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月樹《つき》

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白珪学園編

第三十二話 体育祭⑪

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 倶利伽羅くんのお昼はシンプルなおむすび2つだけだったので、早々にそれは食べ終えてしまい、私達と一緒にユカリおばあちゃんお手製のお弁当に舌鼓を打つことになりました。

 そう言えば…サッサとお昼を済ませてどこかに行ってしまうので気づきませんでしたが…倶利伽羅くん、いつもおむすびだけだったのかもしれません…。



 ユカリおばあちゃんはお料理上手なので、どのおかずも美味しいですが…

 倶利伽羅くんもやはり男の子…特に好んだのは肉料理のようです。

 そのなかでも特に気に入ったのは…

「あっ…!!」

 私が楽しみに取っておいたタコさんウィンナー最後の一つを、倶利伽羅くんに取られてしまいました…。

 この形が気に入ったのか味が好みなのか…すでに5個も食べています。
 私はまだ3個しか食べてないのに…。

 私の目がよほど物欲しげに見えたのか、倶利伽羅くんに…

「食べるか?」

 とタコさんを目の前に突き出されたので、思わず条件反射で食べてしまいましたら…



「タカラ~!!何してるの!?
 今、もしかしてア~ン♡ってした?
 恋人なの?お兄ちゃんに黙って、もう二人はお付き合いしてるの!? 
 お兄ちゃんがア~ンしても食べてくれないのに…?」
 ルークお兄様が壊れました。

 ノアお兄様も一瞬驚いた表情で私達を見ましたが、私の食い意地に呆れて言葉が出てこなかったようです…。

「みんなしっかり食べてくれて良かったわ。タコさんウィンナーはなくなったけれど、まだまだ唐揚げも肉団子もありますからね」
 ユカリおばあちゃんは優しい眼差しで私達を見ながら、お弁当を勧めてくれました。
 その間も英おじいちゃんは嬉しそうに、黙々とゴボウの甘辛煮を食べていました。おじいちゃんの好物ですからね…。



 朝、おばあちゃんが『作りすぎたかしら?』と心配していたお弁当は一つ残らず平らげられ、これから午後の部が始まります。


 案の定、ルークお兄様は保護者参加の綱引きに参加しようとしていましたから、必死に止めました…。

 その交換条件として、お兄様にデザートの苺をア~ン♡で食べさせられましたけれど…。

 ルークお兄様、何故かドヤ顔で倶利伽羅くんを見て…

 それにムッとした倶利伽羅くんが、対抗して私の前ににリンゴを差し出し…

 ノアお兄様には信じられない…といった目で見られました…。



 もちろん、目の前に大好きなリンゴを出されたので食べましたけれど…何か?

 
 ~・~・~・~・~


 お昼からの競技も、しっかりお弁当を食べて復活したので頑張ります!!


 玉入れ出場の合図がかかり整列すると…赤組のカゴ持ちは何と生徒会長でした…。

 カゴ役はボールを入れられないよう逃げ回るため、敵チームの誰かが担当するのですが…



 (ここで会ったが100年目…仕留めて良いということでしょうか…?)


 
 嫌がらせかと思いましたが…
 他のクラスのカゴも足に自慢の人が持つ場合が多く、赤組からも体育会系の団長が出ていました。
 でもあえて私が出場すると分かって、自分が赤組を担当できるようにするくらいの小細工はしていそうですが…。
 こちらとしても、生徒会長が相手なら遠慮なく狙えるというものです。


 開始のホイッスルが鳴ると腹が立つくらいちょこまかと逃げ回るので、10個くらいまとめてカゴ目掛けて投げました。
 生徒会長は思わずその衝撃で前につんのめりそうになりましたが、必死にこらえました。

 何回か投げるうちに、生徒会長が倒れないギリギリの限界数を16個と見定めたので、毎回その数でまとめて投げると…何故かギロリと睨まれました…。

 みんなが投げるのと同じタイミングで投げているのに…どうして私だとバレたのかしら…?

 玉入れはもちろん赤組の勝利でした。 
 カゴの中の玉は、係りの人の合図に合わせて担いでいる人が数えるのですが…
 うちのクラスだけ玉の数の桁が違ったため、会場は大いに沸きました。

 数え終わった後、会長には意味ありげな目で見られましたが…他の人には分からないように投げましたし、私がやたっという証拠はありません。


 競技はその後も順調に進み、最後のリレーとなりました。

 今のところ、順位は白組が1位、赤組が僅差でそれを追いかけます。


「勝つから」

 そう言いながら人の頭をポンっと叩くと、倶利伽羅くんは招集場所へ向かいました。
 借り物競争では二人とも失格でドローになったので、生徒会長との戦いはまだ続いているようです。


 ■□■□■□■□

 お読みいただきありがとうございます。

 書き上がるのが遅くなりごめんなさいm(_ _;)m
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