姉妹チート:RE

和希

文字の大きさ
68 / 138
2ndSEASON

光抱きしめる願い

しおりを挟む
(1)

なんだこの飯は!
美味ければいいってもんじゃないぞ!
私達は育ち盛りだぞ!
もっとこう、蟹とか出さないのか!
神戸牛が食いたい!
どこのホテルでも食えるような飯をなんで食わなきゃならないんだ。
せっかく旅に出たのだからそこの名産を食べる。
それが片桐家のルール。
今日は修学旅行初日。
なずなと花ははしゃいでいた。
京都のパワースポットや渡月橋などを巡り、京都を堪能してた。
それなのに私は抹茶パフェを食ったくらいだ。
大地達男子は舞子に見とれてるし。
私はわざわざスイーツを食べに京都に来たのか!?

「まあまあ、明日はテーマパークだしいいじゃねーか」

水奈がそう言う。
水奈が言うならしょうがない。
私達はカップルでも水奈には空がいないのだから。
機嫌を直すと風呂を出て部屋に帰る。
この時とばかりに女子を呼び出し告白する男子共がいる。
部屋に入るとスマホを弄りながらテレビを見て適当に雑談をしていた。
粋と遊は何のために買ったのか分からない新選組の法被をきて木刀を振り回してチャンバラをやってたらしい。
そしてふすまを破って大目玉を食らったそうだ。
木刀なんてどこでも売ってるだろうに。
男子のすることはたまによく分からない。
そんな話を朝食を食べる時に大地から聞いていた。
ホテルを出るとテーマパークに向かう。
ゲートの前で諸注意を受けると自由行動になった。

「せっかくだから別行動しない?集合場所と時間だけ決めてさ」

なずなが言う。

「なずなと花は遊と粋と一緒に遊んで来いよ。私達は3人で行動する」

私が言った。

「私に気を使う事ねーって。2人で楽しんで来いよ」
「逆だよ水奈」

私が言うと皆「えっ?」という顔をしている。

「私達は中学を卒業したらそれぞれの学校に行く。まだ中学生だ。卒業旅行なんてするわけがない」

こうして皆と旅に来るのはこれが最後かもしれないだろ?
高校が違うんだ。ずっと一緒って保証はない。
だから、今できることを楽しもう。

「大地と関西に来るなんてこれから先いくらでもチャンスがある。それに初めての関西デートがあんなしょぼい料理なんて納得いかない」

大地と来るときはもっと食べまくる。
そう言って私は笑った。

「まあ、天音がそれでいいなら私は助かるけど」

水奈が言う。

「天音の言う通りかもしれないね。粋、私達も一緒に行動しようか?」
「そうだな」

花と粋が言う。
それからみんなで同じアトラクションで遊んだ。
待ち時間が長かったけど皆で並べばどうって事無かった。
昼飯は目一杯食った。
昼飯まで待ち時間があるとは思わなかったけど。
午後もアトラクションを楽しんだ。

「もう一回乗ろう?」

そう言って同じアトラクションを何度も乗った。
お土産屋さんに行く時間もちゃんと考えていた。
遊と粋は魔法使いの杖なんかを買っていた。
だからそんなもん何に使うんだ?
まあテーマパークまで来てカップラーメンをお土産に買って帰る私も人の事言えないけど。
時間を間違えたらしくて集合時間より早く集合場所についてしまった。
やり残したことは無いか?
私はこのテーマパークに来たのは2度目だ。
それにこれが最後ってわけじゃない。
何度でも来ればいい。
次は大地と2人で来れると良いな。
皆揃うとホテルに戻って夕食を食べる。
相変わらずさえないメニューだ。
せめてバイキング形式にして欲しかった。
夕食を食べると風呂に入って部屋で夜を過ごす。
女子の部屋に忍び込もうとした男子がいるらしい。
通路に正座させられていた。
そして修学旅行最終日を迎えた。
最後は水族館に行く。
ここでもみんなで行動した。
と、言って魚を見て回っただけだけど。
ぶっちゃけわざわざ大阪まで来てみる意味が分からない。
海鮮丼でも食わせてくれるなら話は別だが。
それでも花となずなははしゃいでいる。
写真を撮りまくっていた。
2周くらいすると私達は水族館を出る。
広場では大道芸人が芸をしていた。
それを眺めながらベンチに腰かけて休んでいると大地がジュースを買ってきてくれた。

「お疲れ様」
「ありがとう、大地こそつまらなかったんじゃないのか?」

男子はこういうところが苦手だと聞いた。

「そうだね、でも皆と一緒だからそんなことないよ」

ちゃんと思い出に残ったと大地は言う。

「大地は大阪に来たらどこに行きたい?」
「どこでもいいかな?」

大地は京都や奈良の方が好きらしい。
でも大地も同じだった。
私と一緒ならきっと素敵な想い出が残せる。
そう思っているらしい。
ならどこでもいい、どこにでも行って思い出をたくさん作ろう。
それが大地の考えだった。

「そろそろ時間だよ」

大地が言うと私はジュースを飲み干して集合場所に集まる。
駅までバスで行って新幹線に乗って小倉まで向かう。
大地もやはり疲れていたんだろう。
大地は眠っていた。
あとは帰るだけだという安心感があったのだろう?
油断しすぎだぞ。
今は大地を休ませてやる。
関門トンネルに入る頃大地を起こす。
小倉で新幹線を降りて特急で地元に帰る。
地元に帰るとバスで中学校に向かう。
そして解散。
家に帰ると着替えて夕食を食べる。
食べながらパパ達に土産話を聞かせる。
夕食を食べると風呂に入って部屋に戻る。

「旅行はどうだった?」

茜が聞いてくる。
スマホでメッセージをしながら茜と話をする。
遊と粋は案の定親に怒られたらしい。
木刀とか買ってきて何に使うつもりだ!
置き場に困たらしくてベッドに置いてるそうだ。
茜が寝ると私もベッドに入る。
スマホを弄りながらいつの間にか眠っていた。

(3)

中学校で解散すると私は寄り道をする。
空の家に行く。
呼び鈴を鳴らすと空が出てくる。

「あ、今日帰って来たんだね。どうだった?」
「楽しかったよ。これお土産」

空に八つ橋を渡す。

「ありがとう。少し上がって話でもしていくか?」
「いや、夕食もまだだから」
「そうか、じゃあ送るよ」

空と一緒に家に帰る。
旅行であったことを空に伝える。
空は静かに聞いていた。
家に着く。

「じゃあ、また」
「イブくらい一緒にいてくれるんだろ?」

私が聞いていた。

「そうだな、イルミネーションでも見に行く?」
「わかった」

空が帰ると私は家に入る。
両親や誠司達に話をしながら夕食を食べる。
風呂に入って部屋に戻るとスマホを弄る。
いつも通りの時間にいつも通りに寝る。
あっというまの3日間だったけど、大切な想い出になることだろう。
思い出は優しいから甘えたらダメ。
私達はまだ思い出に甘えるような年頃じゃない。
これからまだまだ思い出は増え続ける。
楽しい事も辛い事も増えつづける。
まだ夢の途中。
辿り着く場所さえわからない想いだけど届くと信じて今飛ばす。
過ちも切なさも超える時、光を抱きしめる願が未来を呼び覚ます。

(4)

修学旅行も終わり終業式を終え冬休みに入った。

「もう中3なんだからディナーくらい楽しんでらっしゃい」

母さんがそういうのでショッピングモールのイタリア料理のレストランに行った。
いつも母さん達と行くレストラン。
クリスマスコースというのを用意されてあったのでそれにした。
ちなみに予約でいっぱいなのを親のツテを使って無理矢理入れてもらえた。
シェフの相羽陽介さんは善明の姉岬さんの旦那さんだ。

「今夜はゆっくり楽しんでね」

相羽さんがそう挨拶すると次々と料理が運ばれてくる。
価格的にはファストフードでハンバーガー食べまくってフライドチキンを買って食った方がいいんじゃないか?と思える値段。
でも、水奈が少しお洒落して内装も綺麗な店で雰囲気を楽しむ。
きっと料理の中にはこの雰囲気の値段も含まれているんだ。
そう思うことにした。
最後のデザートを食べると水奈とプレゼント交換をする。
ディナーを楽しむと水奈を家に送って、家に帰る。
家に帰ったら、風呂に入ってケーキを食べる。
ちなみに明日もケーキだ。
クリスマスと冬吾の4回目の誕生日。
ケーキを食べ終わるとテレビを見る。
歌番組の特番をやっていた。
あまり興味はなかったけどただのBGMとしてなら優秀だった。
歌番組が終る頃ベッドに入る。
今日は天音も大地と出かけている。
如月リゾートホテルで一泊してくるらしい。
ベッドの中で水奈にメッセージのやり取りをしていた。

「冬休みが終ったらいよいよだね」

水奈が言う。
私立の推薦入試を皮切りに受験シーズンに入る。
授業も早々に教科書の分を終え入試対策に入っていた。
僕達も伊田高の入試を受ける。
受ける理由がわからないけど。

「まあ、場に慣れるって割り切って受けておきなさい」

父さんがそう言ってた。
伊田高にこだわる理由も特になかった。
藤明はバス通学が出来る。
伊田高もできないことは無いけど街に出て乗り継ぎしないといけない。
それに坂道が多くて自転車では面倒だ。
普通に考えたら藤明なんだけど藤明は難関だ。
普通科ならそうでもないけど、わざわざ受ける必要のないすべり止めだったら簡単な方が良い。
地元では藤明=頭が良いというイメージがあるほどだ。
僕達は将来が決まっている。
両親に負担をかけたくない。
だから公立校を選ぶ。
そして難関大学に行くつもりはさらさらない。
在学中に税理士の受験資格をとれる国公立大学。
それが地元大学経済学部だったというだけの話。
夢が決まっている。
ゴールから逆算すれば道は自ずと見えてくる。
だけどそんな先を考えていても仕方ない。
まずは高校入試。
最初の難関が目前に迫っていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

元おっさんの幼馴染育成計画

みずがめ
恋愛
独身貴族のおっさんが逆行転生してしまった。結婚願望がなかったわけじゃない、むしろ強く思っていた。今度こそ人並みのささやかな夢を叶えるために彼女を作るのだ。 だけど結婚どころか彼女すらできたことのないような日陰ものの自分にそんなことができるのだろうか? 軟派なことをできる自信がない。ならば幼馴染の女の子を作ってそのままゴールインすればいい。という考えのもと始まる元おっさんの幼馴染育成計画。 ※この作品は小説家になろうにも掲載しています。 ※【挿絵あり】の話にはいただいたイラストを載せています。表紙はチャーコさんが依頼して、まるぶち銀河さんに描いていただきました。

27歳女子が婚活してみたけど何か質問ある?

藍沢咲良
恋愛
一色唯(Ishiki Yui )、最近ちょっと苛々しがちの27歳。 結婚適齢期だなんて言葉、誰が作った?彼氏がいなきゃ寂しい女確定なの? もう、みんな、うるさい! 私は私。好きに生きさせてよね。 この世のしがらみというものは、20代後半女子であっても放っておいてはくれないものだ。 彼氏なんていなくても。結婚なんてしてなくても。楽しければいいじゃない。仕事が楽しくて趣味も充実してればそれで私の人生は満足だった。 私の人生に彩りをくれる、その人。 その人に、私はどうやら巡り合わないといけないらしい。 ⭐︎素敵な表紙は仲良しの漫画家さんに描いて頂きました。著作権保護の為、無断転載はご遠慮ください。 ⭐︎この作品はエブリスタでも投稿しています。

イケメン警視、アルバイトで雇った恋人役を溺愛する。

楠ノ木雫
恋愛
 蒸発した母の借金を擦り付けられた主人公瑠奈は、お見合い代行のアルバイトを受けた。だが、そのお見合い相手、矢野湊に借金の事を見破られ3ヶ月間恋人役を務めるアルバイトを提案された。瑠奈はその報酬に飛びついたが……

思い出のチョコレートエッグ

ライヒェル
恋愛
失恋傷心旅行に出た花音は、思い出の地、オランダでの出会いをきっかけに、ワーキングホリデー制度を利用し、ドイツの首都、ベルリンに1年限定で住むことを決意する。 慣れない海外生活に戸惑い、異国ならではの苦労もするが、やがて、日々の生活がリズムに乗り始めたころ、とてつもなく魅力的な男性と出会う。 秘密の多い彼との恋愛、彼を取り巻く複雑な人間関係、初めて経験するセレブの世界。 主人公、花音の人生パズルが、紆余曲折を経て、ついに最後のピースがぴったりはまり完成するまでを追う、胸キュン&溺愛系ラブストーリーです。 * ドイツ在住の作者がお届けする、ヨーロッパを舞台にした、喜怒哀楽満載のラブストーリー。 * 外国での生活や、外国人との恋愛の様子をリアルに感じて、主人公の日々を間近に見ているような気分になれる内容となっています。 * 実在する場所と人物を一部モデルにした、リアリティ感の溢れる長編小説です。

好きだから傍に居たい

麻沙綺
恋愛
前作「ヒ・ミ・ツ~許嫁は兄の親友~(旧:遠回りして気付いた想い)」の続編です。 突如として沸いた結婚話から学校でのいざこざ等です。 まぁ、見てやってください。 ※なろうさんにもあげてあります。

訳あり冷徹社長はただの優男でした

あさの紅茶
恋愛
独身喪女の私に、突然お姉ちゃんが子供(2歳)を押し付けてきた いや、待て 育児放棄にも程があるでしょう 音信不通の姉 泣き出す子供 父親は誰だよ 怒り心頭の中、なしくずし的に子育てをすることになった私、橋本美咲(23歳) これはもう、人生詰んだと思った ********** この作品は他のサイトにも掲載しています

『身長185cmの私が異世界転移したら、「ちっちゃくて可愛い」って言われました!? 〜女神ルミエール様の気まぐれ〜』

透子(とおるこ)
恋愛
身長185cmの女子大生・三浦ヨウコ。 「ちっちゃくて可愛い女の子に、私もなってみたい……」 そんな密かな願望を抱えながら、今日もバイト帰りにクタクタになっていた――はずが! 突然現れたテンションMAXの女神ルミエールに「今度はこの子に決〜めた☆」と宣言され、理由もなく異世界に強制転移!? 気づけば、森の中で虫に囲まれ、何もわからずパニック状態! けれど、そこは“3メートル超えの巨人たち”が暮らす世界で―― 「なんて可憐な子なんだ……!」 ……え、私が“ちっちゃくて可愛い”枠!? これは、背が高すぎて自信が持てなかった女子大生が、異世界でまさかのモテ無双(?)!? ちょっと変わった視点で描く、逆転系・異世界ラブコメ、ここに開幕☆

10年引きこもりの私が外に出たら、御曹司の妻になりました

専業プウタ
恋愛
25歳の桜田未来は中学生から10年以上引きこもりだったが、2人暮らしの母親の死により外に出なくてはならなくなる。城ヶ崎冬馬は女遊びの激しい大手アパレルブランドの副社長。彼をストーカーから身を張って助けた事で未来は一時的に記憶喪失に陥る。冬馬はちょっとした興味から、未来は自分の恋人だったと偽る。冬馬は未来の純粋さと直向きさに惹かれていき、嘘が明らかになる日を恐れながらも未来の為に自分を変えていく。そして、未来は恐れもなくし、愛する人の胸に飛び込み夢を叶える扉を自ら開くのだった。

処理中です...