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旅立ち
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「ごめん、俺沖縄に帰らなきゃ行けなくなった」
建人は突然そう言った。
「どうして?」
「親が倒れた。とりあえず帰ってくる」
親が倒れたのなら仕方ない。
「わかった……」
そう言って建人を空港まで見送った。
そんな大事にはいたらなかったらしい。
だけど、建人は帰ってこなかった。
家業の民宿を手伝っているそうだ。
このまま沖縄にいるつもりだろうか?
そのまさかだった。
来月には退学届けを出すつもりらしい。
その前に引越しの準備に戻って来るそうだ。
きっとその時が私との別れの時。
まただ……。
私は寂しい。
どうして私だけこうなんだろう?
でも事情が事情なだけに「行かないで」なんて言えない。
遠距離恋愛なんて私には無理な事は分かっている。
どうしたらいいのか分からない。
見えないと不安になる。
写真立ての中の私を見る。
建人の引きつった笑顔が懐かしい。
どんな顔をして建人に会えば良い?
私は親友の瞳子に相談していた。
ファミレスで瞳子と冬吾君と会っていた。
私の悩みを瞳子にぶつける。
瞳子もどうしたらいいか悩んでみたいだ。
悩んだ末に出た回答は
「信じるしかないんじゃない?」
「……それは無理」
だって建人に言われたから。
「短い間だったけど……ごめん」
たとえ遠く離れていても2人の心は一緒。
そんな言葉はただのまやかし。
距離の分だけ心も離れてしまう。
どうせ私を苦しめるなら、と彼は私と別れる事を選んだ。
きっといい人に巡り合える。
建人はそういうけど、私はあと何度出会いと別れを繰り返せばいいの?
だけど冬吾君は違う考えを示した。
「片桐家ではあることが言われているんだ」
飛び出すタイミングを逃すな。
二度とないチャンスだと思ったら飛び出せ。
同じ後悔するなら後からすればいい。
急にボールが来たかからなんて言い訳は通用しない。
「離れたくないんでしょ?その建人さんて人と」
冬吾君はそう言って笑う。
そっか……彼は私の心をのぞけるんだったね。
私は黙ってうなずいた。
そして建人が地元に戻ってきた。
荷造りをする前に私は建人に言った。
「私も沖縄に行く!」
建人は驚いていた。
「大学はどうするの?」
「中退する」
「……両親が許さないよ」
「だから建人にお願いがあるの」
私の人生を預けてもいいですか?
建人は少し悩んでいた。
まだ21歳だ。
無理もない。
「本当に俺で後悔しないか?」
決して楽な生活は保障できない。
「私はどんなことがあっても建人についていくと覚悟を決めた」
あとは建人次第。
「……困ったな。それって俺が言うべき事だと思ったんだけど」
建人はそう言って笑って、私を抱きしめる。
「俺を選んでくれてありがとう。冴を必ず幸せにするから」
「私は今でも幸せだよ」
その後私の家に言って、建人は私の両親に挨拶する。
少々驚いていたけど両親の許しを得る事が出来た。
そして私も退学届けを出して引っ越す準備を始める。
誠司達も手伝いに来てくれた。
前日に私たちの送別会が開かれた。
「幸せになれよ」
誠司から受け取った言葉。
誠司にはできなかったから、建人に託すらしい。
その日は朝まで騒いだ。
そのまま私達は空港に向かう。
「元気でね」
瞳子が言う。
「瞳子たちの結婚式には呼んでね」
「うん」
そして私たちは沖縄へと発った。
まず建人の両親に挨拶をして事情を説明する。
建人の両親は快く私を受け入れてくれた。
決して楽な暮らしではないけど満足している。
憧れの沖縄で最愛の彼と一緒に暮らす。
私と建人は皆よりも早く新しい生活に旅立った。
建人は突然そう言った。
「どうして?」
「親が倒れた。とりあえず帰ってくる」
親が倒れたのなら仕方ない。
「わかった……」
そう言って建人を空港まで見送った。
そんな大事にはいたらなかったらしい。
だけど、建人は帰ってこなかった。
家業の民宿を手伝っているそうだ。
このまま沖縄にいるつもりだろうか?
そのまさかだった。
来月には退学届けを出すつもりらしい。
その前に引越しの準備に戻って来るそうだ。
きっとその時が私との別れの時。
まただ……。
私は寂しい。
どうして私だけこうなんだろう?
でも事情が事情なだけに「行かないで」なんて言えない。
遠距離恋愛なんて私には無理な事は分かっている。
どうしたらいいのか分からない。
見えないと不安になる。
写真立ての中の私を見る。
建人の引きつった笑顔が懐かしい。
どんな顔をして建人に会えば良い?
私は親友の瞳子に相談していた。
ファミレスで瞳子と冬吾君と会っていた。
私の悩みを瞳子にぶつける。
瞳子もどうしたらいいか悩んでみたいだ。
悩んだ末に出た回答は
「信じるしかないんじゃない?」
「……それは無理」
だって建人に言われたから。
「短い間だったけど……ごめん」
たとえ遠く離れていても2人の心は一緒。
そんな言葉はただのまやかし。
距離の分だけ心も離れてしまう。
どうせ私を苦しめるなら、と彼は私と別れる事を選んだ。
きっといい人に巡り合える。
建人はそういうけど、私はあと何度出会いと別れを繰り返せばいいの?
だけど冬吾君は違う考えを示した。
「片桐家ではあることが言われているんだ」
飛び出すタイミングを逃すな。
二度とないチャンスだと思ったら飛び出せ。
同じ後悔するなら後からすればいい。
急にボールが来たかからなんて言い訳は通用しない。
「離れたくないんでしょ?その建人さんて人と」
冬吾君はそう言って笑う。
そっか……彼は私の心をのぞけるんだったね。
私は黙ってうなずいた。
そして建人が地元に戻ってきた。
荷造りをする前に私は建人に言った。
「私も沖縄に行く!」
建人は驚いていた。
「大学はどうするの?」
「中退する」
「……両親が許さないよ」
「だから建人にお願いがあるの」
私の人生を預けてもいいですか?
建人は少し悩んでいた。
まだ21歳だ。
無理もない。
「本当に俺で後悔しないか?」
決して楽な生活は保障できない。
「私はどんなことがあっても建人についていくと覚悟を決めた」
あとは建人次第。
「……困ったな。それって俺が言うべき事だと思ったんだけど」
建人はそう言って笑って、私を抱きしめる。
「俺を選んでくれてありがとう。冴を必ず幸せにするから」
「私は今でも幸せだよ」
その後私の家に言って、建人は私の両親に挨拶する。
少々驚いていたけど両親の許しを得る事が出来た。
そして私も退学届けを出して引っ越す準備を始める。
誠司達も手伝いに来てくれた。
前日に私たちの送別会が開かれた。
「幸せになれよ」
誠司から受け取った言葉。
誠司にはできなかったから、建人に託すらしい。
その日は朝まで騒いだ。
そのまま私達は空港に向かう。
「元気でね」
瞳子が言う。
「瞳子たちの結婚式には呼んでね」
「うん」
そして私たちは沖縄へと発った。
まず建人の両親に挨拶をして事情を説明する。
建人の両親は快く私を受け入れてくれた。
決して楽な暮らしではないけど満足している。
憧れの沖縄で最愛の彼と一緒に暮らす。
私と建人は皆よりも早く新しい生活に旅立った。
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