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2ndSEASON
宿泊
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5月初旬
僕は愛莉とコンビニの前に立っていた。
いつも通いなれてるコンビニもこの日ばかりは入るのを躊躇う。
「何してんの?早く入ろ?」
愛莉は背中を押す。
コンビニの中に入ると、とりあえず立ち読みする。
ごつん。
小突かれた。
「何しに来たとおもってるのよ!」
愛莉に怒られた。
振り返ると髭剃りやらウェットティッシュ乾電池などが置かれてる棚がある。
そこに目的の物が置いてあった。
「うーん、あんまり種類ないね?ドラッグストアの方が良かったんじゃない?」
愛莉が手に取り選定している。
「うーん、冬夜君て……サイズどれなの?」
なんてことを聞くんだこの娘は!
「わ、分かんないよ。愛莉から見てどう思う?」
愛莉の顔が赤くなる。
「そんなの分かるわけないじゃない。その……他の人の見たことないし」
そうだよな、そこではっきり答えられても困るよ。
男同士で比べることも少ない。
小学校の頃や中学の修学旅行の時ならあったけど、高校の時は大体みんな隠すよな。
その……タートルネックボーイとか気にするじゃん。
すでにウエノ男になってる人も少数派であることを知ってるのか隠してるけど。
まあ、皆がみんなそこに視線をやってるわけじゃないんだけどね。
どうする?控えめに言ってSと言っておくか……入らなかったらもったいないよな。
かといってLを買ってぶかぶかだったら格好悪い。
中学の時ミッキーが配っていたのでぴったりだったから普通なんだろうな。
「多分普通だと思うよ」
「そっかぁ……じゃあはい!」
愛莉は僕に白い小箱を渡した。
「う、うん」
そう言うと僕はドリンクコーナーに向かって歩き出す。
それを愛莉が止める。
「どこいくのかな~?」
「ジュースくらい飲むだろ?」
「ジュースだけだからね!」
「あとお菓子とか……」
「う、うーん……」
こういう時は買えばいい。
悩む愛莉を置いて僕はジュースとお菓子を適当に買ってレジに進む。
本当はパンとかおにぎりとかサンドイッチも買いたかったけど愛莉の視線がそれを許さなかった。
「はい、他になにかいるものはありませんか?」
「から揚げを……」
「それだけでいいです!」
愛莉が僕の最後の訴えを取り消した。
(2)
今年は例年の旅行はなかった。
毎日カンナと愛莉の3人で勉強である。
で、夜カンナを送って二人の時間を過ごして家に帰る。
「神奈、誠君と休日は過ごさなくていいの?」
「部活忙しいみたいでさ。それでも最後の一日だけ休むからって」
「練習大変なんだ?」
「みたいだなぁ」
そうか、誠部活大変なのか……。
「あ、もうこんな時間行かないと!」
「こんな時間てまだ16時だよ?」
「18時からバイトあんだよ」
バイト!?
「神奈バイト始めたの!?」
「ああ、まあな」
初耳だ。
「自分の小遣いくらいは自分で稼ぎたいしな。流石に大学は行かねーし」
「そうなんだ……」
寂し気な愛莉。
「そういうわけで送りはいいからさ、二人で楽しんでくれよ」
そんな感じでカンナは部屋を出ていった。
二人っきりになる。
まあ、最近じゃよくあることだ。
コンコン
誰かがノックする。
きっと母さんだ。
いつ時期からか、ノックして入っていいか確認するようになった。
愛莉といる時だけだけど。
気を使わせているんだろうな。
でも母さん。
気を遣うところ間違ってないか?
「入っていいよ」
僕がそう言うと母さんが入ってきた。
「冬夜、ちょっと母さんたち明日から4日間いないから」
「は?」
「ちょっと、亜子ちゃんの事で親族会議があるって話があってね」
「親族会議?」
母さんは愛莉を見て言う。
「愛莉ちゃん、お母さんの承諾は得てるからうちの冬夜を家に泊めてあげられないかしら」
はい?
「いいですよ~」
二つ返事の愛莉。
まあ、今更か……。
さてと、準備するか。
勉強のキリがついたところで準備を始める。
着替えと勉強道具と……一応ゲームも持って行こう。
あとは……。
その時気づいた。
もう全部使ってしまたぞ!
ミッキーからの配給はもうない。
「どうしたの?」
愛莉が聞いてくる。
「いや、その……全部使っちゃってさ」
「ああ、なるほど。だったら買えばいいじゃない」
「コンビニで買ってくるように気軽に言うなよ」
「コンビニで売ってるよ」
何でそんな情報もってんだよ。
「今から行こうか?」
愛莉の目がキラキラしてる。
「い、今から!?」
「今夜使うかもしれないじゃない~」
どれだけ積極的なんだ。
と、いうわけでコンビニに買いに行ったのでした。
(3)
愛莉の部屋。
「急にだったからちょっとちらかってるけど……」
僕の部屋に比べたら全然綺麗ですよ。
僕は荷物を置き適当なところに座る。
慌てて片づけた愛莉も隣に座る。
………
……
…
空気が重い。
「て、テレビでもつけようか」
そう言って愛莉がリモコンを手に取り電源を入れる。
しばらくして、愛莉ママが呼ぶ。
「ご飯出来たわよ~」
「は~い!行こっか?」
ご飯を食べながら愛莉の両親と話をしていた。
食べ終わったあと、愛莉と愛莉ママが片づけをしている。
「……冬夜君ももう高校生だろう……どうだね?一杯くらい」
いや、まだ高校生ですよ。
「パパさん、未成年に飲酒を勧めない!」
「……う、うむ」
そういうと一人で酒を飲む愛莉パパ。
しばらくして小声で囁いてくる。
「娘は……どうだね?」
「……はい?」
何が?
「そ、そのなんだ……、ベッドの中では上手くやれてるのかね?」
父親がする質問じゃないぞ。
「パパさん余計な事聞かない!!」
愛莉が大声で注意する。
顔が真っ赤だ。
恐らく聞こえていたんだろう。
「う、うむ」
こういう時なんて答えたらいい?
上手くやっていますよって言えば良いのかな?
うちの娘に手を出しやがってと怒り狂う父親ではなさそうだ。
色々考えた挙句こうささやいた。
「……お世話になってます」
多分良かったのだろう。
愛莉パパの表情が明るくなる。
「そうだろうそうだろう、母さんに似てるからな。母さんも尽くすタイプだからな、ハハハハ」
そんなキャラだったかな、愛莉パパ。
「ちょっと冬夜君!パパさんに何吹き込んだの!?」
愛莉が怒ってる。
「愛莉ここは良いから先にお風呂入ってきなさい。ちょっと冬夜君に話あるから」
「うぅ……りえちゃんまで冬夜君に変な事吹きこまないでよ」
「大丈夫だから!」
愛莉は自分の部屋に着替えを取りに上がった。
「冬夜君、愛莉には話したんだけど、私たちもちょっと4日間家を空けるから娘をよろしくね」
へ?
「大丈夫麻耶さんには話してあるから。仲良くしてやってください」
まて、てことは計画的犯行なのか?
分かりましたって答えたらいいのか?
なんか違う意味にとられないか?
「ぜ、善処します」
これもこれでどうかと思うが。
愛莉が風呂に入った後僕もお風呂に入って愛莉の部屋に戻る。
愛莉は何事もなかったかのようにテレビを見ながら勉強していた。
「あ、僕もやるよ」
「うん」
「珍しいね、テレビ観ながら勉強なんて」
「……音が無いと落ち着かなくて」
「ああ、あるねそういうこと」
この会話の流れは怪しい。
何かまた隠してる。
そして爆発する前兆だ。
どうする?
とりあえず、愛莉を見る。
髪、乾かしてある。シャンプーのにおいがする。
服装、部屋着。特に変わりなさそう。
首、ネックレスをつけている。
手首ブレスレットをつけている。僕もつけている。
あと、思いつくのは……カレンダー!
日付をチェックする。5月1日!今日は何もない。
時間……22時か……。
でも残るのはそれしか残ってないよな。
まだ……箱から出してないけど。まさか初日からってことはいくらなんでもないよね。
軽いスキンシップで済ませちゃおう。
「愛莉……」
僕は愛莉の肩にそっと手をやろうとする……が、ばしっと叩かれた。
「まだ勉強中!」
違ったか。
なにか機嫌悪い?
愛莉パパに何か吹き込んだことで怒ってるのか?
降参します。
「ごめん、鈍くて……」
「へ?」
「いや、なんか機嫌悪いからさ」
「……そんなことないよ?」
「でも……」
「勉強中だからダメって言っただけ。メリハリつけないと」
「本当にそれだけ?」
「うん」
愛莉は笑顔でうなずいた。
「りえちゃんから聞いたんでしょ?明日からいないって話」
「うん」
「だから、勉強するときは勉強していちゃつくときは思いっきりいちゃつくの。時間はたくさんあるんだから……。カンナもくるし……ね?」
「そうだな」
考えすぎだったようだ。
「あ!」
愛莉が声を上げた。
「どうした?」
「後で、ちゃんと用意しておいてね」
(4)
「音無さん!オーダーとって!」
「はい!お客様お待たせしました……」
世間的には平日とはいえ有休を使って連休にしてしまう人もいる。
今日も店は大忙しだ。
夕方17時から入って22時までの5時間勤務。
時給はソコソコ良い方だ。
高校生の小遣いとしては十分な額になる。
少しは家にいれるつもりだけど。
仕事が終わり、家に帰ると買ってきたカップ麺にお湯を注ぐ。
部屋に持って入りおにぎりを食べながら、テレビをつける。
スマホを見るとメッセージが。
愛莉からだ。
「今日から冬夜君うちに泊まるから。勉強は私の家で!」
スマホを操作して返信する。
「了解」
バイブが響く。
「こんな時間までバイト?お疲れ様~」
「ありがとな」
ああ、制服洗濯しとかねーとな。
誠にもメッセージ送っておくか。
「今バイトから帰ったところ」
返事は来ない。
きっと疲れて寝てるんだろう。
明日の朝には返事きてるはず。
洗濯をセットすると……寝た。
朝6時には目を覚ます。
朝ごはんの支度をする。
休みの日は私が代わって家事をする。
今できる精一杯の親孝行だ。
高校に入ると母さんもパートのシフトを増やした。
やっぱり家計的に厳しいんだろう?
少しでも楽させてやりたい。
母さんが起きてくる。
「バイトなんかしたりして……お前本当に大学にいかないつもりかい?」
「勉強はちゃんとしてるって、専門学校くらいは行っとくよ」
「ごめんね、離婚なんかしなければ。楽させてやれたんだけど……」
「父さんの話は止めろって!」
「ああ、そうだったね」
離婚してこっちに来て以来、父さんの話は禁句になっている。
あんな奴いないほうがいい!くそ野郎が!
嫌な事を思い出した。
話題を変える。
「そういやこの前の宿泊研修で友達増えた」
「そうかい?よかったねえ」
母さんの表情が明るくなる。
大体が嫌な奴だったけど、中にはいいやつもいるんだな。
「そろそろ母さん準備しないと」
「ああ、そうだね」
母さんを送り出した後。洗濯ものにアイロンをかける。
そうこうしているうちに9時前になる。
そろそろいかねーと!
荷物を持って家を出た。
もう冬夜の事は吹っ切れたみたいだ。
誠が忘れさせてくれる。
約束は守ってくれた。
今は誠の事だけで精いっぱいだ。
だから、目の前でいちゃつかれてもなんとも思わない……わけがない。
しかし、こちとら遠距離恋愛化してるというのに、少しは気づかえ!
まあ、二人にあたってもしかたないだろう。
そう思い何も言わない。
二人には幸せになって欲しいと願う。
「どうしたの神奈?今日疲れてる?」
突然愛莉が話を振ってくる。
「おまえらのいちゃつきっぷりに圧倒されてるだけだよ」
「え……?あ、ごめん」
愛莉はトーヤの事となると周りが見えなくなる。
そしてトーヤはそんな愛莉の気持ちに全く気付こうともしない。
「カンナ腹減ってるなら菓子あるぞ」
……こんな調子だ。
昼は勉強夜はバイト。
そんな日が続いた。
さすがにきつい。
でも最終日には誠とデートだ。
その日には休みを入れた。
そしてその前夜だった。
家に帰りついたと、ほぼ同時にメッセージがはいる。
「今から神奈の家行ってもいいか?」
え?
「練習終わったばっかりだろ?明日でいいよ」
「ていうか今家の前にいるんだけど」
は?
とりあえず、扉を開けてみる。
目の前に誠が突っ立っていた。
「よぉ、久しぶり」
「久しぶりってお前……家に帰らなくて平気なのか?」
「ここに来る前にちょっと寄ってきた」
私は誠の左頬に手を触れる。
ちゃんと感触がある。
それを実感した時居てもたってもいられなくなった。
すぐさま誠に抱き着く。
今までたまっていたもの全てが解放され私は泣いていた。
「とりあえず家にあがっていいか?」
「あ、ああそうだな」
誠をうちに入れる。
「ご飯は食べてきたよな?今すぐ作るから待ってろ」
「大丈夫ちゃんと買ってきてある」
弁当の入った袋を見せる誠。
「一緒に食べようと思ってさ」
そう言ってにこりと笑う。
弁当を食べた後時間を見る。
まだ母さんの返ってくる時間じゃない。
誠の荷物を見る。
遅くなったから帰るって量じゃないな。
「泊まってくんだろ?先お風呂すませちゃえよ」
「そうか、悪いないつも」
「気にするな」
「何なら一緒に入るか?」
笑いながら冗談を言う誠。
「……母さんが帰ってきたらどうするんだよ?」
ちなみに母さんが居る時も誠は遠慮なく泊まってる。
家の親はそういうところはおおらかだ。
「そっかあ、残念だ」
「いいからさっさと浴びてこい」
誠が浴びてる間に布団を敷く。
布団は二人分あるが面倒だから一人分しか敷かなかった。
どうせ……。
誠が風呂から戻ってくると後退して私が風呂に入る。
その間誠は私の部屋でテレビを見て過ごしてる。
私は風呂を済ませると誠の隣に座って一緒にテレビを見る。
親が返ってくるのは早くて午前1時、遅いときは朝方になる。
0時を回った頃お互いの顔を見つめ合う。
そして……。
「なあ、神奈」
「なんだ?」
「あの時何があったんだ、冬夜に電話した時もなんか不自然だったし」
「……何もないよ」
「神奈。俺達も隠し事無しにしないか?離れてる分そういうのって大事だと思う」
「……知ったらきっと私の事嫌いになる」
言って、「しまった!」と思った。
「てことは何かあったんだな」
「……トーヤと愛莉が揶揄われた」
「それで?」
私は事の顛末を誠に話した。
何も出来なくて震えていたことも……。
「情けないだろ……我ながらな」
嫌われるんじゃないか?軽蔑するんじゃないか?
そんな事で頭がいっぱいだった。
だけど誠は違った。
誠は私を抱きしめて笑う。
「そんなことないよ。冬夜たちの言うとおりだと思う。神奈は女子なんだからしかたないよ」
「女子だからとかで済ませられたくない!それに思いだしたんだ、東京で揶揄われたことを……」
身が竦み、足が震え、恐怖で声が出なかったあの思い出。
こんな情けない私を変えたかった。
でも変えられない。
それが悔しい。
「大丈夫だよ。神奈には僕がついてる。普段は何もできないけど」
「優しいんだな、誠は」
「そりゃ彼女には優しくするさ」
そう言って誠は笑う。
その優しさだけでいいんだ。
どれだけ救われてきたことか。
「誠ありがとな」
そう言って誠を抱き返す。
「こんなセリフ似合わないかもしれないけど。朝までこうしていたい」
愛莉だったらうまく甘えられるんだろうな?
私が言ったところで……
「ああ……そのつもりだよ」
私は誠の腕のなかで眠っていた。
朝6時
アラームが鳴る。
誠が起きないようにすぐに消してそっと布団から抜け出し服を着る。
そして朝の仕度をする。
母さんが起きてくる。
「昨夜は誠君泊ったのかい」
母さんが聞いてきた。
「うん、今日部活休みらしくてさ。今寝てる」
やましい事はしてない……してるか。
「じゃあ、今日はデートなのね」
「まあね」
「連休最後だしじっくり楽しんできな。どこ行くんだい?」
「多分駅ビルで映画みてそのまま送るつもり」
「そうかい」
それ以上何も聞いてこなかった。
そうして母親を送り出すと着替え準備を済ませ誠を起こす。
「もう9時だぞ」
「ああ、うん。起きる」
起きると着替えを始める。
その間に誠の朝食の準備ししてやった。
「おお、美味そうだなぁ」
大げさに喜ぶ誠。
「大したことねーよ」
誠が朝食が済ませた後片づけて、準備をする。
誠も洗面所で髪をセットしている。
そうして二人で街にでかけた。
(5)
駅ビルに着くとまず昼ごはんを食べた。
いつものフードコート。
誠はラーメンを、私はサンドイッチを食べた。
その後は映画。
適当にやってる映画を見た。
SF長編の外伝っぽいのをやってるので、それが見たいと誠がいう。
私はそれでいいよと言った。
興味なかったわけでわないし。
映画が始まると、誠はじっと見ていた。
私が隣にいることを忘れているかのようだ。
そっと手を重ねて意地悪してみた。
するとこっちを見て握り返して来た。
本当に私を喜ばせるのがうまいな、誠は。
映画が終わると劇場を後にする。
その後は……誠を見送る。
「じゃあ、また。今度は夏にでも」
「夏っていつだ?」
「多分盆休みくらいかな」
「そっか……」
またしばらく会えなくなるのか?
いつもは10分は余裕で遅れるバスが、この日に限って時間丁度にやってくる。
「じゃあな」
そう言ってバスに乗り込もうとする誠を抱きしめていた。
「神奈?」
わけもわからず首を振ってすすり泣く私。
事情を察したのが誠はバスに乗るのを諦め近くのコーヒーショップに向かった。
ごめん。
席で待つ私にエスプレッソを渡す誠。
「これでよかったよな」
そう言って自分にはカフェラテを用意した。
「時間、大丈夫か?」
「ああ、一本くらい遅れても大丈夫だよ」
「そうか」
「20分くらい時間あるからゆっくり話そう」
「ああ」
しかし、こういう時の20分はあっという間に過ぎてしまう。
再びバス停に向かう。
「今度はもうなしな。帰ったら電話する」
「ああ」
バスが来た。
今度は送ってやる。
「じゃあ。またな」
「ああ」
そのバスが見えなくなるまでずっと見送っていた。
家に帰りつき荷物をテーブルに置くとスマホを見る。
誠からのメッセージだ。
「今日は楽しかった。また遊ぼう!」
遊び?
「私とは遊びなのか?」
ちょっと悪戯してみた。
「そんなわけないだろ?今日の神奈変だぞ。心配することないって」
そうだよな、そうに決まってるよな。
すると誠から電話が来る。
「もしもし……」
「なかなか会えなくてごめん、でもいつも一緒だから」
いつも一緒?
本当にそうだといいな・
「分かってる、心配かけてごめんな。もう大丈夫だ」
それから30分ほど話して電話を切った。
明日からそれぞれの日常が始まる。
疲れた私はその日そのまま眠りについていた。
0
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