姉妹チート

和希

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Youthful Days

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(1)

 昨夜は大変だった。
 相変わらずあの2人は問題ばかり起こしてくれるよ。
 きっと孫も似たような感じになるのだろうか。
 片桐君の家はとんでもない孫に恵まれている様だ。
 善明もすでに苦労している様だ。
 恵まれた才能を突然使われるのも困るけど、秋久は違った意味で困っているみたいだ。
 常に隠しているらしい。
 だから善明にも秋久がどんな特殊能力を持っているのか分からないらしい。
 強いて言うなら結の持つ能力をいくつか真似ているらしい。
 ただし同時には使えない。
 使えるのは結だけに限らないそうだ。
 見た物は全部使う。
 だけど、それを見破られたら相手が警戒すると理解しているらしい。
 極力つかわないようにして普通の子供を装っている。
 それを2歳の子供がするんだから脅威だよ。
 しかし子供達も勉強したようだ。
 亜依さんや神奈さんが怒り出す前に妻を散歩に誘って逃げ出した。
 あれはさすが空だと思ったね。
 
「あの子は天音や翼が愛莉と喧嘩しているのを見ているからね」

 片桐君はそう言って笑っていた。
 今朝も僕と石原君と片桐君の3人でのんびり過ごしていた。
 そして大地と善明と空が起きて来る。

「今日は大変だよ」

 片桐君が息子の空に言っている。
 片桐君も天音が小さい時に連れてきた事があるらしい。
 翼はああ見えて女性らしい部分がある。
 それは愛莉さんに似たんだそうだ。
 かかとで顔に穴をあける女性をそう呼んでいいのか分からないけど。

「勝手な真似をしないで、あなた達は生きてここから出られない」
「ホラーは嫌!怖いから無理」

 同じ女性のセリフだよ。
 二重人格なんじゃないかと思うような変わりっぷり。
 で、翼はあのテーマパークが割と好むらしい。
 だけど天音は小さい時から天音だった。

「なんだこのふざけた料理は!肉食わせろ!!」

 テーマパークのコンセプトを真っ向から否定したらしい。
 それは水奈も同じだったらしいけど。

「あの2人もそうだけど陽葵や菫も似てるみたい」

 去年行った時に菫は気に入らなかったらしい。
 今年はひょっとしたら結莉や茉莉が喜ぶかもしれない。
 少なくとも結がいる限り結莉は大人しくしてるだろう。
 茉莉の事も朔に任せておけばいい。
 ちなみに恵美さんや愛莉さんがプレゼントしたマスコットのぬいぐるみは見事にバラバラにしたらしい。

「そう言えば気づいたんだけど」

 やっぱり結がいるからなのか?

「ガッデム」とか言わなくなった。
 片桐君が大地に確認していた。

「そうみたいですね」

 もう笑うしかないよね。
 笑えばいいよ。

「善明は陽葵達はどうなんだい?」

 僕が善明に聞いてみた。

「陽葵と菫は全く分からないんだ」

 陽葵は翼の趣味なのだろうか?
 女の子が好みそうなものは普通に好む。
 部屋も女の子らしい部屋にしてるみたいだ。
 菫は天音路線みたいだ。
 茉莉達と会うと必ず揉めるらしい。
 秋久が着替え等にもたついていると陽葵と菫が世話してるらしい。
 ただ二人の好みがあまりにも違うから喧嘩になるそうだ。
 しかし油断は出来ない。
 大地も善明もとにかく家庭を大事にしてるらしい。
 天音の機嫌をよくするためなら多少の被害は問題ない。
 石原君は大地にそう指示したらしいよ。
 僕も同じ事を善明に伝えた。
 それで失う仕事の被害なんて大したことない。
 そういう風に人選もしてある。
 何せ光太が残業するだけで廃ビルが一個出来上がるからね。
 客先との信頼関係なんて嫁の機嫌と秤にかけるまでもない。
 嫁の機嫌を損ねたら客先が消滅するのだから。
 天がやらかしたときは血の気が引いたよ。
 慌てて家に帰って晶ちゃんを説得していたね。
 強大な力を持ってる割には嫁に逆らえないという弱点もある。
 片桐の名を出しただけでVIP待遇を受ける。
 どんなに重要な会議でも片桐君が面会に来たというだけで大騒動になる。
 だから片桐君もなるべく本社にはいかないようにしてるらしい。
 しかし片桐君本人でなくても担当の税理士が来たら同じ事だ。
 片桐君も社員に絶対に電話でアポをとってから行きなさいと言う。
 前日の確認は当たり前。
 当日にも念を押しなさい。
 そうやって何事も無いように配慮してるのに台無しにする命知らずが現れた。
 
「そんなに殺して欲しいなら殺してやる」

 そんな挨拶を先月済ませて来た。
 だけど何かしら反応すると思ったらそうでもないらしい。
 あの程度じゃ刺激が足りないのだろうか?
 それとも完全に戦意を失ったか?
 そりゃ家に迫撃砲撃ち込まれたら日本のチンピラなら間違いなくビビるね。
 何を企んでるか知らないけど取りあえずはあれでいいだろう。
 それが片桐君の判断だった。
 しかし子供達は相変わらずらしい。
 ありとあらゆる世代で片桐家の暴動は止まらないそうだ。
 やはり最悪の世代が暴れ出す時が間近に来ている様だ。
 桜子は大丈夫なんだろうか?
 きっと期待通りに暴れてくれるだろう。
 やっぱりあの世代はヤバい。
 来年から幼稚園だけどそれですら危険だ。
 準備は出来ているらしい。
 最悪の世代の未来が恐怖に染まっている。
 あの子達で地元なんて色んな意味で破壊してしまうんじゃないか。
 今日も結莉達の機嫌を損ねてテーマパークを火の海にしないことを祈るよ。
 あの子達の中では発火能力「程度」の力なんだ。
 さすがにそれは危険だからむやみに使ってはいけないと子供達も言い聞かせているけど……。
 退屈だと茉莉が暴れ出したら手に負えない。
 結についてはあまり問題ない。
 色んな意味て片桐君にそっくりらしい。
 食べ物以外には全く興味がわかない。
 ありとあらゆる物を破壊しかねない結莉も結の前では大人しいらしい。
 そんな結莉の気持ちに気づいてあげてなんて2歳の子供に言っても分かるはずがない。
 で、そんな子供たちの世話を今日は父親が頑張らないといけない。

「大変だぞ」

 片桐君はそう言って笑う。

「確かに天音は全く興味を示してなかったね」

 空が答える。

「それなら多分大丈夫。結莉には結がいるから」

 振り返ると天音達が起きていた。

「起きたら大地がいなかったから出て来た」

 毎朝男たちで集まってるって聞いたしと天音は笑って答えた。

「結莉は普段と結といる時のギャップが激しいんだ」

「ガッデム!」と暴れる結莉も結の前だと「結」と大人しくしてるらしい。

「善明はそれより今日陽葵と菫の面倒ちゃんと見てよ」

 翼も起きていたみたいだ。
 そうすると次々と起きて来る。
 起きないのは水奈くらいだ。

「いつも、飲み過ぎるなと注意してるんだけど……」

 学が困っていた。
 多田君と神奈さんの子供だからね。 
 仕方ないんだろうな。
 みんなが起きてくると朝食の準備が始まる。
 朝食を食べると片付けていつも通りテーマパークに向かった。

(2)

「パパ、ありがとう」
「見えるかい?」
「うん」

 陽葵はお気に入りの様だ。
 肩車をして陽葵がパレードを見れるようにしている。
 菫の方は問題ない。
 
「この雰囲気が好きになれない!」

 ちゃんと翼がついてるから大丈夫。
 大地は楽かもしれない。
 そして母親の天音もイライラしてた。

「この一々人をイラつかせる空間はどうにかならないのか!?」
「子供達がいるんだから落ち着いて」

 子供よりも天音の機嫌取りに忙しいくらいだ。
 海翔は大地が抱えている。
 結莉は結と何かを見てははしゃいでた。
 茉莉も朔の相手をしてる。
 秋久達も問題ないみたいだ。
 秋久はもちろん興味がないらしい。
 周囲に神経を向けて菫のボディガードをしている。
 あの年でそんな能力あるとはね。
 うちも他人の事言えないけど。
 僕は陽葵を肩車して片手で持ってきてあったカメラで撮影していた。
 小さい時はよくやるなぁと思っていたけどまさか自分がやる羽目になるとは思わなかった。
 まだ小さいからアトラクションは無理だ。
 精々観覧車に乗るくらい。
 あとは翼が陽葵を膝の上に乗せて回転木馬に乗っていた。
 菫は「絶対にいや!」と反抗していた。
 そういうものなのだろうか?

「天音だって嫌がってたじゃん」

 翼が言うから多分そんなものなのだろう。
 冬吾や冬眞達も上手くやっているらしい。
 駄々をこねるのは茉莉や菫だけではなかった。
 遊の娘の琴音も嫌がっていた。
 遊に言わせると「親を困らせて面白がってるんだろ?」らしいが。
 しかし今日遊が頑張らないと琴音だけでなくなずなも怒らせる羽目になる。
 必死にパレードを見せたりして機嫌を取っていた。
 なずなはそれが面白かったのだろう。
 遊を困らせる存在がまさか娘だとは誰も思わなかっただろう。
 昼食の時に天音達と待ち合わせてレストランに入る。
 すると案の定菫たちが不満を言う。
 
「こんなふざけた料理食えるか!」
「見た目はこうだけど人が作った料理に変わりはない。ちゃんと食べなさい!」

 翼がそう言うと大人しく食べ始めた。
 2人にとって翼は絶対の存在らしい。
 食事を終えて、もう少し見て回ると僕達は集合場所に向かった。
 先に来ていたのは学達だった。

「いやいや参った……」

 ここは女の子向けのテーマパークだからと油断していた。
 しかし水奈の娘だ。

「つまんない!」

 そう言って駄々をこねだす優奈と愛菜。
 悠翔は沢山人がいる事に興味を示したようで大人しくていたらしい。
 優菜と愛菜は水奈に任せて茉奈の面倒を見ていたようだ。

「天音の所はどうだった?」

 水奈が聞いている。

「結莉はいいんだけど、やっぱり茉莉がな……」

 そう言って笑っていた。
 海翔は大地に抱えられて寝ている。

「随分苦労してるみたいだね」

 父さんが冬眞達を連れて来た。
 僕達を見てそう言って笑う。

「子供ってここまでしんどいとは思わなかったよ」

 天音が愚痴をこぼす。

「あら?まだましな方じゃない?」

 母さんが天音に言った。
 結莉は結の前では絶対に暴れたりしない。
 茉莉も朔がいるからある程度自制してる。
 しかし天音や翼の小さい時はこんなもんじゃなかった。

「早く帰ろう!」と喚く天音と「もう少し見たい!」と我儘を言う翼。

 僕はぼーっとつまらなさそうにしていたらしい。
 そこは父さんと変わらなかったそうだ。

「パパはここに初めて来た時どうだったんだ?」

 天音が普通に聞いていたけど父さんは苦笑いしていた。
 それを見て母さんが言う。

「ここのテーマパークは母さんが冬夜さんと初めてデートした場所なの」

 初耳だった。

「で、パパはどうだったの?」

 翼が聞くけど父さんは何も言わない。

「あまりトーヤを困らせるな」
 
 水奈の母さん達が来た。

「多分うちの馬鹿亭主と同じだよ」
「そういや、昔冬夜と話をしていたな」
「ま、誠。それをカンナの前で言うのはどうなんだ?」

 父さんが慌ててる。

「今さらだろ。いつも怒られてるのが俺達ばかりじゃつまらないからな」

 水奈の父さんが言う。

「ほう?それは興味あるな」
「そう言う話なら私達にも聞かせてよ」

 学の両親も来た。
 父さんは頭を抱えている。

「確か中学生の修学旅行の時だったかな」

 大阪の水族館での出来事だったらしい。
 女子というのはこういう場所や水族館などが大好きだ。
 水奈の母さんですら浮かれていたらしい。
 そしてそれに振り回されてくたびれた2人。
 なんとなくオチが分かった。

「久住のフラワーパークなんかもそうだけどなんで女子ってこういう場所が好きなんだろう?って話をしててな」

 父さんは母さんと初めて来た時、とにかく母さんの機嫌を損ねないようにするのに必死だったそうだ。

「ここは地獄だ」

 父さんですらそう思ったらしい。
 それを聞いていた母さんが怒り出すかと思えばそうでもないらしい。

「愛莉は怒らないのか?」

 天音も不思議だったらしい。
 翼は何か感づいたのかニコニコしてた。

「初めてのデートをつまらないものにしたくないと思っただけなんでしょ?冬夜さんは苦痛みたいだったけど」

 けれどその心遣いが嬉しいんだと母さんが言う。
 そういうものなのか。

「デートで相手を不快にさせないように気をつけるのはどこへ行っても同じでしょ?」

 その為に必死になってる彼氏を怒るなんてしないよ。
 それに……

「何かあったの?」

 学の母さんが聞いてた。

「亜依もいたじゃない」

 母さん達が結婚した後の話らしい。
 父さんは母さんを抱きしめて言ったらしい。

「愛莉と一緒ならどこでも楽しいよ」

 そんな話を聞いていた水奈や学の母さんは怒り出す。

「何で愛莉だけそういう話になるんだ!」
「神奈の言う通り!瑛大にいたっては嫁とのデートを”つまらん”と言ってたんだよ!」

 こうなると父親の出る幕は無いみたいだ。

「なんかこうトーヤの困った癖とかないのか!?」
「そうだね、娘を甘やかすのと子供を困らせるのと……あと」
「あとなんだ!?」

 母さんは嬉しそうに言っていた。

「隙あらばすぐに甘えてくる困った旦那様なの」

 その場面は何度も僕達は見ていた。

「亜依、帰ったら飲みにいかないか?」
「わかった、今度予定空けとく」

 2人とも落ち込んでいた。

「だからもう、愛莉の話は聞かない方がいいって言ってたじゃないか」

 渡辺美嘉さんが言う。
 気づいたら大体のメンバーが集まる。

「じゃあ、帰りにファミレス寄って帰ろうか」

 渡辺さんが言うと皆移動する。
 ファミレスで食事して家に帰る。
 冬夜はとっくに寝ていた。
 とはいえ、風呂に入れないといけないので起こす。
 さっさと風呂に入って着替えて寝る。
 いつも自分の部屋でお絵描きしている菫と陽葵だったけど今日はリビングにいる。
 どうしたんだろう。
 それは翼も思ったみたいで2人に聞いていた。

「どうしたの?」
「いや、ここにいれば見れるのかなと思って」
「何を見たいの?」

 2人は揃ってにこりと笑うと答えた。

「パパがママに甘えてるところ」

 陽葵達も聞いていたみたいだ。
 翼は笑顔で答える。

「パパはここでは甘えてこないよ」
「どこで甘えるの?」
「寝室の中でだけ」

 甘えてくるのは翼のような気がするけど、敢えて口を挟まなかった。
 まだ陽葵達も意味が分からなかったらしい。
 ただ、僕が翼に甘えてくるのを見れないとわかったら部屋に戻っていった。

「じゃ、僕達も寝室に行こうか」
「え?もう行くの?」

 翼が不思議そうに聞いた。

「僕は寝室でしか翼に甘えられないんだろ?」
「……もう。しかたないなあ」

 そう言って寝室に向かう。

「それにしてもパパでも苦手ってあったんだね」
「……翼はあそこではしゃいでる彼氏がいいのかい?」
「それはいやだな」

 そう言って翼は笑っていた。
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