姉妹チート

和希

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(1)

 朝なんとなく目が覚めた。
 あまり長い時間眠ることが出来ない体になっていた。
 そんな時間が危険な時間だったから。
 しかし父さん達はもっとすごい。
 結を連れてどこかに行ってるみたいだった。
 カミラ達はぐっすり寝ている。
 母さんもいない。
 ここにいて起こしてしまうのも悪いと思ったからテントの外にそっと出た。
 するとコーヒーを啜って雑談してるじいじやママや愛莉達がいた。
 母さんが僕に気づくとにこりと笑う。

「もう少しゆっくり寝ててもいいのに」

 皆が起きてから朝ごはんにするからという。

「あまり眠れなくて……」
 
 眠気もあまりない。

「じゃあ、こっちにおいで」

 酒井さんが席を空けてくれるとコーヒーを入れてくれる。

「比呂は砂糖とか入れるのかな?」
「ミルクだけお願いします」

 するとミルクだけ入れて僕にコップを渡してくれる。
 とても暖かいコーヒーだった。
 日本に来る前は飯盒の内蓋で作ったりして飲んでいた。

「珍しいね、比呂が一人で起きてくるなんて」

 じいじが聞いてきた。

「ひょっとしてカミラの事で相談とか?」

 母さんがそう言うとじいじ達が驚いていた。

「どうしてその事を?」
「確信はなかったのだけど、最近の比呂の仕種を見てたら旦那様と相談してたら何となく……ね」
 
 親ってすごいんだな。
 まあ隠す事でもないので正直に白状した。

「あんなに透き通った肌で綺麗な女の子見てたらなんとなく……」
「それは陽葵や茉莉達に言ったらだめですよ」

 母さんはそう言って笑っていた。
 親戚相手にそういう感情は抱かないって聞いたけど。

「……ひょっとして冬夜さんが空に教えたのですか?」

 愛莉がじいじに聞いていた。

「でも当たってただろ?」
「それでどうしたらいいか分からなくて……」
「どうって伝えたらいいじゃない。血のつながった兄妹じゃないんだから」
「でも女性は怖いから気をつけろって父さんが」

 片桐家の男性は絶対に彼女に逆らえない。
 でたらめな能力を持つ片桐家の共通のルール。

「旦那様は自分の息子にそんなことを教えたのですか?」
「間違ったことは言ってないだろ?」

 これから先彼女に振り回される運命が待ってるんだ。

「空!それは間違ってるわよ!望にも言えることだけど!!」
「そうよ!そうやって嫁の顔色伺ってオタオタしてる旦那を見てる嫁の不安を考えたことあるの!?」

 恵美さんと晶さんが言った。
 もっとも誠さんや瑛大さんの言うような男の威厳というのも困るらしい。

「でも嫁の機嫌一つで零細企業が潰されていく社長の身にもなってよ」

 多少の赤字くらいどうにでもなる。
 望さんがそう言っていた。
 市長からも「多少の損失は政策とかで調整しますから勘弁してください」と頭を下げられる事情があるらしい。
 そりゃリベリオンみたいな集団も出来上がるわけだよ。

「あのね望。望が休日出勤しないといけないような仕事をする雑魚なんて、いくらでも替えがきくから気にすることないっていつも言ってるでしょ!」

 なるほどね、これが彼女に逆らったらいけない理由か。
 
「で、どうしたいの?」

 恵美さんが聞いた。
 僕はそれでどうしたらいいのか相談したいと言った。

「なるほどね……」
「そういう話も久しぶりね」

 江口奈留さんが言った。

「まずはちゃんと気持ちを伝えなきゃ」
「伝える?」
「そう、まずは自分がカミラの事が好きだって伝えないと。こういう言葉があるの」

 当たって砕けろ。

「突然言って大丈夫かな?」
「……試しに言ってみたらどうだい?」

 今なら言えるんじゃないの?

「カミラが好きです」
「ダメ!もっと大きな声で言わないと」

 母さんに注意をされた。

「僕はカミラが好きだ!」
「え?」

 その声を聞いてドキッとして振り向いたら同じように起きてきたカミルとカミラがいた。
 母さん達はにこにこ笑っている。

「ほら、今なら言っても問題なかったでしょ?」

 母さんにはめられた。
 今すぐ逃げ出したい気分になった。
 でも父さんに止められた。

「言った以上返事は聞いてあげるべきだと思うけど」

 それが残酷な運命だとしても。
 そうはならなかった。

「どうして私を?」

 カミラが言うと僕はさっき言った理由を説明した。

「本当に私でいいの?」

 僕は静かにうなずいた。
 様子を見ていた公生さんがにこりと笑った。

「よかったね。女性の扱い方だったら僕が教えてあげようか?」
「公生は余計な事言わないでいい!」

 奈留さんは怒ってるようだ。
 さっきじいじやパパが言ってたこととは全然違うんだけど。
 僕はどっちになるのだろう?

「それはカミラをしっかり見てから判断するといいよ」

 望さんがそっと話していた。
 公生さんや奈留さんのようなやり取りを楽しむタイプか、怒らせると後が大変な性格なのか理解してから決めたらいい。
 女性って一言で片づけるけど、色々な女性がいるんだからそれを見定めるのが最初の段階。
 その後の事はそれを理解してから考えたらいい。
 まあ、恋人に選ぶくらいだからある程度は把握してるんだろうけど。
 そう言って望さんが話していた。

「それにしてもまた面白い話してるじゃないか」

 振り返ると神奈さんと亜依さんがいた。

「あんた達なんでそんなに早起きなの?」
「早く起きないとゆっくり話が出来ないから」

 じいじが言う。

「こっそり話そうとするからそうなるんでしょ」

 愛莉がそう言って笑った。

「でもこんな話……例えば誠や桐谷君が混ざると大事になるんだ」
「……確かにあの二人には無理だな」

 昨夜も遅くまで飲んでたしと神奈さんが言う。
 ってことは神奈さんは一緒に飲んでたんだな。

「それ気になってたんだけどさ」

 亜依さんが神奈さんに聞いていた。

「神奈の娘の割には酒に弱くない?」
「それは私にも謎なんだ。なんでああなったんだろう?」
 
 神奈さんが言うとじいじが笑う。

「どうした?トーヤ」
「いや、酔ったふりをしてやりたい放題だった愛莉を思い出してね」
「そ、その話は孫の前でしないでください」
「……そうだったな」
「……どうしてこうも運命が変わってしまうの?」

 神奈さんと亜依さんが悩んでいた。
 話題を変えた方がいいかな。
 じいじに聞いてみた。

「そんなに彼女の下着って気にするものなの?」

 僕が聞くとじいじは答えた。

「初めて見るような事態だったら僕は頭が真っ白で覚えてなかったね」
「……思い出しました。私が思いっきり分かりやすいように誘ってもしてくれなかったんです」
「ああ、あれは爆笑した!」

 神奈さんは知っているようだ。
 じいじは愛莉が誘った時に慌てて神奈さんに相談したらしい。
 
「そもそも僕は何をしたらいいの?」
「そんくらい自分で考えろ!この馬鹿!」

 そして何もできないまま裸で抱き合って寝ていた。
 そこまではいい。

「愛莉、これどうやって使うか知らない?」

 そう言ってじいじはゴムを愛莉さんに見せたそうだ。

「馬鹿!!」

 見事に愛莉を怒らせたそうだ。
 その後誠さんがDVDをプレゼントしてそれを見て覚えた。
 そしたらDVD通りの事しかしてくれなくて不満だったらしい。

「……なあ、昨日の話じゃないけどさ。お前と誠ってなんでそこまで違ってしまったんだ」
「誠は昔からモテてたじゃないか?」
「すっげぇチャラい奴だと思ったけどな」

 そして付き合ったらもっとひどい変態だった。
 それでも誠実さは伝わったから結婚を決めたそうだ。

「それを言うなら亜依だってどうして桐谷君と付き合い始めたの?」

 愛莉が聞くと亜依さんは頭を抱えていた。

「高校の時だったからさ……かわいいな。それだけの理由だったんだ」

 もっとまじめに選んでおけばよかったと後悔しているらしい。

「分かる?愛莉!あんたがどれだけ恵まれてるか!!」
「それにしてもさ、私は最初の恋人が望だったんだけど」

 恵美さんが話し出した。

「なんでスカートを捲ったりして下着を見たがるくせに、じゃあ好きな下着穿いてあげるから選んでって言ったらアタフタするわけ?」

 恵美さんはそれが不思議らしい。

「ぼ、僕はスカート捲りなんてしないよ!」

 望さんが慌ててる。
 隣にいた大地さんも困っている。
 中学生の時に天音さんとランジェリーショップに行って紐の奴を天音さんが選んで慌てたらしい。
 なんとなくこの世界は女性が強いんだなって思った。
 
「そういう質問なら俺が答えてやるよ」

 振り返ると誠さんが言った。

「ま、誠大丈夫なのか?」
「あれしきで二日酔いするくらいなまってないぜ」

 それに俺たちを除け者にしてそう言う楽しい話題はNGだという。

「そうだぜ。俺達も混ぜろよ。あ、学コーヒーくれ」

 瑛大さんがそう言って隣に座る。

「多分冬夜や石原君には分かってない理想の境地だ」
「そうだ。それこそが男のロマンだ!!」

 誠さんと瑛大さんが話し出すと皆黙って2人を見ていた。
 さすがに僕でもなんとなく嫌な予感というものがした。

「まずはスカート捲りから説明する。あれは下着が見たいんじゃなくて、スカートが捲れて恥ずかしがる女子を見るのが楽しいんだ!」
「誠の言う通り!堂々と曝け出されたらロマンが消えてしまう」

 朝から本当にしょうもない話をしているような気がするのは僕だけか?
 じいじ達も諦めた顔でうつむいている。

「それにやっぱり初めては純白って相場が決まってるんだ!」
「誠の言う通り!いきなり黒なんてこいつ嘘ついてるんじゃないか!って思うだろ?」

 2人の暴走が止まらない。

「大体冬夜!DVDとかはそのシチュエーションを楽しむだけで行為自体を楽しむんじゃないぞ」
「そうそう!だからコスプレとか近親そう……」

 ばこっ!

「朝から何馬鹿なことを大声で叫んでるんだこの馬鹿垂れ!孫だっているんだぞ!」
「……恵美。こういう男よりはましだと思わない?」

 神奈さんと亜依さんが言うと「……そうね」と恵美さんと晶さんは納得した。

「朝から騒々しいけどどうした?」

 水奈さんが頭を押さえながら元気なさそうな声で聞いた?
 それを見た学さんがため息をつく。

「お前飲み始めて何年だ?いい加減自分の限度くらい理解したらどうなんだ?」
「父さんと母さんが強いからまだいけるって思ってしまうんだよ」
「気持ちはわかるけど水奈は昨夜母親らしくするって決めたんだろ?」
「分かってるよ母さん。だからこうして子供と一緒に来てる」
「……今の話聞いてたのか?」
「優奈たちはそれで起きたんだよ」

 水奈さんが言うと神奈さんが頭を抱える。
 優奈と愛菜は悠翔に聞いていた。

「私の下着興味ある?」
「まだお前らじゃはえーよ」

 そう言ったのは茉莉だった。

「ってあれ?天音は?」
「私も今来た」

 大地さんが言うと天音さんが答えた。

「海翔と結莉は?」
「朝起きたらいなかったんだけど、大地と一緒じゃなかったのか?」

 天音さんが言うと大地さんは「いや……」と答えた。
 心配するような事ではないとじいじが言った。
 あの二人は今頃……。

(2)

「虫さんいないね」
「カブトムシだよ」

 俺が言うと茉奈が答えた。
 海翔もそれを楽しみに昨日早めに寝て準備していたらしい。
 父さん達が何かを話してる間に父さんが用意してくれた蜜を木に塗っておいた。
 朝になったらきっといる。
 毎年いたから間違いないと思っていた。
 だけどいない。

「まだ時期が早かったかな」

 父さんはそう言う。
 来月山にキャンプに行くからその時には見つかるよ。と、言っていた。
 しかし茉奈はまだ疑問があるらしい。

「なんでカブトムシ見たいの?」

 茉奈は女の子だから分からないのかな?

「かっこいいから」
「うーん……でも虫だよ?」

 どう説明したらいいんだろ?
 ベルト持ってきてないけどポーズだけならいっか。
 海翔の顔を見ると海翔も僕を見る。
 2人でうなずくと変身のポーズをした。
 地球を破壊する能力があるのに変身することはできない。
 結構使えない能力だな。
 でも結莉にはその意味が分かったらしい。
 特撮変身物のヒーローがカブトムシをモチーフにしていたからかっこいいと思った。
 ただそれだけ。

「男の子ってそういう変身物好きなの?」
「女の子はそうじゃないの?」
「え?」

 特撮ヒーローが終わって次の番組は女の子が変身して戦うアニメの時間。
 初期の頃は物理で殴るヒロインだったけど最近は違うらしい。
 でも変身はしているしグッズも売ってる。
 ……そういやカミラも興味なかったみたいだな。
 なるほど。

「にいにはベルト買ってもらったの?」
「クリスマスに買ってもらった」

 海翔は何もらったのだろうか。

「アサシンブレード」

 今は7月で半そでだから使えないそうだ。
 腕に仕込んでブレードを自在に出せるらしい。
 海翔の能力ならそんなのいらない気がするんだけど。
 それに暑いから使えないって欠陥じゃないのか?
 ちなみに薬指を切り落としたりはしていない。
 まあ、ここにいてものこのこ出てくるほどカブトムシもマヌケじゃないだろうから諦めてテントに戻る。
 キャンプの日の朝ごはんた楽しみだ。
 ママの味噌汁も好きだけどインスタントの味噌汁も捨てがたい。
 そう、キャンプの日はパンもごはんも焼きそばもみそ汁も食べられる。
 たらふく食べるけどカミル達はそんなに食べない。
 もともとそんなの多く食べる環境で育っていないから少ない栄養で充分なんだそうだ。
 そんな言い訳天音には通用しない気がするけど。
 カミラと紀子は「私はさすがに体型気にするかな?」と言っていた。
 でも陽葵達は「わかってないな。片桐家はこれしきで体型が崩れることはないんだよ」と説明する。

「そんなわけありません!二人とも女の子なのだから少しは抑えなさい!」

 愛莉が怒っている。
 しかし翼が食べてたんだからいいんじゃないか?
 そう言うと愛莉は困ってしまった。
 そんな隣で子供たちよりも大量に食べているじいじ。
 当然愛莉に怒られていた。
 食べ終わると僕達は炊事場に食器をせっせと運ぶ。
 その間に父さん達がテントを片付ける。
 片づけが終わると銭湯に向かう。
 そこで父さんの体を見ていた。
 運動していないのにアスリートの様な体つきだった。

「どうしたんだ?」

 父さんが聞く。

「母さんが言ってた」

 男と女の違い。
 あまり聞いたらいけないって聞いたからいけない気がしたけど、やっぱり気になる。
 すると父さんは考えていた。

「そうだなあ、結。どうしてそれを知りたいんだ?」

 それを知ってどうする?

「特に何もしないけど」

 何かあるの?

「男は興味だけで知ろうとする。でもそれは女性にとっては大変なことなんだ」

 だからよく言うだろ?女性は守ってやらないといけない。
 男女平等というけど体の仕組みなんだからそれだけは仕方がないんだ。
 だから結がまだ興味だけで知ろうとするならパパは教えられない。
 だけどその事を男にも知る必要が出てくる。
 その時が来たら教えてあげる。
 ま、いっか。
 すると誠さん達が来た。

「空、そんなんじゃなだめだ。人生の半分以上を損しているぞ」
「誠の言うとおりだ!しっかり親が教育してやらないといけないだろ!」
「誠、悪いけど空の教育を邪魔する行為はやめてくれないか?」

 じいじが言うけど二人とも聞く耳持たない。

「その結果がお前や空だろうが!いざという時にやり方知らないなんて言ったら普通別れるぞ!」
「誠の言うとおりだ!そのくらい幼稚園児でも知っておくべきだろ」

 小学生でもやるんだから。

「誠君!結に変な入れ知恵しないで!素直に育ってるんだから」
「誠!いい加減にしろ!お前はトーヤにまで迷惑をかける気か!」
「瑛大も同じだ!悠翔達に妙な事吹き込んだら承知しないからな!」

 愛莉達が文句を言うと2人は退散した。
 じいじはほっとしていた。
 銭湯を出るとファミレスで昼飯を食べる。
 その時に茉奈が言っていた。

「結は私の体気になるの?」
「違いがあるって聞いたから」
「んじゃあ、約束しない?」
「約束?」

 茉奈はにこりと笑って答えた。

「私以外に興味を示さないで。そしたら時期を見て見せてあげる」
「いやじゃないの?」
「結は知らないの?そういうのは恋人にだけ見せるんだよ」
「……そうなんだ。わかった」
「恋人ってなに?」

 海翔が聞いてきた。
 少し考えて父さんの言ってたことを思い出した。

「海翔はこれからずっと一人でいるわけじゃないんだ」
「うん」
「どんなことがあってもその女性と一緒なら乗り越えられると決めた人を恋人って言うんだ」

 父さんがそう言ってた。

「僕にも出来るのかな?」
「出来るはずだよ」

 父さんが言ってた。

”これは恋愛小説”だって。

「そっかぁ~、楽しみだな」
「海翔気になる女子いるのか?」
「いや、考えたことない」
「楽しみだな」

 茉莉と話をしていた。
 ファミレスを出ると家に帰る。
 器材を片付けて部屋で休む。
 夕方くらいになると愛莉が「出前何がいい?」と聞いてくる。
 呪文のようにいつものメニューを言う。

「残念でした~今日は近くにピザ屋さんが出来たからそれにしようと思って」

 それなら一人当たりの割り当てが制限効く。
 しかしそんな事全く動じないのが片桐家だった。
 ありったけのピザを頼んでそしてシェアする。
 愛莉の企みは失敗に終わった。
 夕食を食べると風呂に入って眠りにつく。
 夏休みは始まったばかりだ。
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