優等生と劣等生

和希

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1stSEASON

家族旅行

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(1)

別府のホテルに併設してあるプール。
愛莉の家族と共にやってきた。
暑い日差しの中僕たちは涼をとっている。


話は盆前にさかのぼる。
結局お盆は帰らなかったらしい。
娘の勉強が優先らしい。
てなわけで、お盆は勉強三昧だったはずなのだが。

「たまには家で勉強しない?」

愛莉の誘いにのって愛莉の家にお邪魔したのだが。
夕食をご馳走になってる中。

「しかし、全く遊びに行かないの~?、来年は全く遊べなくなるわよ~」

と、愛莉ママが言った。

「そうだよね~、どっか遊びに行きたいよね~」

と、愛莉が同調する。

「いや、お祭りに行ったし」
「ダメよもっと満喫しないと!」

愛莉ママが強く推してくる。

「そうだわプール行きましょ~!愛莉ちゃん新しい水着買ったんだし~折角だから~」
「あ、私リゾートホテル行きたい!」

愛莉は乗り気だ。

「偶にはリフレッシュしないとね?いいでしょ?冬夜君」
「俺は今年水着買ってない」
「じゃあ、明日買いに行こ?一緒に選んであげる」
「リゾートホテル行くならついでに一泊していかない~?」
「……うむ」

愛莉パパも乗り気になっていたらしい。いいのか父親よ!?

「でも、今からだと予約取れないですよ。高いし」
「子供はそんな事気にしない。そうだ、泊まるのは湯布院にしましょう!それなら空いてるわよ」
「いやいや……」
「冬夜君のご家族も一緒に誘いましょうか~」
「ちょ……」

愛莉ママは電話をかける。

「もしもし~片桐さん?そうです遠坂です~。実は~……」

そうしてなし崩し的に話がまとまった。


奇跡的にホテルの予約が取れた。
ただ問題があるとすれば、一室ということだけだ。
そこは大人の事情があるのだろうが……。
いいのか?それでいいのか?親’sよ!

「冬夜君なら心配ないわよ~」
「親も一緒だから問題ないだろ?」

僕は抗議したが上記の理由で却下された。
どんだけ侮られてるんだ僕。

「わ~広い~!!」

さっそくベッドにダイブする愛莉。

「冬夜君一緒に寝ようね!」
「馬鹿!親の前で何言ってんだよ!?」
「親が居なきゃいいの?」

部屋にはシングルベッド二つにとダブルのベッド。和室に布団を敷いてくれるらしい。

「二人は和室で寝なさい」

いいのか!?愛莉ママ!

「わーい、二人だけだど枕投げしようね」

何だこのノリ。
いまいちこのノリについていけない僕の腕を愛莉が引っ張る。

「ねえ、プールいこっ!」

僕はバッグを取り愛莉とプールに向かう。


ここの施設は広い。
無料シャトルバスで移動する。
そしてプールの前でタオルを受け取りそれぞれ更衣室に向かう。
僕は愛莉と選んだブルーのサーフトランクスをはいてプールに向かう。
色んなレジャー器具がある、それがここの売りだが。
たくさんの人がいる。
カップルやら家族連れやら友達連れやら様々だ。
ビキニ姿のお姉さんに見とれていると後ろから頬をつねられる。

「どこみてたのよ!?」

ツインテールの愛莉はそういって怒っている。
愛莉はピンクのフリル付きのビキニ姿だった。
やばい、可愛すぎる。
妙に色っぽさもある。
直視できない。
でも、このままだとまた文句言われるな。

「に、似合ってるよ」
「ちゃんと見てないのに……適当に言ったでしょ」
「そんな派手な水着着てたらまともに見れないよ」
「もっと派手な人の水着見てたじゃん」

ここで喧嘩してたら、注目を浴びてしまう。
観念して、愛莉をちゃんと見る。
フリルがついていて、はっきりとは分からないが、出るところは出て、引っ込むところは引っ込んでる感じだ。
やっぱり妙に色っぽい。
とはいえ、まだ中学生。発育途上の胸と言わざるを得ない。
これ以上発育されても困るが。
分かりやすく言うと僕好みの体形だったということだ。
慣れると思わずボーっと見とれてた。

「変な目でみないでよ」

恥ずかしそうに両腕で胸を隠す。

「ちゃんと見ろって言ったの愛莉だろ?」
「そうだけど……。で、どう?似合ってる?」

心配そうに聞いてくる愛莉・

「心配しなくても似合ってるし、可愛いよ」

こんなセリフをサラっと言える自分が成長したなと思う。

「よかった~」

そう言うと愛莉は僕の腕をつかむ。

「じゃ、あそぼ!」

(2)

このプールは様々な施設がある。
一通り遊んで休んでまた遊んで……
気がついたら17時を回っていた。

「そろそろ戻ろうか」
「えー、もうちょっとだけ」
「でもそろそろ終わるし」
「は~い」

不満げだが、素直に従う愛莉。

着替え追わって入場口で待ち合わせ。

「じゃ、いこ!?」

そう言って腕を掴んでくる。
そのまま部屋に戻った。

「お、冬夜戻ってきたか」
「んじゃ風呂行くか」

……へ?。

「飯の前に風呂行っとこう」

そうしてまた、移動するのであった。
そうして僕、父さん、愛莉パパの3人で屋上の露天風呂につかる。
絶景だった。
朝の日の出がみれるらしい。
明日の朝は早起きしないとな。


お風呂に入ったら部屋に戻り荷物を整理して食事に向かう。
食事はバイキング形式になっていて和洋中なんでもそろってる。
片っ端から食べまくった。

「よく食べるねぇ~」

愛莉が感心している。

「食えるときに食っとかないとな」
「まるでいつも食べさせてないみたいな言い方ね」

母さんに突っ込まれる。

「そう言う意味じゃないよ。あ、ちょっとラーメンとってくる」

そう言って席を立つ。

「本当によく食べるな、あいつ」
「……うむ」

父さんと愛莉パパはすでに出来上がっていた。


食事を終え、部屋に戻ると父さんと愛莉パパはベッドに寝ていた。
母さん’sはテレビを見ながら何かを喋っている。
僕もテレビを見ながらスマホでカンナにメッセージを送っていると愛莉が浴衣の裾を掴む。

「噴水ショー観に行こ?」
「へ?」
「テレビでやってたじゃん、あれ観に行こうよ」

時計を見る。
そろそろ移動しないと間に合わないかな。

「いこっか」
「やったぁ、水着忘れないようにね」
「また風呂に入るのか!?」
「だってせっかくだし……」

渋々水着を用意するのであった。


「綺麗~」

愛莉の感想通りだった。
噴水に色とりどりのライトが照らされ、様々な色に変化していく。
屋外の温泉施設から見ていた。
ショーは15分ほどで終わり、少し温泉で遊んでから部屋に戻る。
すでに両親は寝ていた。
僕も眠い。
布団は二つある。よかった。
荷物をまとめて寝る体勢に入る僕。

「もう寝ちゃうの?」

愛莉が近寄ってくる。
四つん這いになって迫ってくる。
照明は最低限しかついてないのであまり浴衣の中は気にならなかったが、返って妙な気になる。

「もう疲れたろ?親も寝てるし、あまり騒げない」
「つまんないの」

不服そうだ。

「ねえ、起きてる?」
「起きてるよ」
「手……繋いで寝てもいい?」

そう言って愛莉は右手を布団から出して来た。
僕は黙って左手でそれを掴む。

「ありがとう」
「いいよ」
「楽しかったね」
「そうだな」
「また冬に来ようね」
「寒いのは嫌だなぁ……それに……」
「それに?」
「冬はいろいろイベント目白押しだろ?二人で過ごしたい」
「……!」
「……っていったらどうする?」

そう言って愛莉の顔を見る。
愛莉は黙ったままだ。
まずったか?

「ごめんごめん、今のは忘れて」
「……やだ」
「え?」

ヤッパリ嫌だったのか?」

「絶対忘れない、一緒にすごそうね」

愛莉はそっぽを向いたままだ。
それ以上は何も言わない。
僕はいつのまにか寝ていた。

(3)

「二人で過ごしたい」

嬉しかった。
恐らく勢いかムードに流されていったんだろうけど。
嬉しかった。
嬉しくて涙がでて、冬夜君の顔を見ることができなかった。
ようやく冬夜君の顔を見れたとき、冬夜君は寝ていた。

「もう!」

私は左手で彼の頭をこづく。
全く反応がない。
余程疲れてたんだろうな。
中2になって初めて外で手をつないだ時のことを思い出す。
照れくさそうにしてたっけ?
それから冬夜君とはどんどん親密になっていった。
神奈のことはあったけど。
今はこうして隣で寝てる。
このまま夜が明けなきゃいいのに。
いや、明日になればまた何かある。
夏休みはもうすぐ終わっちゃうけど。
冬夜君は言った。

「冬は二人きりで」

冬が楽しみだ。
今から考えてもしょうがないか?
このまま幸せにすごしたいな。



夜が明け前
4時半過ぎ。
昨日はあまり寝つきが良くなくて1時過ぎまで起きてた。
起きたのは冬夜君が私の手をひっぱるから。
しまった!って顔をしてる。
私に黙ってどこに行くつもりだ?
私は冬夜君に問いただす。

「いや、露天風呂で日の出見ようと思ってさ」

……やばい。

「その考え中学生じゃないと思うよ」
「そうかなぁ」
「おい、冬夜行くなら早くしろ!」
「あ、やっぱやめとく」
「そうか」

父親’sは部屋を出て行った。

「いいの?」
「いいよ……中学生らしく寝る」
「いや、折角起きたんだし話しようよ」
「無理に起こしたろ?眠くないのか?」
「うん、冬夜君のその頭みたら笑えて目が覚めた。」

冬夜君の髪は寝ぐせが凄かった。

「まじかよ……。確かシャワーがあったな」
「一緒に入る?」
「親がいる前でそういうこと言うなよな」
「帰ったらまた勉強だね」
「遊びに来てる間くらい忘れさせてくれ」
「私は好きだよ。勉強」
「そりゃ、愛莉は頭いいからな」
「そうじゃなくて、冬夜君と勉強できるのが」
「……」
「どうしたの?」
「なんでもない、ってカンナ忘れてないか」
「神奈も好きだもん」
「そうか……」

あ!

「カンナたちにお土産買わないとね」
「今回は誠にもだな」
「一緒に選ぼうね」
「ああ……」


その後朝ごはんを食べて。
お土産を選んで買ってチェックアウトして帰路につく。




「じゃ、また夜にね?」
「ああ、待ってる」
「寝てたら……わかってるよね」
「わかってるよ、ちゃんと寝てるよ」
「馬鹿!」

そして、神奈にメッセージを送る。

「そっか、よかったな」

素っ気ないメッセージだった。
何かあったのかな?
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