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長く清らかな虹
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(1)
「空、朝食済んだら一緒に実家に帰ろう?」
美希が朝食の時に言った。
いつもは美希一人なのにどうしたのだろう?
「また何かあった?」
「それは母さん達に聞けばいいよ」
美希がニコニコしてるところを見ると暗い話題ではなさそうだ。
朝食を食べ終えて、美希が片付けている間に支度をすると、美希も仕度を始める。
そして実家に帰ると、美希の母さんが「とりあえず上がりなさい」と言うのでリビングに行く。
リビングには美希の父さんだけだった。
僕は美希と2人でソファに座る。
「大学生活お疲れ様。よく頑張ったね」
美希の父さんは最初にそう言った。
まあ、仮卒みたいなもんだから、大学生活は終ったも同然だろう。
「ありがとう」
「今度はいよいよ社会人だ。もっと大変になる。空もそれなりの責任を伴う事になる」
「うん」
「だから今のうちにゆっくりしておくといい。卒業旅行は行くんだろ?」
「長崎に行ってくる」
「そうか、楽しんでくるといいよ」
「空の事だから食べ歩きみたいな感覚なのでしょうね」
美希の母さんが炊事を終えてリビングに来ると父さんの隣に座った。
そして時計を見ている。
「もうそろそろ時間なんだけど」
何の時間だろう?と考えていると呼び鈴がなった。
「あ、来たみたい」
美希の母さんがそう言って玄関に行く。
誰が来たのかは美希の母さんは知ってるみたいだ。
母さんはリビングに客を案内する。
母さんと知らない女性が来た。
美希と父さんは立ち上がって礼をする。
母さんは僕を見てくすりと笑う。
「恵美、空にはもう話したの?」
母さんが美希の母さんに聞くと「まだよ、何も知らずに連れて行った方が驚くと思って」と返した。
何の事だろう?
様子からして美希の父さんと美希は知ってるみたいだ。
「じゃ、早速行こうと思うんだけどその前にちょっと話をしていいかな?」
美希のお母さんが言う。
「うん、私は構わないよ」
美希が答えた。
すると美希と知らない女性が座るとパンフレットを取り出す。
色違いのカラードレスだ。
ピンクとミントグリーンと水色。
どうしたんだろう?
「空の希望も聞いておきたかったから」
へ?
ニコニコしてる美希に僕は首をかしげる。
どういう意味だろう?
そんな僕達を見ていた母さんが答えた。
「空は忘れたのですか?母さん達からの最後の贈り物」
「それは覚えてるけど」
中身は知らない。
「それがプレゼントだよ」
よくわからないけどあれか。
式は挙げないでドレスとタキシード姿で記念写真を撮るやつ。
微妙に違ったらしい。
「とにかくどの色がいい?」
選ばないといけないようなので答えた。
「ピンクがいいんじゃないかな?」
水色も捨てがたいけど、美希ならきっと可愛いお姫様みたいになるよ。
「それじゃ、それで手配するわね。次に……」
どうも様子がおかしい。
式には誰を招待する?
披露宴には誰を呼ぶ?
二次会はSHでするでしょ?
「友人代表のスピーチは光太でいいと思ったんだけど」
仲人は善明の母さん達がしてくれるらしい。
薄々感づいた。
まさかとは思うけど……。
そんな僕を見て母さんはにこりと笑った。
「そのまさかです。それが私達の最後のプレゼント」
無事に卒業したら最後はちゃんと見送ってあげようと父さんと相談していたらしい。
「小学校の時からずっと頑張って来た空と美希へのご褒美です。ちゃんと受け取りなさい」
母さんの言葉が何となく耳に入ってくる。
すると美希が頬を抓った。
痛い。
「夢じゃないよ」
美希はそう言って笑ってる。
そんな僕と美希を見てた美希の母さんが言った。
「んじゃとりあえず式場見に行きましょう」
僕達は海辺の式場に向かう。
そこで色々説明を受ける。
段取りとかも決めていく。
写真や動画の撮影をどうするか?
料理と飲み物は?
ブーケとかは?
決める事は沢山ある。
「美希に任せるよ」
そう言うと母さんに叱られた。
「冬夜さんもそうでした。ちゃんと二人で考えなさい」
母さんに言われて美希とあーだこーだと話をする。
美希はとても嬉しそうだ。
相談が終ると僕の実家に帰る。
「じゃ、招待状とかは手筈通りに送っておくから」
そう言って美希の母さん達は帰って行った。
「空も疲れただろう。でも大変なのはこれからだよ」
父さんが言う。
そして美希は僕の何倍も疲れるそうだ。
すると冬吾達がドレスのパンフレットに興味があったらしくてそれを見ている。
「綺麗だね」
冬吾はそう言った。
冬莉もやはり女の子なんだろう。
何か思うところがあったらしい。
少し父さん達と話をして家に帰る。
家に帰ると美希に聞いてみた。
「美希が実家に頻繁に通ってた理由はこれ?」
「そうだよ」
「じゃあ、プロポーズを急がせたのも……」
「空が決断してくれなかったら成立しないじゃない」
本当は大学卒業が決まるまで翼にも隠しておきたかったらしい。
しかし美希の母さんが提案した。
「娘の結婚式だもの。ちゃんとしたものにしてあげたい」
そのためには美希の体型にしっかり合わせたウェディングドレスを作る必要がある。
美希の好みのデザインに仕上げてやりたい。
そういう理由で美希にだけ先に教えたんだそうだ。
後期に入って余程ミスをしない限り卒業は可能になっていた。
後は僕の言葉を待つだけ。
「私本当に嬉しいんだ」
美希を見てたらわかるよ。
親に最後の晴れ姿を見せてあげられる。
今すぐ僕に知らせたいのを抑えるのに必死だったそうだ。
母さん達はもう一つプレゼントを用意してくれた。
「5月の連休までならそこまで忙しくもないから、ちょっとだけ新婚旅行に行ってきなさい」
父さんは2泊3日でグァムへの旅行を手配してくれたらしい。
美希の母さん的には世界一周くらいさせないと気が済まないくらいだったそうだ。
「だから本当は学生の間に結婚決めさせたかったんだって」
美希が笑って答える。
夕食を食べて、風呂に入ると美希とテレビを見ていた。
内容はよく覚えていない。
美希と「幸せ」という感情を共有していた。
「私今でも夢を見ているみたいなの」
美希だってやっぱり花嫁姿に憧れていたらしい。
しかも初恋の僕と結婚できる。
これ以上何かあったら嬉しすぎて死にそうだと言う。
「さすがにお嫁さんに死なれたら困るよ」
「分かってる……空、楽しみだね」
「うん」
テレビが終る頃僕達はベッドに入った。
美希と夢と希望を共有しながら幸せな夢を見ていた。
「空、朝食済んだら一緒に実家に帰ろう?」
美希が朝食の時に言った。
いつもは美希一人なのにどうしたのだろう?
「また何かあった?」
「それは母さん達に聞けばいいよ」
美希がニコニコしてるところを見ると暗い話題ではなさそうだ。
朝食を食べ終えて、美希が片付けている間に支度をすると、美希も仕度を始める。
そして実家に帰ると、美希の母さんが「とりあえず上がりなさい」と言うのでリビングに行く。
リビングには美希の父さんだけだった。
僕は美希と2人でソファに座る。
「大学生活お疲れ様。よく頑張ったね」
美希の父さんは最初にそう言った。
まあ、仮卒みたいなもんだから、大学生活は終ったも同然だろう。
「ありがとう」
「今度はいよいよ社会人だ。もっと大変になる。空もそれなりの責任を伴う事になる」
「うん」
「だから今のうちにゆっくりしておくといい。卒業旅行は行くんだろ?」
「長崎に行ってくる」
「そうか、楽しんでくるといいよ」
「空の事だから食べ歩きみたいな感覚なのでしょうね」
美希の母さんが炊事を終えてリビングに来ると父さんの隣に座った。
そして時計を見ている。
「もうそろそろ時間なんだけど」
何の時間だろう?と考えていると呼び鈴がなった。
「あ、来たみたい」
美希の母さんがそう言って玄関に行く。
誰が来たのかは美希の母さんは知ってるみたいだ。
母さんはリビングに客を案内する。
母さんと知らない女性が来た。
美希と父さんは立ち上がって礼をする。
母さんは僕を見てくすりと笑う。
「恵美、空にはもう話したの?」
母さんが美希の母さんに聞くと「まだよ、何も知らずに連れて行った方が驚くと思って」と返した。
何の事だろう?
様子からして美希の父さんと美希は知ってるみたいだ。
「じゃ、早速行こうと思うんだけどその前にちょっと話をしていいかな?」
美希のお母さんが言う。
「うん、私は構わないよ」
美希が答えた。
すると美希と知らない女性が座るとパンフレットを取り出す。
色違いのカラードレスだ。
ピンクとミントグリーンと水色。
どうしたんだろう?
「空の希望も聞いておきたかったから」
へ?
ニコニコしてる美希に僕は首をかしげる。
どういう意味だろう?
そんな僕達を見ていた母さんが答えた。
「空は忘れたのですか?母さん達からの最後の贈り物」
「それは覚えてるけど」
中身は知らない。
「それがプレゼントだよ」
よくわからないけどあれか。
式は挙げないでドレスとタキシード姿で記念写真を撮るやつ。
微妙に違ったらしい。
「とにかくどの色がいい?」
選ばないといけないようなので答えた。
「ピンクがいいんじゃないかな?」
水色も捨てがたいけど、美希ならきっと可愛いお姫様みたいになるよ。
「それじゃ、それで手配するわね。次に……」
どうも様子がおかしい。
式には誰を招待する?
披露宴には誰を呼ぶ?
二次会はSHでするでしょ?
「友人代表のスピーチは光太でいいと思ったんだけど」
仲人は善明の母さん達がしてくれるらしい。
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まさかとは思うけど……。
そんな僕を見て母さんはにこりと笑った。
「そのまさかです。それが私達の最後のプレゼント」
無事に卒業したら最後はちゃんと見送ってあげようと父さんと相談していたらしい。
「小学校の時からずっと頑張って来た空と美希へのご褒美です。ちゃんと受け取りなさい」
母さんの言葉が何となく耳に入ってくる。
すると美希が頬を抓った。
痛い。
「夢じゃないよ」
美希はそう言って笑ってる。
そんな僕と美希を見てた美希の母さんが言った。
「んじゃとりあえず式場見に行きましょう」
僕達は海辺の式場に向かう。
そこで色々説明を受ける。
段取りとかも決めていく。
写真や動画の撮影をどうするか?
料理と飲み物は?
ブーケとかは?
決める事は沢山ある。
「美希に任せるよ」
そう言うと母さんに叱られた。
「冬夜さんもそうでした。ちゃんと二人で考えなさい」
母さんに言われて美希とあーだこーだと話をする。
美希はとても嬉しそうだ。
相談が終ると僕の実家に帰る。
「じゃ、招待状とかは手筈通りに送っておくから」
そう言って美希の母さん達は帰って行った。
「空も疲れただろう。でも大変なのはこれからだよ」
父さんが言う。
そして美希は僕の何倍も疲れるそうだ。
すると冬吾達がドレスのパンフレットに興味があったらしくてそれを見ている。
「綺麗だね」
冬吾はそう言った。
冬莉もやはり女の子なんだろう。
何か思うところがあったらしい。
少し父さん達と話をして家に帰る。
家に帰ると美希に聞いてみた。
「美希が実家に頻繁に通ってた理由はこれ?」
「そうだよ」
「じゃあ、プロポーズを急がせたのも……」
「空が決断してくれなかったら成立しないじゃない」
本当は大学卒業が決まるまで翼にも隠しておきたかったらしい。
しかし美希の母さんが提案した。
「娘の結婚式だもの。ちゃんとしたものにしてあげたい」
そのためには美希の体型にしっかり合わせたウェディングドレスを作る必要がある。
美希の好みのデザインに仕上げてやりたい。
そういう理由で美希にだけ先に教えたんだそうだ。
後期に入って余程ミスをしない限り卒業は可能になっていた。
後は僕の言葉を待つだけ。
「私本当に嬉しいんだ」
美希を見てたらわかるよ。
親に最後の晴れ姿を見せてあげられる。
今すぐ僕に知らせたいのを抑えるのに必死だったそうだ。
母さん達はもう一つプレゼントを用意してくれた。
「5月の連休までならそこまで忙しくもないから、ちょっとだけ新婚旅行に行ってきなさい」
父さんは2泊3日でグァムへの旅行を手配してくれたらしい。
美希の母さん的には世界一周くらいさせないと気が済まないくらいだったそうだ。
「だから本当は学生の間に結婚決めさせたかったんだって」
美希が笑って答える。
夕食を食べて、風呂に入ると美希とテレビを見ていた。
内容はよく覚えていない。
美希と「幸せ」という感情を共有していた。
「私今でも夢を見ているみたいなの」
美希だってやっぱり花嫁姿に憧れていたらしい。
しかも初恋の僕と結婚できる。
これ以上何かあったら嬉しすぎて死にそうだと言う。
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