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白珪学園編
第十八話 肝試し大会③
しおりを挟む誘導灯のように足元を火の玉が照らすなか、三階まで上がると、何処からともなく怪しげな木魚を叩く音と、かすかに御経を読む声が聞こえてきます…。
科学部部長の政明としては、怪しげな木魚の音よりも、この火の玉がどういう仕組みで灯っているのかの方が気になりました。
謎を解き明かすため触ろうとすると…逃げる火の玉…。
この世の中に科学で解明出来ないものなど存在しない!!と考える彼は、目の前の火の玉を分析して納得できなければ前に進めません。
結局、彼はタイムアップまで火の玉と追っかけっこして…最後は火の玉にゴールの正面玄関まで導かれて終わりました…。
火の玉はタネも仕掛けもあるわけではなく、本物の火の玉なので、解明できるはずありません…。
またこれは誰でも物理的に見えるようになっているので、火の玉が見えても幽霊が見えるわけではなく…
仕方がないので、一度火の玉が椿先輩が待機する場所まで連れて行ったのですが、彼は全然気づかなかったため…後継者候補からは外されました。
二番手の尚明は、特に火の玉に興味を示すこともなく、無事3年6組にたどり着きました。
そこでは“耳なし芳一”に扮した大道寺先輩が、特殊メイクで耳が無い状態で血を流しながら、木魚を叩き御経を読んでいます。
その芳一が木魚を叩きながら、指し示す黒板には…
次のポイント『音楽室に進め』の文字が…
「君…確か6組の大道寺君だよね?
こんなところでそんな格好で何をしてるの?
お家がお寺だから、学園長に協力してくれるよう頼まれたのかな?
うちの親戚がお手数を掛けてごめんね」
さすが、生徒会長。
陰キャで地味で目立たない大道寺先輩のことも知っていたようです。何と家業まで…。
こんなに怖がらせようと特殊メイクまでしているのに、いつもと変わらない爽やかな笑顔で話しかけられたら、仮装している方が恥ずかしくなります…。
「それはもしかして“耳なし芳一”なのかな?
でも耳なし芳一なら、全身裸に御経姿なので、袈裟は着ていないはずだよ」
爽やかな笑顔で、更にトドメを刺してくる彼は、意外と腹黒なのかもしれません…。
「次は音楽室に行けばいいのかな?
お疲れ様。もう少しの辛抱だから、頑張ってね」
結局、大道寺先輩はアワアワして一言も返せないでいる間に、彼は次の目的地へと向かいました。
大道寺先輩がショックで呆然としている頃…まるで旧校舎の造りを知っているかのように3年6組に直行した3番手の千明が来ていたのですが…全く気づかず…
千明も外から教室を覗いて次の行き先を確認すると、そのまま中に入ることなく次の音楽室を目指しました。
その頃、音楽室では…次の刺客が準備万端で、彼らが来るのを今か今かと待ちかねておりました…。
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お読みいただきありがとうございます。
少し短いですが、切りが良いので続きは次話にまわします。
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