姉妹チート

和希

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Shining ray

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(1)

「あ、愛莉。いらっしゃい。上がれよ」
「うん。お邪魔します。瞳子も」
「はい」

 私達はある日同じ母親同士相談したい事もあるだろうと、誠司君の嫁のパオラに会いに多田家に訪れていた。
 リビングに行くと誠さんが誠司郎と遊んでいるのが分かった。
 誠司郎も気分良さそうに楽しんでいる。
 そんな様子を愛莉さんとみていると神奈さんがため息を吐いた。

「あの馬鹿は毎日あの調子だから目を離せないんだ」
「娘じゃなくてよかったって神奈が言ってたけど、瞳子は大丈夫?」
「パオラ、それは違うの。それは誠司達だけなの」

 愛莉さんが説明していた。
 愛莉さんには雪を育てる手伝いをしてやれと冬夜さんに言われている。
 だけど手取り足取り指導しろとは言ってない。
 基本的には私と冬吾さんでやる。
 だけど雪はとにかく目を離せない子。
 だから冬吾さんがいる時は冬吾さんが雪を見ている。
 お風呂なんかは冬吾さんが入れてくれる。
 雪は大人しいいい子だ。
 冬夜さんが何を心配しているのか分からないくらいに。
 その雪は興味深々に雪を見ている誠司郎に怯えていた。
 今日が雪にとって初めての外出だからだと思うけど。

「しかし雪は結莉や茉莉と違って地味な髪の色になったな」

 神奈さんが驚いてた。
 当然だ。
 多分私に似たのだろう。
 しっとりした黒髪の女の子。

「トーヤはどうなんだ?なんか雪の事心配しているようだけど」
 
 神奈さんが愛莉さんに聞いていた。

「それがよくわからないの」
「どういうことだ?」

 神奈さんが聞くと愛莉さんが説明する。
 私にも不思議だった。
 仕事から帰ってくると雪を見ているけど特に何も言わない。
 私達にも特に指示を出さない。
 まるで何かを待っているかのようなそぶりを見せる。

「あいつまた何か企んでるのか?」
「分からない。ただ寝る前も私に色々質問してくるの」

 愛莉さんに昼間の雪の事を聞いていたらしい。

「まあ、冬夜がまだ動かないってことは大丈夫なんじゃないのか?」

 誠さんがそう言った。
 何もしない間は大丈夫。
 確かに天音が雪に声をかけてから雪の行動が少し変わった。
 私の周りをとことこ這ってうろついてる。
 時期的にもそう言う頃なんだそうだ。
 結局は母親の側が一番安心するのだろう。
 だから私達は冬夜さんが雪を気にしているのが不思議だった。
 冬吾さんも雪を気にしていた。
 
「将来雪は何を目指すんだろう?」
「冬吾さんはサッカー選手にしたいんじゃないの?」
「父さんが言ってたんだ」

 多分何らかの能力は持ってるだろうから本人が望んだことをさせてやれ。
 多分上手くいくだろう。
 ……ひょっとして。

「だから冬夜さんは雪を心配してるのかも」
「どういうことだ?瞳子」

 神奈さんが聞いてくると私なりの考えを説明した。
 片桐家の子供は何かしらの能力を持っているから、やりたいことをさせたらいい。
 その考えを真っ向から否定しているのが雪じゃないのだろうか?
 まだ幼い子に過剰な期待を背負わせるのは危険じゃないのだろうか?

「確かにまだこのくらいの子に期待を背負わせるのは酷な話だな」

 誠さんも同感の様だった。

「瞳子の言う事は当たってると思う。でも冬夜さんはまだ何か考えています」

 愛莉さんが言った。
 それでも何かしらの力を持って生まれていると冬夜さんは考えている。
 これから成長するにつれて何か兆候を見せるはず。
 だから愛莉さんに毎日結の事を聞いているのだろう。

「てことは冬夜の考え通りやっぱり雪は危険だという事か?」

 誠さんがそう言って雪を見ていた。
 雪は対照的に周りに危険なものが無いと判断したのだろうか?
 ただ見た事のない神奈さんを見ていた。

「しかし雪は大人しい子だな。瞳子、ちょっと抱かせてもらってもいいか?」

 神奈さんが言うと私は雪を神奈さんに預ける。
 驚くほどおとなしく神奈さんを見てぼんやりしてる。

「へえ、こんなに大人しい気弱な子がトーヤの娘とはな……」

 神奈さんがそう言って驚いていた。
 愛莉さんとも違う性格の持ち主みたいだ。

「まさかついに神奈の孫と冬夜の孫が結ばれるのか?」
「雪だったら文句はないな……。今のうちに婚約させとくか?」

 誠さんと神奈さんが喜んでいる。

「ふ、2人ともまだ早いと思うんですけど」

 パオラが困惑していた。

「そうか、パオラは片桐家の子供ってのがどれだけ貴重なのか分かってないんだったな」

 そう言って神奈さんが冬夜さんや空や冬吾君の事を説明する。
 片桐家の男の子を射止めた女性は絶対に幸せになれる。
 そんな夫を持った私は嬉しいけどプレッシャーも感じていた。
 その間、雪は何を考えていたのだろう?
 周りを見渡して何かを確認している雪の行動が分からなかった。
 家に帰って夕飯を食べてお風呂に入った後SHのグルチャで翼に相談していた。
 雪の行動は秋久に近いと聞いた。
 だから翼に相談するのが良いと思ったから。
 だけど大体善明が説明してくれる。

「きっと文字通り確認をしているんだよ」

 遮蔽物の向こう側に何か潜んでないか?
 目の前にいた誠さん達は敵か味方か?
 周りに私達を危険に晒す何かがあるかチェックしているのだと聞いた。
 だからリビングにいる冬吾さんと冬夜さんに聞いていた。

「雪はあのままで大丈夫なのでしょうか?」

 冬吾さんも冬夜さんを見る
 冬夜さんはにこりと笑って言った。

「まだ大丈夫。現に何も伝えてこないって事は無くなったんだろ?」
「まだってことはいつか何かあるの?」

 冬吾さんが聞いていた。

「空の息子の結覚えてる?」
「あ……」

 愛莉さんは知っていたらしい。
 冬夜は無意識のうちのその特異な能力を発揮した。
 それは何の前触れもなく突然起こる。
 今はまだ眠らせているだけかもしれない。
 使い方がわからないから隠しているのかもしれない。
 今はまだ行動範囲が狭いから仕方がない。
 問題はハイハイしたりしだして行動範囲が広がった時だ。
 秋久に近い性質を考えるとすでに歩けるのに隠し持っているという事だってありうる。
 その根拠は私にも分かった。
 結が「あー」と私に訴えるようになったのは天音がスイッチを入れてから。
 それがなかったら多分今の状態は無かっただろう。
 その考えが間違っていた。
 雪はすでにその段階に到達していたのに敢えて隠していた。
 冬夜さん達がいつも言っている事。

「奥の手は先に見せるな」

 それを結は自然に習得しているんだろう。
 それらを考えるとやっぱり怖いのは結。
 だから冬夜さんは雪を注意していたんだろう。

「……瞳子の言う通りだよ。生まれた時に雪の顔を見た時に感じたんだ」

 あの子は産まれて間もないのになんであんなに儚い感情を抱いているのだろう?

「それって雪にはまだ問題が残っていると?」

 愛莉さんが聞くと冬夜さんは首を振った。

「そこが違うんだよ愛莉」

 冬夜さんは説明した。

「……雪は違うの?」

 冬吾さんが聞いた。

「違うだろうね」

 どういう違いがあるのかはまだ説明できない。
 だけど父親と母親がしっかり見守ってやらないといけないのは雪だ。
 謎が一つ解けるとまた新しい謎かけが始まる。

「育児ってそういうものだろ?」

 一人一人違うのだから正解なんてない。
 雪はさすがに瞳子達だけじゃ荷が重いから協力はする。
 でも最終的な判断は二人でしなさい。
 冬夜さんはそう言っていた。
 雪はどういう女の子になるのだろう。
 ベビーベッドで静かに眠っている結を見ながら私は期待と不安が入り混じっていた。

(2)

「いくら何でも噓でしょ!?」

 翼が驚いていた。
 雪は普通ではありえない事をやっていた。
 まだ「抱っこ」とせがんで母親が困る時期。
 「魔の3ヶ月」と言うらしいけど比呂はそれを完全にスキップした。
 
「ほら、お姉ちゃんだよ」

 私がそう言うと雪はよちよち歩きながら手を広げて翼の足にしがみつく。
 それを翼が抱き上げていた。
 一緒に見ていた水奈や天音も驚いてた。

「天音の家の人間は皆こうなのか?」
「いや、結莉達でもここまでは無かった」

 天音は結の両手を掴んで上に引っ張り上げる。

「雪……立てるかなぁ~?」

 天音がそう言って手を離すと雪は立っていた。
 水奈も翼もさすがに驚くあまり声が出なかった。

「秋久に似てるって聞いてたからな。まさかとは思ったんだけど」

 秋久の特徴らしい。
 余計な事はしないで時期を見て合わせたらいい。
 多分雪も秋久と同じ事を考えている。
 天音はそう判断したらしい。
 長時間立っているのがきついのか、単に立っているのがしんどいのか分からないけどすぐに座っておもちゃを見ている。
 こうなるともう子供たちがどこまで成長しているのかさっぱり分からない。

「片桐家の最終兵器って事か?」

 水奈が天音に聞いていた。

「結ですら異常な能力持ってるのにこれは瞳子の手に負えるのか?」

 天音はそんな心配をしていたけど分からないと言った。

「なんでだよ?」
「雪が男の子なら制約が効く、だけど雪は女の子」

 片桐家の子供の特徴忘れてない?

「あ、そういう事か」
「なんだよそれ?」

 水奈が聞くと天音が答えた。

「片桐家の娘は母親を困らせると言う特徴があるんだ」

 誰が決めたわけでもないけどみんなそうなるらしい。
 さらに恋人が出来たら彼氏すら困らせる。
 男の子なら逆らえないという制約が働くけど女の子にはそれがない。
 翼達は自覚があって愛莉さんを困らせていたのだろうか?

「つまり誠司郎は苦労するってことか?」
「まだ決まったわけじゃないけどな」 
 
 さすがに0歳で告白することはないだろ?
 天音はそう言っていた。
 しかし翼は雪を見ていた。

「雪がどうかしたの?」
「あ、いや。なんとなく気になっただけ……。それより……」

 最近もちゃんと意思伝達出来てる?
 雪はそう聞いてきた。
 
「うん。それは大丈夫」

 家事が済んだ後に部屋に行って雪と遊んでいた。

「何しよっか?」
「あー」
 
 そう言っておもちゃを握ろうとしたり足にしがみついたり自分のやりたい事を教えてくれるようになった。
 たまに部屋に行くとベッドの下とかに隠れて私が探し当てるのを待っている。

「こんなところで何してるのかな~?」

 そう言うと驚いた。
 嬉しそうに笑っていた。
 初めて雪が感情を表に出した。

「多分瞳子の事を母親だと認識できるようになったんだと思う」

 翼はそう言う割には浮かない表情をしていた。

「何か問題があるの?」
「パパの言う通りだとすれば一つだけ問題がある」

 結がそうだったらしい。
 そろそろ何らかの力を使いだすはず。
 それは多分パパでも予測できない。
 だから瞳子も気を付けて。
 その力が雪を傷つける事もあるかもしれないから。
 そう言って翼達が家に帰る。
 ちょうど入れ替わりで愛莉さんが帰って来た。

「姑がいなくて少しは気分転換出来ましたか?」
「私愛莉さんの事そう言う風に思ってないんです」

 育児の先輩。
 夫婦生活のアドバイスをしてくれる人。

「なるほどね。夕飯の支度買ってきたからそろそろ始めましょうか」
「はい」

 そう言って雪をリビングに置いて支度を始める。
 様々なパターンを考えながら冬吾さんと相談しようと決めていた。
 だけど雪の不安はそんなものではなかった。

(3)

「少しくらい友達とお茶でもしてきたらどう?」

 愛莉さんがそう言うのでお言葉に甘えて出て来た。
 パオラも来ていた。
 同期の友達はみんな子供を抱えていた。
 男の子や女の子様々いる。
 結はそんな赤ちゃんをじっくり観察している。

「大丈夫、雪に悪さしたりしないから」

 そう言うと雪は私が飲んでいるものに注目していた。
 愛莉さんも言っていた。
 このくらいになると色々なものを口の中に入れ出す。
 結莉や茉莉、結は母親が口に入れている物だけを「口にしていい物」だと理解していたらしい。
 だからそばに小銭とかを置いていても口の中には絶対に入れなかった。
 雪も同じだ。
 さすがにまだレモンティーは早いと思うけど、それを察しているのが雪の凄い所。
 私が「食べてごらん?」と言うまで絶対に口にしない。
 片桐家の常識からやや外れているところがある。
 それは食欲。
 必要最低限の栄養の摂取しかしない。
 どんな状況でも生き延びる事ができるようにと考えているのだろうか?

「随分大人しい子だね」

 冬莉が言っていた。
 冬莉の娘の冬華は上手にグラスを掴んでジュースを飲んでいた。
 冬華もなんでもこなすらしい。
 ただ、やはり冬莉に似たのだろう。
 やる気と言うのが欠落していた。
 そして絶望的なまでに服装とかに気を使わない。
 それは愛莉さんが悩んでいた。
 冬莉も同じだから。
 放っておくと何日でも風呂に入らない。
 だけど冬莉も「汚れてないからいっか」と放っておく。
 そして志希が困っているらしい。
 志希も自分たちがツアーに言っている間恵美さんのやとった世話係に頼むけど「毎日風呂に入れさせてください」と当たり前の様な事を頼むらしい。
 その当たり前の事が難しいのが冬華。
 困った世話係が恵美さんに報告して、恵美さんが愛莉さんに相談する。
 そして冬莉が怒られる。
 怒らせると怖い片桐家の男子、やりたい放題やって親を悩ませる女子。
 愛莉さんもさぞ苦労したんだろうな。
 お茶を飲みながら話を済ませると家に帰る。
 帰る時にチャイルドシートに座らせるんだけど、その時の雪のしぐさが可愛くて仕方ない。
 結は自分でベルトをしようと懸命にしているけど、さすがにそこまでは無理らしい。

「母さんがやってあげるね」

 そう言ってシートベルトをすると雪はにこりと笑う。
 家に帰ってそんな話を愛莉さんにしながら夕食の準備をしていた。
 凄いのはソファに乗せて置いたら絶対に変に寝がえりを打とうとしたりしない事。
 したら落下するから危険だと分かっているみたいだった。
 雪は私以外の人間が抱きかかえようとすると冬吾さんですらその敵意を感じ取るらしい。
 冬吾さんは冬夜さんに相談していた。

「父親はね、母親と違う点があるんだ」

 それは赤ちゃんにとって母親は生まれた時から母親。
 だけど自分で産んだわけではない父親はそうじゃない。
 だからそれを教えていくしかない。
 それを聞いた冬吾さんは必ず一日に一回は「パパだよ」って結を抱えていた。
 そしてこの日やっとその努力が実を結んだみたいだ。

「あーあー」

 そう言って喜んでいる雪。
 そんな雪を初めて見た冬吾さんも喜んでいた。

「冬吾達が小さい時も父さん達はそうだったんだ」

 冬夜さんがそう言っていた。
 子供が些細な事でも変化を見せると喜ぶのが親だ。
 その気持ちをずっと忘れてはいけない。
 どんなに子供の事で悩んでいてもそれを思い出したらなんとかなると思えるから。
 子供は親にとって宝物なんだ。
 親にとって希望の光。
 この子達の未来を想像するだけで疲れが消える。
 そうやって親子でいろいろな事を乗り越えていけばいい。

「しかし冬莉や天音、茜の娘が不安で仕方ありません」

 さすがに「お年玉渡してからくたばれ」とか言われたら不安にもなるだろう。
 雪の笑っている顔を見るとそんなに難しい問題はないような気がした。
 しかし雪の名前に込められた意味。
 この先に待ち構えている無数の試練を私達はまだ知らなかった。
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