姉妹チート

和希

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飛び出すから振り向くな

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(1)

 今日は茜は愛莉のおじさん達と旅に出かけていない。
 冬吾と冬莉が部屋から出てきた。
 冬莉まだ少し眠そうだけど冬吾は元気だ。
 愛莉は朝食を作っている。
 僕は新聞を見ていた。
 最近は政治欄をしっかり見るようになった。
 片桐家では新聞を3紙ほどとっている
 父さんが新聞記者なせいもあるけど、同じ事柄でも書き手によって様々な形に変化する。
 真の姿を模索するには一つのメディアに捕らわれていてはいけない。
 皆は高所得者から税金を巻き上げれば消費税を下げられると謳っている。
 でも、それをやった挙句富裕層が国外に流出、外資系の企業は撤退、経済は衰退して物資の不足、食料不足で物価は上がり続けとんでもない額面の基軸通貨が発行される事態になった。
 結局基軸通貨は廃止され、海外の通貨が流通するようになった。
 日本は金持ちに甘いというけどそんなことは無い。
 割合でみても額面で考えても富裕層はかなりの額を払ってる。
 所得税にしてみても累進課税制度というものがとられている。
 低所得者は5%の所得税を払っているのに対して所得が4000万円を超える高所得者は45%も所得税で持っていかれる。
 単純に所得の半分持っていかれると考えてみよう。
 2000万円は税金を納めるわけだ。
 それだけじゃない、消費税の額だって違う。高い車に乗ればそれだけ高い消費税を払うことになる。
 法人税だって払わなきゃならない。
 日本は富裕層に甘い。
 そんな事は決してない。
 そしてこれ以上富裕層を締め付ければ国外に移住するだろう。
 富裕層が逃げ出した国がどうなるかは前に示した通りだ。
 他人が不幸になればいい。
 そんな考え方ではどのみち国なんて立ち行かなくなる。
 日本は高い所得税の他に重税をかけられている。
 税金が世界よりも高い。
 そんな事は決してない。
 あくまでも最高税率での話だ。
 それに社会保障の個人負担の率は低い。
 だからこそ消費税の増税をしないとやっていけないと言っている。
 決して借金の返済に充てる為ではない。
 国債は国の借金。
 良く時間換算で国民一人当たりの借金と称している馬鹿げたサイトがある。
 国債はあくまでも政府機関が運営するために必要な予算を組み立てる為の政府が発行しているものだ。
 考えてみよう。
 国民が借金を背負っていると言うがその金を貸しているのは誰?
 証券会社や銀行。それに個人投資家だ。
 ちなみに日本が債務不履行になることは100%ない。これからも絶対におこりえない。
 だって日本の国債は全て円建てなのだから。
 ぶっちゃけていうと「返してほしいなら返してあげますよ。はいどうぞ」と札を刷って渡せばいい。
 そんなことをして円の価値を下げられて困るのは投資家だ。
 だから膨大な額に反して0.1%を切る利率という水準を保っている。
 国民の借金をこれ以上増やすな、でもこれ以上税率を上げるな。
 言いたい放題の国民。
 だけど公務員だって生活している。
 公共機関にストライキなど絶対に許されない。
 借金にふれたのでもう一つだけ言おう。
 貸借対照表というものがある。
 これをみると日本には切り売りできる資産が900兆円超ある。
 日本の借金は1000兆円あると言うが資産と徴税権(国の信用、見えない資産)を考えるとあと250兆円は財政出動してもびくともしないらしい。
 それが国債の利率が上がらない理由、放っておくと円高が始まる理由。
 難しい話をしてしまったけど「まだ日本は世間が言うほど危険な状態じゃないよ」って事。
 とはいえ、税制改革は僕の仕事に大きくかかわってくるから。
 そして一つのマスコミに固執してると真相が見えないから。
 色んな媒体に目を通してる。
 すると翼が降りて来た。
 姿を見ると今日は善明とお出かけのようだ。
 2人とも本当に仲が良いようだ。
 喧嘩もあまりしてない。
 最後に天音が降りて来た。
 そして愛莉に一言いう。

「おい、愛莉!!どういうことだ!?私のおっぱいは全然大きくならないじゃないか!?」

 コーヒー吹いた。

「あら?そうなの?」

 愛莉が聞き返す。

「私は愛莉の血を継いでないのか?」
「個人差があるんだし仕方がないでしょ」

 翼が天音を揶揄う。

「愛莉はそういうの気にしてた時期あったの?」

 愛莉に聞いてみた。

「どうでしょう?私は特に気にしたことはありませんでしたね。神奈は気にしてたみたいだけど」
「それだよそれ!!水奈の奴自分はそういう血だからと諦めてたのに、この前嬉しそうに”ブラ買い換えないときついな”とか言ってたんだぜ。このままだと水奈以下になるの確定だ」

 天音が訴える。
 それを聞いて翼が言う。

「そうなんだ。私も今日善明に選んでもらうんだよ。天音は私のお下がりでいいよね」
「うぬぬ……これじゃ大地を悩殺できないじゃないか」

 そう言いながらパンを齧る天音。
 そうか、水奈は胸が膨らんできたのか。
 胸のあるカンナか。モデルとしてやっていけそうな気がするけど。

「冬夜さん、いけません。子供でそういう想像をしては」

 愛莉には筒抜けのようだ。
 呼び鈴がなる。
 多分石原君の家のものだろう。
 今日から大地の家に泊まりこみで遊ぶらしい。
 翼は酒井君の家に泊まって勉強らしい。
 勉強っていうのは口実だろうけど。
 天音が出ていくとしばらくして翼も出て行った。
 冬吾は一人で退屈そうに携帯ゲームを弄っている。
 冬莉はゲームとかにはあまり興味を示さない。
 僕と一緒に暇そうにテレビを眺めていた。
 たまには父親らしいことしておくかな。

「2人とも父さんと公園にでも遊びに行くか?」
「うん!」
「……わかった」

 それじゃあ、お弁当作りますね。ピクニックにしましょう。
 愛莉がそういうと弁当を作り始める。
 その間に僕と冬吾と冬莉も準備を始めた。
 那奈瀬の公園には芝生がある。
 ご丁寧にサッカーのゴールまで準備されてある。
 公園につくと冬吾とボールの蹴り合いをしていたが、お互い正確すぎて面白くも何ともない。

「じゃあ、冬吾。父さんを止められるか?」
「やってみる」

 冬吾はそういうと僕と一定の距離を取って構える。
 ドリブルで抜きに行きますよと宣言してるんだ。
 ディフェンスの方が圧倒的に優位だ。
 冬吾も素質があると思っていたけど、自分から動くような真似はしない。
 僕のドリブルに備えてじっと待っている。
 かといって僕も動かないんじゃじっと立っているだけだ。
 僕がボールを前に蹴ると冬吾が動く。
 着地点を見極めていたんだろう。
 だが、見極めていた位置よりはるかに僕に近い位置でボールは戻ってくる。
 利き足のかかとでボールを受け止め反対の足を軸に反転する。
 ボールにつられた冬吾の逆位置に出来たスペースに飛び込む。
 あとはトップスピードまで一気に加速して冬吾を置き去りにする。
 しかしすぐにブレーキした。

「冬吾!」

 愛莉が大声をあげている。
 芝生に足を取られたらしい。
 コケている冬吾がいた。
 すぐに冬吾のそばにかけよる。

「ごめん、ちょっとムキになったかな」
「平気。やっぱり父さんは凄いや」
「冬吾はボールに釣られやすいのが今後の課題だね」

 もっとも冬吾はフォワード向きなんだろうけど。

「でもやっぱりやられぱなしじゃ悔しいから父さんキーパーやってよ。PKしよう?」
「ああ、いいけど」

 僕がゴール前に位置すると冬吾も適度に離れた位置にボールをセットして準備する。
 PKは心理戦。
 心を読める者同士でやっても勝負は明らか。
 左上隅。
 冬吾が打つと同時に跳んでいた。
 やっぱり狙い通り。
 そして狙い通りに打ってくる我が子を賞賛していた。
 だが、それだけじゃなかった。
 ボールがブレる。変則的な変化をする。
 ちょっと焦った。
 両手でしっかりキャッチすると胸に抱え込み倒れる。

「冬夜さん、だいじょうぶですか?」

 2人が倒れ込む僕の側に駆け寄る。

「うーん、カルツ相手には決められたんだけどな」

 そう言って笑う冬吾。

「まさか、冬吾の歳で無回転シュートを正確に打ってくるとは思わなかったよ」

 不規則な変化をするのが特徴の無回転シュートを意図した場所に狙って打つのはプロでも難しい。
 狙いを読めてなかったらヤバかった。

「どこで覚えたの?」
「たまたま不思議な軌道のボールが打てたから再現しようと努力しただけ」
「なるほどね」
「ねえ?どうしたら父さんのように上手くなれる?」
「冬吾の夢はサッカー選手か?」
「うん!」

 冬吾は元気に答える。
 どんな言葉をかけてやろうか?
 そうだ……良い言葉があった。

「”ボールは友達”かな?」
「それって昔の漫画のあれ?」
「そうだよ」

 出てくるキャラクターが必殺シュートを持ってる漫画。
 ボールが友達といいながら破裂させたりする漫画。
 ゴールのネットは常に交換しないといけない漫画。
 スライディングタックルは常にファールの危険なサッカー。
 その漫画の序盤でやってたこと。
 登校中、学校にいる間そして家にいる間も常にボールに振れていなさいというもの。

「でもそんなのうちでやったら危ないんじゃないの?」

 冬莉が言う。

「こういう漫画があったんだ。どうしたら車を速く走れるか?その回答にこう答えたそうだよ」

 朝も昼も夜も関係なく常に車の事だけを考える10個アイデアがあって8,9個はボツだったとしてそうやって技術は身につけていく物。
 サッカーも同じじゃないかな?
 常に考えて思いついたことを試してみる。それの繰り返しで自分のサッカーを作っていく。
 だから冬吾は今のままでいい。
 あとは冬吾の活躍する舞台を僕と愛莉で準備してやる。
 そう冬吾に優しく説明した。

「わかった!」

 そういうと冬吾は一人でサッカーボールで遊んでいる。
 僕が見せたドリブルを自分のものしようとしているようだ。

「どうですか?子供と遊んでみた感想は?」

 愛莉が聞いてきた。

「驚いたよ、まさかあそこまで上達してるとはね」

 しかもまだ伸びしろがある。
 僕の事をファンタジスタと呼んでいた人がいたが、冬吾は紛れもないサッカーの神様に愛されたファンタジスタだろう。
 だから冬吾が望むなら僕は全力で応援してやりたい。
 あの子はきっと学校の部活サッカーで収まる器じゃない。
 親馬鹿と言われるかもしれないけど。
 いつかきっと世界の舞台に立つ日が来るだろう。
 あの子もまた日の丸の重荷を背負う時が来るだろう。
 でも忘れないでほしい。
 ひたすらにサッカーが好きだった今を。
 そう思いながら懸命に練習する冬吾を見ていた。

「父さん、出来たよー」

 元気に叫ぶ冬吾に笑顔で答えていた。

(2)

「翼や、本当に入るのかい?」
「ここで立ち止まってる方が怪しまれるって。ほら、早く!」

 僕と翼は「18歳未満立ち入り禁止」と書いてある暖簾をくぐった。
 するといわゆるアダルトビデオが並んである。
 ビデオといってもビデオテープが並んでるわけじゃない。
 DVDだ。

「いろんなのあるんだね~」

 翼はそう言って色々見て回ってる。
 一人で入るのも後ろめたいものがあるのに彼女と一緒なんて無理だ。
 気になって仕方ない。

「ちゃんと選んでよ」

 翼が言う。
 選べと言われてもねえ。
 とりあえずパッケージだけ見て回る。
 色々あるけど……女優が可愛いなとかその程度だ。
 余り過激なのはとてもじゃないけど無理。
 翼は何も言わずに僕についてる。
 僕の性癖をばらすだけじゃないのか?
 すると店員に見つかった。
 すぐに追い出される。
 でも翼は満足したようだ。

「何も借りないのも悪い気がするし何か借りて帰ろうか?」

 翼が言うと僕はアニメを借りて僕の家に泊りに来た。
 軽音楽部のアニメ。
 漫画も意外と面白かった。
 日本のアニメDVDは一枚につき2話くらいしか入ってない。
 1話につき30分。後は特典映像とかが入ってる。
 特典と言ってもOP、EDのノンテロップ版とかそんなのだ。
 酷いのになると1枚で1話だけとかいう悪徳商法みたいなものもあるそうだ。
 そうはいって最近のテレビアニメは1クール13話程度で終わる。
 だから13枚借りても普通に一日で見れる。
 現に僕達は1日で全部見終わった。
 見終わったところでさて寝ようかと思うと翼が着替えだす。
 この時間に制服?

「さ、はじめよう?」
「へ?」
「好きなんでしょ?女子学生物」

 それを確認するために連れて行かされたのか。

「ブレザーの方がよかった?だったら志望校変えないとだけど」
「い、いや。そういう意味じゃなくて……」
「それとも私に飽きちゃった?」
「それはないから」

 そんな事言い出したら母さんに殺されてしまうよ。

「翼や、とりあえず着替えておくれ。それからゆっくり話し合おう」
「……わかった」

 翼はそう言って着替える。
 着替えると僕の隣に座った。

「で、話って?」
「まず朝のあれが原因なら謝るよごめん」
「あれはもう済んだ事だし良いよ。ちゃんとお詫びも買ってもらえたし」

 朝のアレについて話をしようか。
 僕は目を覚ました。
 今日は翼が家にお泊りでデートだというから、準備をしていた。
 すると光太が朝からやってくれたよ。
 SHのチャットに女性の下着の画像を載せて”最近のJKってすごいんだな!お前らの彼女はどんな下着なんだ?”とか意味の分からない供述を始めた。
 当然女子も見てる。
 空も多分今頃説得に手こずってるだろう。
 で、翼も類に漏れてない。

「善明はどんなのが好きなの?」
 
 僕に下着選びを手伝えと言う事か。
 どこの世界の中学生が彼女の下着を決めるというんだ。
 当然僕は拒絶した。
 心の底から無理って思った。

「善明は彼女の恰好に興味ないんだ!」

 翼が怒りだす。
 必死に宥める。
 その結果が翼の胸のサイズが上がったから一緒に下着を選びに行くだった。
 恥ずかしいけど、ちゃんと選んだ。
 あんまり激しくないやつを。
 で、その帰りにDVDを借りに言って今に至る。
 今はもう23時を回っている。
 そして翼の行為を断ってしまった。
 翼はまた怒り出すかと思ったら落ち込んでいる。
 自分にもう飽きてしまったんじゃないかと思い込んでる。
 その誤解を解いてやらないと、本気で母さんに殺される。

「……女子ってすごいね。好きな人の前では色んな顔を見せてくれる」
「男子は違うの?」
「反対に憶病になるんだ。これをやったら嫌われてしまうんじゃないか?とか思ってしまう」
「私信用されてない?」
「そういうのとは違う気持ちだよ。不安がどうしても残るんだ」

 すると翼は僕の心を読んでいるようだ。
 翼に笑顔が戻った。

「よかった。私善明に飽きられたんじゃないんだね」

 絶対にあってはいけない事態だ。
 口が裂けても言えない。

「翼、僕達まだ15歳だよ」
「うん」
「だから楽しむ時間はいっぱいある。焦ることないよ」
「わかった。じゃあ、約束して」
「なに?」
「クリスマスイブくらいは……いいでしょ?」
「……わかった」
「じゃあ、寝よう?」
「そうだね」

 翼は僕に抱きついてくる。

「せめてこのくらいは許して欲しいな」
「翼から強請られて断ってる僕が多分普通じゃないんだと思う」

 我ながら情けないことに。

「我慢しなくてもいいのに」

 翼はそう言って笑っていた。
 そして眠りにつく。
 吹き飛んでいく憧憬、転がるように前へ。
 苦し紛れでも照準はいつも翼にある。
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