姉妹チート

和希

文字の大きさ
99 / 535

微睡む意識の中で

しおりを挟む
(1)

 僕と美希は映画を観に来ていた。
 内容は退屈しないものを選んだ結果鉄板の作品を選んだ。
 相変わらずCGが凄い。
 だけどそれだけ。
 それだけだけど凄い。
 ストーリー重視の人にはお勧めしない。
 映画を観終わると適当なレストランに入る。
 連休中という事もあってどこも満席だ。
 だからどこでもいいやとなった。
 順番待ちしながら翼と話をする。
 どうでもいい事を話す。
 映画の感想?

「すごかったね」

 それしかなかった。
 昼食を食べ終えると買い物が始まる。
 美希は時間をかけて服を選ぶ。
 まだ5月だというのに夏服を選ぶ。
 さすがに気が早いんじゃないのかと思ってしまった。
 そして美希に気取られる。

「分かってないね、空は」

 美希の解説が始まった。
 服は大体2~3か月前から売られる。
 今から夏服を買うのでは遅いくらいだ。
 そして流行りの服は無くなって売れ残った服が後でバーゲンで売られる。
 だからこれと決めた服を1、2着選んで買っておいてバーゲンセールが始まったら大量に買えば良い。
 その時にはすでに次の季節の服が売られているんだけど。
 でもそんな事はあまり関係ない。
 純粋に恋人との買い物を楽しみたいだけ。
 欲しいのが無くてもいい。
 買い物という行為が楽しいんだ。
 その楽しさを僕と共有したい。
 現に美希は今楽しそうだ。
 そういう事ならと僕も美希と買い物を楽しむことにした。
 美希はありとあらゆるジャンルの服を着こなす。
 それでもスカートやワンピースを選ぶ。
 それは僕の好みに合わせての事。
 上は半そでやタンクトップ、肩を露出した物を着る。
 後は僕の服を見て回ってそして美希の靴を見に行く。
 毎夏サンダルを履いている。
 流石に通学はちゃんと規定の靴を履いていくけど。
 ちなみに僕は年中同じスニーカーを履いている。
 ちゃんとれっきとしたブランド物のスニーカーだ。
 通学にも私服にも使える優れもの。

「足むれないの?」
「最近のは通気性あるから大丈夫だよ」
「臭いとか汚れは気にしないの?」
「気にしたことない」
「せめてもう2足くらい買おう?」

 そうして2足靴を買った。
 スエードシューズとブーツ。
 そうなると当然着る服も気になってくる。
 だけど今日は靴代とさっき買った服のお金でもう一杯だ。
 どうせスエードシューズなんてまだ当分履かないし今買わなくてもいいんじゃないか。
 
「そのくらい私が出すよ」

 素敵な彼氏でいて欲しいから。

「だからさ、彼女に建て替えてもらうなんて情けない彼氏になりたくないんだ」
「……しょうがないな。その代わり約束して」
 
 約束?
 僕が聞き返すと美希はにこりと笑った。

「高校を卒業したら独立するんでしょ?」
「うん」
「その時私も一緒でいいかな?」

 その時に美希と一緒にいる時間という物を買い取らせてほしい。
 それってただのひもじゃないの?

「父さんも同じような事を言って母さんと喧嘩したんだって」

 でもいずれは僕も仕事に就く。
 学生時代なんて時間はもう二度と手に入らない。
 だからバイトなんかしないで一緒にいて欲しい。

「美希がそこまでいうならそうするよ」
「ありがとう」

 買い物が済むとコーヒーショップでコーヒーを飲む。
 靴買わせてしまったからと美希が奢ってくれた。
 帰って母さんに小遣いを要求する。 
 理由もちゃんと伝える。

「普段からちゃんとお洒落に気を使わないからこうなるんですよ」

 無駄遣いをするなとは言わない。
 美希と遊ぶ必要経費だと母さんは考えているようだ。
 母さんから小遣いをもらう。
 すると天音が嗅ぎ付けてくる。

「空だけずりーぞ!私にもくれよ愛莉!」
「天音はまだ今月あげたばかりでしょ!」
「空だって一緒じゃねーか!」
「では聞きます。天音はどうして小遣いが足りないのですか?」
「私だって服とか色々欲しいぞ」
「天音は大地に買ってもらってるじゃない」

 翼が言う。
 天音の服やアクセサリ、靴とかデート代は全て大地が支払っている。
 街までも移動だって大地に送ってもらうか自分でバスで行くかだ。
 その交通費も定期があるから自腹を切ることはない。
 天音が自分の財布をつかうのは登下校の途中遊んだり買い食いしたリするだけだ。
 ちなみに小遣いは月頭にもらう。
 今月は連休があるため天音が小遣いを使うとしたら一人で買い物に行くくらいだ。
 そんな事を3,4日続けただけで無くなるような額をもらっていない。
 僕達は服や靴などを自分の小遣いで買う。
 だけど僕が服を買うのは美希に恥をかかせないように。
 翼も善明が大体出してくれるらしい。
 僕も美希が払うと言うけど父さんは僕の気持ちを汲んでくれて母さんに口添えしてくれた。 
 「空は冬夜さんに似て身だしなみに無頓着過ぎです!」と怒られるくらいだ。
 ちなみにゲームとかは自分で買わない。
 買う必要がない。

「ただいま」

 父さんが帰って来た。

「あ、空ちょうどよかった。ほら、これ」

 父さんがビニール袋を僕に差し出す。
 中味は何となく想像がつく。
 だってそれはゲームソフトを売ってる店の袋だったから。

「空が終わったら天音や冬吾に渡しなさい」

 シリーズの最新ものだ。
 こんな感じで父さんが気になるタイトルの物は買ってくる。

「冬夜さん!また勝手に買ってきて。何度言ったら分かってもらえるんですか!」

 母さんに怒られる。
 ここまではいつも通りの光景だった。

「どうせ、空は美希の相手していて出来ないだろ?私が先にやらせてもらう」

 天音がそう言って僕からソフトを奪って部屋に行く。
 そんな天音を父さんが呼び止める。

「天音、明日は予定空いてるか?」
「空いてるけどなんかあるの?」
「せっかくの連休だから皆で遊びに行かないか?」
「どこに行くの?」
「サファリパークにでもたまには行ってみようかって相談してるんだけど」

 あんまりご馳走はなさそうだ。
 まあ、あまり行ったことがない場所だしたまにはいいか。

「私は平気だよ」

 茜も同じ考えだったらしい。
 冬吾や冬眞も行ったことが無いので楽しみにしてる。
 天音も行くことになった。
 夕食を食べながら冬吾や冬眞がサファリパークについて父さんに質問している。
 でっかい動物園。
 多分それが分かりやすい説明だろう。
 あとは行ってからのお楽しみ。
 父さんはそう言った。
 夕食が済むと風呂に入って部屋でくつろぐ。
 翼とテレビを見ながらスマホを触ってた。
 明日が楽しみだと話をしながらテレビを見てた。
 ドラマが終ると明日に備えて早めに寝た。

(2)

 梨々香と映画を観に来てた。
 探偵アニメの映画版。
 茜はもう観たそうだ。
 ならピンバッジは買わなくてもいいな。
 映画が終ると3階のフードコートで昼食にする。
 梨々香はフライドチキン。
 俺はラーメンを買った。

「それだけで足りるの?」
「これだけじゃないから」

 梨々香はそう返事して微笑む。
 この後どこに行くんだろう?
 そういえば洋菓子がどうとか言ってたな。
 昼食を終えると洋服屋さんや雑貨屋さんによる。
 洋服と言ってもブランドものじゃない。
 安い量販店だ。
 俺も梨々香もそこで買う。
 もっと安い店も近所にあるから利用する。
 俺達は中学生だ。
 自分でお金を稼いでるわけじゃない。
 小遣いでやりくりしてるんだから分相応にあった物を買ってる。
 たまにおじさん達が買ってくれるのでそれに合わせて服等を買ってる。
 選ぶのは梨々香と相談して買ったりする時だけ。
 ただし足元だけはしっかりした靴を買っている。

「足元だけはきちんとしておきなさい」

 りえちゃんが言ってた。
 だから何足かスニーカーを買って順番に使ってる。
 それが靴を長持ちさせる秘訣らしい。
 もちろんお出かけ用の靴はそんなに持ってない。
 通学用の学校の校則に合わせた靴を何足かもっている。
 学や水奈が先生と交渉したらしく、白を基調とした運動靴ならいいと校則が改正された。
 ブランド名のロゴが入っていたり、ラインが入ってる程度は良しとなっているけどやはり白い運動靴に変わりない。
 ずっと同じ靴を使用していると汚れが目立ってくる。
 たとえどんなに服やズボンでお洒落していても靴の汚れが目立ったら台無しになる。
 あとは自分の感性次第。
 どんなにブランドで全身固めたところで着こなせてなかったら意味がない。
 俺達はまだ小学校を卒業してまだ間がない。
 ようやく自分で着る服を選びだす年頃だ。
 わざわざ高い金を出して実験する必要を感じなかった。
 服や雑貨をみて靴も見て何も買わずに下に降りる。
 ただの時間つぶしだった。
 そして梨々香のご希望の店に行く。
 洋菓子っていうんだろうか?
 ケーキってつくんだから菓子なんだろうな。
 俺達はパンケーキの専門店にやってきた。
 パンって言うくらいだからパンなんじゃないのか?と悩んだけどケーキだから洋菓子なんだそうだ。
 あまり難しく考えるのは止めよう。
 列にならんでた。
 たかがパンケーキになんでこんなに並ぶんだ?
 東京とかでも並ぶらしいと梨々香が言ってた。
 ようやく席に着くとメニューをみる。
 俺が知っているパンケーキとは全く違うものがあった。
 その特殊なパンケーキにリンゴとシナモンをふんだんに乗せているものがある。
 さっき食べたラーメンに替え玉つけてもおつりがくる値段だった。
 梨々香は躊躇うことなくそれとオレンジジュースを選んだ。
 女子という生き物に脅威を感じる瞬間だった。

「ホイップクリームとバニラアイストッピングで」

 まて、落ち着け。俺がおかしいのかもしれない。

「純也も早く決めよ?」

 梨々香が急かす。
 無難にいたって普通のパンケーキとコーヒーを注文した。
 トッピングは無しで。
 メニューを見て呆然としてた。
 写真はイメージです。と一言注意書きが欲しかった。
 パンケーキ4枚。
 おやつにしてはヘビーじゃないか?
 翼たちなら喜んで食べそうだけど。
 驚くのはそれだけじゃなかった。
 ラーメンにトッピング乗せてもおつりが出そうなフレンチトーストがあった。
 写真を見る限り普通のフレンチトーストだった。
 俺の金銭感覚が狂ってるのだろうか?
 そして注文が来る。
 イメージ通りの大きさのパンケーキが4枚あった。
 梨々香のもなんか凄い事になってる。

「美味しそう~♪」

 女子的にはそう見えるんだろうな。
 とりあえず食べる。
 美味しかった。
 当たり前だけど前にりえちゃんが作ってくれたパンケーキよりは美味しかった。
 当然だろう。
 これで不味かったら天音なら暴動起こすぞ。
 そして食べ終わると店を出る。 
 時間的には夕食の頃合いだけど……。

「せっかくだから夕食食べて帰ろうよ」

 梨々香ってそんなに大食いだったっけ?

「今さっきパンケーキ食ったばかりだよ?」
「あれはデザート」

 デザートは別腹なんだよと言って梨々香は微笑む。

「なにがいいかな~?」

 食わないとだめだろうな。
 梨々香より小食なんて真似できないよな。
 覚悟して食うしかないのか。
 そして梨々香はよりによってすごい店を選んだ。

「昼ご飯ちょっと控えめにしてたからその分食べようかな?」

 僕は昼にラーメン食べたんだけど?
 ていうかさっきパンケーキ食ったばかりだろ?
 そんな俺の言い分は胸のうちにしまっておいて梨々香の希望する店に入った。
 焼肉のお店。
 ハンバーグとかもある。
 何故かもつ鍋もある。
 正直ピザでいいやと思ったけど梨々香はステーキを選んだ。

「純也は何食べる?」

 メニューを見る、一番あっさりしたものを。
 しかしこの店は容赦なかった。
 サラダにすら牛肉が乗ってある。
 それを見た梨々香は勘違いしたようだ。

「純也もお腹空いてるんだね。サラダも食べるんだ。メインはどれにするの?」

 僕はもう一品選ばないといけないらしい。

「……牛タン一つ」
「ご注文は以上でいいですか?」

 店員が聞く。
 悪夢はまだ続く。

「デニッシュハニーブレッドラズベリー一つ。純也はデザートどうする?」

 待て。さっきデザートを食ったばかりなのにまだデザートを食うのか?

 梨々香も天音も大差ない気がしてきた。
 2人ともよくその体形維持できてるな。

「……アイスクリーム下さい」

 これ以上は限界だ。お願いだから戻ってくれ店員。

「以上でお願いします」

 梨々香は満足したようだ。
 そして注文が来た。
 しっかりご飯とスープもついていた。
 躊躇いもなく食べる梨々香。
 俺も食べ始める。
 こういうデートの場合女性よりも早く食べ終わったらいけないらしい。
 逆じゃなくてよかった。
 無理矢理食べればいいってもんじゃない。
 楽しく食べなきゃいけない。
 梨々香に不安を与えてはいけない。
 まさか連休にこんな罠が待っていたとは……。
 なんとかアイスまで無事に食べ終えた。
 あとは帰るだけ。

「さすがにお腹いっぱいだね」

 梨々香は平然と言う。
 俺の胃袋は限界突破してるよ。
 それからバスに乗って家に帰る。
 家に帰ると風呂に入る。
 風呂に入ると部屋でテレビを見る。
 明日で終わりなんだな。
 明日は何をしようかな?
 そんな事を考えていると電話が鳴る。
 天音からだ。

「もしもし」
「お前ら明日予定空いてるか?」
「特に何も無いけど?」
「明日サファリパークに連れて行ってくれるってさ梨々香も一緒でいいって」

 梨々香にその事を伝えると梨々香は「わかった」と言った。

「いいよ」
「じゃあ、明日朝早いから早く寝とけ」
「わかった」

 電話を切ると梨々香に伝える。

「明日早いから早く寝ろってさ」
「じゃあ、早く寝よっか」

 梨々香がそう言うと俺はテレビを切ってベッドに入って照明を落とす。
 お腹いっぱいだったせいかすぐに眠れた。
 明日の朝は抜きでもいいよな?
 朝目が覚めたら梨々香が朝食を作ってくれていた。

(3)

「わあ~本物のライオンだ」

 檻籠に閉じ込められたかのようなサファリバスに乗っていた。

「じゃあ、餌をあげてください」

 係員の指示があると父さんが僕に餌を渡す。
 バスに設置されてある餌やり場からライオンの口に肉をやる。
 誠司は「好き嫌いは良くないぞ」と人参とか食べさせようとして誠司の母さんに叱られていたけど。
 連休の最終日。
 僕達はサファリパークに来ていた。
 普通に車で入れる場所だけど父さん達は敢えてサファリバスを選んだ。
 理由はすぐにわかった。
 動物たちは賢いみたいだ。
 獰猛なイメージのライオンですら一般車両には近寄ろうとせずただ寝ているだけ。
 だけどサファリバスが来ると一斉に集まってくる。
 僕達が餌を持っていると知っているんだ。
 ライオンだけじゃない。
 色んな動物がいくつかのエリアに分かれて生活している。
 何もしなくても餌が与えられるのは他の動物園と変わりないらしくて普段はのんびり生活しているみたいだ。
 いくつかのエリアを抜けるとサファリバスを降りて散策する。
 猫や犬に触れ合えたり、ミニチュアホースに乗れたりカンガルー等の動物に接することが出来る。
 虎やライオンの赤ちゃんを抱っこして写真を撮ったりもできる。
 翼姉さんたちも抱っこしてた。
 天音姉さんは不機嫌だ。
 原因はサファリパークに来る途中車の中にあった。
 昨日純也兄さんが梨々香さんと映画を観に行った際パンケーキの店に行ったそうだ。
 それは駅ビルの中にある。
 しかし天音姉さんがその事を知らなかった。

「そういう情報をはもっと早く言え!」

 天音姉さんは怒った。

「天音は帰り道だからいつでも寄れるでしょ」

 翼姉さんが言う。

「学校始まったら絶対に行ってやる。その焼き肉屋も行ってやる!」
「食べ過ぎて夕ご飯食べれないなんて言っても母さんは許しませんからね!」

 天音姉さんに限ってそれはないと思う。
 原因はそれだけじゃない。
 このサファリパークに来て名産らしいものがソフトクリームしかなかった事も原因の一つだ。

「なんでサファリパークまできてカレーやラーメン、オムライスなんだ!!」

 天音姉さんはそう叫ぶ。
 ちなみに天音姉さんは全部食べた。

「帰ったら夕食は焼肉に連れて行ってやるから」

 父さんがそう言う。
 今夜は焼肉か。
 そうして一通り楽しむとサファリパークを発って家に帰る。
 家に帰る途中で梨々香さんを家の前で降ろす。

「お世話になりました」

 梨々香さんはそう言って礼を言うと家に入る。
 僕達は家に帰る。
 それから徒歩でのんびり焼肉屋さんまで歩く。
 徒歩で行ったのは父さんがお酒を飲むから。
 母さんは大きな車の運転は慣れてないらしい。
 それに母さんも父さんとお酒が飲みたいから。

「天音!まだちゃんと焼けてないでしょ」
「熱さえ通っておけば問題ねーよ!」
「だめ!ちゃんと焼き終わってから食べなさい!」

 我が家が焼肉に来ると「野菜も食べなさい!」とは言われない。
「野菜を生で食べてはいけません!」と注意される。
 この店は2時間食べ放題のコースがある。
 もちろん飲み放題もある。
 今日サファリパークで見た餌に群がるライオンの光景が今再現されていた。
 一緒に来ていた誠司達も驚いている。
 僕と冬莉はのんびり母さんが焼けた肉を取ってくれるのを満遍なく食べていた。
 純也兄さんは昨日も夜は肉だったからあまり食べれないらしい。
 もったいないなあ。
 結局母さんはあまり飲めなかった。
 翼姉さんと空兄さんは2人で分け合って食べていた。
 大地兄さんに天音姉さんは止められない。
 母さんは天音姉さんを制御するので手一杯だった。
 30分前になるとドリンクのラストオーダーが来る。
 片桐家はそこからが本領発揮。
 残り30分で焼けるだけの肉を注文する。
 いくらでも食べられるけど鉄板に焼ける面積は決まっている。
 そこからどれだけの肉を焼けるのか計算する。
 何度も来てる店なのでだいたい把握できていた。
 時間になると大人しく帰る。
 帰りはタクシーを何台かに分けて帰る。
 理由は帰る途中にコンビニがある。

「コンビニ寄ろう!お菓子買って帰りたい」

 天音姉さんが主張するから有無を言わさず帰る為にタクシーを利用する。
 家に帰ると順番にお風呂に入る。
 僕も風呂に入ると部屋に戻る。
 父さんに買ってもらったサッカークラブを作るゲームをやる。
 ゲームでスーパープレイが起こるとそれをしっかり見る。
 そうやってドリブルやパス、連係プレイのヒントを掴む。
 22時を過ぎる頃母さんが部屋にきて「そろそろ寝なさい。明日から学校ですよ」と言う。
 ゲームを止めると明日の授業の教科書とノート等をランドセルに詰めてベッドに入る。
 あ、忘れてた。
 僕はスマホを持って瞳子にメッセージを送る。
 今日あった事なんかを伝える。
 瞳子も旅行してたらしい。
 鹿児島に行っていたそうだ。
 話を聞いてみたいけど今日はもう遅い。

「また明日学校で話を聞くよ。おやすみなさい」
「うん、冬吾君も話聞かせてね。おやすみなさい」

 スマホを机に置いてケーブルを繋げると再びベッドに入る。
 明日からまた学校だ。
 皆休みの間何をしていたのか聞いてみよう。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

ヤンデレにデレてみた

果桃しろくろ
恋愛
母が、ヤンデレな義父と再婚した。 もれなく、ヤンデレな義弟がついてきた。

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?

すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。 お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」 その母は・・迎えにくることは無かった。 代わりに迎えに来た『父』と『兄』。 私の引き取り先は『本当の家』だった。 お父さん「鈴の家だよ?」 鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」 新しい家で始まる生活。 でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。 鈴「うぁ・・・・。」 兄「鈴!?」 倒れることが多くなっていく日々・・・。 そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。 『もう・・妹にみれない・・・。』 『お兄ちゃん・・・。』 「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」 「ーーーーっ!」 ※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。 ※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 ※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。 ※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

処理中です...