幽霊倶楽部メルティキッスにようこそ

月樹《つき》

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白珪学園編

第十六話 肝試し大会①

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 順調に日本の中学生活を満喫していたら、あっと言う間に一学期も終わりに近づき、もうすぐ夏休みに入ります。

 今年の夏休みは、そろそろ本格的に後継者を見つけたい!!という学園長の依頼で…
『来栖家恒例肝試し大会』を学校で行うことになりました。
 この肝試し大会に椿先輩や文雄様も混じり、が次の後継者に選ばれるそうです。
 今の学園長も、高校生の時に気軽な気持ちで参加した肝試し大会で、文雄様が見えてしまったために次期学園長になることが決められ、大学も教育学部に進路変更されたそうです…。

 ちなみに…学園長は来栖家から、理事長は花屋敷家の血筋から選ばれることが多く、今の理事長は紫藤しどう理人りひと様と名前は花屋敷ではないけれど…綾人様の子孫の方です。
 まだ三十代と理事長としてはお若いのに、とても教育熱心で…
 現在はアメリカの提携校に視察に行かれていて…九月に交換留学生を連れて戻られるそうです。

 残念ながら、花屋敷家の血筋は方が少ないらしく…
 現在の紫藤理事長も見えるのか見えないのか定かではありません。
 ただ、見えない理事長にも花屋敷家の家法として『幽霊倶楽部メルティキッス』は存続させるように申し送りされているそうです。
 

 肝試し大会…手伝うのは構わないのですが…夏休みは一度に帰省しないといけないため、早めにしてほしいのですよね…。

 ~・~・~・~・~

「え~っ、肝試し大会と言えば…やっぱりお盆くらいじゃない?」
 いい年した学園長がカワイコぶっても、ちっとも心揺さぶられません。

「僕も、お盆はお寺うちの手伝いがあるので…早い方がいいかも…」
 残念ながら、今回は大道寺先輩も私の味方です。

「倶利伽羅くんもお盆はダメかい?」
 最後の砦とばかりに、倶利伽羅くんに助けを求めるも…

「すみません、僕も夏休みは家の用事が入っていて…」

 部員全員に断られ、結局夏休み入ってそうそうに『来栖家恒例肝試し大会』は行われることになりました。


『まず会場はこの旧校舎でしょ?
 そしてスタートはあの入口のドア前として…』

 肝試し大会の陣頭指揮は、常連の文雄様がしてくれます。
 この肝試し大会はある程度候補者(次期学園長候補)が出揃ったところで行われるため、不定期開催です。
 前回行われたのは、なんと20年前…。
 その時は残念ながら、誰も見える人が出なかったそうです…。
 結構手間なため、ちょうど良い年頃(中高生ぐらい)の候補者が3人以上揃ったタイミングで行うそうですが、最近では少子化で…なかなか子供が揃わないそうです。
 私達の部員の役割は、フェイクのお化けに扮したり、舞台装置を操作すること…。
 この『肝試し』の本命は文雄様と椿先輩で…この2人は仮装したりするわけではなく、普通に立っているだけなのです。

 運悪く2人に気づいてしまった人は、部室直行。
 気付かない人は、そのままゴールの正面玄関にたどり着くようになっています。

『必要な道具は…まずコンニャク追加でしょ…。それから…倶利伽羅くんはチャイナ服でキョンシー役ね。
 タカラちゃんは…ピンクのナース服なんてどう…?』

 文雄様、意外とこういうのが好きなようでキビキビと指示をしてくれます。
 でも、なんで幽霊に扮するのにピンクのナース服が必要なのかしら…?

 そういえば…

 クラブにもすっかり打ち解けたので、文雄様や椿先輩、タナトスさんからは、呼びされるようになりました。
 倶利伽羅くんは…何故か倶利伽羅くんのままですが…。

 人見知りの激しい大道寺先輩は、いまだに後輩2人に対して、心の距離があるのか名字呼びのまま…。


 そして倶利伽羅くんは… 

「タカラ、文雄さんの言うことなんて聞く必要ないから…」
 何故か呼び捨てになりました…。

 出会ってたった3ヶ月程で、どうやら彼の中で私は、ぞんざいに扱っていい存在になったようです…。


 ■□■□■□■□

 お読みいただきありがとうございます。
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