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2ndSEASON
泣き笑いと悲しみ喜びを共に
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冬休み。
高校生がやることは3つ
遊ぶかバイトするか勉強するか。
だけど、僕は敢えて4つ目の選択肢を選びたい。
寝る!
しかしそんなことを愛莉が許してくれるはずもなく。
「ほら起きる!!」
容赦なく布団をはぎ取る愛莉。
さ、寒い。
「相変わらずだらしねえ生活してんな冬夜」
カンナも来てるのか。
「……朝ごはん食べてくる」
とぼとぼと部屋を出る。
朝ごはんを食べ終わって顔を洗うと、気合が入る。
どうしてお湯を使わないで水で顔を洗うんだろう?
朝一の眠気を吹き飛ばす為か。
あまり効果はないようだが。
何も休みの日に朝9時から勉強を始めるのはおかしい。
うん、おかしいですよ!
そう考えがまとまると部屋に帰って当然のようにベッドにもぐりこむ……のを見逃してくれるはずがなく。
「なんでまたベッドなのよ!」
愛莉に、襟を捕まえられる僕。
「せっかくの休みだし、ベッドで楽しも?」
僕の秘策にも乗ってこない愛莉。
「神奈いるのにできるわけないでしょ!」
「朝から何馬鹿な事言ってるんだトーヤ。まだ寝ぼけてるのか?」
朝の男性のムラムラを舐めたらいけませんよ。
まあ、僕にはそれが全くないけど。
単に眠りたかっただけ。
通じなかったけど。
「なあ、今夜何してる?」
「ん?そば食って寝るけど」
「え?そうなの?」
カンナの問いに当然のように答える僕。
それを聞いて驚く愛莉。
なんかおかしなこと言ったか?
今日は大晦日。
本来なら掃除とかするんだろうけど、受験生という言い訳を盾にして掃除もせずに勉強という逃げ道に走っている。
普段から整理整頓してるし、……窓くらい拭いとくか?
とも思ったけど、愛莉たち来てるのに掃除を始めて手伝わせるという悪手を打つのもどうかと思ったのでやめた。
「あ、そうか」
そう言ってテレビをつける僕。
「冬夜君、勉強中にテレビはどうかと思うよ」
「前に間が持たないってつけたことあったじゃん」
「今日は3人もいるのに間が持たないってことは……あ」
愛莉はテレビを見て僕がテレビをつけた理由にきがついたようだ。
全国高校サッカー選手権。
ちょうど誠たちが試合をしていた。
初戦の相手は弱かったらしく3-0で試合は後半残り15分といったところか。
「誠君たち強いね~」
カンナはほっとしているようだ。
それを見て僕もほっとしていた。
暫し試合を観戦していた。
ボールの支配率も圧倒的に誠たちが上だった。
チームを編成して間もないインターハイの時とはうって変わった動きだ。
システマチックな動き。
こんな動きをされたらさすがに僕では太刀打ちできないな。
いつの間にか自分ならこう動くかなとか考えだしていた。
その前に90分動き回る体力がないのだが。
その時テレビを見ずに僕に視線を注ぐ愛莉に気がついた。
「どうした?愛莉」
にこにこしてる愛莉は嬉しそうに答えた。
「やっぱりサッカーを見てる時の冬夜君はなんかちがうね。いつものぼーっとした冬夜君とは別人だよ」
ああ、入り込んでたか。
「ごめん、勉強に集中しないとな……」
「今からでもサッカーしたら?そんな顔してたよ?」
「さっき考えてたんだけどやっぱり90分走る体力ないよ」
「すーぱーさぶって言葉あるじゃん」
「そこまでの能力はないよ、クラスマッチレベルならともかく、誠たちの高校レベルの組織的な動きされたらどうにもならないよ」
「そうかな~?」
「試合終わるぞ」
試合は3-0のまま伊田高の勝利で終わった。
テレビを消し勉強に戻る。
サッカーは一人でするものじゃない。
その事は小学生の時にまざまざと見せつけられた。
それがサッカーを止めた本当の理由。
「どうしたの?また何か考え事してる?」
ふいに愛莉が尋ねてきた。
「あ、ちょっとね。大したことじゃないよ。昔の事を思い出しただけ」
「ならいいんだけど」
また愛莉を不安にさせちゃったかな?
「トーヤ、悩むなって忠告したぞ。お前の悩みなんて大抵ろくなことじゃないんだから」
失礼な。偶には真面目になやむことだってあるぞ。
だけど愛莉は心配してるようだ。
言っておいた方がいいのだろうか?
言ったらまたサッカー始めろって言われるかもしれない。
「大したことじゃないなら教えて」
「……夜に教えるよ」
「ダメ!」
「ダメだろ!」
二人にダメだしされた。
「お前の悩みは二人っきりの時になんて言わせられない。また愛莉と喧嘩のもとになるからな」
僕はため息を吐いた。
「じゃあ、話すよ。そんなに大したことじゃない。僕がサッカーを辞めた理由を思い返していただけだよ」
「それって……なに?」
愛莉が当然のように聞いてくる。
まあ、そうだろうな。
食い入るように僕を見つめる2人。
「そうだな、小学校の時だったかな……」
(2)
小学校5年の時にサッカーを始めて半年で控えメンバーに起用された。
ここぞという場面で起用され、しっかり監督の要望に応えてきた。
だけど問題が発生した。
勝ち上がる度に取り上げられる僕と誠。
そういうのって苦手だったけど、悪い気はしなかった。
だから気づかなかったんだ。
仲間からの冷たい視線に。
地元大会じゃ強豪チームになっていた。
事件は小学校最後の大会に起こった。
試合は2-0で負けていた。
後半から投入される僕。
僕と誠は完全にマークされている。
そんな中でも僕や誠にパスは回ってくる。
僕や誠ならどうにかなると思っていたんだろう。
最初はそう思っていた。
でもそれは間違いだった。
4人のマークを振り切ってボールを受けとりフリーの味方にパスを出す僕。
だけど相手はボールを見もしない。
「冬夜!パスをくれ!」
誠にもマークはついている。
それでも懸命に振りほどいてパスを受け取れる状況を作り出す。
一点は自分で、もう一点は誠がとって同点に追いついた。
しかし完全に忘れていた。
点を取るのに懸命で守りを疎かにしていた。
縦パスが自陣に刺さる。
いつもなら僕がクリアするはずだった。
だけど僕はセンターラインを超えていた。
味方のDFが慌てて追いかけるかのように見えた。
でも必死さがなかった。
そのまま相手FWがゴール前に走りこんでシュート。
試合は2-3で負けた。
試合の後監督に叱られるチームメイト。
当然だ、やる気がないプレーヤーが怒られるなんて。
でもチームメイトの反応は違った。
お前がちゃんとしなかったから怒られたんだぞ。
お前らがちゃんとしなかったから負けたんだ。
お前のせいだ。
お前たちに任せとけばいいんだろ?
どうせお前たちしか……。
お前が……。
この時痛感したんだ。
サッカーは一人や二人でどうにかなるもんじゃない。
なのに一人で目立つと責任を全部押し付けられる。
そんな事に嫌気がさしてサッカーを止めた。
面倒くさいのが嫌いだったんだ。
(3)
僕の話を二人は黙って聞いていた。
話を終えると愛莉が口を開いた。
「何それ?冬夜君悪くないじゃん!どうして辞めちゃったの?」
「僕がいるとチームの和が乱れる。そう判断したんだ」
「でも誠君は続けてるじゃない!」
「誠は人付き合いがいいからな。人付き合いが苦手な僕とは根本的に違うよ」
「……そんな事があったんだね」
愛莉は納得してくれたみたいだ。
僕よりも遥かに重圧と嫉妬に苦しめられてきたんだろう。
だけどカンナは違った。
「なんだよそれ?他人のせいにして逃げてんのはトーヤじゃないのか?」
痛いところをついてくる。
敢えて否定しなかった。
自分でも分かっていたことだから。
「そうだよ、逃げたんだ」
「ずるいぞトーヤ!」
カンナが大声を出した。
「誠が言ってた。『めんどくさいを理由に折角の才能を棒に振る冬夜が悔しい!その才能俺にくれよ』って……。もがいても人には手に入れられないもの持ってるのに放棄するのかよ!」
「それは違うよ神奈!」
愛莉が代わって答えた。
違うってことはないけど、愛莉は愛莉なりに思うところがあったんだろう。
「”出来る”のと”やりたい”は根本的に違うよ!冬夜君言ったじゃない。嫌気がさしたって。好きなのにやらないのは逃げてるだけかもしれない。でもきっぱりと辞めるって判断したのは冬夜君なんだからその意見尊重するべきだと思う」
「トーヤは嫌いなのかよ?サッカーが」
「サッカーが嫌いなんじゃない。他人の妬みに嫌気がさしたんだと思う。私もそうだった。何でもできるって押し付けられて妬まれて。それで虐められてた。神奈だってそうじゃないの?綺麗だからって好きでもない人から迫られたり勝手に妬かれたり、勉強だってそう!神奈はやればできる!でもそれを強要されるのは嫌でしょ!」
言いたい事は大体愛莉が言ってくれた。
根本的に面倒な事が嫌いなんだ。
そして僕がサッカーをすると少なからず面倒な事に巻き込まれる。
それならサッカーをしないほうが良い。
それが僕の出した答え。
「確かに、望まない事で勝手に嫉妬されるのは嫌だな」
カンナも納得してくれたようだ。
「あ、神奈もう時間だよ!」
「本当だ。じゃ、またな。今日初詣行くんだよな?邪魔じゃないなら私も行く」
「邪魔なわけないじゃない」
「じゃあ、そば食ってからくるわ。どうせお笑い見てから行くんだろ?じゃあ後で」
僕と愛莉はカンナを見送る。
その後愛莉と部屋に戻ると、愛莉は元居た場所に座る。
僕はその隣に座り肩を寄せる。
驚く愛莉。
「ちょ、ちょっと神奈が居なくなったからっていきなりそれ?ちゃんと勉強しないと」
そう言いながらも嫌がるそぶりを見せない愛莉。
「ちょっとだけ甘えさせてくれないか?」
「……うん」
「さっきはありがとう」
「ううん、冬夜君でも嫌な事あったんだね。なんかサッカーしてる時の冬夜君いきいきしていたから、好きなのにどうしてやらないのかな?って勘違いしちゃってた」
「クラスマッチ程度なら『上手いなぁ』で済むからな。ある意味純粋に楽しめてる。しんどいけどね」
「大丈夫だよ。しんどい事はしんどいって言っていいんだよ。その為に私がいるんだから」
そうか。
愛莉は実践しているんだな。
欠点も含めて全部受け入れる。
そんな愛莉が愛おしく思える。
過去の話を振り返り、それを否定されるけど愛莉が庇ってくれた。
愛莉なら分かってくれると思ってた。
だから話したのかもしれない。
そして愛莉は理解してくれた。
じゃあ、僕に出来る事は何?
愛莉の欠点を受け入れる?
前にも言ったけど愛莉に欠点はない。
性格には欠点すらプラスポイントに思える。
やきもちやきで、すぐ拗ねる。
すぐ泣く、すぐ甘えたがる。
ちょっとめんどくさい性格。
でもそれすら可愛いと思える。
それすら、愛おしく思える。
あれ?それってすでに愛莉の全てを受け入れてるって事じゃないのか?
すでに愛莉を愛していたのか?
受け入れる器が小さすぎてすぐ泣かせてしまうけど。
直ぐ喧嘩になるけど。
でも嫌いになったことは一度もない。
不安になることは多々ある。
でもそれは愛莉も同じなのかもしれない。
なんだろこの気持ち。
何だろこの空気。
ダメだ我慢できない。
気付いたら愛莉を押し倒していた。
「ちょっと冬夜君!?」
愛莉は少し抵抗するが、僕の目を見て受け入れてくれた。
どんな表情をしてるのか自分ではわからないけど。
唇と唇が触れ合う直前。
互いの呼吸を感じ取れるところまで来たとき。
コンコン。
母さんか!?
僕たちはとっさに飛び起きる。
「そろそろご飯よ」
「わかった!」
もうそんな時間だったのか。
その時不意に唇に柔らかい感触が一瞬だけした。
愛莉の顔を見る。
可愛いというより母性を魅せるその優しい表情。
愛おしい。いつまでもこのままでいたい。
だが、彼女はそれを許してはくれなかった。
「今日はこれでおしまい」
なんて間の悪い。
愛莉の一言で押さえ込んでいた愛莉の体を自然と解放する。
愛莉は起き上がり、部屋を出ようとする。
そんな愛莉を座ったまま眺めている僕。
「下に行かないの?」
愛莉に言われて、夕飯に呼ばれたんだったってことを思い出した。
「行こうか」
そう言って僕たちは部屋を出た。
(4)
ドキドキした。
冬夜君から迫られることは何度もあったけど、何かイベント事とか記念日とかこっちから仕向けない限り殆どなかった。
勉強中だよ?
そういって一度は断ろうとしたけど、冬夜君と目が合った時何か共感できた。
あ、やっと気づいてもらえたんだ。
わかってもらえたんだ。
そう思って目を閉じる。
いいよ、今回だけは。
でも、そううまく事は進まない。
麻耶さんがドアをノックする。
「そろそろご飯よ」
「わかったー!」
拍子抜けする冬夜君にちょっとだけご褒美を。
そっと唇を重ねる。
「今日はこれでおしまい」
そう言ってほほ笑む。
冬夜君から解放され起き上がると部屋を出ようとする。
まだぼーっとしてる冬夜君。
「下に行かないの?」
「行こうか」
そんなに残念だったのね。
でも焦ることはないんだよ。
この先いくらでもチャンスはあるんだから。
さっきの冬夜君ならいくらでもチャンスは作れるはずだよ。
あなたがサッカーでいくつもチャンスメイクしたように。
この先のあなたは私の心の防御の隙間をぬっていくんでしょうね。
期待してるよ。
ご飯を食べた後、勉強を再開……はなかった。
お笑い番組が始まると二人でテレビを見てた。
交代交代でお風呂に入ってまた二人で寄り添ってテレビを見て。
私の横でずっと笑っていた。
神奈が言ってたね、「トーヤは無駄に悩むな!」って
私もそう思う。
ずっとその笑顔を絶やさないで欲しい。
出来れば私に笑顔を向けて欲しいな。
色ボケと言われたらそれまでだけど……笑ってる冬夜君素敵だよ。
23時を過ぎた頃。
麻耶さんが蕎麦を持ってきてくれる。
寄り添ってる私たちを見て「あらあら」と笑っていた。
そばを食べながらテレビを見て、しばらくして神奈がやってきた。
私たちを見て「お邪魔だったかな」と笑いながら言ってた。
寄り添い合って手をつないでテレビを見てたらそうも言いたくなるよね。
テレビが終わると私たちは神社に向かった。
案の定行列ができてる。
中学時代の知り合いと会うけど話をするどころじゃなかった。
なぜなら……。
「離せ!箸巻きが僕を呼んでいる!!」
「さっきお蕎麦食べたでしょ!」
「リンゴ飴あーんさせてやるから」
「その手には乗りません!今お腹いっぱいだもん」
さっきまでの私に対する愛情は食べ物にむかったようだ。
もう!
お賽銭を入れ、鈴を鳴らし。お祈りする。
その時横から信じられない言葉が聞こえた。
「泣き笑いと悲しみ喜びを共に分かち合い生きていけますように……」
冬夜君は呟くように言ってるかもしれないけどしっかり聞こえてるよ。
周りがシーンと静まり返ってるかのように思える中ではっきりと聞こえる。
共にって相手は私でいいんだよね?
お祈りを済ませると、出店に急ぐ冬夜君。
彼女を置き去りにして食べ物ですか?
いつになったら愛情>食欲になってもらえるのだろう?
神奈が肩を叩く。
「あいつのあれは一生治らねーよ。気にするな……浮気されるよりはマシだろ?」
確かにそうかもしれない。
神奈とおみくじを引いた。
共に大吉だった。
特に気になるような内容もない。
よかった。
今年は平穏に過ごせそうだ。
「おひふひぃひぃふぁのふぁ?(おみくじ引いたのか?)」
なに言ってるかわからないよ冬夜君。
ていうか……。
「どれだけ食べたら気がするの!?」
目を離すとすぐこれだ。
帰り道。
「ねえ?何をお祈りしてたの?」
私は冬夜君に聞いていた。
ちょっと意地悪かな?
「別に大したことじゃないよ」
大したことじゃない?
嘘つき。
「隠す事ないじゃない」
「……もしかして聞こえてた」
夜も遅く外灯もない道で分からなかったけど彼の顔が赤くなっていくのが分かった。
「なになに、なんか面白い事言ったのか?」
つまらなさそうに後ろを付いて来ていた神奈が興味をもったようだ。
「聞こえてたよ。でも本人の口から聞きたいなあって」
「……泣き笑いと悲しみ喜びを共に分かち合い生きていけますようにって……」
「なんだよそれ!もう結婚でもする気かよ!」
神奈が笑ってる。
そこまで笑わなくてもいいじゃない。
私は嬉しかったよ。
だから微笑むだけ。
言うんじゃなかったって顔しないで。
私は嬉しいんだよ。
「……愛莉は何祈ってたんだよ?」
私?
「……特に何も。ただ感謝してただけ」
「感謝?」
「うん!」
私は思いっきりにっこり笑って言った。
「冬夜君に出会えたこと。ここまで一緒にいられた事でありがとうございますって」
笑ってる神奈。
そんなに笑うこと無いじゃない。
「じゃあ神奈は?」
私は神奈に聞いてみた。
「そうだなぁ、誠を勝たせてやってくださいかな」
なるほど。
意外と普通なんだね。
私たちがバカップルなだけ?
でもそれでもいい。
周りからどう思われようとかまわない。
冬夜君じゃないけど今年は自分に素直になろう。
甘えたいだけ甘えよう。
きっと今の冬夜君ならそれを受け入れてくれる。
その代わり冬夜君も辛いときは私に甘えて良いんだよ?
泣き笑いと悲しみ喜びを共に分かち合い……。
一緒に分かち合っていこうね。
できるならずっとそばに……。
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