姉妹チート

和希

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Fluegel

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(1)

「ちょっと進!なんでそんな物買ってるの!?」
「え、かっこよくね?似合ってないかな?」
「そういう問題じゃなくてどうせ買っても使う場所ないでしょ!?」

 新選組の羽織なんてどこで使うつもりだ!?
 またなずなに怒られる事くらいわからないの!?
 あんた小学生の時に模造刀買って怒られたの忘れちゃったの!?
 そんな風に兄の進と口論していると一人の同級生の女子が仲裁にはいった。

「進君もまだ子供なんだよ。男の子って同い年だとそう見えるみたいだよ」
「まあ、そうなんだけどさ」

 そう言って私はその子に近づいて囁いた。

「本当にこんなガキでいいの?」
「……うん」

 少し恥ずかしそうにしているその女子の名前は西川奈々。
 いつもあほみたいに元気な進が気に入ったらしい。
 それで双子の妹の私に相談してきた。
 それでも奈々にとっては思い切った行動だと思う。
 いつも教室で静かに小説を読んでいる文学系少女。
 こんな馬鹿に似合わないと思ったのだけど……。

「ああいう元気な人に憧れちゃって」

 そう言って顔を真っ赤にして俯いてしまっていた奈々をみてこの子なら兄の彼女としては申し分ないと判断した。

「どうせ俺は子供だよ」

 そう言ってどこでみつけたのか串団子を食べて不貞腐れている馬鹿兄がいる。
 本当に大丈夫なのだろうか。
 私も橋渡し役になって二人を話させようとするのだけどスマホのゲームに夢中になっている馬鹿だった。

「私の事興味ないのかな?」

 そうやって自信がどんどんなくなっていく奈々に説明した。

「自分で言ってたじゃん。進はまだ子供なんだって」
「そうだけど……女子にくらい興味が湧く年頃じゃないかなって」
「あのさ、その女子に興味を持ちすぎたど変態が私の祖父なの」

 自分の祖父をあまり自慢したくないけど、祖父を使って説明する方が早いと思ったので仕方なくした。
 多分あそこまではないだろうけど進も同じように女子に興味はあると思う。
 でも、奈々の言う通りまだ子供だからゲームとかの方が楽しいんだろう。
 男子って不思議な生き物だとなずなが言っていた。
 女子に興味があるのに恋愛にはどこまでも奥手らしい。
 変な動画は見る癖に自分の彼女には同じ真似をしないそうだ。
 祖父は例外だけど。
 だから奈々は心配しないでいい。
 奈々が進が好きってちゃんと伝えたら進は考えてくれる。
 だって好きな人が現れてそれから始まるのが恋だと聞いた。
 だからまずはスタートラインに立つところから始めよう。
 仕掛けるのは今夜いくよと奈々に言う。

「どうして?」
「明日は大阪のテーマパークでしょ?」

 だったら2人で楽しみたいでしょ。

「……そうだね」
「そんなに緊張してるとミスるよ」

 一言”好き”って言うだけでいいんだから。
 ホテルに着くと部屋に向かう進に声をかけた。

「風呂済ませたらロビーに来て」
「なんで?」
「いい知らせがあるから」
「なんだよそれ?」
「楽しみにしときなさい」

 よく事情が分かってないらしい進は首を傾げながら部屋に戻って行った。
 風呂で奈々と打ち合わせをする。
 と、言っても……。

「場所は私がセッティングした。でもここからは奈々自身の力でやらないと意味が無い」

 あいつに私が言うから交際を始めたなんて馬鹿げたことを言わせないためにも……

「で、でも大丈夫かな?」
「大丈夫よ。進に好きな女子がいるなんて事聞いたこと無いから」
 
 それは私の彼氏の渡辺正文からも聞いている。

「それって私にも興味ないってことじゃないの?」
「そうだよ」
「だめじゃない」
「わかってないな~」

 男子と言う物は女性の裸に興味はあっても付き合いたいとかそういう気持ちよりゲームなんかに現を抜かす謎の生き物。
 だけどなずなや祈達が言っていた。

「その代わり自分の事を好きだと言ってくれる女子が現れると喜ぶんだ」

 そうなったときにどう対応したらいいかわからないのもあるけど、そんなのとりあえず”恋人”という事実が出来上がってから私達と行動したらいい。
 まずは奈々が進に気持ちを伝える事が大事。
 ラブレターとかも考えたけど時期的に修学旅行を利用した方がいいだろう。

「朱鳥さん一緒にいてくれるよね?」
「いいよ。でも、黙って見てるだけ。ちゃんと自分で伝えた方がいいよ」
「……うん。分かった」

 奈々も覚悟を決めたようだ。
 風呂を出ると2人でロビーに向かう。
 すると進が待っていた。

「相変わらず遅いな。ってなんで西川さんがいるんだ?」

 本当に察しの悪い男だな。
 私は奈々の背中を叩く。
 すると奈々は話し出した。
 一言ずつ彼女らしい文学的で詩的な言葉を綴っていく。
 そして最後に「そんな進君が好きです。付き合ってください」と言っていた。
 きっと今でも逃げ出したい気持ちなんだろう。
 よく頑張ったと褒めてあげたい。
 でも奈々を喜ばせるのは私の仕事じゃない。
 
「まじで俺でいいの?」

 やっぱり進だって女子に興味がないわけじゃなかった。
 奈々レベルの女子に好きと言われて喜ばない男子がいるわけない。
 進は興奮を抑えているようだった。

「私でいいですか?」
「あ、ああ。よろしくお願いします」

 じゃあ、また明日と部屋に戻ろうとする進の腕を掴んだ。
 まあ、恋人なんていた事無いから当たり前なんだろう。
 頭の中で舞い上がって肝心な事を忘れている。

「進はこれからどうやって奈々をデートに誘ったりするの?」
「学校じゃだめなのか?」

 この男は……

「あのね、好きな人っていうのは学校で会えない時間も好きな人の事ばかり考えて寂しいと感じるものなの」

 進はどうせゲームのヒロインの事くらいしか考えていないんだろうけど。
 ちなみに正文は食事を始めると私の事なんて完全に忘れている。

「で、どうすればいいんだ?」

 しょうがない兄だな。

「連絡先の交換くらいしなさいよ。話したい事とかあるでしょ?」

 ないとか言ったら優奈達に殺されるぞ。
 進は「あ、そういうことか」とスマホの番号を教えていた。
 一通りの事を済ませると「じゃ、また後でメッセージ送る」と言って進は部屋に戻っていった。

「朱鳥さん。ありがとう。私夢でも見てるのかな」

 今にも泣きそうな奈々の肩を叩く。

「これくらいで幸せとか言うな。これからが大変なんだ」

 覚悟しなさい。
 これからもっと幸せになれるから。
 
「うん、楽しみにしてる」

 そう言って部屋で同室の女子に報告しながら奈々は私に進の好みとかを聞きながら、進とメッセージをやり取りしていた。

(2)

「奈々、お待たせ。紅茶でいいんだっけ?」
「うん、ありがとう……。ごめんなさい」

 申し訳なさそうに俺が差し出した紅茶を受け取る奈々。
 突然告白されて、突然付き合う事になった。
 朱鳥の奴は知っていたみたいだけど。
 で、告白のあった翌日は大阪のテーマパークで自由行動を楽しんでいた。
 しかし俺の中では奈々は大人しい静かな子だ。
 黒髪のおさげなのがそれを示している。
 清純さの塊のような奈々がいきなり彼氏とデートだといってテーマパークで遊べるはずがなかった。
 朱鳥たちに振り回された挙句疲れてしまったので俺と奈々だけ休憩をしていた。

「進君も遊んできていいのに……あ、ごめんなさい」

 謝ったのは俺が「進でいいよ」と言ったから。
 気にする事無いのに。

「気にするな。俺達の中でそんな真似をしたら八つ裂きにされるんだ」
「それは困るね。折角幸せになれたのに」

 そう言ってはにかんでいる奈々がとても可愛らしかった。
 俺とは全然不釣り合いだと思うのにどうして俺なんだろう?
 そんな事を奈々に聞いていた。

「昨日の説明じゃ分かりづらかったかな?」
「あ、いや。昨夜は好きだと言われた時から舞い上がっていて……よく覚えてないんだ」
「そっか。……少し時間あるよね?もう一度説明するね」

 そう言って奈々が説明を始めた。
 SHの中では希少種の女子なのが西川奈々。
 休憩時間も席に座って大人しく本を読んでいた。
 そんな中俺は正文たちとスマホでゲームをしていた。
 楽しそうに過ごしている俺を羨ましいと思ったそうだ。
 だけどなかなかその輪の中に入ることが出来ない。
 そんな奈々に気づいた俺がある日「どんな本を読んでいるんだ?」と聞いたらしい。
 うん、なんか難しそうな説明で覚えていない。
 そして問題の一言を言った。

「いつも本を読んでばかりで面白いか?」

 もっと楽しい事あるんじゃないのか?
 ティーンエイジャーって言葉もあるじゃないか。
 もっと楽しい事探してみる事も大事なんじゃないのか?
 そんな一言が奈々に突き刺さったらしい。
 それでも奈々にしてみたら難しい事だった。
 自由に空を飛び回るのが俺だとしたらそれを小窓から見ているのが奈々。
 どうしたら俺の世界に飛び込める。
 いっそ俺にそんな世界に連れて行って欲しい。

「私の翼になって欲しい」

 それが奈々の理由だった。
 要するに一緒に遊びたいってことか?

「まだ難しかったかな?」
「いや、なんとなくわかった。ようは色々教えてやればいいんだろ?」
「うん」
「でもさ、そんな急には無理だ。ひな鳥だって最初に飛び立つのが大変だって聞いた」

 だからゆっくり奈々のペースに合せるよ。
 時間は無限にあるんだ。

「よろしくお願いします……ところで一つ聞きたい事があるんだけど」
「どうした?」

 すると彼女は頬を赤く染めて俺の耳に口を近づけるとそっと囁いた。

「下着の色の好みとかあるの?」

 多分吹き込んだのは朱鳥の仕業だ。
 あいつめ……

「それってさ。俺が教えたらそれを買うのか?」
「う、うーん。あんまり派手なのは恥ずかしいかな」
「仮に買ったとしてどうやって俺に見せるつもりなの?」
「それもそうだよね……」

 やっぱり私じゃ魅力無いのかな?
 そうじゃないよ。

「俺の趣味に合わせるんだったら奈々のお気に入りでいいよ」
「どうして?」
「だってそれが楽しみだから」

 普段大人しい奈々がどんな下着を穿いているのか?
 どんな体型なのかが楽しみだと伝えた。

「進もやっぱり男子なんだね」
「この歳で同性愛とか終わってるだろ?」
「私は確かに終わっちゃうね」
「……今の気づいた?」
「え?」

 俺の事自然に”進”と呼んだろ?
 そう伝えると奈々は気づいたようだ。

「少しずつ進歩していけばいいよ」
 
 いつかたどり着くべき場所にたどり着けるから。
 そのための翼が欲しいと言うなら俺がくれてやる。

「でもさ、朱鳥さんが言ってたんだよね」
「何を?」
「進にいつ押し倒されてもいいように準備はしておけって」

 あいつめ……

「そんなにあせらないでもいいよ」
「でも進もそういう動画とか見るんでしょ?」

 やっぱり中学生だけど彼氏にそう言うの見られるのは嫌だと伝えて来た。
 ちょうどそのころ朱鳥たちが戻ってきた。

「お、いい雰囲気みたいじゃない。進もやればできるんだね」
「朱鳥は奈々に何を吹き込んだ!?」
「別に、私がパパに下着姿で迫っていたのを進もしっかり見てた事とか……」

 お前正文が聞いてるのにいいのか?

「大丈夫。正文全く私に興味ないから」
「そ、そんなことないだろ?」
「この前胸揉んだ時”肉まんの方が柔らかいね”って平然と言ったの忘れてないよ!」
「だってましゅまろみたいだって聞いたからさ」
「そうじゃなくてどうして食べ物で例えようとするの!?」
「……て、いうか朱鳥父親を誘惑してたの?」

 話を聞いていた美海が朱鳥に聞いていた。
 普通はないよな。
 だけどこの世界は特殊なんだ。

「どうせパパは娘の裸に興味ないから面倒だしいいじゃんって冬華が言ってたよ」

 冬華の母親の冬莉もどうでもいいと思ってるらしい。
 祖母の愛莉さんが激怒していたけど。

「……私には無理かも」

 話を聞いていた奈々がそう言って落ち込んでいた。

「無理なのが普通なんだから気にするな」

 とか、言っても納得しないだろうな。
 そういう時のいい言葉を先輩の石原海翔から聞いていた。

「いつか俺にだけ見せてくれたらいいよ」

 俺も奈々にしか興味ないから。

「進も男の子なんだね。……えっち」

 そう言って奈々は笑っていた。
 この笑顔を守る為に俺はこれから努力していくんだなと思った。

(3)

「へえ、そうなんだ。よかったじゃん」
「うん、あいつには荷が重いんじゃないかと思ったけど」

 私は妹の朱鳥からの報告を聞いていた。
 どうやら弟の進に彼女が出来たらしい。
 性格的に合うのか心配だったけど無用だったようだ。
 今日も上手く話をしていたみたいだった。
 しかし不思議な話だった。
 妙な動画は見る癖に彼女の裸には一切興味を持たない男子。
 女子とはいえ中学生になったらそれなりに発達してるはずなのに。
 その話は天音や茉莉には禁句だった。
 ちなみに水奈の娘の優奈と愛菜は標準らしい。
 それを知った水奈が旦那の学と言い争いになった。

「これはいったいどういう事だ!?」
「何のことを話しているんだ?」
「なんで娘の方が胸があるんだよ!?どう考えてもお前の血だろ!私に対するあてつけか!?」
「……水奈はその話を神奈さんに出来るのか?」
「私は小さい方だから別だろ?」
「ああ、そうだ。誠さんから聞いたことがあってな」

 そう言って学が水奈に説明したらしい。
 水奈が小さいと言っても母親の神奈さんよりはそれなりに胸がある。
 その事を気にしているそうだ。
 だから誠さんはその話には触れずに優しく触っているらしい。

「恥じらってるお前が世界で一番かわいいよ」

 余計な一言を言って「このど変態!」と怒鳴られたそうだ。
 だから優奈も愛菜もあまり水奈の前では話題にしないらしい。
 その代わり悠翔の部屋で話すそうだ。

「樹理ってどうなの?」
「そんなの体育の着替えの時に優奈達がみてるんじゃないのか?」
「男目線でどうなのか気になるから聞いてるの」
「……どう思ってるかなんて優奈達に話すと思うか?」

 それが樹理に伝わったら大変だと悠翔は説明したけど優奈達はそうは受け取らなかった。

「……って事は誰かと話をしているんだ?」
「まあ、亜咲とかは聞いてくるな」
「で、悠翔はどう返したの?」
「ああ、海翔が上手い返し方を教えてくれたよ」

 自分だけの宝物だから秘密だよ。
 海翔はそう言って難を逃れたらしい。
 海翔は誰から聞いたんだ?
 なんとなく予想は着くけど。
 その予想通り結から聞いたそうだ。
 しかしそのやりとりを見ていた天音が怒り出す。

「空!お前他人の息子に何ふざけた事教えてるんだ!?」

 どこがふざけた事なのか分からないけど様子を見守っていた。

「水奈とか天音とか気にしてるみたいだし……」
「ふざけるな!お前絶対他に理由あるだろ!?」

 こういう時はやけに勘が鋭い天音。
 そして天音の予想通りだった。

「美希の事なんて他人に教えてもしょうがないだろ」
「ちょっと旦那様!それどういう意味ですか!?」
「だから美希の裸なんて僕だけが知ってればいいだろ?」

 上手い事誤魔化して逃げて見せる。
 片桐家は恋より飯だけど恋人には徹底的に優しい。
 その事は海翔の彼女の優奈から聞いていた。

「くそぉ、あの時力づくでも空を奪っておくべきだったか」
「水奈。頼むから夫の前でそういう事を言うのは止めてくれ」
「水奈。多分それは無理だ。美希はあの胸で空をかすめ取ったんだ」
「天音、人聞きの悪い事言わないで」

 単に美希が初めて空の事を好きだと言ってくれて嬉しかった。
 ただそれだけの話。
 そして空は片桐家の男子らしくひたすら美希の事だけを想っている。
 ……その倍くらい食い物のことを考えているのが片桐家の血筋。
 それは優奈から聞いていた。

「ここで食べるの?」
「だって女子ってうどん好きなんだろ?」
「それはいいんだけど……その天ぷらの量何?」
「優奈も遠慮しないでいいよ。小遣いはしっかりもらってるから」

 下手するとそのうどん屋を買収しかねない小遣いを持っている海翔。
 その資金をもってうどんやのチェーン店をデートのランチの場所に選ぶセンスは間違いなく片桐家のものだ。
 その話を聞いていた天音は笑っていたけど、大地や恵美さんや愛莉さんは頭を抱えているそうだ。

「もう少し美味しいもの食べさせるべきかしら」
「恵美、それ無理だと思う。スペインにいた冬吾は冬莉にカップラーメンを送るように頼んでたみたい」
「この前テレビでやってたじゃないか。カップラーメンもご当地物は美味しいみたいだよ」
「冬夜さんがそういう考えだから今問題になってるのがどうしてわからないんですか!?」

 そんなやりとりが普通にあるのが片桐家。

「快はどうなの?」

 優奈が聞いてくるから答えた。

「快はもう慣れてるみたい。それどころか着替えてる時にチェックするみたい」

 私の彼氏の栗林快とは長い付き合いになる。
 私の下着を見て今夜抱いていいのかどうか判断するらしい。
 別に引き出しの中を見せたわけじゃないけど長年の付き合いで大体把握してるみたいだ。
 そんな話をパパにしたら少し機嫌が悪かった。

「じゃあ、パパにもみせてあげようか」
「俺にはなずながいるからいいよ」
「なずなだけじゃつまらないでしょ?」
「他人の旦那を誘惑するな」

 そう言ってなずなに叱られる毎日。

「でもなんで男子ってそういう事彼女に聞かないんだろ?」

 愛菜が疑問に思ったみたいだ。
 それなら私が説明できると皆に言った。

「琴音はわかるの?」
「うん、同じ事快に聞いたから」
「なんて答えたの?」
「女子と同じだよって言ってた」

 同性同士だから話せる馬鹿な話。
 そんな話を彼女に言ったら激怒すると思ってるから言わない。
 まだ夫婦じゃない、恋人だ。
 どんな些細な事で幻滅するかわからない。
 だからそういう話を避けるそうだ。

「確かにそうかもね」
「でもそれ1つ疑問があるんだけど」

 優奈が聞いていた。
 大体想像つく。
 想像通りだった。

「私達のじいじはどうしてああなんだろう?」

 色々考えたけど結論は最初から決まっていた。

「変態だから」

 成長するにつれてじいじたちの目線が気持ち悪いものになる。
 その事を母親に言うとすぐに亜依や神奈に伝わって大ゲンカになる。

「私達の未来の旦那様はどうなるんだろうね」

 いつか終わるこの物語。
 だけど終わることを恐れずに生きて行こう。
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