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3rdSEASON
いつか
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(1)
僕達は高塚地蔵尊にお参りにやって来た。
手には昨夜書いた祈願の原稿用紙を持っている。
お祈りするとそれを指定された場所にかざる。
沢山の原稿用紙があった。
結局皆最後は神頼みというわけだ。
天音は文章作成ソフトを使ってプリントアウトした物を持って行こうとしたが天音のお母さんに怒られたらしい。
嫌々書いたらしいけど天音の字はとても綺麗だ。
「こんなことしても無駄だってのにな」
天音、周りは皆受験生だよ?
神様が願いを叶えてくれるならどうして毎年浪人生が出るんだ。
もっとも高校受験で失敗して中学浪人する人はほんのわずかしかいないらしい。
どうしてもレベルの高い進学校に生きたくて専願するものや高専を目指したもの。
滑り止めを受けていたけどレベルが低いからと入学しないもの。
そんな人達が浪人するそうだ。
高校に入学できたからといっても安心できない。
皆の学力が高すぎてついていけずに退学する者。
反対に低すぎて翌年に再度志望校に入試を受ける者。
私立高校に通っていたら授業料を払えずに退学を余儀なくされたもの。
中学までと違って様々な問題が発生する。
天音や水奈は問題ないと思うけど。
基本的に授業に出て課題をこなしてテストでいい成績を取る。
それだけで上がれるんだから。
中学浪人したくなければぶっちゃけどこでもいいから確実には入れるところを受験したらしい。
1次試験で失敗しても2次試験がある。
全日制がだめでも定時制がある。
失敗しても予備校に通えば良い。
高校なんてどこでもいい。
高校の3年間の過ごし方でやりたい事が変わるなんてよくある事だ。
悲観的になる必要なんて全くない。
とはいえこれから受験を受ける人にかける言葉ではない。
これからの3か月で人生の最初の分岐路に立つ。
僕も将来が約束されているとはいえ、さすがに中卒じゃ親に申し訳ない。
両親は全く心配してないみたいだけど。
帰りに日田に寄ることになった。
日田焼きそばを食いたいという天音の要望だ。
焼きそばを食って家に帰る。
夕飯の時間まで勉強して夕飯を食べると風呂に入って再び机に向かう。
天音からメッセージが届く。
「あとはなるようになる。だな!」
「そうだね」
「防府、頑張れよ!」
「天音も油断大敵だよ」
「おう!寝不足にならないようにもう寝るわ。じゃあな!」
まだ22時だよ?
まあ、天音らしい。
僕は毎日祈ってる。
君がずっと笑顔でいられるように。
君は僕の夢だから。
君の為ならなんだってするよ。
僕の人生だって君に捧げるつもり。
だって君は僕の夢なんだ。
僕の全ては君の者。
君が不安に怯える時はいつだって側にいるから。
だって今の僕には君だけだから。
僕達の間に入り込めるものなんてないから。
だって君のすぐ横に僕は立っている。
いつか僕達の子供が出来たら、僕の人生は君のおかげで完璧になるよ。
ただ見ていて欲しい。こんなちっぽけな僕だけど。
僕のものだよ永遠に。
僕達は2人で一つ。
僕と君は怖いものなんて何もない。
僕は強く感じている。
僕達ならきっと2人で乗り越えられると。
そして僕達は審判の時を待つ。
(2)
鞄にペンケースと受験票と上履きと弁当だけを入れる。
生徒手帳と一緒に神社で買った御守りも忘れずに持って行く。
昨日の夕食はカツ丼だった。
愛莉なりの心遣いなのかもしれない。
部屋を出ると皆と朝食をとる。
心なしか重苦しい雰囲気が漂う。
「どうしたんだ?皆お腹の調子でも悪いのか?」
私が聞いてみた。
「天音、リラックスだよ」
茜が言うと皆が次々と声をかけてくれた。
普段通りの私なら絶対大丈夫。
今は皆の方が固くなってる。
「心配いらねーって、ちょっとテストを受けて来るだけだ」
面接とかあるわけでもないし問題ない。
「天音、テストが終わったら頭は次の教科に切り替えるのですよ。過ぎたことを心配しても時間の無駄です」
愛莉が言う。
そんな事産まれて一度もしたことねーよ。
朝食が終ると準備をする。
受験を受けるのに一々リップしていく必要もない。
簡単に済ませると水奈が来る。
高校までは自転車で行く。
「事故だけはしないようにね」
父さんが言う。
そうして水奈と二人で受験会場の桜丘高校に向かった。
朝の通勤ラッシュで混んでる交差点をいくつか抜けてトンネルをくぐって道を抜ける。
通学の時はバスにしよう。
水奈と決めていた。
学校に着くと何人かのクラスメートと会う。
大体の連中は滑り止めには伊田高を、自信のある奴は藤明を選ぶ。
私のクラスも例外ではなかった。
だけど中には調理師や医療事務、CGや機械加工など福祉など専門分野を学ぶ為にこの学校を選ぶものもいる。
大地達は伊田高を受けている。
そして同じ時間に最初の科目が始まった。
鉛筆の音と時計の針を刻む音だけが聞こえる。
中には15分ほどして寝るやつもいた。
それが悪いとは思わない。
ケアレスミスがないかどうかチェックするのも大事だけどそうやって思考のドツボに嵌ってしまう奴もいる。
どっちが正しいのか正常な判断が出来なくなってしまう。
そういう時に限って大抵最初の解答が正しい。
だったら無駄な足掻きはしない。
ただしそういうのが通用しない教科もある。
英語なんかは試験開始後終盤になってヒアリングテストが始まることがある。
それをただじっと待つしかない。
1教科が終ると次の教科までに休憩時間がある。
私は水筒の飲み物を飲み、水奈とおしゃべりしてた。
最後の悪あがきを試みる者もいる。
午前中の科目が終ると昼食の時間になる。
水奈と昼食を食べていると渡辺紗理奈が来た。
「やっぱり天音達も同じ高校だったか」
紗理奈と3人で昼食を食べながら昼休憩を過ごす。
昼休憩が終ると残りの教科の試験を受ける。
全部終わると皆帰りに着いた。
水奈は少し不安気だった。
「心配いらねーよ。桜丘がだめなら公立受ければいいじゃねーか」
願書の受付期間はある。
「桜がだめなら公立校なんて絶対無理だろ?」
ここで躓いてたら本命の防府なんて絶対無理だ。
そしたら空に申し訳が立たない。
水奈はそう思っているらしい。
「水奈だって普通くらいの成績取ってたんだし大丈夫だって。落ちろと言われても難しい高校なんだぜ」
私みたいに桜丘高校一本に絞る方が珍しいんだから。
普通は教師や親が反対する。
そして家に帰るとスマホを見る。
大地達も無事済んだようだ。
「お疲れ様。本番もがんばれよ」
そうメッセージを送ってやる。
「天音もお疲れ。天音なら大丈夫。自信もって」
返事が返って来た。
そうして私の高校入試は終わった。
あとは結果をまつだけ。
じたばたしてもしょうがない。
TVゲームをして時間を潰していた。
(3)
翌週末。
入試の結果発表があった。
「天音、ICカード持った?」
「大丈夫」
どうせ入学したらバス通学なんだ。
今のうちに慣れておこうぜ。
私は水奈にそう言ってバスで結果を見に行くことを勧めた。
ルートは街まで出て駅裏の通りを真っ直ぐ行くだけ。
帰りに街に寄って遊びに行く。
そんな夢のような話が待っている。
「帰りに遊び放題だな!何して遊ぼうか?」
そんな話を水奈としながら高校に向く。
ゆっくり歩いても15分もかからない。
そして高校に着いたら既に発表がされていた。
歓喜する者、落胆する者。様々いた。
私達も自分の受験番号を探す。
水奈は見つけたようだ。
喜んで私に抱き着いている。
水奈にどの辺にあったか聞いた。
水奈が指差す。
その近辺を探すと私の番号もあった。
「天音達どうだった?」
私達を見つけた渡辺紗理奈が聞いてきた。
紗理奈も合格したらしい。
「カラオケで打ち上げしねえ?」
紗理奈もバスで来たらしい。
高校にもなって自転車通学なんてめんどくさい事したくないと言ったそうだ。
バス停から歩くのも結構面倒だけどな。
私達は断った。
学校に報告に行かないといけない。
後から考えたら来週頭に職員室に行けばいいだけの話だったんだけどな。
大地達に報告する。
大地達も合格していたらしい。
だが、大地達には県立高の入試がある。
県立入試終わったら打ち上げしような。
そんな約束をしていた。
家に帰ると「おめでとう」とお祝いしてくれた。
ありがとうといってご馳走にありつく。
ご飯を食べると部屋でゲームして遊んでる。
私はこれで受験という呪縛から解放された。
残り中学校生活を満喫することにした。
(3)
卒業式。
卒業証書を渡され皆がそれぞれの道に巣立つ時。
ここからは自分で歩む道を選ぶ時。
そしてその最初の難関に挑むものが大半だった。
道は自由だと言うけど大抵のものはまだ自由ではない。
自由だけど皆決まっている。
それを通過しないと先が無いのは皆一緒だから。
卒業式の余韻に浸る間も惜しんで家に帰って勉強するものもいた。
私も大地や水奈の事を案じて遊ぶのは県立入試の後にした。
遊達ですら必死に勉強をしている。
さすがに邪魔をするような気にならなかった。
卒業式が終ると真っ直ぐ家に帰る。
家には冬吾と冬莉がいるだけ。
部屋で着替える。
もう着る事のない制服。
水奈と二人で「高く買ってくれる人いるらしいぜ!」とはしゃいでいたが愛莉にばれた。
「思い出にとっておきなさい!」
そう言われた。
水奈は水奈の父さんに「いらないならくれ!」と言われたそうだ。
当然水奈の母さんに叱られていたらしい。
たかだか制服にそこまでこだわる男の心理が分からなかった。
まあ、名前を刺繍しているわけでもないし茜や冬莉が着れるかもしれないし良いか。
その日もご馳走だった。
「天音にも高校卒業したらプレゼントあげるから。とりあえず天音の高校入学のお祝い」
そう言って差し出されたのは定期券付ICカードだった。
フルにチャージしてるらしい。
お小遣いもアップしてくれるそうだ。
私のことだから大方街で遊んで帰ってくるつもりだろうからと父さんは笑っていた。
そして私にも空と同じようにこれから3年間試験をするという。
ちゃんと大人しくしていたら高校卒業した時にプレゼントがあるという。
それが何なのかはそのうち分かるだろう。
空が先に高校卒業するから。
両親は不公平な真似はしない。
皆平等に扱ってくれる。
せいぜい年齢によってお小遣いの額が変わるくらいだ。
もっとも茜は遠坂のお爺さんに色々もらってるみたいだけど。
食事が終ると、風呂に入る。
部屋に戻るとゲームをする。
大地は勉強に頑張っている事だろう。
寝る前だけおやすみのメッセージを送る。
私が足を引っ張るわけにはいかないから。
そうして他の人よりちょっとだけ長い春休みを楽しんでいた。
(4)
「あら?天音おはよう。今日は早いわね。いつもお昼に起きて来るのに」
「……腹減った。何かない?」
「今から作るからちょっと待っててね」
そう言って愛莉がキッチンに立つ。
その間椅子に座って待っていた。
手にはスマホを持っている。
それに気づいた愛莉が言った。
「食事中はスマホは禁止って決めてるでしょ。ダメですよ」
そうだった。
うちはダイニングにスマホを持ち込むのは厳禁になってある。
食事に行ってる時も同じだ。
食事中のスマホは絶対にしてはいけない。
食事は料理を楽しみながらみんなとコミュニケーションをとる場所。
他の皆に失礼だ。
家族全員がスマホをしながら料理を黙々と食べるなんてあってはならない。
私は大人しく部屋にスマホを戻しに行く。
すると感づいたらしい愛莉が言った。
「まだ合格発表までは時間がありますよ」
今日は大地の、県立高校の合格発表日。
朝早くから目が覚めてそして眠れずにいた。
じっとスマホが鳴るのを待っていた。
大地が落ちるはずがない。
分かっているけど気が気でない。
自分の合格発表よりも落ち着かなかった。
朝食を食べると部屋に戻ってスマホを見る。
時間は9時50分。
もうそろそろ頃合いだ。
最初になって声をかけてやろう。
「お疲れさん」「おめでとう、がんばったね」
落ちた場合の事は考えないことにした。
時計が10時を回る。
そろそろ分かる頃だ。
しかしメッセージは届かない。
電話もかかってこない。
まさかあいつ!?
いや、そんな事無いはずだ。
「どうだった?」って聞いた方がいいのだろうか?
でも「ダメだった」って帰ってきたらどう答えたらいい?
30分ほどたってようやく電話がかかって来た。
「もしもし」
「天音?今家に帰ったところ」
「そうか……」
どう切り出せばいいか困っていた。
「皆合格したよ」
大地はそう言った。
「お前はどうなんだ?」
「……ちゃんと合格通知書もらってきたよ」
だったら最初に言え!
「おめでとう!」
「ありがとう」
「大地なら大丈夫だって信じてたよ」
「張り出された時は緊張したけどね」
自分の番号を一度見過ごしてしまったらしい。
それを遊が見つけたそうだ。
「じゃあ、今週末は打ち上げだな!」
「そうだね」
皆で盛大に盛り上がろう。
大地と約束して電話を切った。
スマホのグループチャットを見ると中学3年生を中心に盛り上がっていた。
皆合格したそうだ。
スマホを机に置いて一回に降りると愛莉に伝える。
「大地合格したって!」
「よかったわね~」
愛莉と一緒に喜ぶ。
学校は違うけどお互い自分の夢に一歩近づく事が出来た。
そして私達は高校生活という新たな舞台を手に入れた。
どんな出来事が待っているのだろう?
まずは週末に楽し無事に決めた。
(5)
私は防府高校に来ていた。
高校入試合否発表の日。
今までの努力の成果が今日試される。
空と一緒に高校生活を過ごしたい。
不純な動機だけど私にとってはとても大切な事。
大地や祈達も来ていた。
皆自信ありげだった。
公立入試のあと空からは「お疲れ様、今日までよく頑張ったね」ってメッセージが来てた。
今日まで支えてくれた空の為にも合格したい。
やがて係の人が掲示板に結果を張り出す。
必死に自分の番号を探した。
……あった。
皆の叫び声が聞こえる。
祈達が抱き合って喜んでいる。
私は立ちすくんでいた。
目から涙がこぼれていた。
喜びのあまり、声が出ない。
だけど、惚けている場合じゃない。
まずは、両親に結果を報告する
「おめでとう、頑張ったね」
母さんが祝ってくれた。
次は空だ。
メッセージを打とうとしたけど、指を止めた。
そして連絡先から空の連絡先を探す。
すぐに空の連絡先が出るように設定しておいた。
「水奈?どうだった?」
空も緊張しているようだった。
「……受かった」
「おめでとう、頑張ったね」
「ありがとう、空のお蔭だ」
「最後は水奈の頑張りだよ」
嬉しくて嬉しくて、今ここに空がいたらすぐにでも抱きしめたいくらい嬉しかった。
「あ、ごめん。ちょっと後でかけなおす」
「わかった」
私は家に電話していた。
「母さん、今日はお祝いしてくれるんだよね?」
「ああ、ご馳走用意して待ってるよ」
「……空も呼んでいいかな?」
「構わないよ」
そして空をお祝いに招待する。
飯食って帰るなんて寂しい事言わないで。
今日だけは空に甘えたい。
「いいよ」
空は承諾してくれた。
夕方ごろ空が来るとパーティが始まった。
「空、ありがとうな。助かったよ」
母さんが空に礼を言う。
「これからもよろしく頼む」
これからも空と一緒にいられるんだ。
「分かりました」
空は良いよって言ってくれた。
食事が済むと風呂に入って、私の部屋で寛ぐ。
テレビを見る時は手を繋いで見ていた。
今日だけは勉強はしなかった。
そして寝るときは同じベッドで抱き合って寝ていた。
ただ抱き合うだけ。
それだけでも嬉しいんだ。
空の温もりが幸せな気持ちにさせてくれる。
いつか空は一人暮らしを始めると言った。
そういえば聞いてなかったな。
「空は一人暮らしを始めると言っていたけど住む場所決めてるのか?」
あまり遠いと会えなくなってしまう。
だけど空はちゃんと考えていてくれた。
「この辺で安いアパート探すよ」
どうせ車で通学するし、空が希望する大学からそんなに離れていないから。
水奈もその方が便利だろ?
ちゃんと空の頭の中には私がいる。
「毎日通ってもいいか?」
「……水奈の大学受験の手伝いもしないといけないからね」
こんなに一辺に幸せが襲ってきて大丈夫なのか?
実は夢でしたってオチはないよな?
そんな私を見て空はキスをしてくれた。
確かに感じる唇の触感。
「夢じゃないだろ?」
そう言って笑ってる空を抱きしめる。
私と空はまだ夢を見続けていられるんだ。
そんな幸せな夜を過ごしていた。
(6)
私達はSAPに集まった。
朝から皆盛り上がっていた。
皆が集まると早速店に入る。
ボーリングをしてゲーセンで遊んで昼食を食べてカラオケに行く。
皆で絶唱していた。
死にはしないけど。
水奈は洋楽がやたらと上手い。
英語の点数も悪くない。
水奈の母さんも似たような特質を持っているらしい。
大地はぼそぼそと歌うので何を言ってるのか分からない。
「もっとしゃきっとうたえ」
そう言うと叫ぶように歌う。
ラブソングだった。
そういうのは2人の時に歌ってくれ。
心から愛してるなんて言われたら私でもドキッとするじゃないか。
私以外の誰かに向けて言ってるのならぶっ飛ばす。
遊と粋も歌っていた。
遊と粋はなずなや花を連れて一緒に良くいくらしい。
いつも点数を競っているんだそうだ。
そして採点機能に文句をつける。
なずなや花も歌う。
あらゆるジャンルを歌うらしい。
最近はまっているのはバンドに和楽器を織り込んだグループ。
とても綺麗な曲だった。
1人につき2曲か3曲歌った程度でもあっという間に時間は過ぎる。
時間になると店を出てファミレスに向かう。
周りの客の迷惑にならない程度に盛り上がっていた。
そして夕食が済むとみんな解散する。
家に帰ると風呂に入って部屋に戻る。
ゲームをしながら大地とメッセージをやり取りしていた。
少々の夜更かしは認めてもらえていた。
勉強で徹夜は良くてもゲームやネットはだめ。
そんな矛盾は片桐家ではなかった。
ちゃんと学校に行って勉強してそれなりの成績を収めていたら文句は言いません。
愛莉はそう言った。
パパにも許可してもらえてた。
あとは自分の責任で行動しなさい。
そうつけ加えられるけど。
誰かに言われたとかじゃなくて自分の意思で行動しなさい。
そして決して誰かのせいにしてはいけません。
私達は自由という宝を得る代償に責任という重荷を背負うことになる。
僕達は高塚地蔵尊にお参りにやって来た。
手には昨夜書いた祈願の原稿用紙を持っている。
お祈りするとそれを指定された場所にかざる。
沢山の原稿用紙があった。
結局皆最後は神頼みというわけだ。
天音は文章作成ソフトを使ってプリントアウトした物を持って行こうとしたが天音のお母さんに怒られたらしい。
嫌々書いたらしいけど天音の字はとても綺麗だ。
「こんなことしても無駄だってのにな」
天音、周りは皆受験生だよ?
神様が願いを叶えてくれるならどうして毎年浪人生が出るんだ。
もっとも高校受験で失敗して中学浪人する人はほんのわずかしかいないらしい。
どうしてもレベルの高い進学校に生きたくて専願するものや高専を目指したもの。
滑り止めを受けていたけどレベルが低いからと入学しないもの。
そんな人達が浪人するそうだ。
高校に入学できたからといっても安心できない。
皆の学力が高すぎてついていけずに退学する者。
反対に低すぎて翌年に再度志望校に入試を受ける者。
私立高校に通っていたら授業料を払えずに退学を余儀なくされたもの。
中学までと違って様々な問題が発生する。
天音や水奈は問題ないと思うけど。
基本的に授業に出て課題をこなしてテストでいい成績を取る。
それだけで上がれるんだから。
中学浪人したくなければぶっちゃけどこでもいいから確実には入れるところを受験したらしい。
1次試験で失敗しても2次試験がある。
全日制がだめでも定時制がある。
失敗しても予備校に通えば良い。
高校なんてどこでもいい。
高校の3年間の過ごし方でやりたい事が変わるなんてよくある事だ。
悲観的になる必要なんて全くない。
とはいえこれから受験を受ける人にかける言葉ではない。
これからの3か月で人生の最初の分岐路に立つ。
僕も将来が約束されているとはいえ、さすがに中卒じゃ親に申し訳ない。
両親は全く心配してないみたいだけど。
帰りに日田に寄ることになった。
日田焼きそばを食いたいという天音の要望だ。
焼きそばを食って家に帰る。
夕飯の時間まで勉強して夕飯を食べると風呂に入って再び机に向かう。
天音からメッセージが届く。
「あとはなるようになる。だな!」
「そうだね」
「防府、頑張れよ!」
「天音も油断大敵だよ」
「おう!寝不足にならないようにもう寝るわ。じゃあな!」
まだ22時だよ?
まあ、天音らしい。
僕は毎日祈ってる。
君がずっと笑顔でいられるように。
君は僕の夢だから。
君の為ならなんだってするよ。
僕の人生だって君に捧げるつもり。
だって君は僕の夢なんだ。
僕の全ては君の者。
君が不安に怯える時はいつだって側にいるから。
だって今の僕には君だけだから。
僕達の間に入り込めるものなんてないから。
だって君のすぐ横に僕は立っている。
いつか僕達の子供が出来たら、僕の人生は君のおかげで完璧になるよ。
ただ見ていて欲しい。こんなちっぽけな僕だけど。
僕のものだよ永遠に。
僕達は2人で一つ。
僕と君は怖いものなんて何もない。
僕は強く感じている。
僕達ならきっと2人で乗り越えられると。
そして僕達は審判の時を待つ。
(2)
鞄にペンケースと受験票と上履きと弁当だけを入れる。
生徒手帳と一緒に神社で買った御守りも忘れずに持って行く。
昨日の夕食はカツ丼だった。
愛莉なりの心遣いなのかもしれない。
部屋を出ると皆と朝食をとる。
心なしか重苦しい雰囲気が漂う。
「どうしたんだ?皆お腹の調子でも悪いのか?」
私が聞いてみた。
「天音、リラックスだよ」
茜が言うと皆が次々と声をかけてくれた。
普段通りの私なら絶対大丈夫。
今は皆の方が固くなってる。
「心配いらねーって、ちょっとテストを受けて来るだけだ」
面接とかあるわけでもないし問題ない。
「天音、テストが終わったら頭は次の教科に切り替えるのですよ。過ぎたことを心配しても時間の無駄です」
愛莉が言う。
そんな事産まれて一度もしたことねーよ。
朝食が終ると準備をする。
受験を受けるのに一々リップしていく必要もない。
簡単に済ませると水奈が来る。
高校までは自転車で行く。
「事故だけはしないようにね」
父さんが言う。
そうして水奈と二人で受験会場の桜丘高校に向かった。
朝の通勤ラッシュで混んでる交差点をいくつか抜けてトンネルをくぐって道を抜ける。
通学の時はバスにしよう。
水奈と決めていた。
学校に着くと何人かのクラスメートと会う。
大体の連中は滑り止めには伊田高を、自信のある奴は藤明を選ぶ。
私のクラスも例外ではなかった。
だけど中には調理師や医療事務、CGや機械加工など福祉など専門分野を学ぶ為にこの学校を選ぶものもいる。
大地達は伊田高を受けている。
そして同じ時間に最初の科目が始まった。
鉛筆の音と時計の針を刻む音だけが聞こえる。
中には15分ほどして寝るやつもいた。
それが悪いとは思わない。
ケアレスミスがないかどうかチェックするのも大事だけどそうやって思考のドツボに嵌ってしまう奴もいる。
どっちが正しいのか正常な判断が出来なくなってしまう。
そういう時に限って大抵最初の解答が正しい。
だったら無駄な足掻きはしない。
ただしそういうのが通用しない教科もある。
英語なんかは試験開始後終盤になってヒアリングテストが始まることがある。
それをただじっと待つしかない。
1教科が終ると次の教科までに休憩時間がある。
私は水筒の飲み物を飲み、水奈とおしゃべりしてた。
最後の悪あがきを試みる者もいる。
午前中の科目が終ると昼食の時間になる。
水奈と昼食を食べていると渡辺紗理奈が来た。
「やっぱり天音達も同じ高校だったか」
紗理奈と3人で昼食を食べながら昼休憩を過ごす。
昼休憩が終ると残りの教科の試験を受ける。
全部終わると皆帰りに着いた。
水奈は少し不安気だった。
「心配いらねーよ。桜丘がだめなら公立受ければいいじゃねーか」
願書の受付期間はある。
「桜がだめなら公立校なんて絶対無理だろ?」
ここで躓いてたら本命の防府なんて絶対無理だ。
そしたら空に申し訳が立たない。
水奈はそう思っているらしい。
「水奈だって普通くらいの成績取ってたんだし大丈夫だって。落ちろと言われても難しい高校なんだぜ」
私みたいに桜丘高校一本に絞る方が珍しいんだから。
普通は教師や親が反対する。
そして家に帰るとスマホを見る。
大地達も無事済んだようだ。
「お疲れ様。本番もがんばれよ」
そうメッセージを送ってやる。
「天音もお疲れ。天音なら大丈夫。自信もって」
返事が返って来た。
そうして私の高校入試は終わった。
あとは結果をまつだけ。
じたばたしてもしょうがない。
TVゲームをして時間を潰していた。
(3)
翌週末。
入試の結果発表があった。
「天音、ICカード持った?」
「大丈夫」
どうせ入学したらバス通学なんだ。
今のうちに慣れておこうぜ。
私は水奈にそう言ってバスで結果を見に行くことを勧めた。
ルートは街まで出て駅裏の通りを真っ直ぐ行くだけ。
帰りに街に寄って遊びに行く。
そんな夢のような話が待っている。
「帰りに遊び放題だな!何して遊ぼうか?」
そんな話を水奈としながら高校に向く。
ゆっくり歩いても15分もかからない。
そして高校に着いたら既に発表がされていた。
歓喜する者、落胆する者。様々いた。
私達も自分の受験番号を探す。
水奈は見つけたようだ。
喜んで私に抱き着いている。
水奈にどの辺にあったか聞いた。
水奈が指差す。
その近辺を探すと私の番号もあった。
「天音達どうだった?」
私達を見つけた渡辺紗理奈が聞いてきた。
紗理奈も合格したらしい。
「カラオケで打ち上げしねえ?」
紗理奈もバスで来たらしい。
高校にもなって自転車通学なんてめんどくさい事したくないと言ったそうだ。
バス停から歩くのも結構面倒だけどな。
私達は断った。
学校に報告に行かないといけない。
後から考えたら来週頭に職員室に行けばいいだけの話だったんだけどな。
大地達に報告する。
大地達も合格していたらしい。
だが、大地達には県立高の入試がある。
県立入試終わったら打ち上げしような。
そんな約束をしていた。
家に帰ると「おめでとう」とお祝いしてくれた。
ありがとうといってご馳走にありつく。
ご飯を食べると部屋でゲームして遊んでる。
私はこれで受験という呪縛から解放された。
残り中学校生活を満喫することにした。
(3)
卒業式。
卒業証書を渡され皆がそれぞれの道に巣立つ時。
ここからは自分で歩む道を選ぶ時。
そしてその最初の難関に挑むものが大半だった。
道は自由だと言うけど大抵のものはまだ自由ではない。
自由だけど皆決まっている。
それを通過しないと先が無いのは皆一緒だから。
卒業式の余韻に浸る間も惜しんで家に帰って勉強するものもいた。
私も大地や水奈の事を案じて遊ぶのは県立入試の後にした。
遊達ですら必死に勉強をしている。
さすがに邪魔をするような気にならなかった。
卒業式が終ると真っ直ぐ家に帰る。
家には冬吾と冬莉がいるだけ。
部屋で着替える。
もう着る事のない制服。
水奈と二人で「高く買ってくれる人いるらしいぜ!」とはしゃいでいたが愛莉にばれた。
「思い出にとっておきなさい!」
そう言われた。
水奈は水奈の父さんに「いらないならくれ!」と言われたそうだ。
当然水奈の母さんに叱られていたらしい。
たかだか制服にそこまでこだわる男の心理が分からなかった。
まあ、名前を刺繍しているわけでもないし茜や冬莉が着れるかもしれないし良いか。
その日もご馳走だった。
「天音にも高校卒業したらプレゼントあげるから。とりあえず天音の高校入学のお祝い」
そう言って差し出されたのは定期券付ICカードだった。
フルにチャージしてるらしい。
お小遣いもアップしてくれるそうだ。
私のことだから大方街で遊んで帰ってくるつもりだろうからと父さんは笑っていた。
そして私にも空と同じようにこれから3年間試験をするという。
ちゃんと大人しくしていたら高校卒業した時にプレゼントがあるという。
それが何なのかはそのうち分かるだろう。
空が先に高校卒業するから。
両親は不公平な真似はしない。
皆平等に扱ってくれる。
せいぜい年齢によってお小遣いの額が変わるくらいだ。
もっとも茜は遠坂のお爺さんに色々もらってるみたいだけど。
食事が終ると、風呂に入る。
部屋に戻るとゲームをする。
大地は勉強に頑張っている事だろう。
寝る前だけおやすみのメッセージを送る。
私が足を引っ張るわけにはいかないから。
そうして他の人よりちょっとだけ長い春休みを楽しんでいた。
(4)
「あら?天音おはよう。今日は早いわね。いつもお昼に起きて来るのに」
「……腹減った。何かない?」
「今から作るからちょっと待っててね」
そう言って愛莉がキッチンに立つ。
その間椅子に座って待っていた。
手にはスマホを持っている。
それに気づいた愛莉が言った。
「食事中はスマホは禁止って決めてるでしょ。ダメですよ」
そうだった。
うちはダイニングにスマホを持ち込むのは厳禁になってある。
食事に行ってる時も同じだ。
食事中のスマホは絶対にしてはいけない。
食事は料理を楽しみながらみんなとコミュニケーションをとる場所。
他の皆に失礼だ。
家族全員がスマホをしながら料理を黙々と食べるなんてあってはならない。
私は大人しく部屋にスマホを戻しに行く。
すると感づいたらしい愛莉が言った。
「まだ合格発表までは時間がありますよ」
今日は大地の、県立高校の合格発表日。
朝早くから目が覚めてそして眠れずにいた。
じっとスマホが鳴るのを待っていた。
大地が落ちるはずがない。
分かっているけど気が気でない。
自分の合格発表よりも落ち着かなかった。
朝食を食べると部屋に戻ってスマホを見る。
時間は9時50分。
もうそろそろ頃合いだ。
最初になって声をかけてやろう。
「お疲れさん」「おめでとう、がんばったね」
落ちた場合の事は考えないことにした。
時計が10時を回る。
そろそろ分かる頃だ。
しかしメッセージは届かない。
電話もかかってこない。
まさかあいつ!?
いや、そんな事無いはずだ。
「どうだった?」って聞いた方がいいのだろうか?
でも「ダメだった」って帰ってきたらどう答えたらいい?
30分ほどたってようやく電話がかかって来た。
「もしもし」
「天音?今家に帰ったところ」
「そうか……」
どう切り出せばいいか困っていた。
「皆合格したよ」
大地はそう言った。
「お前はどうなんだ?」
「……ちゃんと合格通知書もらってきたよ」
だったら最初に言え!
「おめでとう!」
「ありがとう」
「大地なら大丈夫だって信じてたよ」
「張り出された時は緊張したけどね」
自分の番号を一度見過ごしてしまったらしい。
それを遊が見つけたそうだ。
「じゃあ、今週末は打ち上げだな!」
「そうだね」
皆で盛大に盛り上がろう。
大地と約束して電話を切った。
スマホのグループチャットを見ると中学3年生を中心に盛り上がっていた。
皆合格したそうだ。
スマホを机に置いて一回に降りると愛莉に伝える。
「大地合格したって!」
「よかったわね~」
愛莉と一緒に喜ぶ。
学校は違うけどお互い自分の夢に一歩近づく事が出来た。
そして私達は高校生活という新たな舞台を手に入れた。
どんな出来事が待っているのだろう?
まずは週末に楽し無事に決めた。
(5)
私は防府高校に来ていた。
高校入試合否発表の日。
今までの努力の成果が今日試される。
空と一緒に高校生活を過ごしたい。
不純な動機だけど私にとってはとても大切な事。
大地や祈達も来ていた。
皆自信ありげだった。
公立入試のあと空からは「お疲れ様、今日までよく頑張ったね」ってメッセージが来てた。
今日まで支えてくれた空の為にも合格したい。
やがて係の人が掲示板に結果を張り出す。
必死に自分の番号を探した。
……あった。
皆の叫び声が聞こえる。
祈達が抱き合って喜んでいる。
私は立ちすくんでいた。
目から涙がこぼれていた。
喜びのあまり、声が出ない。
だけど、惚けている場合じゃない。
まずは、両親に結果を報告する
「おめでとう、頑張ったね」
母さんが祝ってくれた。
次は空だ。
メッセージを打とうとしたけど、指を止めた。
そして連絡先から空の連絡先を探す。
すぐに空の連絡先が出るように設定しておいた。
「水奈?どうだった?」
空も緊張しているようだった。
「……受かった」
「おめでとう、頑張ったね」
「ありがとう、空のお蔭だ」
「最後は水奈の頑張りだよ」
嬉しくて嬉しくて、今ここに空がいたらすぐにでも抱きしめたいくらい嬉しかった。
「あ、ごめん。ちょっと後でかけなおす」
「わかった」
私は家に電話していた。
「母さん、今日はお祝いしてくれるんだよね?」
「ああ、ご馳走用意して待ってるよ」
「……空も呼んでいいかな?」
「構わないよ」
そして空をお祝いに招待する。
飯食って帰るなんて寂しい事言わないで。
今日だけは空に甘えたい。
「いいよ」
空は承諾してくれた。
夕方ごろ空が来るとパーティが始まった。
「空、ありがとうな。助かったよ」
母さんが空に礼を言う。
「これからもよろしく頼む」
これからも空と一緒にいられるんだ。
「分かりました」
空は良いよって言ってくれた。
食事が済むと風呂に入って、私の部屋で寛ぐ。
テレビを見る時は手を繋いで見ていた。
今日だけは勉強はしなかった。
そして寝るときは同じベッドで抱き合って寝ていた。
ただ抱き合うだけ。
それだけでも嬉しいんだ。
空の温もりが幸せな気持ちにさせてくれる。
いつか空は一人暮らしを始めると言った。
そういえば聞いてなかったな。
「空は一人暮らしを始めると言っていたけど住む場所決めてるのか?」
あまり遠いと会えなくなってしまう。
だけど空はちゃんと考えていてくれた。
「この辺で安いアパート探すよ」
どうせ車で通学するし、空が希望する大学からそんなに離れていないから。
水奈もその方が便利だろ?
ちゃんと空の頭の中には私がいる。
「毎日通ってもいいか?」
「……水奈の大学受験の手伝いもしないといけないからね」
こんなに一辺に幸せが襲ってきて大丈夫なのか?
実は夢でしたってオチはないよな?
そんな私を見て空はキスをしてくれた。
確かに感じる唇の触感。
「夢じゃないだろ?」
そう言って笑ってる空を抱きしめる。
私と空はまだ夢を見続けていられるんだ。
そんな幸せな夜を過ごしていた。
(6)
私達はSAPに集まった。
朝から皆盛り上がっていた。
皆が集まると早速店に入る。
ボーリングをしてゲーセンで遊んで昼食を食べてカラオケに行く。
皆で絶唱していた。
死にはしないけど。
水奈は洋楽がやたらと上手い。
英語の点数も悪くない。
水奈の母さんも似たような特質を持っているらしい。
大地はぼそぼそと歌うので何を言ってるのか分からない。
「もっとしゃきっとうたえ」
そう言うと叫ぶように歌う。
ラブソングだった。
そういうのは2人の時に歌ってくれ。
心から愛してるなんて言われたら私でもドキッとするじゃないか。
私以外の誰かに向けて言ってるのならぶっ飛ばす。
遊と粋も歌っていた。
遊と粋はなずなや花を連れて一緒に良くいくらしい。
いつも点数を競っているんだそうだ。
そして採点機能に文句をつける。
なずなや花も歌う。
あらゆるジャンルを歌うらしい。
最近はまっているのはバンドに和楽器を織り込んだグループ。
とても綺麗な曲だった。
1人につき2曲か3曲歌った程度でもあっという間に時間は過ぎる。
時間になると店を出てファミレスに向かう。
周りの客の迷惑にならない程度に盛り上がっていた。
そして夕食が済むとみんな解散する。
家に帰ると風呂に入って部屋に戻る。
ゲームをしながら大地とメッセージをやり取りしていた。
少々の夜更かしは認めてもらえていた。
勉強で徹夜は良くてもゲームやネットはだめ。
そんな矛盾は片桐家ではなかった。
ちゃんと学校に行って勉強してそれなりの成績を収めていたら文句は言いません。
愛莉はそう言った。
パパにも許可してもらえてた。
あとは自分の責任で行動しなさい。
そうつけ加えられるけど。
誰かに言われたとかじゃなくて自分の意思で行動しなさい。
そして決して誰かのせいにしてはいけません。
私達は自由という宝を得る代償に責任という重荷を背負うことになる。
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