姉妹チート

和希

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Wahnsinn

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(1)

「茜、おめでとう」

 パパと愛莉がそう声をかけてくれた。
 今日は私と壱郎の結婚式。
 パパは私を綺麗だと言ってくれた。
 天音や翼たちも同じ気持ちだったのだろうか?
 今はパパや愛莉に感謝の気持ちでいっぱいだった。
 最後に両親に謝辞を述べる。
 パパは感無量だったようだ。
 愛莉がパパを慰めている。

「まだ冬莉や莉子がいるんですよ」

 そう言って愛莉は笑っていた。
 
「私達も早く孫を見せてあげる」

 そう言うと壱郎が焦っていた。
 今更何を焦ることがあるのだろう?
 夫婦だから当然じゃない。
 あ、そうだ。
 披露宴が終って帰ろうとするパパ達に聞くことがあった。

「パパさ、壱郎に一言言ってくれない?」
「何かあったの?」
「娘が生まれたらオムツの交換は私だけがすると思ってるらしいの」

 パパは冬莉達のオムツ変えてたんでしょ。
 気にすることないって言ってやって。

「壱郎君。そういうのは両親でするものなのよ」

 愛莉が言っていた。

「壱郎、ひょっとしてロリなのか?」
「天音は場所を考えて発言しなさい!」

 赤ちゃんを見てそういう興味を抱くのはロリなんて生易しい状態じゃないと思うんだけど、なぜか壱郎は慌てて否定してる。

「壱郎君も赤ちゃんが産まれたらわかるよ。自分の娘をそんな目で見ることは絶対ないから」

 パパがそう言うと天音が黙っていない。

「パパにとって私は女じゃないのか!?やっぱりちっぱいがいけないのか!?」
「だから天音は場所を弁えて話しなさい!!」

 いつものやりとりももう見れなくなる。
 私は壱郎とどんな家庭を作っていくのだろう?
 そんな夢を見ていた。
 二次会の時に兄の純也が挨拶に来た。
 
「先に茜が結婚するとは思わなかった」

 お前壱郎と2人で生活大丈夫なのか?
 そう純也は笑っていた。

「多分大丈夫だよ。だって恋も大丈夫みたいだし」

 そう言って大原恋を見る。

「旦那にやめてくれって言われるとさすがにね……」

 恋はそう言って笑っていた。

「何かあるの?」

 何も知らない壱郎が聞くと「秘密」とごまかした。
 しかし純也がくすっと笑う。

「愛莉が困ってたみたいだからな。覚悟したほうがいいぞ」

 そう言って壱郎をからかっている純也。

「あまり嫁さんを困らせない方がいいって父さんが言ってたよ」

 正俊がそう言う。

「そう思ってるんだったら、まさ君ももう少し痩せようって努力してよ」

 夏希は困ってるみたいだ。
 2次会が終ると新居に帰る。

「はあ、疲れた!」

 そう言って服を脱ぎ捨てる。
 やっぱりこの方が落ち着く。

「あ、茜。さすがにその格好でリビングにいるのはまずいんじゃないのか?」
「どうして?」

 壱郎がその気になってくれる?
 それなら好都合だけど。

「そうじゃなくて、お客とか来たら大変だろ?」
「それなら問題ないよ。私だってちゃんと考えてる」

 愛莉たちは絶対に電話かメッセージで知らせてくる。
 それ以外の客なんてどうせ営業とかだから無視して問題ない。
 そう考えると愛莉達が来た時だけ服を着ておけば問題ないんじゃないのか?
 そういう結論に達した。
 そう、私は専業主婦を選んだ。
 壱郎だってやり手だ。
 生活に困らないくらいは稼いでくれる。
 どうせ子供を産んだら育休だ。
 だったらいっそのことやめてしまえ。
 もちろん、毎日風呂に入らないで済むというのもあったけど内緒にしておいた。

「じゃあ、今夜は疲れたし風呂入って寝ようか?」
「壱郎は初夜なのに嫁の相手をしてくれないの?」
「そのくらいわかってるよ……でもシャワーくらい浴びてこないのか?」
「朝入ったから大丈夫」
「そういうもんなんだな」

 そう言って私達は温かな初夜を過ごした。

(2)

 僕たち親は恵美さんが手配したホテルのホールを貸し切って2次会をしていた。

「冬夜も大変だな」

 誠が言う。

「誠だって他人事じゃないだろ?」

 歩美がいるじゃないか。
 すると誠は言う。

「冬夜が羨ましいよ。茜は結局結婚するまで実家にいたんだろ?」
「……茜は結婚しても実家で暮らすつもりだったらしいよ」
「なんで追い出したんだ?」
「普通に考えて嫁の実家で暮らすっておかしい話でしょ?」

 愛莉が答えた。
 愛莉の理由は他にある。
 茜は実家であの生活をするつもりでいるに決まってる。
 だから「いつまで親に甘えて暮らすつもりですか!?」と追い出した。
 
「まあ、それは愛莉の言う通りかもしれねーな」

 カンナが愛莉に賛同した。

「でもどうですか?娘が次々と嫁に行くってのは」

 石原君が聞いていた。
 石原君はまだ美希だけだもんな。
 恵美さんは愛莉と交互に天音を見ないといけないから大変らしい。
 放っておくともっと壮絶な子供になるだろう。
 まあ、ルールはちゃんと作ってるらしいし、そのルールを破ることはないから大丈夫だろうけど。
 そんな話を夏のキャンプで話し合っていた。

「そうだね、慣れると思ったけどそうでもないらしい」
 
 茜は小学生の時に引き取った娘でも、それでも立派に育ってくれたとやっぱり感慨に耽る。

「俺もやっぱり歩美の時はそうなんだろうか?」
「誠の場合他に問題があるんじゃないのか?」
「どういう意味だよ?」
「歩美は高校卒業したら善久と同棲するつもりなんだろ?」
「そう言ってたな。しかし親としてそれを許可していいんだろうか?」
「家に置いておく方が危険だ馬鹿!」

 カンナが言っている。
 
「もうすぐ女子大生か、楽しみだなぁ~」

 そんな事をカンナに言ったらしい。

「お前娘に手を出したら絶対許さないからな!」
「お小遣いあげれば問題ないだろ?」
「あるに決まってるだろ!そんな事企んでいたのか!?」

 カンナは水奈の子育てが不安で時間があるときは様子を見に行ってるらしい。
 相変わらずめちゃくちゃな育児をしていて頭を悩ませているそうだ。

「学がいる時は安心していいよ」
「それはいいんだけど、私が家を空けている間このバカが何かしないか不安で仕方ないんだ」

 水奈が歩美から相談をうけたらしい。

「父さんの視線がいやらしくて気持ち悪い」
「善久なら大丈夫。馬鹿な真似をしでかしたら私が容赦しない」
「うちに息子に限ってそれはないよ……」

 酒井君が言う。

「娘を見るのがそんなにいけない事なのか!?もうすぐ家を出るんだぞ!」
「だから言っただろ誠!冬夜もいつも言ってるじゃねーか。手を出す時期は慎重にって」
「そもそも娘に手を出すのが悪いってのがどうして理解できないんだお前らは!」

 桐谷君が言うと亜依さんが怒鳴りつける。
 僕は亜依さんに聞いていた。

「遊はどうなの?」

 それは愛莉も気になっていたみたいだ。
 すると亜依さんは笑って説明する。

「パパー、どこか連れて行って」
「今日は休みだから寝させてくれ……」
「やーだ。パパと遊ぶの!!」

 するとなずなが琴音にアドバイスしたらしい。
 それを聞いた琴音は遊をぺろぺろ舐めだしたそうだ。
 我慢できなくなった遊は仕方なく起きた。

「おはようパパ」

 そう言ってキスをしてくれたらしい。
 なずなはそれは大切にしておかないとダメでしょって琴音に注意した。

「だって好きな人にするんでしょ?私パパの事大好きだよ」

 そこまで言われたら遊も仕方なく起きて琴音を連れて遊びに行ったらしい。

「あの馬鹿でも娘には頭が上がらないらしいよ」

 そう言って亜依さんは笑っている。
 意外と子育てで悩んでいるらしい。
 そんな遊だからなずなも遊をいたわってるみたいだ。

「あいつ、そんな羨ましい事を!」
「お前は育児すら手伝わなかったから当たり前だろうが!!」

 むしろあのめちゃくちゃな家での振る舞いをしていた恋が不思議なくらいなんだ。
 亜依さんは桐谷君に言う。

「ってことは亜依の所は孫の問題はしなくていいのか」
「そうだね。恋を手伝ってやればいいかなと思ってる」

 問題はやはり優菜と愛菜だとカンナと亜依さんが話してる。

「天音だけだと思ったけどこれからは茜も注意しないと心配でならない」

 愛莉はそう言って頭を抱える。
 
「壱郎君はまじめだから問題ないだろ?」

 僕がそう言うとカンナが分かってないと言う。

「亭主は日中仕事だろうが!」

 休日くらいは子供の世話を手伝うかもしれないけど、基本的に子供の世話をするのは母親だ。
 天音や水奈がそれでやらかしている。
 茜も放っておくと何をしでかすかわからない。
 茜はまだ子供すら出来てないけどな。
 
「でも、冬夜の子供はそんなに問題ないように見えるが」

 怒らせるとひとたまりもないのは父親の影響だろうと渡辺君が言う。

「その暴れ出し方が普通じゃないのよ」

 愛莉が困っている。
 翼はうまい事説得してるらしいけど、天音は不安でしかない。
 ただの娘ならやんちゃ娘で片付けたらいいけど石原家のご令嬢だ。
 あの言葉遣いは絶対にまずい。
 だけど恵美さんは言う。

「それはあの子達ちゃんと理解しているみたい」
「え?」

 愛莉でも気づかなかった。
 当然だ。
 愛莉はそう言う相手だと認識しているのだから。
 だけど大地や恵美さんには普通の話し方をするらしい。
 少なくとも初対面の人に「ガッデム」はなくなった。
 成長したらきちんと作法を教えてあげたらいい。
 恵美さんはそう思ってるみたいだ。

「そうだったのね」

 天音だって気づいているんだろう。
 天音がそう自覚していたのだから。
 大地に恥をかかせるわけにはいかない。
 そのくらいは考えて苦労してるらしいと恵美さんは笑っていた。

「恵美はそれでいいかもしれないけどうちはどうすればいいんだ?」

 水奈と学の子。
 桐谷君と誠の子だ。
 
「まあ、犯罪を犯すようなことはしないよ」
「なんでトーヤはそう断言できるんだ?」
「そんなの簡単だよ」

 美嘉さんも言ってただろ?

「自分がちゃんと紗理奈たちを育てられたんだから紗理奈だって大丈夫」

 美嘉さんみたいに娘を信じてやったらどうだ?
 困ったときは相談するだろう。
 その時にアドバイスしてやればいいさ。
 翼だって自分でどうにかしようと頑張ってるんだろ?
 それに口出しはしないんだから天音も見守ってやればいい。
 
「結莉がいい見本じゃないか」

 彼氏の前では大人しくしていようと思ってる。
 茉莉も菫もそのうち変わるよ。
 今でもちゃんと仲間内でのルールを作っているんだから。

「冬夜の言う通りかもしれないな。どうしても行き詰っていたら知恵を貸してやったらいい」
 
 それまでは自分たちで子育てをさせてやろう。

「しかし気になることがありますね」

 石原君が言った。

「どうしたの?望」
「海翔だよ。海翔は何を考えているんだろう?」

 結莉や茉莉の事に気を取られて海翔は特に目立った行動はしていない。

「秋久みたいになるんでないかい?」

 酒井君が言う。
 でも気にしても仕方ない。
 親が余程馬鹿な真似をしない限り子供は親を見て育つんだ。
 しかしその手本にする親がいない子供はどうなる?
 そんな事を全く考えてなかった。

(3)

「こんな時間になんの用だ」
「……何を手こずってるんだ?とボスから言われてな」
「どういう意味だ」
「たかが日本のガキの集団に何手こずってるんだ?って言ってるんだよ」

 金髪の男がそういってうちのリーダーを挑発する。
 僕とグレーテルはその様子を見ていた。

「お前らは何もしてないくせにずいぶんな言い様だな」
「俺たちの力が必要なガキなのか?それともお前たちが甘すぎるのか確かめておけと言われてな」
「あまり舐めるなよ。ウォッカの飲みすぎなんじゃないのか?」
「すまんな、この国の酒程度じゃ酔えないんだよ」

 しょうもない茶番を見ているだけじゃ退屈になってきた。
 グレーテルの顔を見るとグレーテルは袋から自動小銃を取り出して奴らに向ける。
 酔ってるなら気持ちいいんだろ?
 そのまま死ぬのもいいんじゃないのか?

「まどろっこしい話は無しにしませんか?よい子は寝る時間なの」

 天使を呼んであげるから。
 天国はいいところらしいわよ。

「あなた達の力が必要かどうか。私達が試してあげる」
「が、ガキ何考えてやがる。俺たちが誰だと思ってるんだ!?」
「私たちの力を試しに来たんでしょ?」

 言葉よりも力で。
 あなた達の理屈に付き合ってる暇はない。

 そう言ってグレーテルは銃を撃ち始める。
 逃げようとする者、グレーテルを止めようとする者は僕が片っ端から始末する。
 通行人が悲鳴を上げる頃には一人だけ残しておいた。

「これで理解できた?お利口さんならさっさと逃げ帰ったらいかが?」

 グレーテルが言うと生き残った一人は逃げ出した。

「お、おい。勝手な真似をするな?」

 リーダーがグレーテルに言う。

「この方がシンプルじゃない。殺すか殺されるか。世界にあるのはそれだけでしょ?」

 グレーテルはそう答える。
 警察が駆けつける前に僕達も引き上げる。
 この行動が後に僕たちの運命を歪めるとも知らずに……
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