48 / 535
五月雨乱れ
しおりを挟む
(1)
「2人とも成績に問題はないようですね。今の調子ならどんな高校にも入れるでしょう」
担任の高槻翔先生はそう言った。
今日は家庭訪問の日。
母さんは高槻先生の話を聞いてほっとしたようだ。
だが、問題はここからだ。
「2人とも行きたい高校とかないのか?」
「あるよ」
僕が答えた。
「どこに行きたいんだ?」
「防府高校」
理由はある。
「まあ、今の調子で勉強頑張っていれば余裕で通ると思うが、上野丘に目指してもいいくらいだ。防府にこだわる理由はあるのか?」
「近いから」
翼は躊躇わずに言う。
「……まあ、こういうわけで二人にはどうもやる気がかけるようです。何か夢中になることをさせてやりたいんですが」
高槻先生が言った。
「将来の夢は決まってるから防府で十分だと思いました」
「夢?あるのか?」
「父さんの会社を継ぐこと」
「普通にお嫁さんかなぁ……社長夫人って何か資格が必要なんですか?」
「……お前たちは運動能力もいい、勉強を疎かにしろとは言わないが何が部活動とかしてみたらどうだ?」
「疲れるだけだから嫌です。それに球技苦手だし」
「陸上や体操と言う選択肢もあるぞ?」
父さんが言ってた「下手に部活すると、日本代表とかに選ばれて面倒だぞ」って。
だから僕と翼は頑なに拒んだ。
「うーん、二人なら何でもこなせると思うんだけどな、刺激が足りないと感じているようだが、そのめんどくさがりはどうにかしようと思わないのか?」
「ないです」
翼はきっぱりと言った。
「そうか……他は特に問題ありません。たまに上級生と揉めるくらいです。正当性は2人にあるので問題はないのですが少々やりすぎるところがありまして」
FGとSHの抗争は中学にまでもつれ込んでいた。
学校初日からFGの上級生が殴りこんできたので返り討ちにした。
多分その事だろう。
FGは先に中学生に上がっていた。
だからFGの勢力が一方的に強かった。
僕達が入学してくるまでは。
「まあそのくらいです。今のままいけば。学校生活さえ気を付けてもらえればまず志望校には入れます」
高槻先生が言った。
「私の方からも良く言っておきますので。翔もお疲れ様です」
「いえ、これが仕事なんで。それではまた」
高槻先生も「渡辺班」の一人らしい。
高槻千歳先生の旦那さんだそうだ。
学校ではバスケの顧問をしている。
「じゃあ、先生は次に桐谷君のところ行かなきゃいけないから」
「はい、お疲れ様です」
翼が言うと、先生は家を出て行った。
入れ違いに天音の担任の水島桜子先生が来る。
「2人は部屋に戻っていて。天音、降りていらっしゃい!」
母さんがそう言うと、僕達は部屋に戻る。
宿題はこなしていた。
連休明けにテストがある。それも多分問題ないだろう。
テレビを見ていた。
天音の家庭訪問は長引いた。
歓迎遠足で早速やらかしたらしい。
まあ、天音ならやるな。
「愛莉先輩……あと1年だけだから我慢するよう言ってもらえませんか?」
「あら?中学生になってから暴れろと言うのですか?」
「そうじゃなくてですね……」
このままだと小学校を卒業することなく人生を終わらせる児童が現れるかもしれないと、桜子が母さんに泣きついたそうだ。
「恵美達からも聞いてるけど先にその子を注意したほうが早いんじゃないの?」
「……それは私達も注意してますからどうか」
「じゃあ、桜子に逆らう奴を処刑すればいいんだな!」
自分たちの正当性しか考えていない天音。
桜子は肩を落として学校に帰ったそうだ。
だけど、その日の夕食の時に問題になったのは僕達の方だった。
「学校生活楽しい?」
そんな普通の話題だったけど。
どちらでもなかった。
つまらなくはない。
ただ退屈なのは変わりなかった。
部活もしない、生徒会活動もしない。
やれる事と言ったらせいぜい買い食いが出来るようになったくらい。
あとは小学生と変わらない。
勉強?科目が増えたくらいだよ。
あとは点数をやたらと気にしだしたくらい。
実力主義ってやつだろうか?
どう勉強したかなんて関係ない。
テストの点数だけが評価される。
体力測定は言うまでもない。
基本的に僕も翼も悪くない。
翼は何かしないともったいないくらいだ。
だから高槻先生が言った。
だけど僕も翼も父さんの子。
面倒な事はしたくない。
それが問題だという。
「愛莉たちは何か部活してたの?」
翼が母さんに聞いていた。
「特にしてないですね。でも冬夜さんには理由がありました」
「どんな理由?」
父さんの能力が高すぎて妬まれていたらしい。
「じゃあ、私達だって一緒じゃない」
どうせ回りに妬まれるのが関の山。翼はそう言いたいんだろう。
「まあ、いいじゃないか。2人ともぼーっと過ごしてるわけじゃない。ちゃんと将来像は描いているんだから」
父さんが言う。
「冬夜さんがそう言うのでしたら私は何も言いませんが」
母さんがそう言うとこの話は終わった。
(2)
「ごめんなさい、私好きな人がいるの」
「え?誰それ」
「それは内緒。じゃ、私行くね」
私は放課後男子生徒から呼び出されそして告白を受ける。
でも私には心に決めた人がいる。
だから断る。
そしてその人が待っている校門に向かう。
「空、お待たせ」
「美希も毎日ご苦労さん」
空が労いの言葉をかけてくれる。
それからコンビニに寄って下校する。
自慢じゃないけど私はモテるらしい。
単に胸を見て決めているらしいけど。
男子にしてみたら羨望の的なんだろうけど見られる方はあまりうれしくはない。
どうかすると女子からも妬まれることがある。
毎日のように呼び出しを受ける。
それは私だけじゃなかった。
空も偶に呼び出しを受ける。
FGとの闘争。
運動能力が異常に高い事。
そして成績もいい。
見た目は父親に似たらしくて適当らしい。
そして優しい人。
モテない要素がない。
お菓子を食べながら家の前まで送ってもらってそして空は帰っていく。
宿題を済ませてそしてくつろぐ。
連休は今年はまとまった連休じゃなかったので家で過ごした。
映画を観に行くくらいのデートはしたけど。
連休が明けると中間テストがあった。
結果はよかった。
今は音楽を聴きながら本を読んでいた。
結果さえ出していれば、他人に迷惑をかけなかったら何をしていても構わない。
それが母さんが決めたルール。
夕食の時間になるとダイニングに降りてご飯を食べる。
当たり前の日常が淡々と繰り返していく日々。
退屈だけど、その退屈の有難みを知っていた
そしてそれがずっと続けばいいと思っていた。
最近空と嵌っていることがある。
22時になるとラジオをつける。
地元ラジオ局の番組。
ハガキを呼んでリクエスト曲を流すという番組。
DJの人が地元では人気だった。
最初に教えてくれたのは学だった。
学は勉強をしながら聞いていたらしい。
そしてその後にあるアニメ関連の情報番組を聞いていた。
みんなラジオに夢中になりそしてハガキやメールなんかを投稿する。
番組のSNS公式アカウント何かにも投稿する。
それは深夜まで続く1時から始まる番組まで聞いてる。
番組の前半が終る頃眠りにつく。
(3)
皆体育館に集まっていた。
生徒会の執行部がステージに設けられた席に座り話し合いが行われる。
生徒総会。
中学に入って初めて行われる行事だ。
もちろん静かに聞いてるわけがない。
皆で話を聞いてる。
話もそんな大したことは無い。
「昼休みの放送にロックやメタルを流せ」
「朝の挨拶運動とか面倒なことやらせるな」
「ズボンのツータックくらい認めろ」
「髪の長さくらい自由にさせろ!」
等々言いたい放題の要望を突きつける生徒たち。
嫌なら守らなきゃいいじゃん。
そう思いながら不毛な議論を聞いているだけどの作業。
生徒会はそれらのクレームを対処するために相談する。
そして屁理屈を並べてクレームを排除する。
あまりに長引くと職員の介入がある。
学達も大変だな。
しょうもない議論を聞いているのも面倒になって光太達と話を始める。
光太も校則に縛られない人種だった。
制服は変形したものじゃないけど腰パンをして先生に目をつけられている。
靴下も既定のものじゃない。
僕達は校則をまもっている。
もっとも中のシャツとかは翼が選んだものを着ているけど。
自分で選ぶのが面倒なだけ。
「空がみっともない格好してて恥をかくのは美希なんだよ!」
そう言って姉というスタイリストが服を選んでくれる。
そして時間はあっという間に2時間が過ぎた。
時間になったので残りの議題は後日プリントで配るという。
だったら最初からプリントで配布すればいいじゃないかと思うんだけど。
学達はその報告を作るために今日も放課後居残り作業だった。
(4)
中学校の体育大会は5月末に行われる。
連休明けから練習がある。
僕と翼は相変わらずだった。
ひたすら走らされた。
100M 、400M、長距離走、対抗リレー。
陸上部ですら追いつけないスピードで駆け抜けていく。
騎馬戦は1年生には関係なかった。
応援団は生徒会と学級委員がやる。
麗華は面倒くさいと嫌がっていた。
自分の種目が終るとあとはひたすら応援席で待っているだけ。
両親は見に来ていた。
体育大会が終ると片づけて下校。
月曜日が振り替え休日になる。
まあ、やる事はいつも通りだけど、
日曜日に宿題を澄ませてしまって月曜日はひたすらだらだら過ごす。
天音達は悔しがっていた。
恋も小学4年生。
自分の事くらい自分でやるようになる。
遊と喧嘩するようになったらしい。
だいたい遊が原因らしいが。
天音と水奈も桜子先生の頭痛の種だと母さんと神奈さんが話しているのをちらっと聞いた。
しかし天音たちには関係ない。
やるところまで徹底的にやる。
母さん達だけ呼び出すなんてのはまず無理みたいだ。
小学校ではSHがFGを蹂躙している。
だから光太達は心配していた。
今年はまだいい。
だけど来年天音たちが卒業したらどうなる?
あまり考えたくないけど今のうちに手を打つ必要がある気がしてならなかった。
「2人とも成績に問題はないようですね。今の調子ならどんな高校にも入れるでしょう」
担任の高槻翔先生はそう言った。
今日は家庭訪問の日。
母さんは高槻先生の話を聞いてほっとしたようだ。
だが、問題はここからだ。
「2人とも行きたい高校とかないのか?」
「あるよ」
僕が答えた。
「どこに行きたいんだ?」
「防府高校」
理由はある。
「まあ、今の調子で勉強頑張っていれば余裕で通ると思うが、上野丘に目指してもいいくらいだ。防府にこだわる理由はあるのか?」
「近いから」
翼は躊躇わずに言う。
「……まあ、こういうわけで二人にはどうもやる気がかけるようです。何か夢中になることをさせてやりたいんですが」
高槻先生が言った。
「将来の夢は決まってるから防府で十分だと思いました」
「夢?あるのか?」
「父さんの会社を継ぐこと」
「普通にお嫁さんかなぁ……社長夫人って何か資格が必要なんですか?」
「……お前たちは運動能力もいい、勉強を疎かにしろとは言わないが何が部活動とかしてみたらどうだ?」
「疲れるだけだから嫌です。それに球技苦手だし」
「陸上や体操と言う選択肢もあるぞ?」
父さんが言ってた「下手に部活すると、日本代表とかに選ばれて面倒だぞ」って。
だから僕と翼は頑なに拒んだ。
「うーん、二人なら何でもこなせると思うんだけどな、刺激が足りないと感じているようだが、そのめんどくさがりはどうにかしようと思わないのか?」
「ないです」
翼はきっぱりと言った。
「そうか……他は特に問題ありません。たまに上級生と揉めるくらいです。正当性は2人にあるので問題はないのですが少々やりすぎるところがありまして」
FGとSHの抗争は中学にまでもつれ込んでいた。
学校初日からFGの上級生が殴りこんできたので返り討ちにした。
多分その事だろう。
FGは先に中学生に上がっていた。
だからFGの勢力が一方的に強かった。
僕達が入学してくるまでは。
「まあそのくらいです。今のままいけば。学校生活さえ気を付けてもらえればまず志望校には入れます」
高槻先生が言った。
「私の方からも良く言っておきますので。翔もお疲れ様です」
「いえ、これが仕事なんで。それではまた」
高槻先生も「渡辺班」の一人らしい。
高槻千歳先生の旦那さんだそうだ。
学校ではバスケの顧問をしている。
「じゃあ、先生は次に桐谷君のところ行かなきゃいけないから」
「はい、お疲れ様です」
翼が言うと、先生は家を出て行った。
入れ違いに天音の担任の水島桜子先生が来る。
「2人は部屋に戻っていて。天音、降りていらっしゃい!」
母さんがそう言うと、僕達は部屋に戻る。
宿題はこなしていた。
連休明けにテストがある。それも多分問題ないだろう。
テレビを見ていた。
天音の家庭訪問は長引いた。
歓迎遠足で早速やらかしたらしい。
まあ、天音ならやるな。
「愛莉先輩……あと1年だけだから我慢するよう言ってもらえませんか?」
「あら?中学生になってから暴れろと言うのですか?」
「そうじゃなくてですね……」
このままだと小学校を卒業することなく人生を終わらせる児童が現れるかもしれないと、桜子が母さんに泣きついたそうだ。
「恵美達からも聞いてるけど先にその子を注意したほうが早いんじゃないの?」
「……それは私達も注意してますからどうか」
「じゃあ、桜子に逆らう奴を処刑すればいいんだな!」
自分たちの正当性しか考えていない天音。
桜子は肩を落として学校に帰ったそうだ。
だけど、その日の夕食の時に問題になったのは僕達の方だった。
「学校生活楽しい?」
そんな普通の話題だったけど。
どちらでもなかった。
つまらなくはない。
ただ退屈なのは変わりなかった。
部活もしない、生徒会活動もしない。
やれる事と言ったらせいぜい買い食いが出来るようになったくらい。
あとは小学生と変わらない。
勉強?科目が増えたくらいだよ。
あとは点数をやたらと気にしだしたくらい。
実力主義ってやつだろうか?
どう勉強したかなんて関係ない。
テストの点数だけが評価される。
体力測定は言うまでもない。
基本的に僕も翼も悪くない。
翼は何かしないともったいないくらいだ。
だから高槻先生が言った。
だけど僕も翼も父さんの子。
面倒な事はしたくない。
それが問題だという。
「愛莉たちは何か部活してたの?」
翼が母さんに聞いていた。
「特にしてないですね。でも冬夜さんには理由がありました」
「どんな理由?」
父さんの能力が高すぎて妬まれていたらしい。
「じゃあ、私達だって一緒じゃない」
どうせ回りに妬まれるのが関の山。翼はそう言いたいんだろう。
「まあ、いいじゃないか。2人ともぼーっと過ごしてるわけじゃない。ちゃんと将来像は描いているんだから」
父さんが言う。
「冬夜さんがそう言うのでしたら私は何も言いませんが」
母さんがそう言うとこの話は終わった。
(2)
「ごめんなさい、私好きな人がいるの」
「え?誰それ」
「それは内緒。じゃ、私行くね」
私は放課後男子生徒から呼び出されそして告白を受ける。
でも私には心に決めた人がいる。
だから断る。
そしてその人が待っている校門に向かう。
「空、お待たせ」
「美希も毎日ご苦労さん」
空が労いの言葉をかけてくれる。
それからコンビニに寄って下校する。
自慢じゃないけど私はモテるらしい。
単に胸を見て決めているらしいけど。
男子にしてみたら羨望の的なんだろうけど見られる方はあまりうれしくはない。
どうかすると女子からも妬まれることがある。
毎日のように呼び出しを受ける。
それは私だけじゃなかった。
空も偶に呼び出しを受ける。
FGとの闘争。
運動能力が異常に高い事。
そして成績もいい。
見た目は父親に似たらしくて適当らしい。
そして優しい人。
モテない要素がない。
お菓子を食べながら家の前まで送ってもらってそして空は帰っていく。
宿題を済ませてそしてくつろぐ。
連休は今年はまとまった連休じゃなかったので家で過ごした。
映画を観に行くくらいのデートはしたけど。
連休が明けると中間テストがあった。
結果はよかった。
今は音楽を聴きながら本を読んでいた。
結果さえ出していれば、他人に迷惑をかけなかったら何をしていても構わない。
それが母さんが決めたルール。
夕食の時間になるとダイニングに降りてご飯を食べる。
当たり前の日常が淡々と繰り返していく日々。
退屈だけど、その退屈の有難みを知っていた
そしてそれがずっと続けばいいと思っていた。
最近空と嵌っていることがある。
22時になるとラジオをつける。
地元ラジオ局の番組。
ハガキを呼んでリクエスト曲を流すという番組。
DJの人が地元では人気だった。
最初に教えてくれたのは学だった。
学は勉強をしながら聞いていたらしい。
そしてその後にあるアニメ関連の情報番組を聞いていた。
みんなラジオに夢中になりそしてハガキやメールなんかを投稿する。
番組のSNS公式アカウント何かにも投稿する。
それは深夜まで続く1時から始まる番組まで聞いてる。
番組の前半が終る頃眠りにつく。
(3)
皆体育館に集まっていた。
生徒会の執行部がステージに設けられた席に座り話し合いが行われる。
生徒総会。
中学に入って初めて行われる行事だ。
もちろん静かに聞いてるわけがない。
皆で話を聞いてる。
話もそんな大したことは無い。
「昼休みの放送にロックやメタルを流せ」
「朝の挨拶運動とか面倒なことやらせるな」
「ズボンのツータックくらい認めろ」
「髪の長さくらい自由にさせろ!」
等々言いたい放題の要望を突きつける生徒たち。
嫌なら守らなきゃいいじゃん。
そう思いながら不毛な議論を聞いているだけどの作業。
生徒会はそれらのクレームを対処するために相談する。
そして屁理屈を並べてクレームを排除する。
あまりに長引くと職員の介入がある。
学達も大変だな。
しょうもない議論を聞いているのも面倒になって光太達と話を始める。
光太も校則に縛られない人種だった。
制服は変形したものじゃないけど腰パンをして先生に目をつけられている。
靴下も既定のものじゃない。
僕達は校則をまもっている。
もっとも中のシャツとかは翼が選んだものを着ているけど。
自分で選ぶのが面倒なだけ。
「空がみっともない格好してて恥をかくのは美希なんだよ!」
そう言って姉というスタイリストが服を選んでくれる。
そして時間はあっという間に2時間が過ぎた。
時間になったので残りの議題は後日プリントで配るという。
だったら最初からプリントで配布すればいいじゃないかと思うんだけど。
学達はその報告を作るために今日も放課後居残り作業だった。
(4)
中学校の体育大会は5月末に行われる。
連休明けから練習がある。
僕と翼は相変わらずだった。
ひたすら走らされた。
100M 、400M、長距離走、対抗リレー。
陸上部ですら追いつけないスピードで駆け抜けていく。
騎馬戦は1年生には関係なかった。
応援団は生徒会と学級委員がやる。
麗華は面倒くさいと嫌がっていた。
自分の種目が終るとあとはひたすら応援席で待っているだけ。
両親は見に来ていた。
体育大会が終ると片づけて下校。
月曜日が振り替え休日になる。
まあ、やる事はいつも通りだけど、
日曜日に宿題を澄ませてしまって月曜日はひたすらだらだら過ごす。
天音達は悔しがっていた。
恋も小学4年生。
自分の事くらい自分でやるようになる。
遊と喧嘩するようになったらしい。
だいたい遊が原因らしいが。
天音と水奈も桜子先生の頭痛の種だと母さんと神奈さんが話しているのをちらっと聞いた。
しかし天音たちには関係ない。
やるところまで徹底的にやる。
母さん達だけ呼び出すなんてのはまず無理みたいだ。
小学校ではSHがFGを蹂躙している。
だから光太達は心配していた。
今年はまだいい。
だけど来年天音たちが卒業したらどうなる?
あまり考えたくないけど今のうちに手を打つ必要がある気がしてならなかった。
0
あなたにおすすめの小説
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?
すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。
お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」
その母は・・迎えにくることは無かった。
代わりに迎えに来た『父』と『兄』。
私の引き取り先は『本当の家』だった。
お父さん「鈴の家だよ?」
鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」
新しい家で始まる生活。
でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。
鈴「うぁ・・・・。」
兄「鈴!?」
倒れることが多くなっていく日々・・・。
そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。
『もう・・妹にみれない・・・。』
『お兄ちゃん・・・。』
「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」
「ーーーーっ!」
※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。
※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。
※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる