姉妹チート

和希

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鮮やかな笑顔

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(1)

「渡辺さんちょっといいかな?」

 そう言ってきたのは同級生の山岡勝文。
 寿司屋の息子らしい。
 彼女はいる。

「どうしたんだ?」
「今度の週末空いてない?」
「お前さ……誘う相手間違ってないか?」

 自分の彼女に構ってやれ!

「あ、そう言うのじゃないんだ」
「じゃあ、どういうのなんだよ?」

 山岡は説明を始めた。
 山岡の所属するSHというグループで集まるらしい。
 そして出来れば1人フリーの女子を連れてきてほしい。
 山岡と面識のある女子は私だけだ。
 そういや姉の紗理奈も入ってるって言ってたな。

「SHってグループに入ればいいのか?」
「そうしてもらえると助かる」

 まあ、いいか。
 山岡と連絡先を交換してSHに入れてもらう。

「で、週末どこに行けばいいんだ?」
「街のSAPに行こうって言ってるんだけど」
「わかった。で、どんな男なんだ?」
「ルイス・ヘフナーってハーフの子」

 山岡はそう言って写真を見せてくれた。
 結構モテそうな顔じゃん。

「……どうしてこいつに彼女いないんだ?」
「単純な問題。女子の数が足りない」
「私は頭数あわせか?」
「い、いやなら断ってもいいんだ。ただ渡辺さんが思ってるような悪い奴じゃないから」
「わかったよ」
「じゃあ、また週末に」

 そう言って山岡は立ち去った。
 どうせ放課後に合うんだけど。
 姉の紗理奈たちと一緒に帰る。

「茉里奈もSHに入ったんだって?」

 駅ビルのケーキ屋さんで聞かれると「うん」と答えた。

「これで茉里奈にもいよいよ彼氏が出来るわけか」
「まだ付き合うって決めたわけじゃない」
「ま、悪い奴じゃないから付き合ってみるのも手だぞ」

 付き合って分かる事もある。
 だから恋愛は楽しいんだ。
 紗理奈はそう言った。
 ま、それもそうだな。
 そうして週末が来た。
 SAPに集まると集団の中に山岡がいた。
 後は知らない奴ばかり。
 互いに自己紹介しあう。
 大体の奴が山岡と同じ中学校出身の者ばかり。
 そして大半が防府高校の者だった。
 ルイス・ヘフナーという奴にも会った。
 サッカーをやっているらしい。
 父親はJリーガー。
 サラブレッドってやつか?
 双子の兄のガルトとレギュラー争いをしているらしい。
 そして長男のピエールは強豪校の伊田高でレギュラーになっている。
 共通しているのは皆ポジションがキーパーと言う事。
 山岡にヘフナーを紹介してもらうと私は挨拶をした。
 とても礼儀の良い奴だった。
 レディファーストがしみ込んでるような奴。
 すぐに仲良くなった。
 そこまではいい。
 ヘフナーは高校を卒業したら故郷のフランスに戻るそうだ。
 フランスでサッカーを続けると決めたらしい。
 地元で兄弟で不毛なポジション争いをするくらいならもっと高みを目指したいとヘフナーは考えた。
 なんだ、バッドエンド確定の恋愛かよ。
 流石に悲しくなった。
 フランスか。
 当然フランス料理の名門だよな?

「……高みを目指すってすごいな」
「ありがとう、でも茉里奈とは別れる事になる」

 だから、嫌なら断ってくれても構わない。
 ヘフナーはそう言った。
 だけど私は首を振る。

「とりあえず連絡先交換しようぜ。話はそれからだ」
「……いいのか?」
「私はそのつもりで来たんだ」
「わかったよ」

 ヘフナーと連絡先の交換をした。

「じゃあ、よろしく頼む」
「ああ、こちらこそ。こういうの初めてでわからないから」
「大丈夫、父さんにレディの扱い方は教わってきてるから」

 それがルイス家なんだとヘフナーは言ってた。
 しかし日本にはまだ外人に対する偏見が強い。
 外人だと言うだけで恋愛対象としてみてもらえない場合が多い。
 愛情を感じない異性とは付き合えないのがフランス人の価値観らしい。
 まあ、隣の国が大体の原因なんだけどな。
 日本はどうも近隣諸国に恵まれていない。
 他人の領土に土足で踏み込んだ挙句「ここは自分の領土」だと主張するやつらばかりがいる。
 そんな外国にいい印象なんてあるわけがない。
 だけどそんな国ばかりじゃない。
 日本の文化に憧れる国もある。
 ヘフナーは自分で言うだけあって私の相手をずっとしてくれる。
「学校はどう?」とか「得意な料理は?」とか色々聞いてくれる。
 私もヘフナーに質問していた。

「ゴールキーパーにこだわる理由ってなんだ?」

 他のポジションに比べて活躍の場が少ないし……多かったら問題だと思うけど。
 それに文字通り最後の砦。得点されたら責められる。
 そんなイメージを持っていたから。
 ヘフナーは「これだから素人は」と上から目線では言わなかった。
 丁寧に解説してくれた。
 どんなに相手が得意気にシュートを打ってきてもそれを防いだときの相手が悔しがった時。
 サッカーの俗にいうカウンターアタックはキーパーを起点にして始まることがある。
 それが流れるように決まった時に達成感があるらしい。
 そして一番最後尾から全体を見渡してDFに指示を出し攻撃を防いでいく大切な存在。
 攻撃の要がボランチやトップ下なら守備の要はGKにある。
 サッカー選手の中で唯一手の使えるポジション。
 FWはいなくても試合が出来るがGKがいないと試合にならない。
 前線にロングパスを送り出すキックの精度。
 相手の足元に飛び込んでボールを奪う思い切りのよさと判断力。
 人によって重要なポジションは分かれるけどフィールドプレイヤーは10人しかいないけどGKはたった一人。
 でも本当はそんな事は関係ない。
 どんなポジションでも重要なのは変わらない。 
 CBがかけると守備がざるだし、攻守の切り替えがうまくできない。
 サイドから攻める際にはSBやSHの脚力とスタミナは必要不可欠。
 そして攻撃を組み立てるボランチやトップ下。
 何よりFWが点を決めないと勝つことが出来ない。
 不必要なポジションなんてない。

「ごめんね、サッカーの話になると夢中になってしまって」
「私が聞いたんだから気にしなくていいよ」
「でもせっかく遊びに来たんだから、何か歌おう」
「そうだな」

 そう言って私達もみんなに混ざってカラオケを楽しんだ。
 カラオケが終るとみんな解散する。
 とはいえ、同じバスに皆乗るんだけど。
 私が一番最初に降りる。
 家に帰ると夕食と風呂を済ませて母さんの帰りを待った。
 だいたい日付が変わる前か後に帰ってくる。
 紗理奈はゲームをしていた。
 高校に入ってから勉強をしているところを見たことがない。
 中学の時もそうだったけど。

「あまり夜更かしをするな」

 そんな事を言う親でも無かった。
 家の食事を任されているのは私だった。
 母さんが帰ってくるとリビングに行く。

「なんだ茉里奈。まだ起きてたのか?」

 母さんが言う。

「ちょっと大事な話があるんだけど」
「どうした?まさか子供が出来たとかいうんじゃないだろうな?」
「今日彼氏が出来てそれは無いよ」
「そうか、彼氏できたか。良かったな」

 学生は勉強しろとも両親は言わない。

「で、大事な話ってなんだ?」
「お願いがあるんだけど」
「それは私一人で判断できる話か?」
「わかんない」
「じゃあ、ちょっと待ってろ!おい!正志起きろ!!」

 母さんは寝室に行って父さんを叩き起こす。

「こんな時間にどうしたんだ一体?」
「進路の事なんだけど……」
「大学に行きたくなったとかそんな話か?」
「いや、紗理奈と同じように専門学校に行く」
「じゃあ、問題ないじゃないか」
「その後が問題なんだ……フランスに行きたい」

 本場のフランスで修行を積む。
 それが私が決めた未来。

「フランス料理にするのか?」
「うん……」
「それはフランスに行かないと駄目なのか?日本にもフランス料理の店はあるだろ?」

 父さんが聞いた。
 正直に話した。
 ヘフナーの事、ヘフナーが将来フランスへ帰国する事。だから私もフランスに行きたい。
 普通に考えたら反対される理由だろう。
 だけど両親は違った。

「そんなにいい男なんだな」

 母さんが言う。

「まあ、美嘉の店は紗理奈に任せたらいいか。ただし絶対に信念を曲げるんじゃないぞ最後まで貫きなさい」

 父さんも認めてくれた。
「じゃあ、今日はもう遅いから寝ろ」と母さんが言うと私は部屋に戻る。
 次の日ヘフナーにメッセージを送っていた。

「2年間だけ猶予をくれ!」
「2年間?」

 そう2年だけでいい。出来るだけ資格は取っておきたい。
 そしたら私もフランスに行く!
 ヘフナーは良いと言ってくれた。
 私だけが叶えられる夢が今出来た。

(2)

「うぅ……」

 私達は渡辺美嘉さんのレストランにランチに来ていた。
 子供たちはもう小学校に通う歳。
 昼間にちょっとくらい家を出ていても問題ない段階にようやくなれた。
 私の他には神奈と恵美と晶と亜依がいた。

「愛莉は何をそんなに悩んでいるんだ?」

 神奈が聞いたので話を始めた。
 単純な悩みだ。
 冬眞と莉子が異性として意識しているのは知っている。
 そして2人が私とお風呂に入るのは恥ずかしいから嫌だと言い出した。
 そんな年頃なんだな~と思っただけだった。
 冬吾も小学校の頃には1人で風呂に入っていたから別に問題はない。
 そこまでは私も何も言わなかった。
 だけど問題はここからだ。
 冬眞と莉子は2人で風呂に入りたいと言い出した。
 それを認めて良いのかどうかで迷ってる。
 冬夜さんは「翼達も3人で入ってたから問題ないでしょ?」と簡単に言うけど。
 そろそろ2人の部屋も分けるべきじゃないかと思ってる時期に舞い込んだ話。

「別にいいんじゃね?結婚も出産も法的には何の問題もないんだろ?」
「まあ、そうだけど……」
「愛莉は難しく考えすぎだ。好き同士なら遅かれ早かれそうなるだろ?また成長したら変わってくるよ」

 好きにさせてやれと神奈は言う。

「愛莉はいいよ、冬夜君もしっかりしてるしさ。それにひきかえうちの馬鹿は……」
「桐谷君がどうかしたの?」
「娘に興味を持ったのは良いけど未だに千帆と姫乃と一緒に風呂に入りたがってるんだ。2人から相談されてな……」
「私も水奈が小学生の時に誠がそうだったよ……」

 まだ地下アイドルに興味を持っていた方がマシだったかもしれないと亜依は言う。
 いい加減子離れさせないとそのうち犯罪を犯しそうだと危惧していた。
 それは多分ないと思うけど。
 冬夜さんはその辺は心配ない。

「愛莉以外に興味がないよ」

 そう言って下さる……えへへ~。

「恵美と晶はどうなの?」

 亜依が2人に聞いていた。

「女の子には興味を全く示さないわね。気を使ってるくらい。小さな頃は杏采のおむつすら変えてくれなかった」
「善君もそう。その分男の子の面倒はちゃんと見てもらったけど」

 恵美と晶が答えた。

「まあ、愛莉も気にすることねーよ。お前の家の子供は大体一途なんだから。それに真面目だし愛莉が心配するようなことにはならねーよ」

 神奈が言う。

「それにしてもやっと皆暇が出来たわね。次から次へと子供が増えてどうなる事かと思ったけど」
「それは言えてるわ」

 恵美と亜依が言う。
 そのあとすこし世間話をして店を出る。

「今度、女子会やらねーか?女子って年でもないけど」

 美嘉が言う。

「そのうちね。会場は手配しておく」

 恵美が答えた。

「あ、そうだ。愛莉に伝える事があった」
「どうしたの?神奈」
「冬吾の公式デビュー戦早くなりそうだ。連休にあるらしい。トーヤにすまんと言っといてくれって誠から言伝されてたんだ」

 冬吾は大事に育てるつもりだったけど、練習でその才能を見た首脳陣の要請を断る事が出来なかった。

「わかった。冬夜さんに伝えとく」

 そうして私達は家に帰ると帰ってくる子供の世話をする。
 何でも自分でやってしまう子供たちなので特に苦労はしなかった。
 ただ一つ問題があった。

「茜、昨日もお風呂入ってないでしょ!今日はちゃんと入りなさい!」
「これ終わったら入るから~」
「そう言って昨日入らなかったでしょ!」

 茜は夢中になると最低限度の生活も怠るようになった。
 今のうちに教育しないと大変なことになる。
 皆がお風呂に入って私もお風呂に入るとリビングにいる冬夜さんの隣に座った。
 神奈からの言伝を冬夜さんに伝える。

「まあ、そうなるよね」

 冬夜さんは笑ってた。

「応援くらいは行ってあげようか」

 試合会場は地元らしい。
 そのあとに冬眞と莉子について相談したことを話した。
 冬夜さんは特に驚きもしなかった。

「前にも言ったけどいいんじゃないか?」
「冬夜さんはそう言いますけど翼達の時、一番動揺してたの冬夜さんですよ」
「さすがに慣れたよ、娘が6人もいるとね」

 人様の娘を傷つけたり、他人の男に娘が傷つけられたら流石にそうは言ってられないけど身内同士なら問題ないだろ?
 冬夜さんはそう言っている。

「冬眞も莉子ももう6歳なんだね。僕も歳をとるわけだよ」
「まだそのような事を言われては困ります」
「わかってるよ」

 そんな話をしながらテレビを見て部屋で寛いでいる。
 時間になると寝室に入る。
 子供たちが楽しむなら私達も愉しむ。
 冬夜さんが疲れない程度に甘えてみる。
 冬夜さんは拒むことは決してない。
 ちゃんと私を受け止めて下さる。
 もう一度優しさを。
 鮮やかな笑顔があなたの心から溢れたらいつまででも見守ってあげよう。

「そう言えば愛莉」
「どうなさいました?」
「冬莉はどうなの?」

 え?

「冬莉の事はあまり話さないけど、問題ないのかい?」

 そう言われてみると冬莉は特に何もない。
 隠れてこそこそ何かをしてるようでもない。
 学業も疎かにしてないし、運動も得意みたいだ。
 欠けてる事といったら周りに事に対してあまりにも無関心な事。
 1人で読書をしたり音楽を聴いたりしている。
 一番の問題は冬莉じゃないのか?

「まあ、まだ早いのかもね。そのうち自我がでてくるよ」

 冬夜さんはそう言って寝てしまった。
 子供の興味があることを見つけてその才を伸ばしてやる事。
 それは普段仕事で家にいない冬夜さんには無理だ。
 私がしっかりしないと。
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