姉妹チート

和希

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still growin'up

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(1)

 今日は小学校の職員でお花見。
 私の歓迎会も兼ねていた。
 しかしそれはつかの間の話。
 話題の中心は桜子先輩になる。
 私の姪や甥の茉莉達の問題。
 その勢いはとどまることを知らず暴れ放題で桜子先輩を悩ませていた。
 親である天音に言ったところで「あんまり深く考えるだけ無駄だから諦めろ、お前本当に禿げるぞ」と返される。
 それは親戚の中山瞳美先輩も同じだった。
 目の前でFG達が暴れ出したら嬉々として殺処分を始める二人。
 あの2人がいれば教室の暴動くらい軽く鎮圧する。

「私の眠りを妨げる者は何人たりともゆるさん」

 優奈や愛菜は学校を寝る場所だと思ってるらしい。
 結莉や茉莉なら寝ていてくれた方が助かる。
 だけど優奈達は違う。
 5段階評価でつけるとしたら例外でマイナスをつけたくなるほどに酷いらしい。
 
「ご家庭でも勉強するように指導してください」

 結莉達は長期休暇の宿題は完璧にこなす。
 しかし優奈達は悠翔や茉奈の模範解答を写すという作業すら惜しむそうだ。

「そんな見苦しい真似するくらないなら、潔く諦めた方がいいでしょ?」

 そんな娘の意識を変えたいけど、水奈が全くそのそぶりを見せない。
 水奈に宿題を聞いても「茉奈、ここんとこどうするんだ?」と聞くらしい。
 家庭教師を頼んだ千帆達も苦労してるらしい。
 その苦労は想像を絶する物で「悪い……来月からもう少し多めに払うよ」と神奈さんが言うほど。

「瞳子の時は誠司が馬鹿な真似をするくらいで、冬吾は寝ていてくれた方が助かっていたから」

 まだましだった。
 私達の次に来たのが茉莉や菫じゃ桜子先輩もきついらしい。

「瞳子は今年の1年生の担任するんだっけ?」
「はい、名簿は見ました」

 そんない問題なさそうだった。
 喜一の子供が少し気になったけど、喜一も苦労してるらしいから大丈夫だろう。

「しかし大丈夫なの?」
 
 千歳先輩が聞いていた。
 誠司君はもうパオラさんとの間に子供が出来たらしい。
 と、なると当然私にもプレッシャーがかかる。
 教師になったばかりなのに、クラスを任せられたのに妊娠なんて身勝手な真似が許されるのだろうか?
 そんな悩みは私にもある。
 すると桜子先輩と千歳先輩が笑っていた。

「私だって似たようなもんだよ」

 桜子先輩は教師になった時にはすでに子供がいた。
 それにそんな事言ってたらいつまでたっても子供をつくれない。
 少なくとも子供たちが卒業するまでの6年間はダメになる。

「そんなに気にする事ないと私も思う」

 女性はそういう物なのだから仕方ない。
 それでも働けるように学校側が考えるべき。
 出来ない時はきっと恵美さんが圧力をかける。
 心配しないで作ったらいい。

「そうでもないと兄の自慢が酷いし」

 千歳先輩の兄は誠さん。
 誠司君のお父さん。
 今でも「誠司の方が早いぞ!」と冬夜さんに言ってるらしい。
 
「そんな競争させないで!瞳子の悩みを作らないで!」

 愛莉さんがそう言って庇ってくれるけど。
 でも実は私だって考えてないわけじゃない。
 冬吾君が遠慮すると思って内緒にはしてあるけど愛莉さんと作戦を考えた。

「なんか娘とそんな話が出来ると嬉しいわ」
「天音さん達は違ったんですか?」

 なんとなく聞いてみたけどまずかったみたいだ。
 天音さんの話は聞いている。
 両親を失った冬夜さんに希望を与えたいからと大地と頑張ったそうだ。
 翼も同じような時期に子供を作った。
 問題は茜と冬莉だった。
 冬莉はまだましだった。
 突然現れて「愛莉、孫が出来たから面倒見てくれない?私ライブとかあるし」と言ったそうだ。
 茜にいたっては「壱郎が相手してくれないからパパの子供作ったらダメ?」と聞いてきたらしい。
 色々大変なんだろうな。
 愛莉さんと夕飯を作ったりするのは楽しかった。
 冬吾君の色んな好みを愛莉さんは知っている。
 それを教わりながら他愛もない話をしながら作っていた。
 娘とそういうやりとりをするのは翼だけだったそうだ。
 愛莉さんはそんな話を懐かしんでいた。
 もちろん料理だけじゃない。
 掃除や洗濯も手伝っていた。

「それにしてもあの瞳子が私の後輩になるとはね……」

 桜子もやはり教え子の成長が嬉しいのだろうか?

「瞳子もそのうち分るよ」

 千歳先輩がそう言っていた。

「んじゃ、2次会行こうぜ」

 花見が終わって片付けていると男性教師が言った。

「私達は遠慮するわ」

 桜子先輩が言った。

「なんだよ。女性陣もたまには付き合えよ。花が足りないんだよ」
「私だってもう年だからきついの。それにそんなこと言ってどうせ女性が同伴だと困る店行くんでしょ?」
「年が問題なら片桐先生は大丈夫だよな?」
「ごめんなさい。私も主人が待っているから」
「最近の若い教師は皆結婚してるよな。なんでだ?」

 え?

「渡辺先生は行かないんですか?」
「行ったら夏希が不貞腐れるんだ」

 そんな店に行ったと夏希が知ったら怒り出すらしい。

「どうして私にそういう事してくれないのに、他の女性とするわけ!?」

 一度行った時に怒られたらしくてそれ以来断ってるらしい。
 冬吾君も美味しい肉でもないと釣られないだろうな。
 そういうわけで私達は家に帰る。

「あれ?もう帰って来たの?」

 冬吾君は冬夜さんと一緒にビールを飲んでいた。
 冬吾君はあまり大量には飲まない。
 単純にまだビールの苦みが嫌いなんだそうだ。

「冬吾もまだ子供だな」

 冬吾君が冬夜さんと初めて飲むときに聞きつけた天音達が実家に帰って来た。

「あなた達結莉達は大丈夫なの?」
「もう4年生だぞ?眠くなったら勝手に寝るよ」

 天音が言うと大地は笑っていた。
 その寝る場所が学校だから問題なんだけど「うかつに起こす方が厄介なのよ」と桜子先輩が言っていた。
 
「防犯は大丈夫なの?」
「結莉と茉莉と海翔だぞ?あの3人を襲うような間抜けの事なんかどうでもいい」

 無茶苦茶な思考だと思っていたけど、冬夜さんも笑っていたので放っておいた。

「瞳子はこの味平気なの?」

 冬吾君は不思議だったらしい。
 私は答えた。

「お酒の事は私の方が先輩だね」

 私だって女子大生だった時がある。
 お酒くらい慣れてる。
 ちなみに今日は飲んでいない。
 だって帰ってこれなくなるから。

「じゃ、瞳子も一緒に飲もうよ」
「そういう事なら私も混ぜてもらおうかしら」

 冬吾君が言うと愛莉さんも交えて4人で飲んでいた。
 風呂に入って寝ようという時に冬吾君に聞いてみる。

「ねえ、私達戸籍上は結婚してるんだよね?」
「うん、だから子作りも頑張るって瞳子が張り切ってるんだろ?」
「それはいいんだけど、一つ気になる事があって」
「どうしたの?」

 私は笑って伝えた

「いつまでも冬吾君っておかしくない?」
「……確かにそうだね。でもさ、父さんが言ってたんだ」

 いきなり「あなた」とか「だーりん」とか言われると戸惑うって冬夜さんが言っていた。

「冬吾。そういう時になったらいいアイデアがある」

 誠さんから聞いたらしい。
 ご主人様。
 絶対夜盛り上がるぞと誠司君が聞いたらしい。

「お前の馬鹿に冬吾を巻き込むなって何度言ったら分かるんだ!」

 その日多田家では大ゲンカだったそうだ。
 パオラも不思議に思ったらしい。

「ご主人様くらいなら言ってあげるけど」
「い、いや。遠慮しとくよ」
「なんで?」
「なんか夫婦って関係じゃなくなる気がするんだ」
「ふーん」

 それ以上パオラさんは追及しなかったらしい。

「で、瞳子は何かいいアイデアあるの?」
「愛莉さんを真似てみようと思って……」

 冬吾さん。

「……わかった。なんか少し大人になったみたいだね」
「もう立派な大人じゃない。しっかりしてよ」
「分かった。頑張る」

 そんな優しい新生活の始まりだった。

(2)

「光聖!何馬鹿な事やってるの!?」
「何が?」

 玲衣がやけに怒ってるから不思議だった。
 騒ぎを聞きつけた母さんがやってきた呆れていた。

「あんたもそっちになるわけ」

 母さんも玲衣と同じように俺の服装を注意していた。
 こう見えても希美が恥かかないように頑張ったんだけどな。
 朝から髪形を整えるのに時間がかかった。
 女子だけだと思ったけど男子も結構時間がかかるんだな。
 それを見た父さんが一言忠告する。

「今年は大丈夫かもしれないけどそれは止めておいた方が良い」
 
 週末にでも髪切ってこい。

「なんでだよ?」
「お前に自殺願望があるなら止めないけど、さすがに中学生まで育てた子供を失う母さんの気持ちも察してやれ」
「意味がわからない」
「いいか、お前のやってる髪形をしている人間は芸能界にはいる。だけど冬吾が帰って来た地元でやるのは自殺行為だ」

 男が化粧してるのがむかつく。
 そんな理由で病院通り越して墓場に送り込む人間だ。
 俺達の下には結がいる。
 結がその格好を見てどう思うかわからないけど、もし結と同じなら俺は長生きできない。
 じゃあ、服装はどう説明するのだろう?
 それも父さんが答えてくれた。

「父さんさ、毎日ダサい作業着着て仕事してるんだ」

 なぜ?
 それが会社のルールだから。
 現場で仕事をするのにふさわしい格好だから。
 それでも納得いかない若い奴はささやかな抵抗をする。
 それが腰パンだ。
 学生服でやるなら、ヒップホップ系の人間がする分には誰も文句を言わない。
 だけどそれを作業着でやるとどうなるか分かるか?

「わかんねーよ」
「答えは凄く簡単なんだ」

 みっともない。
 ダサい。
 見た目の評価だけで済むならまだましだ。
 そういうだらしない人間がいるんだ。
 そう思われるのを会社は嫌がるから注意を受ける。
 そこで俺に問題だ。
 作業着でやってダサいのに学生服でやったらどうなると思う?
 ……そういう事か。
 俺は黙ってズボンを上げる。

「意外と物分かりのいい息子で助かるよ。麗華、俺達もいい加減準備しよう」
「そうね」

 そう言って二人は部屋に行く。
 その後に玲衣も言っていた。

「光聖の女子を見る目は間違いない。だから、注意するの。そんなみっともない男子を好きになる希美じゃない」

 そう言うと玲衣も自分の準備をしていた。
 学校に行くと掲示板を見てクラスを確認する。
 教室で説明を受けて入学式が始まる。
 終わった後にまた教室で説明があって帰る。
 教室を出る時に担任から呼び止められた。

「亀梨君だよね?千歳から話を聞いている」

 誰だろう?」

「ああ、高槻先生が担任なのか」
「まあ、そうなると思ったわ」

 父さんと母さんが言っている。
 母さんが紹介してくれた。

「高槻翔先生。小学校の千歳先生の旦那さん」

 まじかよ!
 父さん達も同じだったらしい。

「運動能力は良いみたいだから部活でもやってみないか?」
「こいつ俺と一緒だから」

 父さんがそう言って俺の頭を叩く。

「まあ、あまり問題起こさないでくれ」

 父さん達の時は大変だったらしい。
 特に空と天音と大地の暴れっぷりはすごかったそうだ。
 全校生徒をSHとFGに分かれて対立した。
 今でもその構図はあまり変わらないけど。
 数的不利でもそれを覆して見せるのが父さん達だったそうだ。
 しかし今年は主戦力と呼べる人間がいない。
 だから不安だと言っていた。
 だけどそんな事関係ない。
 SHにふざけた真似をしたら誰かが行方不明になる。
 相手が誰だろうと関係ない。
 必ず復讐する。
 それを恐れてFGもリベリオンも手を出してこなかった。
 しかしそんなパワーバランスを覆す存在が現れる事をまだ知らなかった。

(3)

「瞳子、ここは私に任せて準備しなさい」

 愛莉さんがそう言うから私は準備する。
 今日は小学校の入学式。
 私が初めてクラスを受け持つ。
 準備を済ませると学校に向かった。
 初めての児童たちとの対面。
 教室の扉を開けると子供たちが私を見ていた。
 挨拶をして今日の事を説明する。
 やっぱりまだ1年生だ。
 後ろで見ている親が気になって仕方がないみたいだ。
 こうして担任という立場で見ていると分かる事がある。
 それはFGだろうがSHだろうが子供という事には変わりない。
 黒いリストバンドをしている子供も同じように親を見ていた。
 体育館で入学式を済ませて教室に戻ると、週明けからの説明をする。
 説明が終わると子供達は教室から出る。

「片桐先生」

 そう呼び止めたのは山本恭一君と珠希ちゃんの両親だった。
 FGのリーダーだった山本喜一と女優の環奈さん。

「初めての子供の入学式に参加させないなんてふざけた事言うテレビ局なんて潰してしまえ」

 恵美さんがそう言って、東京支社長は頭を悩ませながらスケジュールを支社長自ら調整したらしい。

「そっか、もう片桐先生なんだな」

 喜一がそう言って笑う。

「そう呼ばれるのもあまり慣れてなくて」
「心配しなくてもそのうち瞳子ちゃんって呼ばれるようになるよ」
「生徒に舐められたらお終いだぞって勝次が言ってた」

 環奈さんが笑っていた。
 勝次もそんな風に成長してるんだな。

「恭一君達はSH?」
「多分そうじゃないかな。海翔に何かあったらすぐに姉に知らせろって言われたらしい」

 海翔じゃないのは多分茉莉や希美が暴れたいから。
 
「別に何かしてから反撃なんてしなくていい。見つけた奴を片っ端から窓から投げ捨てろ!」
「天音は子供に殺人をさせたいのですか!?」
「小学生で殺人なんて普通だろ!?」
「そんなわけないでしょ!」

 菫や茉莉自身も獲物を探してるらしい。
 あの子達だけは毎日荷物検査をしてるそうだ。
 そして毎日の様に持ってくる。
 没収して天音達を呼び出すけど天音は着信拒否。
 仕方ないから家に連れて帰って注意する。
 もちろん素直に聞く天音じゃない。

「護身用にもたせてるんだからいいだろ!」
「誰が日本で護身用に小学生に拳銃持たせるの!?」
「モデルガンだと思ってばれねーよ」
「そういう問題じゃないでしょ!」

 そうやって天音を叱ってる間に茉莉達は部屋で戦争ゲームを楽しんでいる。
 それを止めるべき天音も「お前上達したな?私が相手してやるよ」と言って相手しているらしい。

「老兵はただ去るのみって言うんだぞ?」
「ほざけ小娘。親の偉大さってのを教えてやるよ」

 水奈も同じような感じだと中山先輩から聞いていた。

「ま、まあ。まだ水奈も天音も十分現役だろ?」
「そうそう。去った方がいいのは亜依達だろ?」
「ば、馬鹿瑛大。俺がいる時に巻き込むな」
「お前らはそんな風に私達を見ていたのか?」
「瑛大、お前今日はちゃんと家にいろ。しっかり説教してやる!」

 まあ、恭一君達の事はまだ分からないし家庭訪問の時に聞けばいいか。

「ほら、お前らちゃんと挨拶しろ」

 喜一がそう言うと2人とも「よろしくお願いします」と言って頭を下げていた。
 喜一達が帰ると事務仕事をしながら桜子先輩達に言う。
 すると桜子先輩は不思議そうにしていた。

「なんで、喜一の息子がまともで翼達の子供はああなるの?」
「桜子先輩。その言い方は酷いですよ」
「なんでよ?」

 桜子先輩が聞くと私は笑って答えた。

「早く子供作れと言ったの桜子先輩ですよ?忘れたんですか?」

 私は片桐家の嫁ですよ。
 そう言うと桜子先輩は頭を抱える。

「お願いだからこれ以上困らせないで」

 そうやって訴える桜子先輩を見て自分の子供に期待を寄せていた。
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