姉妹チート:RE

和希

文字の大きさ
44 / 138
2ndSEASON

魂の革命

しおりを挟む
(1)

夏休みに入った僕達は早速海にキャンプに行った。
今年は父さんが付いてきた。
あとは渡辺班のメンバー。
海で遊んでBBQして花火して夜食を食べて寝る。
毎年やってる事。
天音は渡辺美嘉さんに相談事をしていた。
何かあるんだろうか?
美嘉さんは笑っていた。
大人は大人で騒いで、子供は子供で騒いでいた。
そして皆が就寝すると朝が訪れる。
早朝から僕と水奈は散歩をしていた。
海辺を歩いて、足跡を残して、その足跡を引き返していく。
戻ると大人たちが朝ごはんの仕度をしていた。
僕達は子供で騒いでいた。
朝ごはんを食べると撤収の準備。
そして銭湯に入って疲れをいやす。
大人は大人、子供は子供で固まっていた。
あとは男同士の恋バナで盛り上がった。
奇しくも僕達は酒井君を除いて皆彼女がいた。
話の話題はいくらでもあった。
夏休みをどう過ごすか?
花火大会にはいくのか?
皆で行こうと言い出す人はいなかった。
2人で過ごしたい。
誰もがそう思ったのだろう?
風呂を出ると女性陣を待つ。
コーヒー牛乳とアイスは外せない。
女性陣がでてくるとファミレスで昼ご飯を食べる。
昼ご飯を食べると僕達は家に帰る。
帰るとベッドに横になっていた。
僕達の夏が始まる。

(2)

「空、水奈がきましたよ」

母さんが部屋に来る。。
リビングに降りると水奈が浴衣姿でいた。。

「可愛いよ」

そう言うと水奈は少し恥ずかしそうに「ありがとう」って言った。

「空、忘れ物はありませんか?」

母さんが言う。

「大丈夫。じゃ、行ってくる」

そう言うと僕と水奈は家を出てバス停に向かった。
バスに乗ると、僕と水奈は席に座る。
街に着くとまずは腹ごしらえ、駅ビルのフードコートで食べる。
腹ごしらえを済ませると商店街の中の短冊を見ながら花火大会の会場を目指す。
花火は何回も見たことあるけど水奈と来るのは初めてだ。
ちゃんと水奈を守ってあげなきゃ。
水奈も僕の手を取ってついてくる。
水奈も少し緊張しているようだった。

「そんなに緊張しないで、いつもの水奈でいいから」

水奈にそう言うと水奈は頷いた。
会場につくと沢山の人がいる。
とりあえずは出店をみる。
沢山の食べ物を買ってそして土手に腰を下ろして打ち上がるのを待つ。

「空はまだ食べる気なのか?」

水奈は呆れていた。
花火が咲き始めた。
咲いては散って、散っては夜空に消えていく。
一瞬だけ綺麗に夜空に輝くショーは1時間ほど続いた。
一瞬だからこそ美しい。
繰り返し芽吹く一瞬こそ全て。
一瞬を繰り返して今の僕達がいる。
だけどそんな理屈なんてどうでもいい。

「綺麗だったね」
「本当だね」
「また来年も来ようね」
「うん」

たったこれだけの言葉で全てが込められているのだから。
帰る途中に友達と会う。
SH、中学校1年組だ。
水奈の姿を見て「綺麗だね」とみんな褒めている。
「ありがとう」と返す水奈を見て誇らしげに想う。
水奈を家に送ると僕も家に帰る。
家に帰ると、母さんたちはまだ帰ってなかった。
母さんたちも冬吾、冬莉や水奈の両親と花火を観に行くって言っていた。
僕も部屋着に着替える。
一緒に風呂に入ると部屋に戻ってゲームをしながら水奈とメッセージをやりとりしていた。
父さん達はまだ帰ってこないみたいだ。
何をしているのだろう?
ちなみに宿題は7月中に全て済ませた。
毎年恒例だ。中学になっても変わらない。
そして8月はだらだらと過ごす。
父さん達が帰って来たみたいだ。

「あまり夜更かししてはいけませんよ」

母さんが部屋に来てそう言った。

「じゃあ、そろそろ寝るね」

水奈にそうメッセージを送る

「……うん」

水奈が少し寂しそうだ。

「どうしたの?」
「何でもない、大丈夫」

その言葉が嘘だって事くらい分かる。

「何か悩み事?」
「やっぱり美希達に比べると私はまだまだだな」

どういう意味かってことくらい僕でも分かるつもりだった。

「そんなことないよ。水奈は十分可愛いよ」

実際水奈は成長していた。
実際に裸を見たわけじゃないけど、小6の頃の翼に劣らない体形をしている。
そうやって翼と比較するのは悪い癖だな。
そう思って敢えて言わなかった。
だから僕は今の気持ちを伝えていた。
言葉にしなくても伝わる。
だけど水奈は形で示して欲しいとねだる。
だけど水奈はまだ小学生。
だからせめてあと一年は待ってあげたい。
きっと大丈夫、僕達はやっていける。
だけどキスすらしてこない僕に水奈は不満だったのだろうか?
僕はつい見えもしないものに頼って逃げてしまう。
水奈はすぐ形で示して欲しいとごねる。
矛盾し合ったいくつもの事が正しさを主張している。
恋って感情は奥が深いんだな。
どうすれば解り合えるのだろう?
歌や詩に出来ないこの感情。
水奈の心に触れてみたい、痛みすら伴い歯痒くとも切なくとも微笑みを君に届けたい。
好きだって伝える事で精いっぱいだった。
水奈が僕の違う顔を引き出す。
いつか水奈の優しい胸の上であの覚束ない子守唄を聞かせてあげよう。
何処まで行けば辿り着けるのだろう?
目の前に積まれているのは希望。
まずは最初の段階。

「空は平気なのか?」
「何が?」
「同級生は……その……キスとかそれ以上のことしてるんだろ?」

水奈の心は読めないけどその分水奈はストレートに思っていることを打ち明けてくれる。

「焦ることはないよ、僕達にはまだ時間がたくさんある」
「だけどやっぱり不安だ。空の周りには私よりも素敵な女子がいっぱいいるんだろ?」
「その悩みは無意味だよ」
「どうして?」

見えもしないものに頼って逃げてる。だけど……

「水奈は僕と永遠を誓ってくれるんだろ?」
「ああ、空がその気なら私は……」
「だったら他の女子が素敵かもしれないけど僕の目に映っているのは水奈だけだ」

だから他の女子なんて関係ない。
最近は翼の夢も見なくなった。

「僕、水奈の父さんにいつか話をしてみようと思うんだ」
「何を?」
「水奈が高校を卒業したら水奈と同棲したい」

水奈は驚いたようだ。

「水奈に苦労はさせない、バイトでもして生活費くらいは稼ぐよ」
「……私もバイトする。いつも一緒だよ」
「そしたら二人きりになれるだろ?その時に……」

水奈が欲しい。
水奈は喜んでくれた。

「ありがとう、私も頑張るよ」

水奈は嬉しそうだった。

「空がそう言うなら私は我慢するよ。ただ一つ悔しいけどな」
「なにが?」
「初体験は天音に負けるのかって」

そう言って水奈は笑ってた。
心と心が触れ合いそして互いを求めて温かい気持ちになる。
本当は今すぐ水奈を抱きしめたい。

「天音と競うような事じゃないだろ?」
「その間に何があるか分からない、空を誰かにとられることが怖いんだ」

水奈も僕と一緒にいたいんだろうな。
水奈の気持ちが少しだけわかる
それはなんて素晴らしい世界なんだ。
そんな気分にさせてくれた。

「……今度キャンプに行くときに一緒のテントで寝れるように父さん達にお願いしようか?」
「本当か!?」

水奈が喜んでる。

「水奈がいいって言うなら」
「良いに決まってる!」

きっと水奈の両親も許してくれる。
キャンプの日が待ち遠しかった。

(3)

僕達はキャンプをするため湖に来た。
毎年の恒例行事だ。
テントを張って、BBQをして花火を打ち上げて。そして子供たちは寝る。
大人だけで夜の宴を開いていた。
話題はやっぱり誠の引退についてだった。
誠は頑張ったと思う。
そしてこれからも頑張れる選手だと思う。
それでも誠が限界だと思うならその意志を尊重しよう。
そんな話をしていた。
誠の夢は息子の誠司がちゃんと受け取っている。
誠はちゃんと誠司にバトンを渡した。
あとは後姿を見送るだけ。
誠は来年からはコーチとして若手の指導に当たるらしい。
自分の息子の成長を見守りたいという思いもあるのだろう。

「子供に夢を託すか……羨ましい選択肢だな」

渡辺君がそう言って笑った。

「私達だって紗理奈が継いでくれる……ちゃんと私達の背中を見て成長しているよ」

美嘉さんが言った。

「皆真っ直ぐ育ってくれてるんですね」

愛莉が言う。

「お前もとりあえず事業を継いでくれる子供がいるじゃないか」

渡辺君が言った。

「しっかり形に残しておかないといけないけどね」

とりあえず従業員と事務所を拡張した。
理由は顧客が増えてとてもじゃないけど数名だけでは請け負いきれなくなったから。
仕事はいくらでもある。
志水、江口、石原、酒井、如月グループ。それに地元銀行等から紹介される企業だけで十分食べていける。
それに誠の所属する地元チームの選手の関係者も入れたらもう個人経営の会社では手に負えなくなっていた。
片桐税理士事務所は法人化した。
さらに相続税の相談等も引き受ける為に資格もさらに取った。
空が後を継いでくれるらしい。
その先はどうなるか分からないけど、きっとどうにかなる。
冬吾は恐らくサッカー選手として生きて行くのだろう。
天音は石原家に嫁ぐ気でいるらしい。
でも天音もやってみたい事があると言っていた。
それは大地君と結婚するまでの間の夢。
美嘉さんの店で雇って欲しいと頼んだらしい。
美嘉さんもまた店舗を増やすつもりでいたらしく快諾した。
まだ当分先の話だけど。

「それはそうと大丈夫なんだろうな?」

誠が言う。
何のことだ?

「空と水奈だよ!一緒のテントに寝させてもしもの事があったら……」
「ちゃんと責任はとらせるよ。でもそんなの心配するだけ無意味だよ」
「なんでだよ、まさか水奈に色気が足りないとかいうんじゃないだろうな!?」
「そんな風に空は思ってないよ」
「水奈はああ見えて神奈に似て大人しい子なんだ。空が水奈を泣かすような真似をしたら冬夜もゆるさないからな」

誠も酔いが回ってるようだ。
「大丈夫だ」と言い聞かせるのに苦労した。
誠の悩みも理解してるつもりだ。
僕だって娘の親だったから。

「水奈だって成長してるんだ。いつまでもうじうじしてないで水奈の成長を喜んでやれ」

最後はカンナに宥められる。

「空は水奈とキスすらするのをためらっている様だから心配しないで」

愛莉が言うと「やっぱり水奈には魅力がないのか?」と誠が荒れている。

「馬鹿な事言ってないでいい加減に寝るぞ。ちったあトーヤを見習え!」

夜も遅くなったので僕達は寝る。
翌朝起きると朝食を食べてテントを片付ける。
そしていつものあのテーマパークへ行く。
子供たちははしゃいでいる。
僕と愛莉も冬吾と冬莉を抱えて見て回る。
冬莉は喜んでいた。
そんなに長居はしなかった。
帰りに銭湯に寄ってファミレスで食事をして帰る。
盆休みは片桐・遠坂家の親戚で宴会を開いた。
繁華街外れの料亭でフグ料理を食べる。
天音も空も必死に食べてた。
子供たちがまだ小さいので2次会はなかった。
家に帰って父さん達と酒を酌み交わしていた。
もうすぐ夏が終わる。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

【本編完結】伯爵令嬢に転生して命拾いしたけどお嬢様に興味ありません!

ななのん
恋愛
早川梅乃、享年25才。お祭りの日に通り魔に刺されて死亡…したはずだった。死後の世界と思いしや目が覚めたらシルキア伯爵の一人娘、クリスティナに転生!きらきら~もふわふわ~もまったく興味がなく本ばかり読んでいるクリスティナだが幼い頃のお茶会での暴走で王子に気に入られ婚約者候補にされてしまう。つまらない生活ということ以外は伯爵令嬢として不自由ない毎日を送っていたが、シルキア家に養女が来た時からクリスティナの知らぬところで運命が動き出す。気がついた時には退学処分、伯爵家追放、婚約者候補からの除外…―― それでもクリスティナはやっと人生が楽しくなってきた!と前を向いて生きていく。 ※本編完結してます。たまに番外編などを更新してます。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

とっていただく責任などありません

まめきち
恋愛
騎士団で働くヘイゼルは魔物の討伐の際に、 団長のセルフイスを庇い、魔法陣を踏んでしまう。 この魔法陣は男性が踏むと女性に転換するもので、女性のヘイゼルにはほとんど影響のない物だった。だか国からは保証金が出たので、騎士を辞め、念願の田舎暮らしをしようとしたが!? ヘイゼルの事をずっと男性だと思っていたセルフイスは自分のせいでヘイゼルが職を失っただと思って来まい。 責任を取らなければとセルフイスから、 追いかけられる羽目に。

【完結】メルティは諦めない~立派なレディになったなら

すみ 小桜(sumitan)
恋愛
 レドゼンツ伯爵家の次女メルティは、水面に映る未来を見る(予言)事ができた。ある日、父親が事故に遭う事を知りそれを止めた事によって、聖女となり第二王子と婚約する事になるが、なぜか姉であるクラリサがそれらを手にする事に――。51話で完結です。

華やかな異世界公爵令嬢?――と思ったら地味で前世と変わらないブラックでした。 ~忠誠より確かな契約で異世界働き方改革ですわ~』

ふわふわ
恋愛
華やかなドレス。きらびやかな舞踏会。 公爵令嬢として転生した私は、ようやく優雅な人生を手に入れた―― ……はずでしたのに。 実態は、書類の山、曖昧な命令、責任の押し付け合い。 忠誠の名のもとに搾取される領地運営。 前世のブラック企業と、何も変わりませんでしたわ。 ならば。 忠誠ではなく契約を。 曖昧な命令ではなく明文化を。 感情論ではなく、再評価条項を。 「お父様、お手伝いするにあたり契約を結びましょう」 公爵家との契約から始まった小さな改革は、やがて王家を巻き込み、地方貴族を動かし、王国全体の制度を揺るがしていく――。 透明化。共有化。成果の可視化。 忠誠より確かな契約で、異世界働き方改革ですわ。 これは、玉座を奪う物語ではありません。 国家を“回る構造”に変える、公爵令嬢の改革譚。 そして最後に選ばれるのは――契約ではなく、覚悟。 ---

イケメン副社長のターゲットは私!?~彼と秘密のルームシェア~

美和優希
恋愛
木下紗和は、務めていた会社を解雇されてから、再就職先が見つからずにいる。 貯蓄も底をつく中、兄の社宅に転がり込んでいたものの、頼りにしていた兄が突然転勤になり住む場所も失ってしまう。 そんな時、大手お菓子メーカーの副社長に救いの手を差しのべられた。 紗和は、副社長の秘書として働けることになったのだ。 そして不安一杯の中、提供された新しい住まいはなんと、副社長の自宅で……!? 突然始まった秘密のルームシェア。 日頃は優しくて紳士的なのに、時々意地悪にからかってくる副社長に気づいたときには惹かれていて──。 初回公開・完結*2017.12.21(他サイト) アルファポリスでの公開日*2020.02.16 *表紙画像は写真AC(かずなり777様)のフリー素材を使わせていただいてます。

Emerald

藍沢咲良
恋愛
教師という仕事に嫌気が差した結城美咲(ゆうき みさき)は、叔母の住む自然豊かな郊外で時々アルバイトをして生活していた。 叔母の勧めで再び教員業に戻ってみようと人材バンクに登録すると、すぐに話が来る。 自分にとっては完全に新しい場所。 しかし仕事は一度投げ出した教員業。嫌だと言っても他に出来る仕事は無い。 仕方無しに仕事復帰をする美咲。仕事帰りにカフェに寄るとそこには…。 〜main cast〜 結城美咲(Yuki Misaki) 黒瀬 悠(Kurose Haruka) ※作中の地名、団体名は架空のものです。 ※この作品はエブリスタ、小説家になろうでも連載されています。 ※素敵な表紙をポリン先生に描いて頂きました。 ポリン先生の作品はこちら↓ https://manga.line.me/indies/product/detail?id=8911 https://www.comico.jp/challenge/comic/33031

処理中です...