姉妹チート

和希

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覚悟

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(1)

 終業式。
 暑い体育館の中体育座りして校長のめんどくさい話を延々と聞かされる。
 何の意味があるのか校歌を歌わせられる。
 地獄のような時間から解放されると、教室で通知票を渡されて夏休みの過ごし方を教わる。
 事故に遭うな。
 校則を破るな。
 生徒手帳は常に携帯しろ。
 毎回毎回同じことをよく飽きもせず説明するもんだ。
 まあ、生徒手帳は持ってると学割使えるから携帯してるけど。
 担任の話が終るとようやく1学期が終る。

「帰ったら集合して市営プールでもいかね?」

 祈がそう言うと皆行くと言った。
 昇降口で、大地が教室に忘れ物をしたと言って取りに戻る。
 私達は靴を履いて上履きを持って帰る。
 すると十数台の単車と車が乱入してきた。
 やたらと五月蠅い。
 いわゆる族車というやつだ。
 目的は何となく想像つく。

「喜一!迎えに来たよ」

 金髪のロン毛で厚化粧の特攻服を着て下にはしろいTシャツの多分高校生くらいの女子がそう叫んだ。
 すると私の横を喜一が通り抜けて運転席に座ってるその女性の横に立つと私に言う。

「紹介がまだだったね。俺の連れの武井優樹菜。綺麗だろ?」
「よせよ。照れるじゃないか」

 乗ってる車が表すように武井とかいう奴の頭も相当悪そうだ。
 全校生徒が校舎の窓から広場から体育館から、あらゆる場所から見てる前で公然といちゃつく二人。
 それを見せつけたいだけか?
 私達は無視して帰ろうとした。

「待てよ、なんか言う事あるだろ?」

 何を言ってるのかよく分からない。
 ただ一言警告した。

「お前らがちょっかいを出してくるなら、遠慮なくお前を燃やしてやると警告したはずだぞ?」
「この集団を見てそんな事が言えるの?謝るなら今のうちだよ?」

 そう言って立ち去ろうとする私の肩に喜一が触れた。
 それだけで喜一を埋める理由は十分だ。
 私は自分の肩に触れた喜一の腕を掴むと投げつける。
 下は畳じゃない。アスファルトだ。さぞ痛いだろう。

「一学期が終った。お前の人生も終わらせてやる」

 だが、その時背後に殺気を感じた。
 反射的にふわっとジャンプして回し蹴りを背後に立った人間に食らわせる。
 確実にこめかみを撃ちぬく高さだった。
 だがその足を男は片手で受け止める。

「お前が話に聞いてた片桐天音か。なるほど中坊にしてはなかなかやるな」

 男は白い特攻服を着て腹に晒しを巻いていた。
 白い鉢巻をしている。
 靴は安全靴のようだった。

「紹介するよ、僕達の暴走族”堕天使”のリーダー。中川闘樹」

 喜一が起き上がってそう言った。

「……しかし下着は中坊だな」

 そう言って笑う中川。
 お前に見せる為に穿いてきたんじゃねえ!
 私はもう片方の足で飛び跳ね脇腹を狙う。
 今度はちゃんと直撃した。
 だがかなり鍛えてあるらしく、男はびくともしなかった。
 そして両方の足を掴まれる。
 地面に落下する上半身で受け身を取る。
 中川は私の両足を掴んだままにやりと笑う。

「……ガキ。初めてか?」

 私は声を失った。
 私と中川の位置関係。そして初めて他人に対して覚えた感情、絶望と恐怖。

「ベッドの上じゃないのが残念だが、なかなかの美人だしな。優しくしてやるよ」

 こんな奴の為に叫びたくない。
 涙を見せたくない。
 みっともない醜態をさらしたくない。
 感情をコントロールすることに精一杯でうまく返事を返せなかった。
 祈や遊、粋は他の族に掴まれている。
 駆け付けた教師たちは族に威圧されて動けないでいた。
 男は私の両足を脇に抱えると私のスカートのファスナーを降ろそうとする。
 ダメだ、もう耐えられそうにない。

「どうしたんだ?天音」

 空達が昇降口から出て来ていた。

「なんだお前?」

 中川は私を解放すると空の方へと向かっていく。
 今のうちに逃げ出せばいいのに、情けないことに怖気づいて立ち上がることも出来ない。

「そいつが片桐天音の兄の片桐空」

 喜一が説明する。

「なるほど。じゃあ、お前を痛めつけた後に、お前の目の前でお前の妹で楽しませてもらうよ」
「空、逃げろ!!」

 空でも無理だ……と、思った。

「らしくないぞ天音。こんな雑魚相手に」
「なんだと?」

 男が空に殴りかかる。
 勝負は一瞬だった。
 中川の拳が空の顔面を捕らえる前に空は中川の頭部にハイキックを食らわせた。
 中川の体が派手に吹き飛び、中川の意識も狩り取ったようだ。
 その時やっと悟った。
 空の奴キレてる。
 穏やかな口調とは裏腹に怒気をにじませている。

「少し外野は黙ってろ」

 空はそう言って「あんなのと交際なんて兄として認められないよ」と私を抱えると、遊達のところに運んでくれた。

「天音?何があったの?」
 
 遅れてきた大地のおでこをこつんと叩くと「ちゃんと彼女守ってあげないと」と空が笑っていた。
 その頃に中川がゆっくりと起き上がる。

「ふざけやがって……てめぇら全員皆殺しだ」

 中川が言うと族の連中が殺気立つ。
 空は振り返って告げた。

「寝惚けるな。もう殺すのは”俺”の方だ」

 やはり空はキレている。

「助太刀しようか?」

 光太が言うと「このくらいひとりで十分」と答える空。

「舐めるなぁ!」
 
 一斉に空に襲い掛かる族達を空は一睨みする。
 その瞬間何人かは気を失い、残った連中も腰を抜かしたり、口から泡を吹いていた。
 そんな連中を一人ずつ殴り飛ばしていく空。
 最後に中川を残している。
 中川は隠し持っていた刀を抜くと空に切りかかる。
 だが、空はそれを冷静に半身で躱すと中川の鳩尾を思いっきり殴りつける。
 中川は膝をついて刀を落とす。
 それを空が拾って中川の頭上に振り上げる。

「こんなもの持ってるってことは……覚悟出来てるんだろ?」
「ガキに人が殺せるのか?」
「……喜べ。お前が第一号だ」

 空がそう言って躊躇わずに刀を振り下ろす。
 だがそれは中川の頭上をかすめて地面にたたきつけられ、刀は折れた。
 中川の股間から何かが漏れていて、中川は気絶していた。
 空はそんな中川を一瞥すると喜一の方に向かう。

「またお前か。SHに手出しをしたらどうなるのか天音達から聞いてないのか?」

 空が言うと遊が「今度手を出したら燃やしてやるって天音が言ってた」と返した。
 それを聞いた空が善明に「悪いけどガソリン用意してもらえない?」と聞いていた。
 それを美希が止めた。

「空、ここで燃やしたら学校に延焼してしまうかもしれない」

 どこか何もない場所で火葬しよう。
 そこまでの護送は美希が手配するらしい。

「空、そこまでにしておきなさい」

 高槻先生が言うけど翼が「心配しないでいいですよ。ちゃんと遺書は用意しておきますから」とにこりと返す。
 一時期流行った集団自殺に見せかけるつもりらしい。
 そんな4人の前で土下座をして命乞いする喜一。
 しかし空は容赦なく蹴り飛ばす。

「天音に手を出して次は美希達のスカートの中を覗くつもりか?いい加減にしないと、この場でバラバラにするぞ」

 そんな状況で意識を取り戻した族が、自分たちが乗って来たバイクや車に乗り込もうとすると突然爆発する。

「あまり余計な手間作らないで。あなた達は誰一人ここから生きて帰れない」

 翼が言うと「まあ、どのみちお前らの顔は覚えたから……そんなに長くない命だと思うよ」と大地が告げた。
 美希が手配した護送車と中学校が手配したパトカーが同時に入ってきて自体はややこしくなる。
 警察と石原家の私兵が押し問答している中、業を煮やした空が手のひらに炎を作り出す。

「心配するな。ガソリンなんかなくても火くらい出せる。やっぱりお前らここで焼死体にしてやる」

 ぽかっ

 翼が空の頭を小突いていた。

「もう十分でしょ。これ以上やって空が前科者になったら困るのは美希だよ?」

 翼が言うと空が「……次は無いからな」と、言い捨て大人しくパトカーに乗り込んだ。
 私も被害者だと言う事で南署に同行することになった。
 調書をとらされて解放されると大地が迎えに来ていた。

「せっかくのプールが台無しになったね」
 
 帰りの車の中で大地がそう言っていた。
 車が私の家の前に止まる。

「じゃ、僕帰るから。また今度プール行こうね」

 大地が言った。
 私は大地を抱きしめていた。

「天音!?」
「悪かった!」

 私の行動が軽率だった。相手の力量をちゃんと計りきれなかった。年上の男性があんなに手ごわいとは思わなかった。
 一歩間違えたらと思うとぞっとする。
 そんな私をどうか嫌わないで!
 私は泣いていた。

「大丈夫、もう二度と天音をあんな目にあわせないから」

 大地はそう言って私の頭を撫でてくれた。
 大地はまだ育ち盛りなんだ。
 いつの間にか背が高くなって体格が良くなって頼もしく思える存在になっていた。

「じゃ、帰ったらメッセージ送るから。今日はゆっくりしてて」

 そう言って大地は帰って行った。
 大地を見送ると私は家に帰る。
 着替えるとベッドに横になる。
 まだあの感覚が残っている。
 しばらくすると大地からメッセージが来た。

「今帰ったよ。大丈夫?」
「……電話していいか?」

 そう返信すると大地の方から電話がかかって来た。

「どうしたの?」
「なんでもない、平気。ただ大地の声が聞きたかっただけ」

 だからなんでもいいから話をしてくれ、大地の声で私を安心させてくれ。
 夕飯の時間まで大地は私に付き合ってくれた。

「もう大丈夫?」
「ああ、大丈夫。悪かったな」
「いや、このくらい平気だよ」

 もう二度と誰にも私に手出しさせないから。と、大地が言う。

「ありがとう、頼りにしてる」
「じゃあ、また」

 電話は終わった。
 大地は心だけじゃない、その身をもって私を守ってくれる。
 ついに大地が私の前に立つ時が来たんだ。
 隣で歩いてた時があっという間に感じた。
 これからは大地に頼って生きていけばいい。
 これまでの片桐天音からの卒業。
 夏の始まりは新しい片桐天音の始まり。
 いつか欲しがった想いが大地にあった。

(2)

 8月上旬。
 今日は花火大会の日。
 僕達は例年通りフードコートで夕飯を食べて会場に歩いて向かいそしてまた出店で食べ物を買う。
 やがて花火が打ち上がる。
 星々と共に夜空を彩る。
 みんな花火に見とれていた。
 花火大会が終るとみんな一斉に街に戻る。
 そして駐車場に着くと車で家に帰る。
 その頃には天音が帰ってくる。
 この頃の天音はとても大人しい。
 それまでの天音が嘘のように。
 原因は終業式のあの事件だろう。
 今も中川と喜一は入院中らしい。

「自業自得ね」

 翼はそう言う。
 ちなみに宿題はもう全部終わらせてある。
 夏休みの宿題は7月のうちに。
 そして8月は盛大に遊ぶ。
 それが片桐家のルール。
 あとは盆休みにキャンプに行くだけ。
 今年はあのテーマパークは辞めるらしい。
 女性陣は残念がっていたけど男性陣はホッとしている。

「映画くらい見に行こうよ」

 美希が言う。
 美希はデートがしたいらしい。

「わかった、じゃあ今度行こう?」
「やった。私みたいのあるんだ」

 それは人気アニメ映画を製作した監督の新作。
 天気を操る少女の話。
 前作はストーリーが分かりづらかったけど曲と映像が綺麗だった。
 だから美希は楽しみにしているらしい。
 僕はハリウッドのCG特撮とかペットのCGアニメの奴の方が興味あったけど。
 そんな事を考えたら翼に筒抜けで。

「そんなのBlu-ray借りたらいいじゃない。お願い」

 そういって僕の肩に豊かな胸を押し付けてくる。
 美希のような綺麗な女性に誘惑されたら誰でも負けるよ。
 僕だって男だ。
 もう美希は可愛いというジャンルじゃなかった。
 綺麗でおしとやかという感じに変わっていた。

「わかったよ」

 そう言うと美希は喜んでいる。
 それから僕達は夏休みを満喫していた。

(3)

 今日は花火の日。
 学も浴衣でくるからバスで移動する。
 そしてフードコートでご飯を食べると会場に移動する。
 学と手をつないでゆっくり歩く。
 ゆっくり歩いて間に合う時間に駅を出たつもりだ。

「立ちっぱなしで辛くないか」

 学が気を聞かせてくれる。

「せっかくの浴衣だから土で汚したくないんだ」
「そうか、そこまで気が回らなかった」
「言っとくけど私着つけは自分でできないからな?」
「どういう意味だ?」
「ホテルでゆっくり見ようとか思ってるんだろうけどこの辺のホテル全部ラブホだぞ」
「そ、それは考えてなかった」

 まあ、学だしな。
 学は卒業式の日にちゃんと約束を果たした。
 私の初めてを学にくれてやった。
 夏休みはバイトをするつもりだったらしい。
 本当はずっとバイトをするつもりだったらしいが学級委員になってそんな暇がなかったから。
 だから夏休みだけでもバイトしようと思ったそうだ。

「俺の稼ぎだけではそんなに不安か?ボーナスもあるし心配するな」
「そんなゆとりがあるなら勉強するか水奈ちゃんの相手してやりなさい」

 学の父さんと母さんに言われたそうだ。
 律義に手の空いてる時は私を誘って遊んでくれる。
 もちろん宿題も手伝ってくれる。
 たまにはと家に学を誘った。

「変な真似すんなよ」

 母さんはそう言うけど気を聞かせて誠司を連れて行く。
 学だから変な事はしないけど。
 せめてキスくらいはして欲しい。
 そう言ったら、帰りにキスをしてくれた。
 花火を見て街に戻る。
 バスに乗って家に帰る。
 私の家の前で別れる。

「じゃあ、また来る」
「待ってるよ」

 学の背中を見送った後に私は家に入る。
 浴衣を脱いで片付けると風呂に入って部屋に戻る。
 そしてスマホを弄って学とメッセージのやり取りをして眠りにつく。
 夏はまだ始まったばかり。
 遊んでばかりじゃない。
 学の指導を受けながら勉強もしている。
 桜丘だって入試はあるんだから。
 そういって学は教えてくれる。
 中学生だからって特別できることは無い。
 高校生になっても多分バイトもしないだろう。
 ただ学校生活を過ごしていくだけ。
 その時間が大事なんだ。
 父さん達は言う。
 その意味をまだ子供の私達には理解できなかった。
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