姉妹チート

和希

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schism

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(1)

「どうしたの?結」

 茉奈が俺に聞いた。
 今日は運動会でかけっこがある。
 父さん達も応援に来ている。
 俺達はただかけっこをするだけでいい。
 だけど一つ問題がある。

「茉奈は俺の本気が見たいんだよな?」
「そうだね、かっこいいもん。それが何か問題があるの?」
「父さん達に言われたんだ」

 少しだけ加減しなさい。
 それってどのくらいなんだろ?
 本気で走ると周りに被害が出る。
 グラウンドに穴が開いたり、音速を超えるから衝撃波が発生する。
 タイムを記録するわけじゃないからいいけど、いつゴールしたか判断がつかない。
 学校で問題になったらしい。
 幼い子供が活躍するのを見たいのは他の子の親も同じ。
 小学校の教師の桜子が父さんにお願いしたらしい。
 本気でやるのだけはやめてくれ。
 子供の僕にそこまで加減が出来るかは分からないけど、せめて普通人並みの記録にしてほしい。
 音速を超える速さなんてのはやめてほしい。
 それで父さん達に「普通に走りなさい」って言われたと茉奈に説明した。
 俺の話を聞いた茉奈は理解したらしい。

「そんなの簡単だよ」

 茉奈は凄く簡単に説明してくれた。

「私と手をつないで走るくらいでいいんじゃない?」

 なるほど……。
 納得すると順番が回ってくる。
 スタートラインに立つ。
 笛が鳴ると走り出す。 
 1位じゃないと茉奈や父さん達が応援してくれてるのに悪いと思ったから、周りを見ながら適当に走る。
 かけっこが終ったあと「やっぱり結は凄いね」と茉奈が褒めてくれた。
 茉奈も普通に早いから1位だった。
 当然茉莉や結莉も。
 結莉よりはスピードは劣るらしいけどその分パワーがある。
 もっとも同じパワーでもスピードが2倍も3倍も差があると威力は後者の方が強いらしい。
 まあ、結莉と比べるとスピードが劣るってだけで同い年の中での勝負なら茉莉も負けてない。
 秋久や朔も普通に1位だった。
 
「茉奈も速かったよ」
「ありがとう」
「本当に結は凄いね」
「結莉も十分すごかったよ」

 すると茉莉が声をかける。

「ふん、スピードだけしか能がない癖に」

 どうして茉莉はそうやって結莉を挑発するのだろう?
 
「ガッデム。筋肉ゴリラの茉莉にいわれたくねーよ。お前本当に女か?」
 
 そしてすぐムキになる結莉。

「なんだと?お前をこの場で解体ショーしてやってもいいんだぞ」
「やれるもんならやって見ろこの筋肉馬鹿」
「よっしゃ!今度こそ誰が一番強いか白黒つけたらぁ!」

 なぜか菫が混ざってくる。
 ここでもめ事を起こすとまたママ達に迷惑をかける。
 やれやれ……

「結莉はそうやってすぐムキになるのやめた方がいいぞ」

 しょうもないことに時間を割いてたらお弁当なくなるぞ。
 そう言うと「うぅ……」と唸る。

「結莉、逃げるのか?」
「結莉に文句があるのなら僕が聞いてあげる」

 しょうもないことで弁当無くなるのは俺も同じだから。
 俺がそう言って逆らおうとする馬鹿はそんなにいない。
 
「茉莉も朔が困ってるからやめなよ」
 
 そう言うと茉莉も下がる。
 相手がいなくなった菫も大人しく戻る。
 しかしどうして意味もないのに走らせようとするんだろう。
 誰が得をするのだろう?
 誰が勝ったからえらいなんて事はない。
 みんな平等なんだと大人は言う。
 それは戦争をしても結局は人類が全滅するような物。
 だから本気ではやらない。
 無駄に血が流れてお金を費やして意味が分からない。 
 勝ち負けに何か意味があるのだろうか?

「結、急がないとお弁当なくなっちゃうんじゃないの?」

 茉奈が言うから親の所に戻った。

(2)

「お前の家はどうなってるんだ?」

 誠が聞いていた。
 そんなの僕にどう説明しろっていうんだ。
 なぜか息子は同じような行動をする。
 有り余る能力を無駄に使ってやる気を見せない。
 娘も同じだ。

「めんどくさい」

 たった一言で結論づける。

「あれは絶対に冬夜さんのせいです」

 愛莉はそう主張する。
 じゃあ、冬眞達はどう説明するんだ?

「冬夜さんの日ごろを見てるからそうなったんじゃないですか?」

 それを見て育った空を見て結や比呂も同じようになった。
 なるほどね。
 それよりも愛莉は別の事が問題の様だ。

「翼の子供はいいんです、怒らせない限り大人しいから」

 翼がずっと「絶対に殺すな」って言ってるからだろうな。
 しかし天音は違う。
 
「気に入らないやつは殺してばらばらにして川に捨ててこい」

 そんなことを娘たちに言ってるらしい。
 その結果で結莉や茉莉がいる。
 海翔はどうなんだろう?

「まるで秋久みたいです」

 大地が言う。
 自分の能力を隠して相手の能力を探る。
 常に自分が優位に立てるように動く。
 結莉と茉莉が姉だから姉には逆らわない。
 だけど常に結莉と茉莉の周りに危険がないか探しているらしい。
 やっぱり訓練の必要はないらしい。
 
「片桐家が混ざるとすごいことになるみたいだな」

 誠が言う。

「そうみたいね。だから楽しみなの」

 晶さんは楽しみにしていそうだ。
 酒井君は乾いた笑いをしている。
 まあ、酒井君は不安しかないだろうね。
 善明と翼の傑作が陽葵と菫と秋久だ。
 まだまだ伸びしろがあるんだろうな。

「……で、どうして誠君が来てるの?」

 愛莉が聞いていた。
 それは聞くまでもないと思うけど……
 でも今年は違ったみたいだ。

「茉奈達が走るからに決まってるだろ」

 誠が言った。
 また今年も同じパターンになるらしい。
 桐谷君や中島君は目立つくらいに騒いでいる。

「しかし手を抜いてあの速さならスポーツさせようとか思わないのか?」

 誠が言うと即答した。

「思わない」

 理由は簡単。
 音速を超えてくるような人間が陸上で走って楽しいか?
 多分あの能力で何かを蹴ったり投げたりしたら受け手は骨折程度じゃ絶対にすまない。
 本人が望んでも多分周りがさせないだろう。
 まあ、本人もまだ将来何がしたいとか考えてないからそっとしてる。
 ただ、比呂を見ると”普通に身体機能が高い”レベルのようだ。
 何かしたい事があるならさせてやりたいと思っている。
 それを決めるのは空だと思うけど。
 ちなみに結莉と茉莉は考えてるらしい。
 結莉は「お嫁さん」
 茉莉は「海賊王」

「海賊なんているの?」

 恵美さんが聞いたらしい。

「アフリカにいるってテレビで言ってた!」
「そう、じゃあ。船を用意してあげないといけないね」

 恵美さんは孫娘をテロリストにするつもりなのだろうか。
 石原君は慌てて止めた。
 天音も愛莉がいるから止めないとまずいと思って説得を試みた。

「アフリカなんて手で飯を食う所だぞ?」

 料理だって美味しくないぞ。

「ほ、他になりたいものないのか?」

 天音が聞くと茉莉はにこりと笑った。

「石油王」

 天音はもうどうしたらいいか分からないらしい。
 愛莉に救いを求める天音。
 珍しい光景が見れた。

「石油ならアラブの油田を買い占めたらいいだけよね。ばあばに任せておきなさい」

 頭を抱える石原君。

「茉莉はお嫁さんにはなりたくないの?」

 愛莉が聞いてた。

「暇そうじゃん。天音はテレビ見てるか水奈とゲームしてるかだし」
「ば、馬鹿。母さんだって炊事したり洗濯してるんだぞ」

 天音がやばいと思って慌てている。
 天音に愛莉の視線が突き刺さる。

「子供が生まれたら大変なのですよ?」

 愛莉が援護した。

「そんなの大丈夫って水奈と話をしてた」

 授乳する時間すら惜しんでゲームをしてた水奈だ。
 学が水奈を睨む。
 水奈もどうしたらいいか分からずカンナを見るが。

「……お前は私に24時間監視させるつもりか!?」

 と、逆に責められる。

「あ、結莉達戻ってきた」

 大地がうまく話題を変える。

「ぱぱー」

 そう言て結莉と茉莉が大地に抱き着く。

「二人ともすごいなー」

 大地が褒めていた。
 二人とも嬉しそうだ。

「お腹空いた」

 結の第一声はそれだった。

「はい、ちゃんとお弁当用意してるよ」

 そう言って美希が料理を出す。
 陽葵と菫たちも戻ってきた。
 そういえばかけっこの時菫と陽葵はいなかったな。
 そういうことあるのだろうか?

「菫と陽葵はかけっこどうしたの?」

 僕が聞いてみた。

「ちゃ、ちゃんと走ったよ」
「あれ?でも秋久しか見てないよ」

 翼も気になったらしい。

「た、多分見逃したんじゃない?」

 天音と水奈は感づいたらしい。
 愛莉も同様だ。
 翼が問いつめる。

「正直にいいなさい」
「な、何もしてないよ!」

 多分嘘はついてないだろう。
 だから問題なんだ。

「天音、知ってるんでしょ?説明して」

 翼が天音に問い詰める。
 前から天音に相談していたらしい。
 
「かけっこなんて面倒だから、どっかいい休む場所ないかな?」

 翼に聞かなかったのは叱られると思ったからだろう。
 そういうことは天音に聞いた方が多分詳しいと思っていたんだろう。

「それなら普通に教室で寝てればいい。あそこ競技中は多分保母さん来ないから」

 で、教室で寝ていたそうだ。

「天音は翼の娘に何を吹き込んでるの!?」
「陽葵達に余計な事教えないで!」

 愛莉と翼が天音に言う。
 大丈夫なのか?

「私だけじゃない!水奈だって同じだ!」
「ば、馬鹿。天音は私を巻き込むな!!」
「水奈だって私をまきこんでるじゃねーか!」

 恵美さん達はすでに泥酔して寝ていた。

(3)

「今度は何の用?」

 私達は高校1年生のリベリオンのメンバーに呼ばれていた。

「お前らSHなんだろ?それが用件だ」
「私達がSHと知っていて呼び出したの?」

 無謀じゃないのか?
 殺してくださいって冬吾達は捉えるよ?

「ふざけるな。自分たちだけ抜け出して平和に暮らすなんて真似許されると思ってないだろうな」

 高島直人が叫ぶ。

「そういうわけ。君たちに反感を持つ人間なんていくらでもいるんだよ」

 沖田浩二が言った。

「私達が羨ましいならあなた達も馬鹿な真似を止めたらいい」
 
 少なくとも私達には神谷についていく理由はない。
 だから抜ける。

「それが出来たらやってるよ!でも私達にはそんな真似できない事、成実には分かってるでしょ!」

 柳原鏡花が怒鳴る。
 そんな二人を見ながら浩二は言う。

「まあ、そういうわけだから抜けるんだったら、清算するくらい必要なんじゃないの?」

 私たちは恨まれる行為をしていたのだから。
 で、この大人数で袋叩きにしようってわけか。

「……あまり俺たちを見くびるなよ?この程度ならどうにでもなるぞ」

 ただやられるなんて真似はしない。覚悟しろと雲雀が言う。
 しかし、そんなわけがない。
 銃を構えた人間が大勢揃う。

「油断するつもりはない。ここでボロボロになって死んでいけ」

 それだけの恨みを買ったんだ。
 あきらめろ。

「成実、勝算はあるか?」
 
 雲雀が聞く。

「……剣太が浩二ってやつを。雲雀と有紀は他の奴らを」
「分かった」

 雲雀と有紀の力なら何とかなる。
 しかし絶望と言うのは次から次へとやってくる。
 チェーンソーの音が聞こえてくる。

「あんなガキ4人の為に私をよびだしたわけ?」
「あいつらの中にも能力者がいるんだ。念には念をと思ってね」
「ふん、こざかしい能力など私に通じると思わないでね」
「ああ、あんたが空達が言ってたスティールレディ?」

 振り返ると冬吾や冬莉達が立っていた。

「前にも言ったと思ったんだけど”抜け駆けすんなこのアマ”だよ」

 冬莉がそう言って笑う。

「あの醜い化け物は私が止める。冬吾はあの浩二ってのをまかせるよ」

 冬莉が言うと私が止める。

「あいつらは銃を持ってる。危ない真似させられない」
「ばーか、お前らもSHなんだ。仲間が危険なのに見過ごすなんてチキンはSHにはいねーんだよ」

 誠司が言う。

「片桐家を甘く見ない方がいいよ」

 冬吾がそう言って笑う。

「全員そろってハチの巣にしてやる」

 浩二が合図すると同時に私も有紀に指示を出す。
 有紀の能力は重力。
 地面にひれ伏せさえたら銃撃は免れると思ったから。
 その後に雲雀の爆発の能力で全員吹き飛ばす……つもりだった。

「それじゃだめだよ」

 冬吾が重力の能力を解除するように言う。

「父さんが言ってたんだ」

 カードを全部使わせて無駄だと絶望させて叩きのめす。
 だから好きにさせたらいい。
 正気なの?

「冬吾の言うとおりにしとけ?」

 誠司が言うから有紀に伝える。
 有紀が解放すると奴らは一斉に銃を撃つ。
 しかし不思議なフィールドが銃をはじき返していた。
 慌てるリベリオンの連中。

「それだけ?」

 冬吾が言う。
 だから片桐家を甘く見るなと言ったんだ。と説明した。
 片桐家の血が持つ素質「皇帝」
 相手が出来るなら自分にできないはずがない。
 そうやって片っ端から自分の手札にしていた。

「ふん、その程度の力で私を相手にするつもり?」

 スティールレディが前に出る。

「あいつは私が受け持つよ」

 冬莉が出る。
 冬莉は振り返って志希にお願いする。

「あんまり見られたくないから目を閉じていてくれないかな?」

 冬莉も女子高生。
 彼氏に見られたくない姿だってあるだろう。
 志希が目を閉じるのを冬莉が見ると、冬莉はスティールレディを見る。

「あんたの事は愛莉から大体聞いてる」
「小娘一人に私がどうにかなると思ってるの?」
「あんたもそんなに頭よくなさそうだね。さっき言ったこともう忘れたの?」
「何?」

 片桐家の血を舐めるなよ。
 そう言うと同時に瞬時にスティールレディとの距離を詰めて思いっきりお腹を蹴とばす。
 分厚い甲冑を装備しているスティールレディを見えなくなるくらいまで吹き飛ばした。
 空よりも化け物染みたスペックを持つ冬吾のスペックは双子の冬莉もちゃんと持っていた。

「思ったより大したことないわね」

 済ました顔で戻ってくる冬莉。

「じゃ、美味しいところは冬吾に任せる」
「面倒のまちがいじゃないのか?」
「そんな風に思ってないくせに」

 冬莉がそう言って笑うと冬吾が前に出る。
 浩二も前に出る。
 すると冬吾が不思議なことをいう。

「それ、無駄だから」
「何?」

 浩二も意味が分からなかったらしい。
 その意味はすぐに分かった。
 浩二の能力は刃物を生成する能力。
 無数のナイフが冬吾の頭上に降り注いでいた。
 しかし、銃弾をはじくフィールドがナイフは貫通しますなんて理屈はない。

「それで、終わるつもりはないんだろ?かかって来いよ」

 空の王は忙しいから僕が相手してあげる。
 冬吾が挑発すると浩二は殴りかかる。
 冬吾と浩二の戦闘力は同等らしい。
 だから冬吾は挑発した。
 同等なら先に動いた方が不利だから。
 突進してくるということは持ち味の先読みの能力が無意味になる。
 
「自慢していいよ」

 冬吾がそう言うと浩二の頭を思いっきりハイキックする。
 
 人を殺せる力。

 そんなことを言われた帝王がいるらしい。
 しかし冬吾の蹴りはそんな生易しい力じゃない。

 頭を吹き飛ばしかねない力。

 幸いにも冬吾は左足で蹴り飛ばした。
 右足なら本当に頭を粉砕しかねないから。
 蹴りを食らった浩二は思いっきり蹴り飛ばされて意識も飛んだ。
 誠司達が冬吾に「あとは任せろ」と言うと残ったメンバーに言い放つ。

「俺たちも暴れるつもりできたんだ。相手してほしいなら俺が相手になってやる」

 それを聞いたメンバーは散り散りに逃げていった。
 残ったのは直人と鏡花だけ。
 冬吾達は二人を取り囲む。
 そして冬吾は不思議なことを言った。

「君たちはどうするの?」

 直人たちは泣いていた。
 さすがに同情する。
 見逃してやってくれないかと私が頼んでみた。
 だけど冬後は首を振る。

「それじゃ繰り返すだけだ」

 やはりこの場で処刑するのか。
 そうではないようだった。

「あなた達はどうしたいの?」

 冬莉が聞いていた。

「それを聞いてどうなるの?」

 鏡花が尋ねる。

「……まだこの4人に復讐を企むなら望み通り潰してあげる。だけど」

 あなた達が望むなら仲間に入れてあげる。
 それを聞いた私は耳を疑った。
 そんなの無理に決まってる。
 だけども冬莉は言う。

「どんな境遇だったかは詳しくは知らないけど、敵になるなら容赦しない。だけども仲間になるなら話は別」

 この先も復讐心だけで生きていくの?
 そんな暗い未来でいいの?
 本当は太陽に憧れているんじゃないの?

「……私たちはもう後戻りはできない」
「どうして諦めるの?人は平等だって言うでしょ?」

 鏡花たちにも幸せになる権利はある。
 それを用意してあげる。
 後は鏡花たち次第。

「私達を許すというの?」
「あなた何を見てるの?成実達がよくてあなた達がダメな理由を探す方が面倒なんだけど」

 すると直人が少し考えて言った。

「鏡花を幸せにしてやれますか?俺はどうなってもいいから……」
「それは無理ね」

 だって直人が幸せにならないでどうして鏡花を幸せにしてあげられるの?
 冬莉がそう言うと直人が顔をあげる。
 それを見て冬吾が言う。

「覚悟しておけ、俺たちに関わったら絶対に幸せにしてやる……父さんたちはそう言っていたらしいよ」

 冬吾が手を差し出すとその手を直人が掴んだ。
 その後ファミレスで今後の事を相談した。
 さすがに奈留さんの負担を考えたらこれ以上は無理。

「うちなら大丈夫だよ。姉さんたちが家を出てから部屋が空いてるから」

 スマホを操作しながら酒井善斗が言った。
 親の許可も得たらしい。
 ただし酒井家で面倒を見るからには相応の身分になってもらうから覚悟しなさい。
 そう母親から言われたらしい。
 引っ越すのは面倒だから今のままでいいだろうけど出来るなら二人で暮らした方がいいんじゃないか?
 善斗の母さんがそう言って物件を探してくれるそうだ。
 冬吾達の父親のグループ渡辺班の話は聞いている。
 かかわった連中は必ず縁を結んで幸せになる。
 ただ、それが十郎達にも通じるのかは分からなかった。
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