姉妹チート

和希

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Ready Steady Go!

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(1)

 4年に一度のスポーツの祭典。
 ここ何年も常連国になっている日本。
 だけども一度も金メダルを手にしたことがない。
 しかし今年は違った。
 やはり台風の目である日本代表の誠司君の指示はさらに成長していた。
 冬吾君が目立てば目立つほどほかの選手が動きやすくなる。
 冬吾君のお父さんが言ってたようにあのキックオフ直後のシュートは警戒されていた。
 しっかりとDFが4枚並んでゴール前に立って冬吾君の視界を奪っている。
 そして露呈した弱点。
 あの位置がぎりぎりだった。 
 あれ以上離れるとゴールの隙間がほとんど見えなくなって冬吾君でも難しくなっていく。
 それでも完全には防げない。

「ゴールは動かないよ」

 そんな不思議なことを言っていた。
 針の穴を通すような芸当を簡単にこなす。
 しかしその長距離砲を使うタイミングは誠司君に任せている。
 狙われたらほぼ決まる長距離砲。
 だから日本は下がり目に陣取って失点を防げばいい。 
 でもそれじゃだめだ。
 冬吾君や誠司君のお父さんは言う。

「将棋の穴熊だよ」

 強烈な一撃があるから成り立つ戦法。
 そんな真似をしていたらいくらでも対策してくると思った方がいい。
 それは誠司君も理解していた。
 だから敢えて使わずに味方にもっと攻めていくように指示を出す。
 冬吾君にボールが渡ると絶望的になる。
 それはどの国も同じだったようだ。
 長距離砲とゴール前での見事なゴールシーンの演出。
 やはり注目集める二人。
 だけどそれだけ相手のマークも厳しくなる。
 それでも冬吾君は必ず得点を重ねていく。
 一度冬吾君に聞いたことがある。

「どうして、あんな発想が思いつくの?」

 冬吾君が笑って答えた。

「なんとなくフィールドに立っていると絵が浮かぶんだ」

 それはゴールまでの劇的な場面。
 テレビでみたスーパープレイが思いつく。
 それを試しているだけ。
 そんなプレイに会わせなければいけない代表メンバー。
 当然ミスをする事もある。
 それでも冬吾君はにこりと笑って言うんだそうだ。

「焦る必要ないよ。何度でもチャンスを作ってあげるから」

 フリーキックで冬吾君が打つのはもう体を張って止めるしかない。
 それでもきわどいところを狙って決めてくるけど。
 日本相手にファールが出来ない。
 それが相手が積極的にディフェンスできない理由になっていた。
 そんな二人に牽引されて見事に決勝に残っていた。
 もう二人を獲得しようと世界中のクラブが狙っているらしい。

「瞳子も楽な生活が出来そうだね」

 冬莉がそう言っていた。
 今日は泉の兄の善明さんのホテルのホールでみんなで試合を見ようと誘われていた。

「成実!ちょっとこい!お前ノリ悪すぎるんだよ!」
「そうだ!こういう時に騒がないでいつ騒ぐんだ!」

 SHの流儀を教えてやると言って天音と紗理奈が高橋成実たちをお手洗いに連行する。
 戻ってくると成実の頬に日の丸のペイントがされていた。
 逆に遊は顔中を青に染めて嫁さんのなずなに怒られている。

「遊はやりすぎ!」

 私は最前列を用意してくれた。
 皆は勝ちを確信しているみたいだけど相手は強豪国のブラジル。
 皆個人技が段違いに上手い。
 冬吾君が確実に長距離砲を決めても失点していたら意味がない。
 それに冬吾君は監督に言われたらいい。

「あれは一試合に3発までと我慢しなさい」

 それほどまでに強烈なシュートだ。
 足にかかる負担は計り知れない。
 だから3発まで。
 それ以上打とうとしたら監督は冬吾君を下げるという。
 まだこれからの選手にリスクは避けたいと言ったらしい。
 それは誠司君も知っている。
 だからそういう試合運びをする。
 どこで狙うか。
 3発もあれば相手の心を折るのは十分だ。
 逆に3発以上決めて相手の心が折れないのは代表の守備がざるになってる証拠だ。

「冬夜ならどう攻める?」

 誠さんが聞いていた。

「そうだね……それを決めるのは誠の役割じゃないのか?」

 冬吾君のお父さんはそう返した。

「相手が相手だからなら……。小細工なしの力勝負になるのかもな」

 冬吾君のお父さん流に言うなら「切り札は先に見せるな」だと誠さんが言う。

「あ、出てきたよ」

 冬莉が言うと皆画面を見る。
 青いユニフォームを着た選手が出てきた。

(2)

 フィールドでコイントスをすると相手がボールを選んだ。
 初っ端から決められるのを嫌ったのだろう。
 大体の国がそうしてきた。
 誠司の采配は見事だ。
 おかげでこっちは3発が限度という弱点をうまく隠せた。
 3発打つ必要がなかった。
 多分この大会のMVPは僕なんだろうけど、僕をうまく使う誠司の方が凄いと思う。
 逆に誠司以外で僕を使いこなす司令塔がいるのか?と思うほどだ。
 初っ端から打つ必要がないのでいつも通りトップに立つ。

「ついにここまで来たな」
「そうだね。でもこれで終わりじゃないんだろ?」
「わかってるじゃねーか」

 誠司はそう言って笑った。

「相手がブラジルだからってビビってたら承知しないからな」
「相手が強いほど燃えるって言ったの誠司だろ?」
「わかってるならいい。油断するなよ?あと控室で言ったけど……」

 この試合極力ゴール前まで下がるなんて真似するな。
 誠司はそう僕に指示をしていた。
 相手は格が違う。
 僕が下がればその分遠慮なく押し込んでくるだろう。
 今までとは違う。 
 まずは相手が攻め放題という状態は防ぎたい。
 誠司はこの試合のボール支配率はブラジルが上になるはずだと予想していた。
 だから少ないチャンスを確実に持っていかなければならない。
 少ないチャンスをしっかり作っていかなければいけない。

「さて。じゃあ、まずは金メダルをいただくとするか」

 誠司が言うとキックオフが始まる。
 それは想像以上に厳しい戦いだった。

(3)

 こんな試合展開は冬吾君も初めてだろう。
 終始押されっぱなしの日本代表。
 それでもしっかりと守備が機能していた。
 冬吾君も思わず下がろうとするけど踏みとどまっていた。
 大丈夫なのだろうかというくらいブラジルは日本のゴールを狙っている。
 それでも失点はしなかった。
 私たちも心配していた。
 これはさすがに無理なんじゃないか。
 しかし誠さんと冬吾君の父さんは違っていたようだ。

「あれも誠司の作戦なんだろうね」
「多分な、あいつもあの手この手といろいろ考えてきやがる」

 そんな風に試合を見ていた。

「悪い誠。どういう状況なんだ?説明してくれないか」

 神奈さんが聞いていた。

「見ての通りだよ。日本が押されてる。だけど決定打に欠けている」
「なんでそうなったんだ?」
「冬吾の存在だよ。あいつがブラジルの陣にいるから警戒してる結果だ」

 普通ならマーク一人あいつにぴったりとつけておけばいい。
 しかし冬吾君は今までいろいろやってきた。
 驚異的な加速力で相手を振り切ってボールを拾う。
 右足の長距離砲がある。
 使えなくても左足を使ったテクニカルなプレイが出来る。
 それを全部防ごうとしたらDFは常に下がっておかなければならない。
 それが数的有利を作り出していた。
 なぜなら日本は逆に冬吾一人いれば意地でも得点までつなぐだろう。
 冬吾は点を取るのが自分の役割だと自覚している。
 焦って下がろうとしたけど多分誠司君が気づいて止めたのだろう。
 守備は俺たちに任せろ。
 その代わりいつでも点を取りに行ける準備をしておけ。
 そんな作戦なんだろう。

「で、いつ取りに行くつもりなんだ?」

 桐谷さんが聞いていた。

「相手が強豪国だから攻めるチャンスなんてそんなにないはず」

 それは誠司君も分かっている。
 多分一撃で試合を決めるつもりだ。
 それは得点だけでなく相手の心を折る一撃。

「誠さんは誠司君の手が分かっているのですか?」

 私が誠さんに聞くと笑った。

「まあね。問題はそこまで日本が粘れるか」

 もっとも粘る必要もないかもしれない。
 1点や2点失点しても冬吾がすぐに取り返すから。
 しかし今後も代表で生き残りたいのならそれだけじゃだめだ。
 冬吾君のお父さんも言ってたこと。

「手段が多いほど相手は判断しづらくなる」

 日本がこれからも勝ち残っていきたいのなら、何を仕掛けてくるのかわからないと相手に思わせないといけない。

「後半始まるぜ」

 遊が言う。
 後半も同じ展開だった。
 でも誠さんが言うように冬吾君一人を警戒してDF陣はかなり下がっている。
 すると誠司君が動いた。
 たまにボールを冬吾君に渡そうとする。
 すると相手のDFがそれをカットしようとする。
 誠司君から冬吾君へのラインが封じられた。
 誠司君がミスった? 
 誠さんの顔を見るとそれはなさそうだ。
 むしろそれを見て笑っている。

「やっぱりそうきたね」
「念の為ってところだろうな」

 冬吾君のお父さんと話している。

「冬夜さん、私達にもいい加減誠司たちの狙いを教えてくださいな」

 愛莉さんが聞いていた。
 すると冬吾君のお父さんはヒントをくれた。

「皆ボールに集中しすぎ。キーパーに注意してみて」
 
 冬吾君のお父さんに言われてたまに映るキーパーを見る。
 ボールを止めていた後何かを気にしている。
 その視線の先にあるのは誠司君。
 どういうこと?

「……なるほどね。そうきたか」

 公生さんが気づいたみたいだ。

「公生、どういうことだ?」
「皆が勘違いしていたということだよ」

 神奈さんが聞くと公生さんが答えた。
 冬吾君の最大の武器は右足シュートだと思ってる。
 だからとどめの一撃は右足シュートだと思い込んでいた。
 実際誠司君が何度もわざと冬吾君に渡している。
 誠司君と冬吾君をチェックするように誘導している。

「二人がマークされたらダメじゃないの?」

 恵美さんが聞いていた。

「マークを引き付けたいから敢えて誘ってる。そうだね?片桐君」

 公生さんが言うと冬吾君のお父さんはにこりと笑った。

「多分試合を見ている全員を二人は欺いてる」

 現に解説者ですら勘違いしている。
 冬吾君の武器は長距離砲だけじゃない。
 他にもあるんだってことを忘れている。
 例えば左足の無回転シュートとか。

「しかしそんな真似をして何を企んでるんだ?」

 神奈さんが聞くと誠さんが説明した。
 
「冬吾がいるからセンターを超えてくることはないけどそれでも前半より冬吾に近くなってきた」

 ブラジルのDFが前半より上がり目になってきた。
 
「そろそろ仕掛けてくるはずだよ」

 冬吾君のお父さんが言った。
 アディショナルタイムが表示される頃、日本代表のキーパーがボールをキャッチして誠司君を見る。
 誠司君は冬吾君を見る。
 キーパーが初めて大きく前線にボールを送り出す。
 それが日本代表の会心の一撃になる。

(4)

「ほら、お前の出番だ」

 そう言わんばかりに誠司が僕を見る。
 こういう時何て言うんだっけ?

「ジルバを踊るよ」

 キーパーの江本君が思いっきりボールを蹴る。
 キーパーが受け取れる距離だ。
 そう思ったのだろう。
 DFは動かなかった。
 僕からも注意がそれたその瞬間を僕は見逃さなかった。
 DFの頭上をボールを超える頃僕はそこにいなかった。
 タイミングはしっかり狙っていた。
 オフサイドの笛はなっていない。
 そのことにDFが気づくころには僕はDFからかなり離れていた。
 ボールの着地点に間に合うとボールを受け取る。
 残るのは相手キーパーだけ。
 キーパーが構える。
 ペナルティエリアに侵入するとキーパーは一か八かで足元に飛びついてくる。
 僕はターンして冷静にボールをゴールに運ぶ。
 サポーターの歓声が聞こえる。
 膝を崩す相手チームのメンバー。
 日本代表は浮かれている。
 残り時間もわずかだ。
 よほどのミスがない限り点を決められるはずがない。
 その証拠に80分以上の猛攻をしのいだのだから。
 だけども僕はチームの皆に言う。

「まだ笛はなってない!」

 もちろん誠司が試合再開を妨害する。
 皆が持ち場に戻る。
 僕は再び相手陣地に一人立っていた。
 さっきの悪夢がまだ頭にこびりついているだろうから。
 油断してるともう一点もらうよ?
 そう宣告する。
 結果相手DFをかなり奥に押し込んでいた。
 オフサイドトラップなんて僕には通用しないと分かったのだろう。
 そんな事頭になかったようにも見えたけど。
 江本君が蹴ってからでも十分ボールにたどり着くくらいの走力がある。
 かといってそんなに下がっているだけだと、今度は長距離砲が打ち放題になる。
 その分マークをつけるしかない。
 残り少ない時間で点を取り返さないと行けない時期にその判断があだとなる。
 僕以外全員で守る日本代表。
 そして相手が向きになって詰めてくると誠司が僕に向かってパスを出す。
 相手は完全に混乱していた。
 そしてその衝撃が消える前に試合は終わった。
 皆で喜ぶ。
 抱き合って笑っている。
 僕も誠司に近づくとハイタッチした。

「いい仕事したな」
「指揮官が優秀だからね」

 そのくらい役目を果たすよ。

「まずは一個課題クリアってところだな」
「まだ難題はあるけどね」
「ああ、俺たちのゴールはここじゃない。ここから始まるんだ」
「分かってる」

 誠司と話していると伽夜や隼人が近づいてくる。

「何やってんだよ!金メダルだぜ!もっと楽しもうぜ」
「俺は男に抱き疲れて喜ぶ性癖はないぞ!」

 誠司がそう言いながらも喜んでいる。
 相手の10番とユニフォームの交換をした。
 押して表彰式に出る。
 その後にインタビューが来る。
 いつも通りの回答をしていた。

「オリーブって美味しいんですか?」

 その後監督たちに怒られた

(5)

 愛莉と瞳子は頭を抱えている。
 カンナたちは爆笑していた。

「冬夜さん!どうするつもりですか!?あの子はもうただのサッカー選手じゃないんですよ」

 僕が食べ物のことしか教えないからああなったんだと愛莉は主張する。

「愛莉さん、あきらめた方がいい。あれが冬夜の息子の印なんだろ」

 渡辺君が仲裁に入った。

「しかし最後は見事だったな。あれが誠司の作戦だったのか?」
「多分ね、試合展開を見越していたんだろう」

 致命傷になる時間まで粘っていた。
 だけど、あの作戦は冬吾あってのものだ。
 とどめを刺す役割から相手のDFをおびき寄せる役割。
 冬吾抜きではあの作戦は成り立たない。
 注目選手の冬吾を敢えて囮に使ったこと。
 また誠司から冬吾へのラインを印象付けての不意打ち。
 冬吾がいる限りどんな手段で点を取りに来るかわからない。
 冬後のフォワードとしての可能性をお披露目しただけの五輪だった。
 敢えて問題をあげるとすれば司令塔が誠司じゃない場合にどうやって自分の存在をアピールするか?
 そしてまだ当たったことのない名選手との生存競争に勝つことが出来るか。
 サイドバックなんかにも名選手がいるけどやはりフォワードは選手層が厚い。
 誠が代表になれなかったくらいに厚い。
 そんな中で生き残ることが出来るのだろうか?

「帰ってきたら祝ってやらないといけないな」

 カンナが言う。

「あの子パスタが美味しいって食べ過ぎてなければいいんだけど……」
「それを言ったらうちの誠司も馬鹿な店に入らなければいいんだが……」

 愛莉とカンナが言う。
 あの子たちの教育は難しいんだろうな。
 まあ、天音も茉莉と結莉には手を焼いてるみたいだけど

「しかし意外とあっさりだったな」

 誠が言う。
 こんなもんじゃないだろう。
 あの子たちはまだスタートを切ったくらいにしか思っていないはず。 
 後は自分たちの夢に向かって駆け抜けるだけだ。
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