優等生と劣等生

和希

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1stSEASON

神奈の涙

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(1)

1月3日
スマホが鳴る。
まだ10時だぞ……。
私は起きてスマホをとる。

「もしもし……」
「もしもし神奈?私だけど」

愛莉の声だ。

「これから冬夜君のご家族と神社に初詣行くんだけど……」
「ごめん、今日はパス。親と一緒に過ごす」
「そう、残念……じゃあまた明日ね!」

そう言って電話は切れた。
嘘だ。
親はパートにでかけてる。
でも、3が日くらいはゆっくりしたい。
それに……。
最近の冬夜と愛莉は羨ましいくらいに親密度を増している。
クリスマスイブ以来か。
年末年始は泊まったらしいし、冷やかし程度にアレを渡したら凄い焦っていたし。

「早い奴は小学生でもやってるよ」

って言ってやったら愛莉からも言われたと言っていた。
愛莉もその気あるのかな?
愛莉はまじめだからそういうのは無いと思ってたけど。
やっぱりイブになんかあったんだろうか?
愛莉をその気にさせる何かが?
話を聞いてる限りだと両親公認の仲みたいだし。

勝ち目無いな。

せめて操くらいは奪ってやろうと思ったけど、それも叶いそうにない。
……だめだ。泣きそうになる。
テレビをつけているが何を話しているかすらわからない。
仰向けになって天井を眺めているとスマホが鳴った。
メッセージだ。
冬夜かな?
微かな期待を胸にスマホを見ると違った。
誠からだ。

「暇してる?遊びいかね?」

どうせ暇だよ。
いいよ、行ってやるよ。

誠に返信する。

「じゃあ、スーパーの前で!」

慌てて着替えて化粧して。コートを手に出かけた。

(2)

集合場所には誠を含めクラスメート10人くらいが集まってた。
この間のカラオケの時とほぼ同じメンツだ。
自転車で1時間くらいでアミューズメント施設に着いた。
ゲーセンからカラオケ、ボーリング。あとスポーツ施設がある。

「とりあえずはボーリングだな!」

ボーリングには自信があった。
ストライクを取るたびに歓声が湧き上がる。
意味もなくハイタッチする。
ただ遊んでるだけで楽しい。
嫌な事を忘れさせてくれる。
ボーリングが終わった後はカラオケ。
特に歌いたい曲がない私は履歴検索しながら歌える曲を適当にいれる。

「わあ、神奈さん声高い」
「すごく上手!」

そんな声が聞こえる。

「そんなことねーよ」

作り笑いをする。
そういやこの喋り方も無理やり作ったんだっけ。
すると誠がとある歌を歌いだした。
私が生まれる前に作られた曲だ。
母さんがよく聞いてたっけ?

とあるフレーズが流れる。



「やだっ!音無さんどうしたの!?」

気がついたら私は涙を流していた。
皆が騒ぎ始める。
誠も歌うのを止める。

「どうしたの神奈さん」
「なんでもない、ちょっとお手洗い行ってくる」

そう言って部屋を出た。


涙を拭い、化粧直しをする。
……よし、立て直した!
気合を入れ洗面所をでると誠が立っていた。

「女子トイレの前に立ってるとか変態か?」

そう言って笑う。

「ごめん、さっきの歌なんとなく勇気づけようと思ったんだけど……裏目にでたね」
「……なんでもお見通しなんだな」
「まあ、初詣の時の二人見たときになんとなくピンと来てね」
「やっぱり気付くよな。露骨すぎるんだよ二人とも」

そのとき私をぎゅっと抱き寄せる。

「もう忘れちゃいなよ……。辛い神奈さんを見たくない」

私は何も言わず誠から離れる。

「中途半端な優しさは残酷だっていったのは誠だぞ」

ちょっとイラっしていた。

「ごめん、そうだったね」

そう言って誠は自嘲気味に笑う。

「そろそろ行こうぜ!皆を心配させる」

そう言って戻ろうとする私の手を取り壁に押し付け両手で私の行く道を阻む。

「でも、もう見てらんないんだよ。分かってるんだろ?これ以上は無理だって事くらい……」

パシッ
私の平手打ちが誠の左頬を打っていた。

「じゃあ、もう私の事見るの止めろ!それで済む話だろ」
「それが出来たら苦労しねーよ!!」

誠の大声に私はびくついた。
男子に怒鳴られたのは何度かあったけどここまで迫力のあるのは無かった。
その声を聞いた客が何事かと寄ってくる。

「大声出してごめん。でも神奈さんが冬夜の事から目をそらせないのと同じで俺も神奈さんから目を離せないんだよ」

どういう意味だよ?

「自分から振っておいて都合よすぎやしねーか?」
「あの時の神奈さんと今の神奈さんは違う」

違う?
確かに諦めがついてきてるかもしれないな。
とりあえず今は人目が痛い。

「帰りゆっくり話聞くからさとりあえず部屋に戻ろうぜ……皆も心配してるだろうし」
「そうだね」

そう言って誠と二人で部屋に戻った。

カラオケが終わった後はスポーツ施設で遊ぶ。
ここにはネカフェやマッサージもある。
みんながわいわい遊ぶ中ベンチで誠を待っていた。

「ジュース買って来たけど……飲む?」

私は誠からジュースを受け取りそれを一口飲んだ。

「で、どう違うんだよ?」
「え?」
「昔の私と今の私がどう違うんだよ?まだ半年もたってないんだぜ?」
「昔の神奈さんはひたすら冬夜を向いてた。でも最近は違う」
「同じだよ……。今でも冬夜を見てるよ」
「それは無理してるだろ?」
「勝手に決めるな」
「誰が見たってわかるさ。いや、俺だから分かるのかな?」
「なんでだよ?」
「神奈さんが冬夜を見てるように俺も神奈さんだけを見てたから」

都合の良いことを……。

「さっきも言ったけど、先に振ったのはお前だぞ誠」
「打算的な考えもあるのは認めるよ。今の神奈さんなら俺でも今よりは幸せにできる」
「そこまでわかってて言い寄ってくるんだ。良い度胸してるよ本当に」
「今すぐイエスって答えを出してとは言わない。気が済むまで追いかけたらいい。でも、ダメだって諦めても俺がいるからさ……みっともない話だけどな」

誠は自嘲気味に笑う。
……ありがとな……でも。

「ごめん。」
「分かってるって気にするなよ。言いたい事言えてすっきりした。ありがとな」

「じゃあ、俺らも遊ぶか」といい手をつかむ誠。

「いいのか……?」

本当に誠に甘えて良いのか?

「……気にするなって」
「うん。」
「じゃ、いこうぜ」
「ああ」


(3)

一通り遊んだ後、ファミレスでご飯を食べて家に帰った。
帰りは誠が家まで送ってくれた。

「今日は楽しかったよ、ありがとな」
「気にすんな、友達だろ?」

その言葉が心に突き刺さる。
あんだけ優しくしといて、友達で済ませられるのか?
気の迷いだったかもしれない。
一時的に情に流されたのかもしれない。

「ちょっとだけ家に寄ってかないか?」
「いや、いいよ。親いるんだろ?」
「いねーよ、今日仕事だし」
「神奈さん、俺そんなつもりで優しくしたわけじゃない」
「知ってるよ。友達を家に入れるくらい別に構わないだろ?」

友達。なんて都合の良い言葉だろう。
心がまた痛んだ。


冬夜の時と違い妙に落ち着き払ってる誠。
女子の部屋に入るのには慣れてるのか。
流石モテる男は違うね。
お茶を用意して部屋に戻る。

「あ、サンキュー」
「こんなのしかないけどな」

沈黙が流れる。
駄目だ沈黙に耐えられない。
自分から誘っておいて、それはないだろ。
耐えかねてテレビを付けた。
まだ正月特番をやっていた。
二人で見て笑っていた。

「なあ?」
「なんだ?」
「また番号聞いてもいいか?」
「……消してたのか?
「ああ」
「080-****-****」

すぐに携帯に登録する。

「でも直電じゃなくても、メッセージで」
「長く話したいときあるかもしれないだろ?うちWi-Fiないんだ」
「あーね」
「……偶に電話してもいいか?」
「ああ、愚痴とかならきいてやるよ」
「ありがとな」
「気にするな、友達だろ?」

友達。
本当に都合の良い言葉だ。
心が揺らぐ。

「ごめん」

意味もなく謝っていた。

「大丈夫。友達でいてくれるだけでも嬉しいんだから」

どこまでも優しいんだ。
中途半端な優しさは残酷だって言ってなかったか?
あ、私も同じか。
誠を傷つけている?
誠に期待させている?
そんなつもりはない。
自分にそう言い聞かせる。

「なあ、今返事してもいいか?」
「……だめだよ」
「え?」
「待つって言ったろ?」

そう言ってテレビを見ながら笑ってる誠。
気がつくと誠を押し倒していた。

「どうしていつも中途半端なんだよ。好きだって言ったろ?だったら」
「今、神奈さん揺らいでるだろ?まだ冬夜の事忘れられてないだろ?」
「一生忘れられねーよ!一生一人でいろってのかよ!……誠が忘れさせてくれよ」

そう言うと私は誠に抱き着いていた。

「神奈さん、俺に対して同情してるだけだよ、好きとかそんなんじゃなくて」
「好きになるように努力するから!」
「努力して好きになるものでもないでしょ」
「お前自分の事になると鈍いんだな!」

もういいだろ?
誰でもいいってわけじゃない。
誠の優しさに甘えたいだけだ。
それって好きじゃないのか?

「私誠の事好きだ」

気付くといつも優しく声をかけてくれる誠が好きだ。
冬夜よりずっと優しい。
比較してるのがいけないのか?

「神奈さんの期待に応えられないよ。前にも言ったろ?俺は冬夜にはなれない」
「冬夜の話は止めろ!」
「やっぱり気にしてるじゃん!」
「失恋した後なんだから気になるのは当たり前だろ!?」
「今付き合ってもまた前の繰り返しだろ?」

子供をあやすように説得する誠。
自分でも自棄になっているのは分かっていた。
それでも……。


気がつくと誠にキスしていた。
長いキス。
キスが終わると、誠は言う。

「そんなことすると。また期待しちゃうよ?」

私はこくりと頷いた。
そして誠の顔に顔をうずめる。

「お願いだから……忘れさせてくれ」
「……うん」



22時を回った頃誠は帰った。
22時30分を回った頃スマホが鳴る。
誠からのメッセージだ。

「今帰った。風呂入ったら寝るよ。今日はありがとな。おやすみなさい」

誠に返信する。

「私の方こそありがとう。またよろしくな。おやすみ」

素っ気なさすぎたかな?
これでいいんだよな?
冬夜の事……忘れさせてくれるよな。
期待と不安が入り混じる。
風呂に入ってそれらをすべて洗い流す。
そしてゲームをしていた。

(4)

次の日メッセージで目が覚めた。

「おはよう。今日も寒いね!」

誠からだ。

「おはよう、今目が覚めたよ」

母さんはもう仕事にでかけてた。
時計を見る。
ぼやーっとしていた目がはっと覚める。
10時半だ。

やばい、完全に遅刻だ!
朝食は抜きでいい!?
服は……適当でいいや!
バッグをもって冬夜の家に急ぐ。

「ごめん!冬夜の家で勉強あるから!」

冬夜……。
なんか誠に悪い事してるな。

「分かったまた。迎えに行くよ」
「え?いいよ」
「冬夜と神奈さんいると不安だからさ……、じゃ部活あるから」

不安。
そうだよな。
でもその心配はいらないんだ。
最近は愛莉の見張りもあるしな。
……「負けないから」
完全に負けだな。
気付かないうちに私は泣いていた。
それでもいい。
新しい恋の始まりに期待する。
誠なら甘えさせてくれる。
冬夜なんかよりずっと……きっと……。
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