姉妹チート

和希

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Time goes by

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(1)

 放課後になると夏で世代交代をした部活生たちが練習に励んでいる。
 音楽室からは吹奏楽部の演奏が、渡り廊下で演劇部の発声練習が聞こえてくる。
 私と誠司の2人っきりの中で私は誠司に終わりを告げた。

「もう私達終わりにしよう」
「え?なんでだよ?」

 理由が全然わからないらしい。
 別れる原因を作った誠司は私に理由を求めていた。

「もう、誠司といても辛いだけ。誠司だって私の事邪魔でしょ?」
「別にそんな事無いよ」

 誠司はそう答えた。
 別に別れなくてもいいだろと引き留めた。

「私はもう疲れた。これ以上誠司と付き合っていても辛くて苦しいだけ。ごめんなさい」

 涙は出てこなかった。
 泣く事すらなかった。
 もうどうでもよくなっていた。
 誰かが言っていた。
 好きの反対は無関心。
 私の中にもう誠司はいない。
 誠司だって私の事なんて全然考えてくれなかった。
 付き合ってると言う事実がお互いを苦しめるだけ。
 もっとも誠司にはそんな事関係なかったんだろうけど。

「俺の事嫌いになったのか?」

 そう言って誠司は必死に止めようとした。
 だけど、そんな言葉を聞くのも面倒になっていた。
 今さら必死になるほど誠司は私に何をしてくれた?
 この半年間誠司は何をしてた?
 私は自分の意思を曲げるつもりはなかった。
 これ以上話しても無駄だ。

「もう、私行くね」
「……他に好きな男子いるのか?」

 答える義理はない。
 お互い同じじゃない。
 今さら罪悪感も無い。

「気になる男子ならいる」
「誰だよそいつ!?」
「誠司には関係ない」
「俺より良い男なのか!?」

 誠司にとって男子の優劣をどこでつけているのか知らないし、興味もなかったけど、少なくとも私の中では彼の存在の方が大きかった。

「私にとっては誠司よりも大切な人」
 
 浮気ととるならそれでもいい。
 今さらだ。
 誠司の説得は罵声に変わった。
 だけど怒る気にもならなかった。
 みっともないとは思ったけど。
 女子の恋愛は上書き保存だと誰かが言っていた。
 もう誠司に対する未練なんて微塵も残っていなかった。
 
「じゃあ、もう行くね。今までありがとう」

 礼を言う義理は無かったけど、一応伝えた。

「後悔しても知らないからな」

 こいつはモテるらしいけど私の中では世界で一番最低な男に変わった。
 私は誠司に怒鳴りつける。

「たった今後悔した!あんたなんかを好きだと思った自分が馬鹿だった!」

 そう言って教室を出た。
 さすがに昇降口で待ち合わせるのはまずいと思ったので近くのコンビニで待っていてもらっていた。
 さとりは私に気づくと声をかける。

「失恋した割にはなんかおかしい状況だね」
 
 もっと泣いたりするかと思ったけど。
 さとりが私が腹を立てているのが不思議だったらしい。
 さとりに話をしながら家に帰る。

「……なるほどね」

 さとりも納得したらしい。
 だけどさとりは違う意見を言った。

「後悔なんてする必要ないよ」
「どういうこと?」
「胸を刺す棘は消えないけどきっと誰かが笑ってくれるから」

 少なくとも僕は笑顔でいてあげるから。
 前向きに考えようよ。
 綺麗な思い出すらない恋だった。
 切ない思いのはずなのに誠司の笑顔も涙も思い出せない。
 だけどいつか誠司を好きでいれた事にありがとうと言える時が来るまで、サヨナラだけでいい。
 私とさとりは今手を繋いで帰っていた。
 私の恋は次の段階に入っていた。
 恋の終わりは新しい恋の始まり。
 私の家の前でさとりは手を離して帰ろうとする。

「待ってよ。今日くらい家に寄ってよ」

 さとりは何か考えていた。

「良いけど、その前に一つ聞いてくれないか?」

 何を言おうとしているのか、分かり切っていた。

「いいよ」
「……こんな姑息な真似をするのは不本意だけど。今の冴の状態だと誰かに取られるかもしれないから」

 そんなことないよ。
 私の気持ちはもう決まってるよ。
 後はあなたが決めるだけ。

「冴さえ良かったら僕と付き合って欲しい」
「いいよ。ありがとう」

 今度はちゃんと恋愛が出来るはず。
 さとりを部屋に案内する。
 さとりは女子の部屋に入ることに慣れてないらしい。
 
「で、どうするの?」

 さとりが聞いてきた。

「そうだね。まず目を閉じてよ」
「……分かった」

 私が何をするつもりか分かったのだろう。
 さとりは素直に目を閉じる。
 私はさとりに抱きついてキスをする。
 しばらくキスをするとさとりから離れた。

「初めてだった?」
「まあね」
「私で後悔してない」
「好きな人とキスが出来て後悔する男子なんていないよ」

 初めて私の事を好きと言ってくれた。
 順番はちょっと違うけど。
 私はさとりに抱きついた。

「ありがとう、私もさとりの事が好きだよ」

 キスだけでは物足りないくらい大好き。
 でも一度に全部上げたら、さとりが勘違いしそうだから我慢した。
 その後少しさとりと話をしてから、さとりは家に帰った。
 夕食を食べて風呂に入って、部屋に戻るとさとりからのメッセージがスマホに届いてた。

「冴は大丈夫?」
「何が?」
「いや、僕なんかより誠司の方がいいような気がして」

 男子ってこんな事で悩むような物なのだろうか?

「それはどうしてそう思ったの?」
「え?だって彼人気者じゃない」
「それが私の判断基準になるの?」
「え?」

 誰がどういおうと私はさとりを選んだ。
 私の中にはさとりしかいない。
 自信過剰なあの馬鹿よりさとりの方がよっぽど素敵だ。

「どうしてそう言えるの?」
「簡単だよ」
「え?」
「さとりは私を心配して今メッセージをくれている」

 私の事を思ってくれている。
 それだけで十分だよ。
 私はとうの昔に失恋していたのかもしれない。
 残った傷跡が消えていたのはさとりのおかげ。
 そして傷跡が消えた瞬間さとりの優しさに気づけた。
 ちっぽけな心だけどさとりに恋をした。
 それだけで十分じゃない。

「変な事聞いてごめんね」
「謝る必要ない。それだけ私の事を心配してくれているのでしょう?」
 
 好きだから相手の事が不安になる。
 気持ちのすれ違いが喧嘩の原因になるかもしれない。
 だけど大丈夫だよ。
 いつか、お互いが好きなんだって気づけたとき世界が変わる。
 信じていられる。
 きっとそうなれる。

「心配するならもっと別の心配して欲しいんだけど」
「何を心配したらいいの?」
「せめてクリスマスにはさとりが欲しい」

 私の親なら大丈夫だから。
 
「分かった。楽しみにしておくよ」

 そう言ってしばらく話をして寝る。 
 本当は切ない夜なのに、どうしてだろう?
 あいつの笑顔も涙も思い出せない。 
 それよりもさとりとならどこまでいけるだろう?
 そんな事を考えていた。

(2)

「え?」

 僕はさすがに驚いた。
 確かに今日の誠司はなんかいつものノリじゃなかった。
 ひょっとして、と思ったけどさすがにそれを誠司に聞くのは間違ってると思ったからそっとしておいた。
 そして数日経って事実を知った。

 冴が退会しました。

 冴はSHを去っていった。
 当然皆驚いていた。
 水奈も知らなかったみたいだ。
 冬莉も驚いていた。
 そしてその理由を瞳子から聞いた。

「誠司君と別れたって……」

 やっぱりそうなんだ。

「でもSHを抜けた理由は?」
「それは教えてくれなかった」

 しかし誠司を振ったなんて事実が知れたら誠司のファンが何をするか分からない。
 SHにも同じような人間が沢山いる。
 冴を守る口実が欲しい。
 瞳子も同じ事を考えて考え直すように冴に言ったらしい。
 だけど冴は「私がSHにいる事の方がさとりが危険だから」と言ったらしい。
 さとりとは冴の彼氏の白石識の事。
 彼に原因がある?
 僕は茜の部屋に行った。
 ノックをすると茜がPCを見て爆笑してる。
 冬莉はイヤフォンをして本を読んでる。
 
「あ、冬吾。どうしたの?」
「実は……」

 事情を説明すると冬莉も話を聞いていたのか、イヤフォンを外した。

「そういや、冬吾には話してなかったね」
 
 冬莉は理由を知っているらしい。
 わざわざ標的になるような真似をしない。
 黒いリストバンドを隠していた。
 白石識はFGの人間だった。
 それでSHに冴がいる事の方が危険か。
 僕は二人に相談していた。
 例えさとりがそうだったとすれば冴が抜けたらもっと危ないんじゃないのか?
 僕達には冴を守る口実すらない。
 だけど冬莉は笑っていた。

「相手がSHなら遠慮なく潰せって空は言ってる」

 鬱陶しい真似をする連中は構わず潰せ。
 空はそう言ってた。

「その事誠司は知ってるのかな?」
「SHのチャット見てるんだから気づいてるでしょ」

 あいつ、憂さ晴らしなんて馬鹿な真似しなければいいけど。
 そんな事をしたら僕は誠司と対立しないといけない。

「そんな事考えてる余裕無いみたいだよ」

 冬莉が言う。
 誠司は振られたという事実を未だに受け止められずにいる。
 誠司は言っていた。
 恋愛の神様が2人を強引に結びつけるはずだと。
 しかしそれは努力をしたカップルだけに言える話だ。
 最初から神頼みの誠司に神様が力を貸してくれるはずがない。
 悩み苦しんでいた冴に救いの手を差し出した。
 これで懲りるんじゃないか?
 そう思っていた。
 だけどあのバカはまだ分かっていないみたいだ。

「それにしても冬吾も変わったね。瞳子に見せてもらえたの?」

 え?

「私達見て何とも思わないみたいだから。年上は好きじゃない?」
「まあ、同い年の私じゃ冬吾には不満かな?」

 そういや瞳子は胸が大きくなったって言ってたな。
 僕は2人の姿に気づいた。
 Tシャツにノーブラで下は下着だけ。

「ご、ごめん!」
「別に気にしてないからいいよ」

 茜はそう言って笑う。
 だけど母さんはそう思ってなかったみたいだ。

「2人とも何度言えば分かるのですか!」

 いつの間にか背後に立っていた母さんが怒っている。

「自分の部屋ならいいって言ったじゃん」
 
 冬莉が返す。
 母さんの話だと夏の間はTシャツすら着ないらしい。

「冬吾も何とも思ってないし問題ないよ」
「少しは恥じらいという物が無いのですか!?」
「壱郎の前ではちゃんと服着てるって」

 それが面倒だから高校を卒業しても実家から専門学校に通うらしい。
 母さんが二人に説教をしてる間に僕は逃げ出した。
 そういえばクリスマスにはして欲しいって瞳子が言ってたな。
 どうすればいいんだろう?
 父さんに相談してみた。

「茜は壱郎君と過ごすだろうし、冬莉は何してるか分からないけど」

 空の部屋を使うといいよ。と、父さんが言った。

「そんなに簡単に男の家に泊まりに来るの?」
「まあ、その逆もあるかもしれないね」

 瞳子が自分の家に呼ぶかもしれない。

「そっちの方が厄介なんだ。やっぱり彼女の父親がいるってだけで怖いよ」

 父さんはそういう経験をしたらしい。
 父さん自身も天音達がそうなった時、お爺ちゃんと飲んでいたらしい。
 誠司の父さんみたいに子供の彼女の声を聞きたがる癖を持ってる人もいるそうだけど。

「冬夜さんはどっちでも関係なかったじゃないですか!」

 母さんが降りて来た。
 父さんは慌ててる。

「や、やっぱり中学生でそういうのは戸惑うよ」
 
 しかも彼女から求めて来るなんてまともな男子じゃ対応できないと父さんは言う。

「そうですね。それでしたら私から冬吾に忠告してもいいですか?」
「愛莉は何かあるの?」
「ええ、冬夜さんの時がそうでしたから」

 なんだろう?

「絶対に誠司の教科書を真似しようとか考えたらいけません。かと言って瞳子にどうしたらいいか聞いてもいけません」

 自分の思うままにとりあえずやってみたらいい。
 物足りなければ瞳子から何か求めて来る。
 嫌がる事さえしなければ大体の事は受け入れてくれるはず。
 だからこそ、瞳子が冬吾を誘ったのでしょうから。
 なるほど。
 父さんはDVDの通りにやっていて、いつもワンパターンで作業的で愛情を感じなかったらしい。
 父さんでもミスするんだな。
 他にもいくつか母さんからアドバイスを受けていた。

「そういう知識は男子より女子の方が豊富なの。それは経験があるからじゃない。女性の情報網を侮ってはいけない」
「……わかった」
「それと最後に……」

 母さんは言った。

「決して終わって疲れたからと言って彼女に冷たくしたらいけませんよ」

 男子は終ると疲労感が凄いのは女子だって知ってる。
 それでも女子は2度目からが本番。
 すぐにとは言わないけど少しは彼女の甘えを受け入れてやれ。
 結構難しいんだな。
 話が終ると部屋で瞳子と話をしていた。
 さっきの話だ。
 多分母さんが言ってたんだから問題ないだろう。

「クリスマスイブの心配してる?」
「まあね」
「そんなに力まないで。私だって中学生だし」

 まだ幼い体形だし下着だってそんなにいいものつけてない。
 もちろんデートの時はマシなのをするけど。
 女子も色々大変なんだな。

「ゴムのつけ方分からなくても大丈夫だよ。私がつけてあげる」

 本当に女子の情報は凄いんだな。

(3)

「あ、空。わざわざすいません」
「いいよ。大丈夫。それよりどうしたの?」

 僕は、大学そばの喫茶店青い鳥に義理の姉弟の片桐空と翼を呼んでいた。
 理由は僕の隣にいる男。白鳥和志にあった。
 白鳥聡志の従弟らしい。
 同じ地元大学に通っているからSHに入れて欲しいと白鳥美帆から言われた。
 だけど今は軽々しくメンバーを増やせる状況じゃない。
 美帆の親戚を疑うわけじゃないけど僕が勝手に判断してもいいとは思えない。
 で、空に相談したら「一度会ってみたい」というので今日約束した。
 こういう時の空の勘は頼りになる。
 それにSHのリーダーの判断だから大丈夫だろう。
 空はじっと和志の顔を見ていた。
 そして空の方がニヤリと笑う。

「いいんじゃない。入れてあげなよ」
「ありがとうございます」
「で、あとは大地に任せていいよね」
「はい」
「天音の様子はどう?」
「相変わらず不機嫌で……」

 翼に先を越されたのがよほど悔しいらしい。
 なかなか着床しづらくい体質なのかもしれない。
 精神面のケアは夫がしてあげるべきだと義母さんが言っていたので従った。

「しっかり大地が支えてあげないと」

 姉さんがそう言うと二人は帰った。
 その後にSHについて説明をして加入させた。
 しかし僕の勘が何か警鐘を鳴らしている。
 空の反応も気になった。
 本当に入れてよかったのか?
 家に帰ると天音に相談してみた。

「多分厄介な奴なんじゃないか?」
「天音もそう思う?」
「今の時期にSHに入りたいなんて正常な思考じゃないだろ」

 だよな。
 だけど天音は言う。

「でも大地が心配する事無いと思う」
「どうして?」
「多分空達何か企んでる」

 一番慎重にならないといけない空が安易に招待した。
 何か思惑があるとしか思えない。
 天音はそう思ったようだ。
 天音はそう言って笑う。
 そしてこの時和志を入れた事によってSHが動き出すのを僕はまだ知らなかった。
 それは空の思惑通りに事が進んでいた。
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