姉妹チート

和希

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静寂

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(1)

「あ、冬吾君」

 僕を見つけたセーラー服姿の瞳子がいた。
 心を読むまでもなく、瞳子は何かを期待してるのは分かった。

「似合ってるよ」
「ありがとう、冬吾君も似合ってる。よかった」

 よかったって何がだろう?
 僕が瞳子に聞いたら瞳子が誠司達を見ていた。

「あんた何馬鹿な真似してるの!」
「この方がかっこいいだろ!」
「みっともないっていうの!」

 入学式前から問題を起こすのが誠司。
 誠司は僕に気づくと近づいてきた。
 そして龍の絵柄のボタンを外すと学ランの内側を見せる。
 学校の規定の裏ボタンじゃないことはすぐに分かった。

「冬吾はどうなんだ?」
「普通のだよ」
「隼人だって規定じゃないのにしてるのにお前も少しはファッションしろよ!」

 裏ボタンなんて誰が見るんだ?
 よく見ると誠司はピアスも開けている。
 冴は普通だった。
 冴にも文句を言うと思ったけど違うようだ。

「やっぱセーラー服はこうじゃないとな。いかにも清純というか……」

 きっと誠司の父さんに言われたのだろう。
 誠司の母さんが誠司をどついてた。

「お前は入学早々何馬鹿な事を言ってるんだ!」
「だって父さんが言ってたんだ”娘の清純なセーラー姿はたまらんかった”って」
「誠!またお前か!」
「誠司、それは男だけのロマンだと言っただろ」
「そういう問題じゃないだろ!」

 そんな誠司の両親を僕の父さんと母さんは呆れて見てた。
 ちなみに冬莉も普通の恰好だった。

「わざわざ足を冷やしたりする意味が分からない」

 セーラー服を着る事すら面倒そうにしていたからそうなるんだろう。
 瞳子もそうなんだろうか?

「うーん。だっていくらお洒落しても靴は運動靴だよ?」

 瞳子はそう言って笑ってた。
 確かにそうだなぁ。

「その代わりデートする時はちゃんとお洒落するから」
「うん、楽しみにしてる」

 クラス分けが張り出された。
 神様というのはとても面倒臭がり屋らしい。
 みんな同じクラスだった。
 僕達以外のクラスには黒いリストバンドをした生徒がいる。
 天音が言うには”あれは殺してくださいって意味”らしい。
 それは気にしてないんだけど何か違和感を感じる。
 瞳子も気づいたらしい。
 入学式が終ると教室で説明があって家に帰る。
 家に帰ると学ランを脱いで着替えていた。
 リビングに出ると母さんの声が聞こえる。

「冬莉!洗濯するからセーラー服を出しなさい!」
「半日も着てないから大丈夫だよ」
「どうしてあなたは身なりに気をつけないのですか!?女の子でしょ!」
「茜だって同じじゃん」
「茜も出しなさいといつも言ってるでしょ!」

 そんなにめんどくさい事なのかな?
 夜になると風呂に入って部屋に戻る。

「2人とも風呂に入りなさい!」
「明日土曜だよ?」
「関係ありません!」

 そんなやりとりを聞いていた。
 ちなみに瞳子は毎日入るようだ。

「ごめん、お風呂入ってた」

 ってメッセージが届いてくるから。

「ねえ、冬吾君気づいた?」

 やっぱり瞳子も気づいたんだ。
 僕と誠司の名前を聞いた生徒の反応。
 そして教室の中で複数人が1人を取り囲んで何か話をしてる。
 どうせしょうもないカツアゲか何かだろう。
 すると誠司からメッセージが届いた。

「冬吾、なんかうちのクラスおかしくね?」

 誠司も気づいたのか。

「うん、なんかこそこそしてる連中がいるね」
「だろ?しかもそいつら黒いリストバンドしてないんだ」

 黒いリストバンドをしていない連中が黒いリストバンドをしている連中にたかってる図式。
 それが違和感の正体か。

「それにさ、SHのグループチャットに次々とうちのクラスの連中が入ってるんだ」

 当たり前のように思えて当たり前じゃない事。
 茜から注意されていた。
 安易にSHに入れたらいけない。
 茜は何が起きているのか知っているのだろうか?
 後から考えたら今茜に事情を聞いておくべきだったと思い知らされる事になる。
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