優等生と劣等生

和希

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1stSEASON

祭りと花火

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(1)

某中学校グラウンドにて。

「あっ!」
「惜しい!」
「頑張って~!」

僕たちは、誠の……上田南中学サッカー部の応援に来ていた。
時間は後半戦ロスタイム。
点差は1点差で負けている。
誠に3人のマークマンがついていて。思うようにパスが通らない。

ピッピッピーッ!

無情にも試合終了のホイッスルが鳴る。
上田南中学は県予選決勝で負けた。


「惜しかったよな~」
「惜しかったね~」
「まあ、しょうがないよな。誠に3人もついてたら」

帰りながら感想を言う。

「冬夜君がいたらわかんなかったよね」

買いかぶり過ぎだ。

「そんなことないよ」
「誠になんてメッセージ打とう?」
「残念だったね……とかでいいんじゃない?」
「そう言うしかないよなぁ」

そう言いながらスマホをポチポチと押すカンナ。

ぴろりーん

カンナのスマホが鳴る。
早速返事がきたようだ。
念のため言っておく。
自転車は押して歩いてる。
それでもながらスマホはいけないと思うけど。

「ハハッ」

カンナは突然笑い出した。

「神奈どうしたの?」
「冬夜に『今からでも遅くない。サッカー部に入部してくれ!』だってさ」
「そうなんだ。冬夜君入部したら?腕は衰えてないみたいだし」
「60分も走る体力ないよ」
「途中出場みたいなのでいいんじゃない?」
「疲れるからいいよって言っといて」
「おっさんみたいなこと言うなよ」

と、言いながらスマホをポチポチと押すカンナ。

ぴろりーん

相変わらず返事が早い。

「『そう言うと思った』だってさ」

まあ、そうだろうな。
因みに小学生時代もフル出場した試しはない。
理由はスタミナ不足。
あとは愛莉が言ってたようなここぞという場面で使われてた気がする。
テレビで見るような自分から「いつでも出れるぞー」ってアピールはした覚えがない。

「ところで来月頭の祭りだけど」
「お、行く行く」
「私も大丈夫だよ」

カンナはスマホをポチポチ押してる。

恐らく誠に確認してるんだろう。

「行くのは良いんだけど1日目と3日目どっちにする?」

正直2日目はどうでもいい。
1日目は大きな山車と踊りがメイン。3日目は花火がメイン。

「両方でいいんじゃない?」
「だな?休みだしいいだろ?」

二人とも両方みたいらしい。
愛莉と二人なら花火だけでもいいが、カンナには山車を見せてやりたい。

「誠も両方いけるってさ!」
「んじゃ、両方いこっか」

二人とも頷いた。

(2)

お祭り初日目

二人ともラフな格好で来ていた。
自転車で移動するんだし、浴衣ってわけにはいかないか。
遅れて誠がサッカー部のジャージ姿で現れた。

「悪い、遅れた」

全員揃ったし、じゃあ行くか。


僕たちが街に着いた時は、すでに人でごった返していた。
僕は愛莉の、誠はカンナの手を取りはぐれない様にする。
なんとか山車を見れる位置を確保した。
既に踊りは始まっていた。
一定時間踊りながら進行していって、踊りが終わると山車を回しまくるという工程だ。
踊る人達は色んなメイクをしている。

カンナは山車が回る様子をスマホで撮影していた。
誠は焼きそばを食べながら見ている。
愛莉はというと、つないでいた手を離し、僕の腕を抱きしめていた。
僕と目が合うとにっこり笑う愛莉。
ある程度見ると

「もういいや、腹減ったし何か食べようぜ」

と、カンナ。

「まあ、最後まで見てたらキリがないしな」

そうして4人で屋台を見て回ることになった。

公園の中には屋台がならんでる、僕はお好み焼き、愛莉とカンナはクレープ、誠はかき氷をかってきた。
公園にはテーブルと椅子が設置されていて、そこで食べることにした。
カンナは誠にかき氷をあーんってしてもらっていた。
愛莉がそれを羨ましそうに見ている。
そんな愛莉をみていると愛莉がこっちに気づく。
上目遣いで僕を見る愛莉。
やれやれ

「……何味が良い?」
「イチゴ!!」

僕はかき氷を買ってきてそれを愛莉に食べさせてやる。

「つめたーい!」

嬉しそうに悲鳴をあげる愛莉。

「ねえねえ、冬夜君にもやってあげるよ」
「良いよ別に」
「嫌なの?」

……その表情やめてくれ。ずるいぞ。
何かをおねだりするような表情で見つめる愛莉。
だまってかき氷の入った容器を愛莉に渡す。
喜んでかき氷を一すくいし、僕の口に近づける。
僕は口を開けるとその中にひょいと入れる。

「美味しい」
「うん……」

そんな僕たちを見て誠たちが冷やかす。
お前たちだってやってたろ?

「いやあ、見せつけてくれるねえ」
「ほんとほんと」
「別に見せつけてねーよ」
「照れるなって」
「照れてねーよ!」
「相変わらず素直じゃないなぁお前は」

そう言って首に腕を回し締める誠

「やめろって!」

それを見ながら笑う愛莉とカンナ。
ただ、カンナの笑う姿はどことなく生気がこもってなかった。


祭りの日2日目。

盆踊りとかがメインだ。
あまり興味ないから行かない。
家でいつも通りお勉強。
ただ、誠とカンナは行ったみたいだ。
久しぶりに二人きりの勉強になる。

「久しぶりだね、二人きりだなんて」

同じことを考えていたようだ。

「そうだな」
「神奈いないと寂しいね」
「そうだな」
「やっぱり?」

……はめたな。
そう来るとは予想してなかった。

「たまには静かなのもいいんじゃないか?」
「そうだね」

その後しばらく沈黙が続く。
唐突に話を切り出す愛莉。

「神奈と誠君てうまくいってるのかな?」
「うまく言ってんじゃないのか?今日も二人で祭り行ってるんだろ?」
「それがね、メッセージで聞いてもなんかおかしいのよね?昨日も浮かない顔してたし」
「楽しんでなかったか?」
「冬夜君から見ればそう見えるのね。思い過ごしかな?」
「なんかおかしいってどうおかしいんだよ?」
「うん、色々聞いても『まあな』とか『そうだな』とか。もうちょっとなんかあってもいい気がするんだけど」
「あんまり詮索しないほうがいいんじゃないか?近所のおばちゃんみたいになってるぞ」
「そか、そうだよね。よしっ!さっさと今日と明日の分の課題終わらせちゃおう。いや、もっと終わらせといた方が後半遊べるかなぁ」

恐ろしいことを言い出す愛莉。
でも後半遊べるって微妙じゃないか?

「……盆過ぎると。海にクラゲ浮かんでるぞ」
「……プールでいいじゃない。ん?私の水着姿みたい?」

見たくないわけがない。

「今年のもう買っちゃったんだよね。楽しみ~」

そう言ってウキウキしながら問題を解いていく愛莉だった。


祭りの日最終日

今日は花火大会の日。
神奈と誠は別行動で行くと言い出した。
ヤッパリ二人きりがいいんだろうな。
了解とメッセージを送っておいた。
父さんが車で連れて行ってくれると言い出した。
駐車場から会場までは遠いしなにより駐車できるか分からないからいいと言った。

「早めにでて一緒に外でご飯を食べよう」

と父さんが言うのでとりあえず愛莉に電話で聞いてみる。

「分かった♪じゃあ、16時には冬夜君の家に行くね♪」

と、言ってた。
妙にウキウキしていた。
何かあるのかな?
その理由はすぐにわかった。

ピンポーン

呼び鈴が鳴る。
1時間も早いぞ。
車で行くなら浴衣で行こう。
そう思って着替えてる最中だったのだが。

「いらっしゃい、あら愛莉ちゃん可愛らしいこと」

母さんの声が弾んでる。

「お邪魔しまーす」

ま、まてこっちはまだ着替え終わってないぞ。
しかし容赦なくドアを開ける愛莉。

「こんにちは……きゃっ!」

慌ててドアを閉める愛莉。
こっちも慌てて帯を締める。

「……もう入っていいぞ」

今度はそーっとドアを開けて確かめるようにしてはいってくる。

愛莉は髪を上で纏めて簪でとめていた。
白地に花柄の浴衣に赤色の帯。
何か言ってという目で見てる。

「……可愛いよ」

愛莉の顔が赤くなる。

「車で行くって言ったら、母さんがじゃあ……って、ありがとう。冬夜君も……素敵だよ」

そう言われると照れくさい。
愛莉が一時間早く来てくれたおかげで、早く出発することができ、駐車場もすぐにみつかった。
ただ、ご飯を食べるまで時間を潰す必要があったが。
アーケード街に飾られた短冊や飾りつけを見て回る。
色んなお願いが書かれてある。
一人だとさーっと通り過ぎるのだけど、愛莉と一緒だと時間を潰すには丁度いい話のネタになる。
愛莉じゃなくて他の人でもいっしょだと、思うけど。
でも愛莉ほど色んな願い事を見てはリアクションを取る子はいないと思う。
夢中になりすぎて両親に「置いていくぞ」と注意されることはあるが。
駅ビルまで戻り夕食を食べると、会場に向かう。
徒歩30分といったところか。
本当はもっと近くに駐車場があるんだけど、どうせ混んでて入れない。
会場の河川敷はは人でいっぱいだった。

「余り離れるんじゃないぞ」
「はーい」

父さんに言われ、見失わない様に進む。
右腕には愛莉がしがみついてた。

「父さん、あまり早く歩かないで!」

僕は父さんに大声で行った。
理由を察知した父さんはすぐに「すまん」と言って歩幅を狭くする。

「ありがとう」
「足痛くない?」
「うん、大丈夫」

適当な場所を確保すると地べたに座る。

「冬夜君夜店が出てるよ」
「さっき食べたばっかりだろ?」
「かき氷食べたい」
「お腹冷やしても知らないぞ」
「大丈夫だってば」
「じゃあ、ちょっと買ってくる、ここ動くなよ。……それとアレは無しだからな。父さんたちいるし」
「わかってるよ~」

ちょっと不満げな声だったが渋々承諾したといった感じか。
僕はかき氷を買うために列に並んでる。
しかしこんなに人って集まるもんなんだな。
僕はブルーハワイ、愛莉にはイチゴ味を買って持って帰る。
両手に荷物をもって斜面を登るのは難しい。

「はい」

愛莉にイチゴ味のかき氷を渡す。

「ありがとう」

そう言って一口食べたあと「冷たいっ!」ともらす。
その後僕の持っているブルーハワイ味に視線を注ぐ。

「食べたいの?」
「うん」

「はい」と言って渡すと不満げに口を膨らます。

「アレは無しって言ったろ?」
「いいじゃん、今更照れることもないでしょ」

一度やったらなれるもんだということか。

「仕方ないなぁ……」

僕は自分のをひとくちすくって愛莉の口に入れてやる。

「美味しいね」

満足気だ。
それを見てにやにやしてる両親だったが、気にしない。

花火が始まった。
アナウンスが流れる。

次々と打ち上げられる花火

「た~まや~」

と、いう人間は地元にはいない。
ただ静かに花火を見て、幻想的な夜空に見とれる。
中にはそのムードに酔いしれていちゃつくカップルもいるが。
と、偉そうに言ってるけど、僕もその一人なんだろうなぁと感じた。
愛莉と並んで座って、腕を組んで夜空を見ているのはいちゃついているうちに入るのだろうか?
例えば、そこにいるどさくさに紛れてキスをしているカップル……あれ?
見覚えのある二人だ。
僕は凝視する。カンナと誠だった。
とっさに目をそらす。
向こうは気づいてない。
そんな様子に気づいたのか愛莉が尋ねてきた。

「ねえ?どうしたの?」
「なんでもない」
「ふーん……」

愛莉もカンナ達に気づいてないようだ。
花火は1時間ほどで終わる。
僕はそそくさとその場を立ち去った。

「ちょっと、もっとゆっくり歩いてよ」

愛莉の恰好を忘れてた。

「ごめんごめん」

そう言って帰路につく。

帰りはやっぱり混雑していた。
最後まで見るもんじゃないな。


家に帰りついたのは22時前だった。
遅くなったけど、まあ愛莉の両親とも面識有るし大丈夫だろ。
これでも信用はされてるみたいだった。

「じゃ、今日はありがとうございました」
「いいのよ、また機会があれば是非」
「はい」

母さんとのやり取りを終え僕に言う。

「また明日ね」

そう言うと家の中に入って行った。
僕は上の空で聞いてた。
カンナと誠があそこまで親密になっているとは。
素直に喜べない心境だった。
頭を振り今考えたことを忘れる。

「愛莉の事だけを考える」

そう誓ったのだから。
祭りは終わったが、夏休みは始まったばかりだった。
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