姉妹チート

和希

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Dear My Friend

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(1)

「久しぶりじゃない、私達だけになるのって」

 亜依の言う通りだった。
 冬夜さんが提案してくれた。

「いつも男性陣だけで話してるからたまには女性陣だけで盛り上がると良いよ」

 そう言っていつも余計な事をする瑛大君や誠君を説得して女性だけになった。

「しかし参ったわね。愛莉」

 晶が疲れ切っていた。
 それには理由がある。
 今日は海でキャンプの日。
 だから子供達は海で遊んでいた。
 結達も大きくなったから年下の子供の世話をしていた。
 問題はその後に起こった。
 茜が突然叫びだす!

「着替えるならちゃんと更衣室使いなさい!あとシャワー浴びてからにしなさい」

 茜の娘の椿に注意していた。
 それで椿が素直に言う事を聞くわけがない。

「海で洗ったから大丈夫だよ!」
「海水で洗っても意味が無いから!」
「同じ水じゃない!」

 これが母親と娘の日常会話という事が恐ろしい。
 晶も一緒だった。

「潤子!ちゃんとシャワー浴びてきなさい!」
「月に一度入ればいいって言ったの晶だよ!」

 そう言って晶に反抗していた。
 泉もどう注意していいかわからないらしい。
 しかも「風呂にただ入ればいい」と3人共解釈している。
 1人増えていのは冬莉の娘の冬華も一緒だったから。
 清潔にしておかないといけない部分もある。
 しかしそんなの関係なしに体にシャワーをかけとけばいいと思っている。
 入浴時間が1分足らずの女の子。
 さすがに小学生になると父親が一緒に入って洗うという事は出来ない。
 それを3人とも分かってやってるから厄介だ。
 挙句髪を洗えば乾かすのに時間がかかるという事を理解しているからしない。

「そんなの自然乾燥でいいんだから」

 この母親は何を言っているんだ?という事を3人の母親は平然と言う。
 孫娘の面倒を見るよりまず母親を何とかしないといけない。
 しかし何度注意してもすぐに元に戻る。
 茜は家で私達の世話をすると言っていたけど、間違いなく私に椿たちの面倒を見させるつもりだったのだろう。
 しかし意外なのは晶の孫娘の潤子も同じだという事。
 晶の今最大の悩みらしい。
 晶を悩ませる泉と潤子は凄いなと思った。

「それが潤子だけじゃないのよ」

 千秋の方も潤子に負けずに晶を悩ませていた。
 最初にまずいと思ったのは泉らしい。

「どこでその服買って来たの!?」
「ほら、バイパス沿いにある服屋さん」

 服屋というのはあっている。
 ただし職人とかが着る作業着とかの専門店だった。
 千秋はスタイルは晶レベルの物を持ってるけど、絶望的にセンスがない。
 どこの世界に作業着着て登校する小学生がいる?
 どうしてそんな作業着が着れたか?
 簡単だ。
 晶に似てスタイルは良い。
 それはボディラインだけの話じゃない。 
 2年生にしては恐ろしいくらいに背の高い女の子だった。
 普通の量販店の服を着ているだけで美少女に変わるのに千秋はその持って生まれた美貌をどぶに捨てていた。

「だってこの作業着凄いんだよ?」

 扇風機を内蔵しているらしい。
 だから涼しいからいいでしょ。
 それが千秋の意見だった。

「あなたモデル目指してるんじゃなかったの?」
「モデルだから別に仕事の時はデザイナーが作ってくれるんでしょ?」

 だから普段は自由に好きなの着ていたらいい。
 千秋はそう解釈したらしい。
 泉は天音に相談していた。
 どうして天音か?
 茉莉も同レベルのセンスを持っていたから。

「頼む!母さんが選んでやるからそれを着てくれ!」

 茉莉の普段の服装を見たら私に怒られる。
 今はだいぶましになったそうだ。
 茜や冬莉みたいに家の中を裸でうろうろしたりしない。
 部屋着をちゃんと着ている。
 Tシャツにジャージで家の中では過ごしているらしい。
 その格好でコンビニに買い物に行ったりするのが悩みらしい。

「お前は田舎のヤンキーか!」
「田舎じゃねーか!」

 コンビニまで歩いて5分かかるんだぞ!
 そんな根拠で茉莉は反抗しているそうだ。
 さすがにそんな姿でうろうろしている孫娘を見せられないと大地と天音は色々考えているけど、茉莉のセンスが根本的な問題だから解決できるはずがない。

「なんでその事をもっと早めに教えてくれなかったの?」

 恵美が天音に聞いていた。

「だから、そんな事知られたら大地の命がやばいと思ったから」

 それに大地のセンスが破壊されているから天音が何とかするしかない。
 しかしどうしても改善する糸口が全くわからない。
 そうこうしてる間に高校生になってしまった。
 まだ大体の時間が制服だからいい。
 しかし大学生になったらそうはいかない。
 
「そこまで言うなんてどのくらい酷いの?」

 穂乃果や花菜が気になったらしくて私に聞いていた。
 私と恵美はため息を吐いていた。

「こっちの方が穿くだけだから楽だろ?」

 学校にブーツで来るなとは書いてるけど長靴で登校するなとは書いてない。
 だから晴れてる日も長靴で登校していた。
 レインシューズならまだしも長靴だ。
 それも……

「お前はセリでも始める気か!」

 天音がそう怒るくらいの魚屋さんとかが履いてるレベルの長靴。
 中学の時もそうだった。
 冬は防寒着を許されていた。
 コートくらいならいいだろう。
 マフラーくらい大目に見よう。
 だけど茉莉がそんな生易しい真似をするはずがない。

「いつからお前は建築作業員になったんだ!?」

 茉莉は制服の上からドカジャンを着て首の周りにわざわざマフラーじゃなくてタオルを巻いていた。
 そんな話を続けていると花菜も穂乃果も言葉を失っていた。

「亜依はそう言うの無いの?」
「亜依……すまん。うちのバカ娘のせいだ」
「いいの。学も水奈が責められると思って私には黙っていたみたい」

 妻を庇ういい夫だ。
 長男の悠翔もとてもいい子だと聞いている。
 問題は優奈と愛菜だった。

「お前らも銃の扱い方覚えてるんだから持っておけばいいんじゃないか?」

 そう言って抗争の時に渡された拳銃を未だに持ち歩いているらしい。
 でもそれって変じゃない?

「銃弾はどうしてるの?」
「私が渡してるけどどうかした?」

 恵美が定期的に補充しているそうだ。
 女の子だから防犯グッズくらい必要でしょ?
 恵美は悪びれもなく言っていた。

「恵美の言う通りかもね。優奈達は結莉達みたいに能力ないし」

 むしろそれが普通なんだけど……

「……琴音たちは?」
「あの子は遊を困らせる事に生きがいを感じているみたい」

 ある日会議が長引いて遅れた日の事だったらしい。

「今日遅かったね。誰と会っていたの?」
「ああ、今日はちょっと仕事が長引いたんだ」
「そんな言い訳私には通用しないよ」
「本当だって」
「ママに飽きたならな私がいるのにどうして他の女性に手を出すの?」
「い、いや。そういうわけじゃなくてだな」

 なずなは面白がって亜依に知らせたらしい。
 それ以外はちゃんと弟の進や妹の朱鳥の面倒まで見てくれるそうだ。

「いい?パパがママに飽きたらまずは私が優先なんだから手を出したらダメだよ」

 そんな事を朱鳥に指導していたらしい。
 遊の方が可哀そうになって来た。
 しかしそれよりも穂乃果と花菜がきまずそうだ。

「2人は何か困った事無いの?」
「それがさ……」
「全くないんだよね」

 2人の孫の光一君はそれはもうイケメンらしい。
 女性にも優しくしていてすでに楠木碧という彼女もいるらしい。
 碧も母親の影響を受けた天才的なピアニストでコンクールもいくつも賞をとっているそうだ。

「そう言われると私もそうですね」

 桜子が言っていた。
 親譲りの運動センスでサッカーなどで活躍してるらしい。

「花菜と穂乃果が羨ましいよ」

 神奈がそうぼやいていた。
 桜子はその分学校で苦労してるだろうから。

「でも正俊が言ってたぜ。今年は平和だって」
「多分海翔達が卒業してるしな」

 茜や冬莉の子供がいるけど茉莉達がいなくなったら平和にもなるだろう。
 不安だったFGの復興も空が完全に潰したから。

「まあ、桜子ももう少しで定年だろ?終わったら何かお祝いでもしてやるよ」
「それはいいわね。男共が混ざるとろくなことないから女性だけでやろうか?」

 問題を起こすのはきっと瑛大君と誠君。
 誰もそう言わなかった。

「しかし子供の世話から解放されたと思ったらまさか孫が問題起こすとはな……」
「神奈は大丈夫だよ。心配だった遊も変わったみたいだし」

 瑛大君みたいになったらどうしようかと亜依は悩んでいたらしい。

「愛莉は大丈夫か?多分一番大変なのお前だぞ」
「そうね。あらゆる孫が問題起こしてるじゃない」
「……それでもあまり手を出したらダメって冬夜さんが言うの」

 そうすればきっといつか愛莉の気持ちが分かった娘が感謝してくれるよ。
 でももっと大事なのは母親の苦労を知った上で自分が子供だった頃の気持ちを思い出す事。
 そうすればきっと娘達もちゃんと育つよ。
 その結果が椿や冬華の風呂嫌いなんだけど。

「でも、千秋と茉莉のセンスはどうにかしないとまずいな」

 神奈が言っていた。

「部活生がそうなんだから別にいいだろ!」

 そう言って休日の朔とのデートにジャージで行こうとした茉莉を必死で大地と天音が止めたらしい。
 大地に至っては美希に相談したそうだ。
 それを美希が誤解して「大地が女装に興味があるみたい」と恵美に相談して大事件になった事があった。
 きっとパーティとかに行って茉莉や千秋を見て笑ったら間違いなく抹殺されるだろう。
 だけど二人とも女の子。
 多少は傷つく……かもしれない。

「でもどうして結莉はそうならなかったのかしら?」

 恵美が不思議そうにしていた。
 天音も海翔がそうなると思っていたらしい。
 だから私が答えた。

「結莉は芳樹が相手だから」

 ショッピングをしてたら芳樹が女性を見ていたり、レディースの服の売り場で服に見とれていたりする。
 もちろん普通の女子なら怒り出す。
 だけど相手は芳樹だから、結莉も気づいたんだろう。
 芳樹にあんな服を着て欲しいなとか、来たら似合うだろうなとか芳樹は考えている。
 他の女の子の事なんて絶対考えたりしない。
 常に自分の事を考えてくれる。
 だからそういう服を選んでるだけ。
 それだけで芳樹が喜んでくれるから。
 根拠はある。
 冬夜さんがそうだったから。

「さすがは片桐家ってわけか」

 神奈が言う。

「かもね、だから茉莉もそうなのかも」
 
 片桐家の娘の特性をしっかりあてはめている。

「じゃあ、千秋はどうなの?」

 晶が聞いていた。
 私はにこりと笑って答えた。

「そもそも泉がそうだったじゃない」
「……そういうわけね」

 晶はそう言ってため息を吐いた。
 その報いとばかりに潤子や千秋がやりたい放題やってる。
 ただそれだけの話。

「でもこうやってゆっくり話す時間も大事みたいね」

 恵美が言うと皆頷いていた。

「善君もそうだったのね」
「……明日の朝はお返しに男だけで話をさせてあげようか?」
「誠と瑛大は絶対だめだけどな」

 晶と亜依と神奈がそう言っていた。
 あまり遅くなると朝が辛い歳になったからそろそろ寝る事にした。

「どうだった?」

 テントに入ると冬夜さんが起きていたみたいだ。

「てっきり先に寝てると思ってましたけど」
「もっと大騒ぎしてそうだけどやけに静かだったからどうしたんだろ?と気になってね」
「おかげでとても楽しい時間でした」

 そう言って冬夜さんに話を少しだけ教えた。
 
(2)

「あれ?誠司郎、早いね」
「雪こそはやいな。どうしたんだ」

 なんとなく眠れなくて起きただけ。
 波の音や鳥の囀りが聞こえてくるし、蒸し暑いし。

「……よかったらちょっと散歩しないか?」
「うん」

 誠司郎が誘ってくれたから一緒に散歩することにした。
 他の人と話すのは苦手だけど、誠司郎にだけはいろんな話が出来る。
 幼稚園であった事とかも話をしていた。
 亜優とのことも話してくれる。

「雪には関係ない」

 なんてことは言わない。
 話していた内容を詳細に話してくれる。

「何もないから心配しないでいいよ」

 そう言わんばかりに声をかけてくれる。
 少し不安だったけど今は誠司郎を信じることが出来る。
 この人になら裏切られても諦めよう。
 この人ならしょうがない。
 誠司郎に限ってあり得ない。
 そんな風に思うようになっていた。

「雪は他に友達作らないのか?」
「作る必要ないと思ったから」
「もっといろんな友達作ったほうがいいぞ」
「どうして?」
「普通女の子同士で話したりしないのか?」

 誠司郎が聞くから答えた。

「誠司郎は女の子同士の話ってどのくらい知ってるの?」
「そんなの知るわけないだろ」

 だよね。

「多分予想はしてると思うけど誰が誰を好きかとか」
「うん」
「でもその続きがあるの」

 この子は私が好きなんだから横取りしないで。
 そんな負の感情もにじみ出てくる。
 そんなのが分かるからあまり踏み込みたくない。
 例えば誰かが誠司郎を好きって言ったら私もそんな感情を持つかもしれない。
 そんな嫌な女になりたくない。
 
「けっこうドロドロしてるんだな」
「そうだよ」

 男の子は違うの?

「アニメの話とかあんまり恋愛関係はないかな」

 精々保母さんの胸を触ったりするくらいだ。
 その時点で人生終わってる気がするけど。

「私は期待してていいよ」
「あ、あんまり気にしてないから」
「少しは期待してよ」
「……雪も変わったな」

 え?
 前の雪ならそんな風に俺に話しかけてこなかったろ?
 言われてみるとそうだ。

「誠司郎だけだから」
「知ってるよ」
「そろそろ戻ろう?」

 お腹空いた。
 
「そこは片桐家なんだな」

 2人でテントに戻る。
 私上手くやれてるかな?
 私達上手くやれるかな?
 きっと大丈夫。
 今の誠司郎なら私を預けられる。
 朝の爽やかな風を受けながら手を繋いで戻っていた。
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