姉妹チート

和希

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灰のような雪

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(1)

 生徒総会。
 生徒会執行部と生徒達の戦い。
 色々と不満をぶつける生徒たちに私達が話し合った結論を報告する。
 そして全員が納得したら承認を得て今年の生徒会の活動が決まる。
 しかし、誰一人不満を漏らすことなく無事に終わらせることが出来るはずがない。
 そういうケースもあるらしいが。
 聞くのが面倒だからさっさと終われ。
 そういう連中が大多数を占めると事はスムーズに進む。
 だがこういう話になると食いつくのは国民性という奴なのだろうか?
 図書委員や文化委員、体育委員はまだいい。
 ほとんどがどうでもいいと思っているから。
 問題は風紀委員と美化委員などだ。

「何でわざわざ朝早く起きて学校着て挨拶しなきゃならねーんだ!んなもんやりたい奴だけやれ」

 だったらお前がサボればいいだけの話だろ。
 サボる度胸の無い奴がこんな時だけ吠えるな。
 生徒会長の学が答弁する。

「俺達が大人になっても必須となるのは”おはよう”と”お疲れ様でした”だ。これが言えるか言えないかで人生は全く違うものになってしまう。君だって”挨拶もろくにできないやつ”ってレッテル貼られたくないだろ?」

 挨拶運動の件は片付いた。
 問題はこの後だ。
 風紀委員が答弁する。
 今年の最大の争点は買い食いの自由化とスカート丈の規制緩和。そして頭髪の自由化だ。
 何度も教師と話をして生徒会でも話をして出た結論は「無理」
 当然生徒は反発する。

「公約でするって言ったじゃねーか!できねーなら!生徒会は解散しろ!」

 黒いリストバンドをしてる男子が言った。
 短ランにボンタン。生まれて来る時代を間違えてるんじゃないか?
 まあ、学ランだと変形学生服を着るか腰パンするかのどちらかしかないよな。
 近頃じゃ学ランの下にパーカー着るって選択肢もあるらしいけど。
 まあ、どっちにしろ校則違反に変わりない。
 改正しなくても着てくるんだったら問題ないんじゃないのか?
 しかし一度誰かが解散しろと言いだすと止まらないのが生徒達。
 国会でよくある速記を止めるという状態。
 しかしいくら妥協案を提示しても全く効果がない。
 まったく、そんなに校則が嫌なら破ればいいじゃねーか!
 守らなかったら少年院に放り込まれるとかないんだから。
 義務教育で謹慎処分も無いって聞いた。
 校則を守ろうがそうでなかろうが私達には教育を受ける権利はある。
 その後の進路なんて知った事か。
 自由になるってことは責任が付きまとうって誰かが言ってたぞ。
 簡単に言うと「自分の尻くらい自分で拭けるようになってから発言しやがれ」だ。
 私がマイクの前に立ち一言言おうとするのを学が止める。

「水奈落ち着け、まずはゆっくり考えよう」
「いくら考えても変わらねーよ」

 FGの連中はみんなピアスは空けるわアクセサリはつけるわ変形学生服をきてくるわやりたい放題。
 端から校則なんてどうでもいいんだ。
 ただ、私達を困らせたいだけ。
 お前らの暇つぶしの為に連休中も登校して打ち合わせしたわけじゃねーぞ!
 教師からの圧力と生徒という烏合の衆の板挟みで私達は打開策を見いだせずにいた。
 そんな膠着状態を破ったのは天音だった。
 生徒達の前に設置されたスタンドマイクをFGの連中から奪い取ると天音は言った。

「さっきからうだうだうるせーんだよ!どうせ校則なんざ守る気ねーんだろ!だったら大人しくしてやがれ!無駄な時間をこれ以上延長させるんじゃねーよ!」
「校則を改正するって言ったのは生徒会だろうが!守れないなら責任とって辞めるのが筋だろ!」
「水奈達だって休み返上して話し合って出した結果なんだからしかたないだろ!水奈に文句がある奴は出てこい!私がお前らの不満を解消してやる!」

 解決?
 いやな予感しかしないんだけど。いや、天音なら間違いなくそうだろう。

「遊!はさみもってこい!祈!バリカン持ってるよな!?スカートの丈をそんなに短くしたいなら今この場で切り裂いてやらあ!頭髪が気になるなら全員平等に丸刈りだ!」

 やっぱりそうだった。

「片桐!いい加減にしなさい!そんな暴力行為をする場所じゃないぞ」
「教職はだまってろ!こいつらはただ難癖つけたいだけだ!水奈を困らせて面白がってるならこの場で全員まとめて相手にしてやらぁ!」
「やっとFGが動き出したか。粋、準備はいいか!?」
「当たり前よ遊!その時代錯誤のファッションで偉そうにしているのが気に入らなかったんだ」

 遊と粋も同調した。

「中学卒業するまでに片付けておくべきことができたね」
「まだ懲りない連中がいたとはね……」
「言っとくが先に仕掛けたのはFGだからな。泣き言はきかんぞ」

 翼と空と光太が言うと3年生も立ち上がった。
 体育館で乱闘か?
 じゃ、私も混ざるか。
 それを止めるのは学だった。

「水奈はこの騒ぎを収めるのが役目だろ。水奈までまざってどうするんだ」
「もう止めようがねーよ。白黒はっきりさせた方がいいに決まってる」
「そうとも限らんよ」

 学はそう言うとマイクを手に取る。

「皆待ってくれ!俺達に時間とカードをもらえないか?」

 学が言うと皆学の事兄注目した。

「連休の間もずっとこの議題は意見が交わされた。だが、俺達生徒会には致命的に欠けているものがあったんだ」

 欠けているもの?

「それは”理由”だ。どうせ現行のルールすら守れないやつの意見など聞くに値しない。その一言でどんな理屈を並べたところで水泡に帰してしまう」

 確かに学の言う通りだ。

「君達が学生生活で困っている事ならいくらでも職員に掛け合う理由が出来る。例えば白の運動靴での登校以外認めないなどは妥協案を見いだせた。だが現行のスカート丈の長さを守れていない今いくら訴えても無理だ」

「おしゃれがしたい」「セーラー服だけじゃ寒い。中にいくらでも着こめる男子に対して不公平だ」理由はいくらでもある。でもそれは現行のルールを守っているうえでの話だ。
 中学卒業してから働く者もいる。高校という社会に移るものもいる。でも共通して言えることはもう義務教育という保護下には無いという事。
「いやなら辞めてもらっていいよ」そんな世界に身を投じるルールに縛られた世界へ向けての訓練場所。

「何年先になるか分からんが皆の協力無くしてあり得ない大仕事なんだ。皆の力を貸してほしい。大義名分さえできれば生徒会は努力を惜しまない」

 学はそうって頭を下げる。
 すると執行部の皆深く礼をした。
 もちろん私も。
 すると騒ぎは収まった。
 天音達も自分の場所に戻っていった。
 その後滞りなく円滑に進行し、何事もなく生徒総会を終える事が出来た。
 もちろん無駄な時間を使った分、説明できない点が出来たがそれは後日プリントで配布されることになった。
 当然プリントを作る時間は放課後残ってやることになったわけだが……

(2)

 資料作成は一日で終えれる量ではなく、また翌日に持ち越されることになった。
 体育大会の準備もあるのに大忙しだ。
 まあ、それでもなってしまったことはしょうがないけど。 
 帰る頃には陽が沈んでいた。
 学のあの必死の説得が麻酔のように冷たく感覚を奪っていく。
 矛盾を追いかけても終わらない。
 なぜ私は一体何と戦っているのだろう。
 なぜ私は何と戦っていかなければならないのかを。
 それはとても空しい。
 あれ?
 帰る道逆じゃないか?
 そんな私の疑問をよそに学はコンビニに寄った。
 そしてジュースを買って私に暮れた。

「今日はお疲れ様」
「ありがとう。でもいいのか?」
「なにがだ?」
「買い食い禁止という校則を私達生徒会が破って良いのか?」
「周りを見てみろ」

 同じ中学の学生がコンビニの入り口にたむろしてタバコ吸ってたりコンビニ店内で漫画を立ち読みしてる。

「俺達生徒会だって一人の生徒だよ」

 学はそう言って笑った。
 でもそれじゃ校則は永遠に変わらないんじゃ?
 あまりにも虚しいじゃないか。
 私達の努力は永遠に報われない。
 じゃあ、なぜ私達は戦うんだ?

「さあな。どんな想いもこの夜空に舞い上がって散っていくんだろうな」

 やっぱり虚しいんじゃないか。

「でも俺達の心には刻まれてる。それでいいじゃないか」

 学は言った。
 
「そうだな」

 一人で時代の流れを変えられるものじゃない。
 時代という波に飲み込まれていくだけ。
 でも忘れない。
 胸の中にある小さな願いが私を未来へ導いていく。
 ジュースを飲み終えると家に帰る。

「あとは体育大会か」
「そうだな」
「もうデスクワークは懲り懲りなんだがな」
「どうして水奈は生徒副会長に立候補したんだ?」
「学とこうして帰る時間が欲しかった。じゃ、不満か?」
「そんなことはないが……それだけなのか?」
「そうだな、そろそろ言っておかないと学も困るだろうな」

 そう言うと私は学に耳打ちする。

「そんな魂胆があったのか?」
「まあな」

 彼氏がいる学生なら一度は夢見るだろう。

「まあ、予備ならあるから貸してやるよ。でもサイズ大丈夫か?」
「こう見えて身長は高い方だぜ」
「そりゃ見たら分かるが」
「汚さないようにするから」
「ああ、大丈夫だ」

 私の夢が叶う日が来るのを待った。

(3)

 体育大会当日。
 幸運にも晴天だった。
 うちの中学校は生徒会役員と学級委員が応援団をつとめる。
 男女問わず学ランを着て応援をする。
 紅白対抗。
 そしてFG対SHという構図ができあがっていた。
 私も今日は学ランを着て応援をしている。
 これが私が生徒会副会長になりたかった一番の理由。
 学ランは学に借りた。
 学が着ていた学ランを私が着ている。
 恋する女子なら誰もが一度が憧れるだろう。
 競技の内容は走ることがメインで、棒倒しや騎馬戦がある。
 どれもが私達白組が優勢だった。
 片桐姉弟擁する私達が負けるはずがない。
 姉妹揃って化け物じみた能力を発揮する。
 短距離中距離長距離。
 何を走らせても早い。
 騎馬戦も翼達が無双していた。
 棒倒しは男子は大地や粋や遊が、女子は天音と祈が暴れていた。
 翼と天音の突出した才能の影になりそうな空だったが、空も十分チート性能を持ってる。
 走ってよし、騎馬戦でも異常な強さを持つ。
 そして最後の対抗リレーでは3兄弟に加えてサンターナという反則技を用いている。
 今年は紅組が可哀そうに思えるくらい白組の大勝だった。
 体育大会が終ると私達生徒会は反省会をする。
 無事に成功してよかった。
 誰一人グラウンドを抜け出して買い食いに行くやつがいなかったそうだ。
 まあ、天音達が行かなきゃ誰も行かないだろう。
 天音達がどうして行かなかったかというとほとんどの走る競技にかりだされて、へとへとでジュースを買う体力すらなかったそうだ。
 FGの連中はそれを口実にSHに戦争を仕掛けられるのを恐れている。
 生徒総会の時もそうだったように。
 あと残っている大きな出来事と言えば文化発表会と修学旅行くらいだ、卒業式もあるな。
 反省会が終ると私と学も荷物を手に家に帰る。
 帰りに自販機でジュースを買う。

「今日はお疲れ様」

 学が言う。

「お疲れ様」

 私はジュースを一気に飲み干す。

「制服、クリーニングに出して返すから」
「そこまでしなくてもいいぞ」
「お前もひょっとしてそうなのか?」
「何のことだ?」
「私の残り香を一人で嗅いだりする趣味を持っているのか?残念だな。今日は香水どころか制汗剤すら持ってない。汗臭いだけだぞ」
「……そんな奴いるのか?」

 いるんだよ。私の父さんがそうなんだ。

「5月ももう終わるな」
「ああ、もうすぐ夏だ」
「その前に梅雨があるけどな」
「学、あらかじめ言っとくが」
「なんだ?」
「夏服が白いからって妙な期待するなよ?大抵の女子はキャミソールやタンクトップ着てるからな。雨に濡れて透けているのは大抵そうだ」

 第一学校が白かベージュ以外の下着禁止と校則に書いてるしな。
 そんなもん一々確認する変態教師がいたらすぐに教育委員会にタレこんでやるけど。

「それってわざわざ学校で見ないといけないのか?」
「へ?」

 学が不思議な質問をしてきた。

「その気になればいつでも家にくればいいだろ?」

 学が真面目な顔をして言うから妙に焦る。
 そんな私を見て学は笑う。
 仕返ししてやる。

「本当にいつでもいいんだな?」
「もう一度は経験したからな」

 それもそうか。

「でもあれっきり一度も誘ってくれないじゃないか」
「水奈も一度したらもういいのかなと思ってただけだよ」
「……あれから変わったこともあるんだぞ?」

 ずっと私を見てくれたんじゃなかったのか?

「どういう意味だ?」
「学が父親に似なかったように私にも母親から遺伝しなかったものがあるらしい」
「それはなんだ?」
「こう見えて私Bカップあるんだぜ」

 学はジュース吹いた。

「す、すまん。そういうのはじろじろ見るもんじゃないと思って。水奈は特に気にしてたし」

 私は学を後ろから抱きしめる。
 これで感じてくれるだろ?私の柔らかい胸を。

「どうだ?」
「ああ、すごく温かいな。それにしても……」
「どうした?」
「心拍数上がってるぞ、そんなに恥ずかしいなら何もここでしなくてよかったんじゃないか?」
「学と一緒ならいつでも心拍数上がってるよ。私だって一人の女子なんだから」
「そうだったな」

 私の家につくと学は自分の家に帰る。

「帰ったらメッセージする」
「ああ」

 私は隠していたことがあった。
 私の心拍数が上がっていた理由はちゃんとあったんだ。
 私が成長しているように学もまた成長していた。
 学の背中が思ったよりも大きかったから。
 この背中にならちっちゃな私なんて平気で受け止めてくれる。
 私の喜びのしるしだった。

(4)

 家に帰ると父さん達が今日の体育大会の動画を見ていた。

「娘の学ラン姿ってのもなかなかいいものがあるな」
「お前が言うと変態じみて聞こえるから止めとけ。誠司もいるんだぞ」

 父さんと母さんが見ながら話をしている。

「ただいま」

 私は家族に声をかける。

「おかえり。遅かったな」
「反省会とかあってさ……じゃあ着替えてくる」
「水奈待ちなさい!」

 父さんが私を呼び止める。
 どうしたんだ?

「父さん達の年にはブルマは廃止されていたんだが男子のようにショートパンツが採用されていてな。まあ、それはそれでショックだったんだが、ある日ある発見をしたんだ」

 は?

「水奈みたいに脚の細い子だとショートパンツの隙間から下着が見えてな。一時男子の間で盛り上がっていたんだ」

 こいつは飲んでるけど顔は真面目だ。
 飲んでるから母さんの鋭い視線に気が付いてない。

「水奈の体操着はクォーターパンツだろ?丈が長いとはいえ、そう言う視線を気にしないのかと……いてぇ!」

 母さんのかかと落としが父さんの頭上に落下した。

「自分の娘に何て質問してるんだお前は!?」
「自分の娘だからこそだろ!気にしてるなら親が学校に苦情を言ってやるのが筋だろ!」
「クォーターパンツならまず見えねーよ!ていうかお前は体育の授業中そんなところばかり見てたのか!?」
「そ、それだけじゃないって!」
「じゃあ、何見てたんだよ!?」
「そうだな、あの子意外と胸デカいなとか、今日の下着の色何色だとかパンツラインが見えてるとか!」
「お前の頭はそれしかないのか!?」
「冬夜から聞いた時は失望したぜ。あれ実はタンクトップやキャミソールなんだって聞かされた時には……でもな」
「まだ続きがあるのか?」
「ああ、ある日友達が発見したんだ。そいつはずっと見ていた。するとキャミソールの下にうっすらと見えるブラの形が……」
「トーヤも巻き込んでたのか!?」
「違う!あいつは助言してくれただけだ。愛莉さんに突然上着捲られたらしいぞ」

 父さんの話はたまに聞いていてあほらしくなる。

「父さん、それは多分その人の思い込みだ」

 私が助言してやった。

「どういうことだ?」
「父さんは私と同じ中学の出身なんだろ?」
「そうだが」
「校則が変わってなければ下着の色が決められていたはず。キャミソールやタンクトップの色もだ。目立たない色なのにブラのラインが見えるなんてただの思い込みだ」
「そ、そうだったのか」
「確かに校則で決められていたな。母さんは無視してたけど」
「じゃ、私着替えてくる」

 そう言って部屋に戻る。
 着替えていると誰かが部屋をノックする。
 この期に及んでこの目で確かめたいなんて馬鹿な事言いだすんじゃないだろうな。

「水奈。母さん一人だ。部屋に入ってもいいか?」

 珍しいな。

「いいけど」

 私がそう言うと母さんが部屋に入って来た。

「どうしたの?」
「いや、さっき水奈が運動着で徒競走をしているのを見たときに気になったんだけどな……水奈はこの前友達と下着買いに行くから小遣い欲しいって言ってたよな?」

 それがどうかしたのだろうか?

「その分来月分から差し引くっていうなら私は構わないけど」
「ああ、そういうわけじゃない。成長時期だしな、そのくらいは負担してやるよ。ただな……」
「ただ?」
「水奈……カップ上がっただろ?」

 なるほど、母さんはそれが気になっていたのか。

「ああ、上がったぜBカップになった」
「や、やっぱり……」

 母さんにはショックだったらしい。
 自分の娘にすら負けてしまう自分が悔しいんだろう。
 ちょっと悪戯してやりたくなった。

「ちなみにまだ育ちざかりみたいだぜもうきつくなってきたし」
「まだ大きくなるのか!?」
「天音には勝ってるみたいだ」
「そうか、愛莉の娘に勝ったか!……しかし」

 何か葛藤しているらしい母さんを放って私服に着替える。

「そんなにへこむなよ。そんな母さんでも父さんって言う立派な人をものに出来たんだから」
「それって慰めてるつもりか?」
「……なってないかな」

 私が言うと2人で笑ってた。

「着替えたなら降りてこい。今日は寿司の出前とっておいた」

 近所にできた回らない寿司屋の寿司。
 味の割には値段が安い。
 市場に出向いて仕入れたネタでその日のメニューが決まるらしい。
 夕食を食べると風呂に入ってベッドに横になる。
 一仕事やり遂げた達成感が出てくる。
 それは自らの労いとなって労わりに変わりそして眠りにつく。
 0時ちょうどに「おやすみ」と学からメッセージが入っていたことに気付いたのは翌朝になってからだった。
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