました…」
 と私が手を挙げ、

「先生、心配なので僕が保健室に連れて行きます」
 と倶利伽羅くんが付き添うかたちで、二人して教室を抜け出し、現場に駆けつけると…

     「みゃ~みゃ~」

 可愛い子猫ちゃんが高い木に登って降りられなくなっておりました…。

 私はスカートなので、倶利伽羅くんが木に登ってくれたのですが…
 ビックリした子猫が木から滑り落ち、それを下にいた私がキャッチする…ということで、無事ミッション成功です。

 一昨日は、テレパシーで授業中に呼ばれて…

「先生…お腹が…痛たたた…」
「先生、心配なので僕がトイレに連れて行きます」

 そして、椿先輩に指示された場所に行ってみると…花壇の植え替え作業中にギックリ腰になった用務員さんが倒れていたので…

 「済まないね…。最近の中学生はすごいな~。
 ところで君達授業中では…?」

 倶利伽羅くんと保健室まで送り届けました。
 用務員さんは少しホッペを赤らめ、照れながらも大人しくお姫様抱っこで運ばれて行きました。

 用務員さん、割と大柄な人だったのですが…意外にも、軽々と安定した状態で抱えていたので、倶利伽羅くんは相当な力持ちのようです。

 今度から力仕事は全て倶利伽羅くんにお願いしましょう♪
 大道寺先輩は見るからにひ弱そうで、役に立たなそうですからね。


 ~・~・~・~・~

 そんなこんなで…頻繁に授業を抜け出し活動に赴いても、学園長先生との約束があるため、先生方に注意されることはなかったのですが…

 あまりにも頻繁に二人で抜け出すので、私と倶利伽羅くんがお付き合いしている…と噂されていることに、空気を読めない私とボッチの倶利伽羅くんが気付いたのは…だいぶ後のことでした…。


 ■□■□■□■□

 お読みいただきありがとうございます。
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