73 / 256
取引と責め苦
しおりを挟む
「……どういうことか説明してもらいましょうか」
「ふふ。意外と冷静なんですね。このような状況なのに」
明智さまは「いや、このような状況だから、でしょうか」と軽く笑った。
そうだろう。生殺与奪が目の前に居る明智さまに握られていることは明らかだった。
だから――己に冷静さを強いる。
「私は雲之介殿に説明をする義務があるでしょう。しかしそれはできません」
「何故――ですか?」
「駆け引きなしで言います。私はいずれ、あなたをここから出すつもりです」
思わぬ解放の宣言。一瞬だけ安心した――すぐさま引き締める。
明智さまの言葉が真実である確証はない。油断大敵だ。
「だからこそ、あなたの置かれている状況や理由を説明することはできないのですよ。知ってしまえば、殺さざるを得ない」
「……一切話すことはできませんか?」
「私にも立場がありますから。しかしそれでは雲之介殿が不憫ですね。言える範囲なら、答えましょう」
僕は囚われの身になって一番気にかかっていることを訊ねる。
「僕の家族――志乃や子どもたちは、無事なのですか?」
「ほう。あの場に居た公方さまのことは心配なさらないのですか?」
少々面食らってしまった明智さま。僕は「確かに義昭さんのことも心配です」と返す。
「僕は武士になりきれていないようです。家族を第一に考えてしまう」
「……気持ちはよく分かりますよ」
何故か明智さまは悲しそうな顔をした。僕を同情しているのだろうか。
「あなたの家族は、私が保護しています。安心してください」
「……閉じ込めておいて、その言葉はないんじゃないですか?」
「それでもあなたは信じるしかない。そうでしょう?」
信じ難い。しかし信じるしかない。
僕は頷いた。
「ちなみに公方さまも無事ですよ。一覚さんもね」
明智さまが次に聞きたかったことを先回りして言ってくれた。
となると明智さまの謀反ではない……ではどうして僕は囚われているんだ?
「僕を閉じ込めた理由は?」
「言えません」
「ここはどこなんですか?」
「言えません」
「明智さまの企みですか?」
「言えません」
むう。何一つ答えてくれない。
しかし分かったこともある。一連の問いこそが『知ったら殺さなければならない理由』かもしれない。
それに『言えません』と答えた。『言いません』でも『答えません』でもない。
微妙な言い回しだけど、何か手がかりになりそうだ。
「雲之介殿。これからあなたに外の情報を伝えることはないでしょう。というより、私がここに来ることはないでしょう」
「ずっと一人きりってことですか?」
「ええ。決まった時刻に食せるものを運ばせますから。一人でも耐えてください」
こんな場所に居たら気が変になりそうだ。耐えろと言っても耐え切れるかどうか……
「雲之介殿。取引しませんか?」
不意に明智さまが言い出した。
取引?
僕は何を差し出すのか。
見返りに何をくれるのか。
「もしも私が死んだら、妻と子どもたち、家臣たちを頼まれてくれませんか?」
それは、死ぬ可能性があるということ。
加えて、死ぬようなことをするということ。
「……閉じ込めておいて、都合の良い話ですね。それに代価は? 代わりにここから出すとでも言うんですか?」
「それは関係なしにいずれ出してあげますよ。代価は……あなたの記憶に関することです」
僕の記憶? まさか――失った記憶のことか!?
「ど、どういうことですか? そもそも、どうしてそのことを?」
「公方さまから聞きました。それと私はあなたの『秘密』を知っている――」
秘密? 記憶ではなく?
「それは一体、どういう――」
「……しっ! 誰か来ます」
確かに足音がする。こちらにやってくる……
「明智さま。そろそろお時間です」
来たのは、足軽の格好をした男だった。
「そうか。すぐに行く――雲之介殿、先ほどの取引、了承してくれますか?」
僕は……悩んでいた。汚い取引ではない。明智さまの家族を思う気持ちは痛いほどよく分かる。
「……ま、ゆっくり考えてください。時間ならたっぷりとある。あなたが応じてくださったら、私も遵守しますよ」
そう言って、明智さまは足軽を伴って、歩き出す。
「待ってください! 最後に一つだけ聞かせてください!」
僕の問いに足を止める明智さま。
「……なんでしょうか?」
「今回の一連の出来事の黒幕は、あなたですか?」
明智さまは振り返ることなく、端的に答えた。
「違います。私ではありません」
「――では誰が?」
「最後に一つだけ、ですよね」
そう言い捨てて、今度こそ去ってしまう。
後に残されたのは僕一人。
「くそ! どういうことなんだ!」
愚痴っても誰も応じてくれない。
でも分かったことがある。明智さまは黒幕ではない。
『私にも立場がありますから』
確かにそう言った。ということは誰かに従っているということで。
黒幕は他に居る――
食事は日に二回運ばれてくる。日に二回というのは腹の空き具合からの推測だった。
牢屋の端に石ころが数個置かれていて、僕は壁に傷を付けて、運ばれてくる食事の回数をつけた。
あまりに退屈なので食事を運んでくる係の兵士に話しかける。でも口を利いてくれない。
書物などを要求しても応じてくれないので、子どもの頃にお市さまから貸していただいた史記や西遊記の内容を思い返す。それでもすぐに飽きてしまった。
気が狂いそうになる。誰かと話したい。
次第に寒くなる牢屋。布団すらない。風呂にも入れないので、身体中が臭いし不快感で一杯だった。着物も悪くなっている。便所もないので隅でするしかなかった。
もしもあの世があり、地獄が存在するなら、何も無いところに閉じ込めることが最大の罰ではないだろうか?
そう錯覚するほどの責め苦だった。
志乃たちは大丈夫だろうか? 僕と同じ状況に陥っていないだろうか?
秀吉は? 大殿は? 義昭さんは?
何一つ分からないことの苦痛。
多大な負荷を心にかけられている生活が、九十二日――壁に百八十四個の傷をつけたところだった――が続いたとき、にわかに声が聞こえてくる。
何かが燃える音も聞こえる。争うような声も。
何が起きているんだろう。
よろよろと格子の前に立つ。
その音はずっと続いた。
音が続いてから、食事が一切運ばれなくなった。光も消えた。
空腹で、何も考えられない。
喉が酷く渇く。地下牢にできた水滴を舐める。吐き気がした。
自分の手を見つめる。肉だった。いやそれはできない。
それから、しばらく経って、音が大きくなったと思ったら。
「雲之介! ああ、ようやっと――」
誰だ……? 僕の名前を、呼んだ、のは……
「ひ、ひでえ! おい、水を持って来い!」
僕の肩を抱いて、ゆっくりと水を飲ませる、誰か。
「おい兄弟! しっかりしろ!」
空腹で、何も見えない。
でも助かったことは、分かった。
起きたら牢屋ではなかった。
畳の上だった。もっと言えば布団に寝かされていた。
ごつごつとした岩の上ではない。
「ここ、は……」
「――っ! 秀吉さん! 兄弟が目を覚ました!」
はっきりとは分からないけど、正勝の声だ。
「雲之介くん! ほら、粥を食べてくれ!」
秀長さん、かな……
口に温かいものが運ばれる。ゆっくりと飲み込む。
美味しかった。
「雲之介! 良かった、生きててくれたか!」
手を握られる。ようやくはっきりと見えた。
猿みたいな顔――秀吉だった。
「秀吉……ここは、僕は生きて……」
「ああ、生きておる! すまなかった、わしの憶測で、おぬしをこんな目に……!」
「お腹、空いた……」
「そうだな! 秀長、粥を食べさせろ!」
僕は生きている。粥を食べながら、それだけ感じられた。
「志乃は……? 晴太郎とかすみ……」
「大丈夫だ。三人とも無事だ!」
安心して、気を抜いて。
僕は再び眠ってしまった。
全ての真相を聞くのは、三日後のことだった。
「ふふ。意外と冷静なんですね。このような状況なのに」
明智さまは「いや、このような状況だから、でしょうか」と軽く笑った。
そうだろう。生殺与奪が目の前に居る明智さまに握られていることは明らかだった。
だから――己に冷静さを強いる。
「私は雲之介殿に説明をする義務があるでしょう。しかしそれはできません」
「何故――ですか?」
「駆け引きなしで言います。私はいずれ、あなたをここから出すつもりです」
思わぬ解放の宣言。一瞬だけ安心した――すぐさま引き締める。
明智さまの言葉が真実である確証はない。油断大敵だ。
「だからこそ、あなたの置かれている状況や理由を説明することはできないのですよ。知ってしまえば、殺さざるを得ない」
「……一切話すことはできませんか?」
「私にも立場がありますから。しかしそれでは雲之介殿が不憫ですね。言える範囲なら、答えましょう」
僕は囚われの身になって一番気にかかっていることを訊ねる。
「僕の家族――志乃や子どもたちは、無事なのですか?」
「ほう。あの場に居た公方さまのことは心配なさらないのですか?」
少々面食らってしまった明智さま。僕は「確かに義昭さんのことも心配です」と返す。
「僕は武士になりきれていないようです。家族を第一に考えてしまう」
「……気持ちはよく分かりますよ」
何故か明智さまは悲しそうな顔をした。僕を同情しているのだろうか。
「あなたの家族は、私が保護しています。安心してください」
「……閉じ込めておいて、その言葉はないんじゃないですか?」
「それでもあなたは信じるしかない。そうでしょう?」
信じ難い。しかし信じるしかない。
僕は頷いた。
「ちなみに公方さまも無事ですよ。一覚さんもね」
明智さまが次に聞きたかったことを先回りして言ってくれた。
となると明智さまの謀反ではない……ではどうして僕は囚われているんだ?
「僕を閉じ込めた理由は?」
「言えません」
「ここはどこなんですか?」
「言えません」
「明智さまの企みですか?」
「言えません」
むう。何一つ答えてくれない。
しかし分かったこともある。一連の問いこそが『知ったら殺さなければならない理由』かもしれない。
それに『言えません』と答えた。『言いません』でも『答えません』でもない。
微妙な言い回しだけど、何か手がかりになりそうだ。
「雲之介殿。これからあなたに外の情報を伝えることはないでしょう。というより、私がここに来ることはないでしょう」
「ずっと一人きりってことですか?」
「ええ。決まった時刻に食せるものを運ばせますから。一人でも耐えてください」
こんな場所に居たら気が変になりそうだ。耐えろと言っても耐え切れるかどうか……
「雲之介殿。取引しませんか?」
不意に明智さまが言い出した。
取引?
僕は何を差し出すのか。
見返りに何をくれるのか。
「もしも私が死んだら、妻と子どもたち、家臣たちを頼まれてくれませんか?」
それは、死ぬ可能性があるということ。
加えて、死ぬようなことをするということ。
「……閉じ込めておいて、都合の良い話ですね。それに代価は? 代わりにここから出すとでも言うんですか?」
「それは関係なしにいずれ出してあげますよ。代価は……あなたの記憶に関することです」
僕の記憶? まさか――失った記憶のことか!?
「ど、どういうことですか? そもそも、どうしてそのことを?」
「公方さまから聞きました。それと私はあなたの『秘密』を知っている――」
秘密? 記憶ではなく?
「それは一体、どういう――」
「……しっ! 誰か来ます」
確かに足音がする。こちらにやってくる……
「明智さま。そろそろお時間です」
来たのは、足軽の格好をした男だった。
「そうか。すぐに行く――雲之介殿、先ほどの取引、了承してくれますか?」
僕は……悩んでいた。汚い取引ではない。明智さまの家族を思う気持ちは痛いほどよく分かる。
「……ま、ゆっくり考えてください。時間ならたっぷりとある。あなたが応じてくださったら、私も遵守しますよ」
そう言って、明智さまは足軽を伴って、歩き出す。
「待ってください! 最後に一つだけ聞かせてください!」
僕の問いに足を止める明智さま。
「……なんでしょうか?」
「今回の一連の出来事の黒幕は、あなたですか?」
明智さまは振り返ることなく、端的に答えた。
「違います。私ではありません」
「――では誰が?」
「最後に一つだけ、ですよね」
そう言い捨てて、今度こそ去ってしまう。
後に残されたのは僕一人。
「くそ! どういうことなんだ!」
愚痴っても誰も応じてくれない。
でも分かったことがある。明智さまは黒幕ではない。
『私にも立場がありますから』
確かにそう言った。ということは誰かに従っているということで。
黒幕は他に居る――
食事は日に二回運ばれてくる。日に二回というのは腹の空き具合からの推測だった。
牢屋の端に石ころが数個置かれていて、僕は壁に傷を付けて、運ばれてくる食事の回数をつけた。
あまりに退屈なので食事を運んでくる係の兵士に話しかける。でも口を利いてくれない。
書物などを要求しても応じてくれないので、子どもの頃にお市さまから貸していただいた史記や西遊記の内容を思い返す。それでもすぐに飽きてしまった。
気が狂いそうになる。誰かと話したい。
次第に寒くなる牢屋。布団すらない。風呂にも入れないので、身体中が臭いし不快感で一杯だった。着物も悪くなっている。便所もないので隅でするしかなかった。
もしもあの世があり、地獄が存在するなら、何も無いところに閉じ込めることが最大の罰ではないだろうか?
そう錯覚するほどの責め苦だった。
志乃たちは大丈夫だろうか? 僕と同じ状況に陥っていないだろうか?
秀吉は? 大殿は? 義昭さんは?
何一つ分からないことの苦痛。
多大な負荷を心にかけられている生活が、九十二日――壁に百八十四個の傷をつけたところだった――が続いたとき、にわかに声が聞こえてくる。
何かが燃える音も聞こえる。争うような声も。
何が起きているんだろう。
よろよろと格子の前に立つ。
その音はずっと続いた。
音が続いてから、食事が一切運ばれなくなった。光も消えた。
空腹で、何も考えられない。
喉が酷く渇く。地下牢にできた水滴を舐める。吐き気がした。
自分の手を見つめる。肉だった。いやそれはできない。
それから、しばらく経って、音が大きくなったと思ったら。
「雲之介! ああ、ようやっと――」
誰だ……? 僕の名前を、呼んだ、のは……
「ひ、ひでえ! おい、水を持って来い!」
僕の肩を抱いて、ゆっくりと水を飲ませる、誰か。
「おい兄弟! しっかりしろ!」
空腹で、何も見えない。
でも助かったことは、分かった。
起きたら牢屋ではなかった。
畳の上だった。もっと言えば布団に寝かされていた。
ごつごつとした岩の上ではない。
「ここ、は……」
「――っ! 秀吉さん! 兄弟が目を覚ました!」
はっきりとは分からないけど、正勝の声だ。
「雲之介くん! ほら、粥を食べてくれ!」
秀長さん、かな……
口に温かいものが運ばれる。ゆっくりと飲み込む。
美味しかった。
「雲之介! 良かった、生きててくれたか!」
手を握られる。ようやくはっきりと見えた。
猿みたいな顔――秀吉だった。
「秀吉……ここは、僕は生きて……」
「ああ、生きておる! すまなかった、わしの憶測で、おぬしをこんな目に……!」
「お腹、空いた……」
「そうだな! 秀長、粥を食べさせろ!」
僕は生きている。粥を食べながら、それだけ感じられた。
「志乃は……? 晴太郎とかすみ……」
「大丈夫だ。三人とも無事だ!」
安心して、気を抜いて。
僕は再び眠ってしまった。
全ての真相を聞くのは、三日後のことだった。
1
あなたにおすすめの小説
織田信長 -尾州払暁-
藪から犬
歴史・時代
織田信長は、戦国の世における天下統一の先駆者として一般に強くイメージされますが、当然ながら、生まれついてそうであるわけはありません。
守護代・織田大和守家の家来(傍流)である弾正忠家の家督を継承してから、およそ14年間を尾張(現・愛知県西部)の平定に費やしています。そして、そのほとんどが一族間での骨肉の争いであり、一歩踏み外せば死に直結するような、四面楚歌の道のりでした。
織田信長という人間を考えるとき、この彼の青春時代というのは非常に色濃く映ります。
そこで、本作では、天文16年(1547年)~永禄3年(1560年)までの13年間の織田信長の足跡を小説としてじっくりとなぞってみようと思いたった次第です。
毎週の月曜日00:00に次話公開を目指しています。
スローペースの拙稿ではありますが、お付き合いいただければ嬉しいです。
(2022.04.04)
※信長公記を下地としていますが諸出来事の年次比定を含め随所に著者の創作および定説ではない解釈等がありますのでご承知置きください。
※アルファポリスの仕様上、「HOTランキング用ジャンル選択」欄を「男性向け」に設定していますが、区別する意図はとくにありません。
四代目 豊臣秀勝
克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。
読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。
史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。
秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。
小牧長久手で秀吉は勝てるのか?
朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか?
朝鮮征伐は行われるのか?
秀頼は生まれるのか。
秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?
幻の十一代将軍・徳川家基、死せず。長谷川平蔵、田沼意知、蝦夷へ往く。
克全
歴史・時代
西欧列強に不平等条約を強要され、内乱を誘発させられ、多くの富を収奪されたのが悔しい。
幕末の仮想戦記も考えましたが、徳川家基が健在で、田沼親子が権力を維持していれば、もっと余裕を持って、開国準備ができたと思う。
北海道・樺太・千島も日本の領地のままだっただろうし、多くの金銀が国外に流出することもなかったと思う。
清国と手を組むことも出来たかもしれないし、清国がロシアに強奪された、シベリアと沿海州を日本が手に入れる事が出来たかもしれない。
色々真剣に検討して、仮想の日本史を書いてみたい。
一橋治済の陰謀で毒を盛られた徳川家基であったが、奇跡的に一命をとりとめた。だが家基も父親の十代将軍:徳川家治も誰が毒を盛ったのかは分からなかった。家基は田沼意次を疑い、家治は疑心暗鬼に陥り田沼意次以外の家臣が信じられなくなった。そして歴史は大きく動くことになる。
印旛沼開拓は成功するのか?
蝦夷開拓は成功するのか?
オロシャとは戦争になるのか?
蝦夷・千島・樺太の領有は徳川家になるのか?
それともオロシャになるのか?
西洋帆船は導入されるのか?
幕府は開国に踏み切れるのか?
アイヌとの関係はどうなるのか?
幕府を裏切り異国と手を結ぶ藩は現れるのか?
裏長屋の若殿、限られた自由を満喫する
克全
歴史・時代
貧乏人が肩を寄せ合って暮らす聖天長屋に徳田新之丞と名乗る人品卑しからぬ若侍がいた。月のうち数日しか長屋にいないのだが、いる時には自ら竈で米を炊き七輪で魚を焼く小まめな男だった。
滝川家の人びと
卯花月影
歴史・時代
勝利のために走るのではない。
生きるために走る者は、
傷を負いながらも、歩みを止めない。
戦国という時代の只中で、
彼らは何を失い、
走り続けたのか。
滝川一益と、その郎党。
これは、勝者の物語ではない。
生き延びた者たちの記録である。
【架空戦記】狂気の空母「浅間丸」逆境戦記
糸冬
歴史・時代
開戦劈頭の真珠湾攻撃にて、日本海軍は第三次攻撃によって港湾施設と燃料タンクを破壊し、さらには米空母「エンタープライズ」を撃沈する上々の滑り出しを見せた。
それから半年が経った昭和十七年(一九四二年)六月。三菱長崎造船所第三ドックに、一隻のフネが傷ついた船体を横たえていた。
かつて、「太平洋の女王」と称された、海軍輸送船「浅間丸」である。
ドーリットル空襲によってディーゼル機関を損傷した「浅間丸」は、史実においては船体が旧式化したため凍結された計画を復活させ、特設航空母艦として蘇ろうとしていたのだった。
※過去作「炎立つ真珠湾」と世界観を共有した内容となります。
対米戦、準備せよ!
湖灯
歴史・時代
大本営から特命を受けてサイパン島に視察に訪れた柏原総一郎大尉は、絶体絶命の危機に過去に移動する。
そして21世紀からタイムリーㇷ゚して過去の世界にやって来た、柳生義正と結城薫出会う。
3人は協力して悲惨な負け方をした太平洋戦争に勝つために様々な施策を試みる。
小説家になろうで、先行配信中!
札束艦隊
蒼 飛雲
歴史・時代
生まれついての勝負師。
あるいは、根っからのギャンブラー。
札田場敏太(さつたば・びんた)はそんな自身の本能に引きずられるようにして魑魅魍魎が跋扈する、世界のマーケットにその身を投じる。
時は流れ、世界はその混沌の度を増していく。
そのような中、敏太は将来の日米関係に危惧を抱くようになる。
亡国を回避すべく、彼は金の力で帝国海軍の強化に乗り出す。
戦艦の高速化、ついでに出来の悪い四姉妹は四一センチ砲搭載戦艦に改装。
マル三計画で「翔鶴」型空母三番艦それに四番艦の追加建造。
マル四計画では戦時急造型空母を三隻新造。
高オクタン価ガソリン製造プラントもまるごと買い取り。
科学技術の低さもそれに工業力の貧弱さも、金さえあればどうにか出来る!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる