姉妹チート

和希

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当たり前の愛し方

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(1)

「あ、結構冷たいですよ!」

 まあ、川だしね。
 川だとそこまで日差しが強くないから美希でも水遊びくらいはできるみたいだった。
 美希達とはしゃいでいる翼を見て考えていた。
 地元の海水浴場で水着に着替える若い女性はほとんどいない。
 プールで着替えるのが殆どだ。
 だけど例外があった。
 それが川。
 父さん達が行った時良かったと言っていたので、今年はその川のキャンプ場に遊びに来ていた。
 更衣室が無いけど、テントの中で着替えたらいいと着替えだす。
 さすがにテントの中を覗く馬鹿はいない……と、思っていた。
 翼が着替えているテントを覗こうとする遊達。
 さすがに善明が止めていた。
 そうこうしてるうちに着替え終えたなずな達が来て捕まってしまう。

「他人の嫁さんになんて真似してるの!?」
「い、いや。大人の裸ってどうなんだろうって」
「遊は私がまだ子供だと言いたいわけ!?」

 毎回飽きもせずによくやるよ。
 
「で、旦那様は何を考えていたの?」
 
 美希がやって来た。
 さっき考えてた事をそのまま伝える。
 怒られるかな?
 怒られなかった。

「確かに不思議ですね」

 そう言って笑ってるくらいだ。
 遊達が近くの橋から飛び込もうとしているのをなずな達が怒っていた。
 光太達は浅瀬なら大丈夫だろうと子供に水浴びをさせていた。
 子供だから水着じゃなくても着替えを持って来てあるから大丈夫だと言っている。
 光太に似たのだろうか?
 玲衣は元気にはしゃいでいる。
 光聖は母親になのだろうか?
 肩まで水が浸かる場所で寛いでいるだけだった。
 もちろん客は僕達だけじゃない。
 他の家族連れの客がいる。
 迷惑にならないようにしていた。
 与留の子供達は水が苦手の様だ。
 あまり入りたがらない。
 水奈達が遊んでいる間にコンロの準備とかをしていた。

「翼!本当にこの塊全部食べられるの!?」
「余裕じゃないかな」

 肉の塊を精肉店で買っておいた。
 美希はそれを見て驚いている。
 飲み物は光太と学が用意してるから大丈夫だろう。
 夕方になると水遊びを終えてBBQの準備をする。
 酒と肉を楽しみながら夜空には星。
 それだけで酒は美味いと偉い人が言っていた。
 BBQが終る頃辺りは暗くなる。
 さすがにロケット花火はまずい。
 学がしっかりチェックしていた。
 だけど遊と粋は違う遊びを考えていたらしい。

「ちょっと遊!何やってるの!?」

 なずなが叫んでいる。

「こんだけ暗いから誰にも見られないだろ?一回やってみたかったんだよな」

 そう言って遊は真っ裸で川に飛び込む。
 全く理解できない行動だった。

「なずな達もやってみろよ!結構楽しいぜ!」
「出来るわけ無いでしょ!……って花!?」
「着替えは持ってきてるから私は粋に付き合うよ」

 そう言って服を着たまま川に飛び込む花。
 花は粋の趣味に付き合うつもりなんだろう。
 口を尖らせて叱っているよりその方がきっと楽しい。
 あの二人は上手くやれてるんだな。
 光太達と克樹達はテントで子供達を寝かしつけている。
 他の客がいるからとあのバカな歌は学が禁止したらしい。
 僕は夜空を見ながら酒を飲んでいた。

「月は出ているか?」

 そんなセリフが浮かんだけどどういう場面で使えばいいのか全く分からない。
 そんなどうでもいい事を考えていると美希から小突かれる。

「何も言ってないだろ?」
「今のはしょうもない事を考えている時の顔でしたよ」

 まあ、その通りなんだけど。

「空や、ちょっと話を聞きたいんだけどいいかい?」

 善明達が来た。

「どうしたの?」
「空は”何かいいアイデアが思いついた”と言ってたのに、何もしないから不思議に思ってね」

 ああ、その話か。
 確かに美希にも詳しく説明してなかったな。
 気づいたら皆集まっていた。
 別に話しても問題ないか。

「簡単だよ。切り離すのさ」
「それって追放するって事?」

 翼が聞いてくると、僕は首を振った。

「それは今でもやってるだろ?」

 そんなちまちましたことをしていても埒が開かない。
 極論で言うと分裂させる。

「それをして俺達に得があるのか?」

 光太が聞く。

「あるよ」

 SHとは関係ないと言える。
 あとは大体わかってもらえるだろ?
 SHじゃないなら何者かが潰しにかかるだろ。

「それならどうして今じゃダメなんだ?」

 学が聞いた。
 もちろんちゃんと説明できる。

「分裂する側の先導者がいないから」

 分裂させるにはもう一方の頭がいる。
 SHからの離脱を先導する人間が必要になる。
 かと言って「分裂させてくれないかな」と言って引き受ける人間がいるわけない。
 いたとしてもそいつについていくだけのカリスマがあるかどうかすら怪しい。
 でもこれだけデカくなったらそんな人間一人は必ず現れる。
 今はそれを待つだけだという。
 SHの名前を使って悪さするだけの小者には大役すぎるだろ?

「そこまで考えていたんだね」

 善明は納得したようだ。
 作り直す事も出来ない。
 解体しても名乗る馬鹿は絶対にいる。
 なら自然と切り離すようにもっていけばいい。

「で、叩きつぶす役は俺達なのか?」

 光太が言うと僕は首を振った。

「それなら直接潰せばいいじゃないか」

 SHじゃない奴が暴れてたら的にする奴なんて他にいくらでもいるだろ?

「……なるほどな」

 学はそう言って笑った。

「学は納得してるけど私は全く分からないぞ」

 水奈が言うと翼が変わって答えた。

「ヘイト溜め込んでいてもSHだから手が出せない存在だよ」
「あ……そういう事か!」

 水奈も気づいたようだ。
 地元の連中なんてSHの名前に怯えているだけ。
 それさえなくなってしまえばただの標的だ。
 規模の大きさではあいつらの方が上だろうし。

「私達も手を貸すの?」

 翼が聞いた。

「いつもどおりでいいんじゃない?」

 鬱陶しい真似をしたら潰す。
 夜食のラーメンをすすりながら説明をして皆が納得すると僕達はテントに入る。

「一つ個人的に相談していいですか?」

 美希が言う。

「何かあったの?」
「誠司の件なんだけど……」

 茜が冬吾から相談を受けたらしい。
 冴が知らない男と付き合っている。
 茜が嫌な予感がしたからその男子を調べたらしい。
 すると……
 それはやっかいだな。

「冬吾はその男子をみてどう思ったって?」
「そんなに悪い人には見えないって言ってた」
「なら大丈夫だよ」

 余程の無い事が無い限りSHも手出ししないだろう。
 それよりも……

「その事誠司には?」
「冴が自分で言うって言ってたって」

 やっぱりだめか……。
 
「ねえ、旦那様」
「どうしたの?」

 美希は空気を変えたかったらしい。
 川で水着姿になってる彼女を他人に見られるのはいやだったりするの?
 そんな質問をしてきた。
 僕はにこりと笑って答えた。

「そこまで度量が狭くないよ。僕は美希の全部を知ってるんだから」

 ぽかっ

「……困った旦那様ですね」

 そう言って美希が抱き着いて来る。
 誠司はこの幸せを知らずにいるのだろうか?
 僕にも誠司の気持ちが分からないけど。
 でも特別な人っていうのは間違いなくいると思うんだけど。

(2)

「参ったな……」

 俺は運転しながらため息をついていた。
 
「冷静でいてくれ」

 神奈はそう言っていた。
 俺達は志高湖のキャンプ場に向かう前にテーマパークに遊びに来ていた。
 駐車場に皆集合すると渡辺君が説明をして解散する。

「誠司君、私あれ乗りたい」
「んじゃ父さん行ってくる」
「……時間は守れよ」

 俺がそう言うと誠司はゲートをくぐっていった。
 もちろん一緒にいる彼女は冴じゃない。
 俺も初めて見る女子大生だった。
 誠司の女性関係は俺でも把握できてない。
 当然、神奈が問い詰めても教えてくれないらしい。
 誠司達だけの相手をしてるわけにはいかない。
 崇博たちだっている。
 まあ、恵美さんや亜依さんがいるから楽だけど。
 しかし、神奈と亜依さんも同じ疑問を持っていたようだ。
 恵美さんにいたっては完全に頭にきてるらしい。

「誠君!あれ放っておいてもいいの!?」
「恵美、誠も今苦労しているんだ。」

 神奈が恵美さんを宥める。

「冬夜、冬吾はどうなんだ?」

 サッカーの試合になれば完全に冬吾が注目を集める。
 もちろん女性にサインをねだられる事もある。
 冬吾もサインくらいは応えるけど、それ以上はないらしいと冬夜が答えた。

「ごめん、僕彼女いるから」

 その一言で諦める女性もいるし諦めずに食い下がる女性もいる。
 そこはスタッフが力づくで引き離してはいるけど。

「しかし、また一つ問題が増えたな」

 渡辺君が言う。

「誠司を教育させてもいいわよ?」

 恵美さんが言う。
 いっそそうしたいくらいだ。
 冬夜もそんな俺の気分が分かったのだろう。

「例の教育で直る程度じゃないと思う」

 冬夜はそう言った。

「冬夜さん。一つ聞いてもいいですか?」
「どうしたの?」

 冬夜は愛莉さんに聞いていた。
 冬夜もバスケをやっていたころはスターだった。
 当然サイン等を求められてもおかしくない。
 五輪の選手村でサインの交換とかもあったんじゃないか?
 だけど冬夜が持って帰って来たのは金メダルだけ。
 愛莉さんはそれが不思議だったのだろう。
 冬夜はあっさり答えた。

「そんなの持って帰ってきたら、愛莉が拗ねると思って断ったよ」
「私のせいなんですか?」
「大事なお嫁さんの機嫌を損ねるまでの価値がないだけだよ」
「……えへへ~」

 冬夜は愛莉さんの扱い方を完璧に覚えたんだな。
 俺も神奈の扱い方が分かればいいんだが……

「心配するな。お前の悪趣味にはもう慣れた。浮気しないだけましだよ」

 神奈はそう言ってくれる。

「そう言えばうちの瑛大も浮気だけはしてないね」

 亜依さんがそう言う。
 そう、渡辺班に浮気をする奴はいなかった。
 そんな奴を入れなかったというのもあるけど。

「渡辺班は瑛大と誠君さえ注意してればよかったからな」
「中島や翔太だって一緒だろ」

 木元先輩と檜山先輩が言う。
 しかし二人共奥さんはそうは見てくれないようだ。

「かずさんは自分は関係ないと思ってるでしょうけど、遅くまで飲んだり困った亭主でした」
「春樹も同じ。私そっちのけで遊び惚けてたじゃないですか~」

 花菜さんと咲良さんが言うと2人は笑っているだけだった。

「子供達も大きくなったし、適当な連休に一泊でもしにいかないか?」

 檜山先輩が咲良さんに言っていた。

「そうですね~。お互いお疲れ様でした~って意味で」
「逆に聞くけどさ、誠だってモテてたんだろ?どうして浮気しなかったんだ?」

 瑛大が聞いてきた。
 そんなの決まってるだろ。

「瑛大は知らないかもしれないけど、神奈と付き合うまでが大変だったんだ。そんな大事な彼女を裏切る真似しないよ」
「へぇ~そう思われていたのは意外だったな」

 神奈はそう言って笑う。
 誠司に足りないのはそこなのだろうか?
 あいつは冴から告白されてる。
 恋に対する苦労が全くない。
 だから自分の彼女の大切さが分からないのだろうか?

「誠の考えてる事も半分当たってるけど、もっと根本的な問題があるんじゃないかな?」

 冬夜が言った。

「なんだそれ?」
 
 神奈も気になったらしい。
 冬夜は答えた。

「誠司は人を好きになるという気持ちが無いんじゃないのか?」

 冬夜が言うと俺達は「え?」と返した。
 冬夜が説明する。
 告白されたから受けた。
 口うるさいから他の女と遊ぶ。
 つまりは、好きな女性を大事にするという要素が無い。
 誠司の周りには常に女性がいる。
 だから気づかないのかもしれないけど、実は誠司は恋を知らないんじゃないのか?
 どんなことがあっても手放したくない彼女という存在がいない。
 だから都合が悪くなるとあっさりと乗り換える。
 そんな誠司に俺が色々吹き込んだからそれだけを重視している。

「結局は俺の責任か」
「それも違うな。その証拠が誠と神奈だろ?」

 瑛大と亜依さんともいう。
 俺と瑛大に共通している事。
 嫁さんを大事に思っている事じゃないのか?

「私はそう思ったことは一度もないけどな?」

 亜依さんはそう言ってるけど照れているみたいだ。

「キスをしたり抱き合ったりすることが当たり前の愛だと思い込んでる。愛という物を理解してないんだよ」

 冬夜の言う通りかもしれないな。
 その事を一番理解している冬夜が言うんだから間違いないだろ。

「私もそう思う。冬夜さんは相変わらず食べ物につられる困った人だけど私を大事にしてくれる」

 それは空も冬吾も純也も冬眞も同じだと言う。
 困った癖はあるけど彼女の事を大事にしてるらしい。

「……大地がそうじゃなかったら、私が絞め殺してやるから」

 恵美さんがそう言って笑った。
 大地は文字通り命がけの恋愛なんだな。
 そうして話していると約束の時間になって集合場所に着くと、キャンプ場に移動する。
 テントを設置してBBQの準備をすると皆飲み始める。
 瑛大と中島君は誠司の彼女に酒を勧めて奥さんに睨まれていた。
 神奈は誠司が酒を飲まないか注意している。
 俺も誠司達の事が気になって楽しむ気になれなかった。

「なんだよノリ悪いぜ!誠」

 瑛大が言うけど、察してくれた亜依さんがフォローしてくれる。
 俺の隣には冬夜達がいた。

「冬吾や冬莉から聞いた感じだと……もうだめかもしれない」

 愛莉さんが言う。
 まあ、そうだろうな。

「そんなに悲観することないだろ?まだ中学生だ」

 冬夜が言う。
 瑛大達だって高校生で付き合い始めたんだから。

「らしくないぞ。いつも大変なんだろ?誠も少しは楽しめ」

 今日くらいは付き合ってやるよと冬夜が言う。
 仕方ありませんねと愛莉さんも言う。
 
「もう一つ悩みがあるんだ」
「どうした?」

 冬夜が聞くと答えた。
 
「誠司の奴天狗になってる」

 誠司の歳でちやほやされたらそうなるのも無理はない。

「……冬吾はどうなんだ?」
「冬吾は逆だよ。お前がアドバイスしたんだろ?」

 周りに頼らないで自分をアピールする。
 練習の間は容赦しない。
 
「今のパスは僕じゃない!」

 そう言ってパスを返すほどだ。
 もちろん試合の間はそんな事しない。
 自分にも味方にも厳しくあたって先導する。
 冬夜が危惧してた慢心も挫折も全くない。
 ボールに触れている時間を楽しんでいる。
 唯一の欠点はゲーム感覚でプレイしている事。
 それだけ平常心でいられるからなんだろうけど。
 どっか強豪国と当たった時が不安だ。
 メンタル面を鍛える術がない。
 そういう意味では冬夜のバスケと同じだった。
 だけど、冬夜は味方に支えられすぐに冷静になれた。

「いつも真面目にプレイしなさいとは言ってるんだけどな」
「難しい問題だね」

 冬夜は言う。
 でも多分A代表になる頃には解消されてるんじゃないか?
 その前に海外に留学する気らしいし。
 
「もうそこまで考えてたのか?」
「契約金が桁違いなチームだからきっと上手い選手がいるんだろうなって行先まで決めてるみたいだ」

 冬夜はそう言って笑っていた。
 まあ、冬吾が今のまま成長すれば間違いなくスカウトが来るだろう。
 気づいたら子供達は花火を終えて眠っていた。
 冬夜も夜食のラーメンを食べている。
 すると妙な光景があった。
 誠司と彼女の為のテントに瑛大達が集まっている。
 ……まさか。

「あ、私達が行ってくるから話してて」

 神奈と亜衣さんが言うとテントに向かって小突いてる。
 あのバカ……

「そうも言ってられないんじゃないか?誠」
「そうですね」

 冬夜と愛莉さんが言っている。
 何かあったのか?

「翼から聞いたんだけど水奈達も同じらしいぞ」

 俺が唯一監視のできない時間だから。
 瑛大に怒鳴りつけようと思ったけど冬夜が止めた。

「もう2人は夫婦なんだ。なのにそんな状況じゃないと出来ない環境にした誠の責任だぞ」

 確かにそうかもしれないな。

「……誠も少しは楽になっただろ?水奈に割く時間をカンナに……」

 ぽかっ

「トーヤまで妙なこと誠に吹き込んでるんじゃねーよ!」
「で、でもカンナは恥ずかしがり屋だからうまく甘えられないって相談が……」
「誠も余計な事トーヤに喋るな」
「恵美、そういう問題なら私達の出番だね」
「そうね、愛莉ちゃん。旦那をその気にさせたらいいんでしょ」
「愛莉、それ私も聞きたいわ。私もなんかこの歳になると恥ずかしくてさ」

 そんな話で盛り上がっていた。

「誠司の事はもう少し様子を見よう。……実を言うと私も少しは誠に相手して欲しくてな」

 神奈がそう言って照れ笑いを作ってた。
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