優等生と劣等生

和希

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2ndSEASON

密度恋時間

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(1)

「冬夜君おっはよ~」

もう、愛莉のこの弾むような声が目覚まし時計みたいなもんだ。
カチッとスイッチを押しても鳴り続けるあたりどうにかしてほしいものだが。

「起きないと遅刻だよ~」

ね?
スイッチを止める方法は唯一つ。
頭を掻きながら起き上がる。
最近はカンナも一緒に部屋にくるので、抱きついて止めるという手は使えない。
僕が起き上がったのを確認すると「下で待ってるね~」と、リビングへ移動する。
僕も着替えて部屋を出る。
年が明けてから愛莉は上機嫌だ。
何が原因なのかはわからない。
わざわざ不機嫌にさせる理由も無いので聞かない。
こういう時下手に「なんで機嫌が良いの?」と聞いて「わからないの?」と不評を買う事もない。
でも母さんにはそんな事情は関係ない。

「愛莉ちゃん最近やけににこにこしてるね。何かあったの?」
「はい!」

大きな声で返事する愛莉。
神奈は理由を知ってるのか、となりでにやにやしてる。
こういう時深入りしないほうが良い。
機嫌を損ねるか、話が長くなるかのどちらかだ。
朝の準備で忙しいときにどちらも得策ではない。
学校に行くときにちょこっと聞くくらいが多分最善だと思う。
全く聞かなかったらそれはそれで機嫌を損ねるだろうから。
僕はご飯を食べると、準備をしてリビングに戻る。
それを確認した二人は立ち上がり、玄関へと向かう。

「行ってきまーす」

僕は母さんたちにそう言って家を出た。


「で、どうしたんだ?」

さっきの話の続きを始める。

「うん?べつにどうもしないよ~」

予想していた答えが返ってきた。
あまりしつこいと嫌がられるだろうから、それ以上は聞かない。

「カンナ、誠達頑張ったな。3回戦まで進むとは思わなかったよ」
「そう思うよな。後で直接誠にメッセージでも送ってやれよ」

カンナも機嫌がいい。
今日からテストだというのにどうしたんだろ?

「どうしたの?」

戸惑いが顔に出たのか、愛莉が僕の顔を不思議そうに見る。
前見て自転車運転しないと危険だぞ。
そんな事は口にしない。
なんて言えば良いだろう。
あまり考えすぎると、かえって心配させてしまう。

「いや、二人共随分機嫌がいいからさ。ちょっと不思議に思っただけ」

多分、間違っていない。
それを証明するように愛莉がにこりと笑う。

「冬夜君のおかげだよ~」

そうか、僕のお蔭か。
だったら何かお礼にください。
いや、ここは「その笑顔で十分だよ」って済ませるべきなんだろうな。
もちろんそんなことは口にしない。
だって「お礼しなきゃね」って言われてないんだから。
で、カンナはというと相変わらず理由は不明だった。
まあ、多分誠がなにかしたんだろうな。

「誠と何かあったのか?」

なんて野暮な事は聞かない。
どうせまともな回答は期待してないし、まともに回答するならカンナからとうに喋ってるだろう。
二人だけの秘密ということもある。
二人だけの秘密か。
僕の知らないカンナを誠は随分と知ってるんだろうな。
同じ学校なら修学旅行の時にでも問い詰めてやりたいところだが。

「さっきから神奈ばかり見てどうしたの~?」

愛莉が聞いてきた。
しまった、ついカンナの事を考えすぎたようだ。
また機嫌を悪くてししまう。
何か安全な対応はないものか。
……素直に話した方がいいかな?

「いや、カンナも機嫌いいからさ、ちょっと気になって」
「あ、私もそれ思った。神奈何かあったの?」

愛莉も知らない事だったようだ。
カンナは予想通りの回答をすると思った。

「いや、冬休みの終わりに誠が来てさ……」

あっさりと喋ったぞ。
隠すほどの事でもないと判断したんだろうか?

「へえ、それでどうしたの?」

そんなに突っ込んだ話をするのはどうかと思うぞ愛莉。
だけどカンナはまた、上機嫌に話をした。

「どうしたって……いつも通りだよ。家に泊まっていって翌日デートして寮に帰るって感じ」

いつも通りって、そんなに頻繁にカンナの家に泊まっていたのか誠。
寮生活って緩いのか?

「そんなに頻繁に誠君泊ってるの?」

容赦なく質問攻めするな愛莉。

「そんなに頻繁にってわけじゃないよ、お前たちと違って誠寮生活だしな。その分密度の濃い時間を過ごすんだよ」

密度濃い時間ってどんなんだろ?
限られた時間を充実させるって事か?

「そっか~あんまり会えないんだね。でも電話とかメッセージはやり取りしてるんでしょ?」

愛莉が近所のおばちゃんと化してる。
でもカンナの機嫌が余程いいのか饒舌に話をしてくれる。

「まあな、誠マメだしな。私のバイトが終わった頃を見計らってかけてきてくれるよ。って私らの話はいいけど、愛莉達はどうなんだよ?」

まあ、そうなるよな?
愛莉は嬉しそうに語る。

「年末から冬夜君が凄く優しいの!それはもうラブラブだよ」

うっわぁ、それ僕の前で言いますか?
カンナが「へぇ」とニヤニヤしながら僕を見てる。

「お前たちはいいよな、いつでも一緒で」

やっぱりカンナも誠と一緒にいたいのか?
そりゃそうだよなぁ。
たとえ学校が一緒だったとしても、誠は寮生活。
一緒にいる時間なんて学校にいる間くらい。
クラスもちがうだろうし、そんなに今と大差ないだろう。
それでも結構マメに誠がカンナの家に通ってるみたいだし、それで今の関係が続いているんだろう。
カンナと誠だから出来る事で、僕と愛莉が同じことをやれるかと言うと怪しい所だ。
いつも一緒にいても喧嘩が絶えなかったんだから。
幸い今年になってからまだ喧嘩はない。
できればこのまま平穏に暮らしたい。

「冬夜君どうしたの?」

学校の駐輪場に自転車を止めながら愛莉が聞いてきた。

「あ、ごめん。また入り込んでた」
「何をそんなに考え込んでたの?」

カンナの事を考えていたなんて言ったらまた大ゲンカだ。
かといって「関係ない」と言ってもやっぱりケンカだ。
どうしたものか?

「トーヤ何度も言わせるな。お前は悩むなって言ってるだろ」
「悩んでるわけじゃないよ」

迷ってるだけだ。
感じたままに話したら、またケンカになる。
かといってあまり長考してるとかえって不機嫌になるし……。
えーい、ままよ!

「いや、愛莉と僕ならカンナ達みたいな真似はできないなって」
「ど~して?」

愛莉がその言葉とは裏腹に表情が険しくなっていく。
それが嫌だったんだ……。
さあどうする?
感じたままに行動しろか?
この場合絶対間違ってる気がするけど。

「これだけ近くにいてもケンカ絶えないのに、遠恋なんて絶対無理だろ?」
「う~ん、そう言われると無理だね」

明らかに落ち込んでる、愛莉。

「いいんじゃないか?カンナ達にはカンナ達のやり方があったってだけで。僕たちは僕たちなりのやり方が合ってた。今が良ければそれでいいじゃないか」

我ながら上手く弁解したつもりだった。
良いことを言ったつもりでも中身は全くない。
結局遠恋には向いてないけど、近くにいるからうまくいっている。それでいいじゃない?
それだけのことだ。
難しく考えることは無い。

「そうだね」

愛莉も納得してくれたようだ。

「早くしないと置いてくぞ」

カンナが先に行ってる。

「待ってよ~」

愛莉が後を追う。
僕もその後を追いかけた。

(2)

テストが終わった。
しかし休む暇はない。
今月はまだ模試が2つ残ってる。
一つは狙っても無いのでどうでもいいとして、もう一つはしっかり準備しときたい。
とはいえ、やることは復習することくらいしかないんだけど。
塾でも通えばよかった?
高校入試と同じ感覚で受けること自体が間違いだったんだろうか?
愛莉はまったく変わらない。
カンナはゲームする時間削って勉強してるらしい。
僕は……変わらない。
今ボーダーラインにいるのは僕じゃないのか?
ボーダーラインに入れていればいいんだけど……。
焦る僕に愛莉は声をかけてくれる。

「今から緊張してると本番ミスするぞ」って。

そうは言ってもやっぱり意気込んでしまう。
そんな僕を見かねたのか。
午後10時。

「今日はこれでお終い!」

え?いつもより早くない?
しかし愛莉は勉強道具を片付けると僕から勉強道具を奪い取る。
宿題は済んでるけど、まだやってない分が。
愛莉はそんなことお構いなしに僕にベッドに横になるように促す。
仕方なく言われるままうつ伏せになる。
すると愛莉は僕の上にまたがりマッサージを始めた。

「凝ってますね~お客さん」

そんな冗談を言いながら。

「今度の模試で全部決まるわけじゃないんだから……、本番までまだ2年あるんだよ?もっとリラックスリラックス」
「それは愛莉だから言えるんだよ」
「また私重荷になってる?」

その言葉を聞いた時しまった!と思った。
何度同じミスをやればいいんだ?
挽回するチャンスはあるよね?

「そんなことないよ、ただ初めてだろ?模試って。だから緊張しちゃってさ」

嘘はついてない。
ここでE判定など出そうものなら勉強につき合わせている愛莉に申し訳が立たないと思うけど、それは言わない。
それを『重荷になる』と解釈しそうだから。
むしろ愛莉の重荷になってるんじゃないかと不安になることの方が多い。
愛莉に心配させたくない。

「また、考え事してる?最近冬夜君考え事多くない?」

愛莉が心配そうに言う。
ああ、今まさにそうなんですね。
長考してるとよくないな。
感じたままに行動しろ。
それは発言も同じなんだろうか?
でもよく考えて物事喋れともいうしな。
あ、いけない。また色々考えてる。
何か言わないと愛莉に心配させちゃう。

「ねえ、冬夜君」

そういうと愛莉はマッサージを止め僕に抱き着いてきた。
うつ伏せだったのが唯一の救い。
仰向けで対面してたらきっと歯止めが聞かない。
健全な男子なら分かるだろ?

「冬夜君は初めてだと緊張してなんでもミスしちゃうからリラックスしよ、いつもの冬夜君ならきっと大丈夫だよ……あと」

何かあるのか?
初めてでなくても今まさに緊張しちゃってるんですけど。
愛莉また大きくなった?
いつもより大きく思える柔らかいそれが背中に押し付けられて思考がパニックになってるんだけど。

「冬夜君にプレッシャーかけるね、私冬夜君が落ちたら一緒に浪人するから」

はい?
なに言ってるんですかこの娘は。
愛莉が落ちるということはまずありえないだろうとして、僕が落ちたら合格した大学を放棄するというのか?

「こんな風に冬夜君をプレッシャーをかけることしかできないけど、私ずっと冬夜君と一緒でいたくて……」
「……ますますミスできないな」
「前向きに考えよ?落ちても次があるんだって。私が後ろからついてくだけだから」

どんだけポジティブになればそんな境地に立てるんだ。
もし落ちて愛莉に浪人なんてさせたら一生遠坂家に対して頭が上がらない。

「落ちなきゃいいのよ。大丈夫だってば。最近冬夜君も順位上がってきたじゃない。この前のテストも」

一生懸命僕を励ます愛莉。
それが励ましになってるかは別問題だが。
齢16にして彼女の人生を背負ってしまうなんて誰が想像しようか?
彼女に背中から密着されているという、大抵の男子ならこれ以上無いシチュエーションでも全く気分が盛り上がらない。
でも何か言わないと、また愛莉を不安にさせてしまう。

「……そうだね」

そう言うのが精一杯だった。
そんな僕の心情を悟ってくれたのだろうか?

「ごめんね。やっぱり迷惑だよね?」

うつ伏せになってるので顔を見ることはできないが、どんな表情をしてるのか大体想像つく。
ごめん。
何か言わないと、今にも泣き出しそうだ。
どうする?

「愛莉お願いがあるんだけど」
「……な~に?」
「向きを変えたいんだけどちょっとだけ起きてくれないかな?」
「?」

愛莉はすこしどいてくれると僕は仰向けになる。
これで愛莉の顔は見れる。
やっぱり瞳に涙をためていた。
僕は愛莉を抱きしめる。
愛莉の頭上に?が浮かんでいるだろう。いや!の方か?

「愛莉前に言ってたね。欠点も含めて相手の全てを受け入れるのが愛だって」
「うん」
「愛莉の言葉。愛莉の僕に対する期待と思って受けいれるよ。とても大きなものだけど」
「……それってやっぱり重荷?」

自分の行動が他人の人生を左右する事を重荷と思わない人が何人いるだろうか。
でも、今はそんな事言ってられない。

「言ったろ?期待だって。大きすぎるけど応えられるように頑張るよ」

物は言い様だな。
ちょっとだけ物事を前向きに考えればどうとでも捉えられる。
……期待に潰されるってこともあるけどね。
でも、ちょっとだけ頑張るエネルギーになるなら……あれ?愛莉泣いてる。
不味い事言ったか?
失敗だったか?

「冬夜君……ありがとう。私も力になれるなら全力で応援するからね」
「もう十分応援してもらえてるよ」

気のせいか、愛莉の抱きしめる力が少しだけ強くなった気がする。
とりあえずは愛莉を慰めることには成功したかな?
最初は慰められる役回りだった気がするのだけど、まあいいか。

(3)

模試の結果……。
愛莉は当然A判定。
カンナはC判定だった。
そして僕は……Aだった!

「まだ1年の模試だからな!現状の結果に満足しないように!」

水田先生からのきついお言葉。
取りあえずは良しとしよう。

「やったね冬夜君!」

人目をはばかる、という言葉を知らないのか愛莉は僕に抱き着く。
ここは教室だぞ。
まあ、今更と言った感じで皆はみてるけど。
カンナもそんなに酷いというわけではない。
これで進学する気になったかな?
帰りに聞いてみるか。


「え?どうだろうな。なんか微妙っぽいし」
「そんなことないよ。頑張れば行けるって!ネットに書いてあったよ。E判定でもう合格するって!Cなら楽勝だよ」

……愛莉は多分一生挫折という言葉を知ることは無いだろうな。
そのネット情報僕も見たぞ。A判定でも落ちることあるって。
まあ、愛莉の場合はHL模試でもA判定もらってたくらいだから地元大学くらい楽勝だろうな。
僕?聞いてもしょうがないだろ?
行く気がないんだから。
それを言ったら愛莉も同じか。
最初から僕と同じ大学に行くことしか考えてないのだから。
もっといい大学行けるんじゃ?
それはもう気にしない。
愛莉が行きたいと言ってるならそうさせてやればいい。
多分受け入れるってそういうことなんだろう。
本当は愛莉の行く大学に僕が頑張って合格してみせるっていうのが理想なんだろうけど。
そもそも愛莉は就職する気すらないのだからどこの大学でも一緒なんだろう。
まあ、僕的にはありがたい選択だ。
愛莉の好意にあまえるとしよう。
その代わり絶対に現役合格しなきゃな。

「ねえ、話聞いてる冬夜君?」

愛莉が大声で呼ぶ。
な、なに?

「冬夜君からも言ってよ!カンナに一緒に大学行こうって」
「だからぁ。3年になってから考えるって言ってるだろ?まだ先の話じゃん」

ああ、その言い合いをしてたのか。

「……冬夜君また考え事してたでしょ?」
「またか、お前は何も考えるなって何度言わせれば」
「……いいじゃないか。カンナのやりたい目標に進ませれば」
「冬夜君?」

なんだろう?この悟った感。
二人の驚きのまなざしを一身に浴びてる。
二人共前見ないと危ないぞ。

「愛莉が僕と同じ大学に行く。落ちたら一緒に浪人する。それと一緒だろ?カンナにはカンナの考えがあるんだよ」
「ちょっと待て、一緒に浪人ってなんだよ!」

そう思うよな。

「カンナの進路を今どうこう言える立場にあるとしたら、おばさんか誠だろ?」
「ちょっと冬夜君それ冷たくない?友達だよ」
「友達だからこそ好きな道を選ばせてやるのも大事なんじゃないか?」
「トーヤ、今日のお前なんか違うな……」

まだ、納得してない様子の愛莉。

「まだ決めてないって言ってるんだから好きに選ばせてやれよ。その後押しをしてやるのが友達だと思う」
「……うん、わかった」

腑に落ちない様子の愛莉だった。


(4)

「ねえ」

結果のでた晩、僕は愛莉と勉強してる。
カンナはバイト。

「どうした?」

未だに納得してない愛莉はいつもと違いペン回しをして遊んでいる。

「どうして神奈の味方したの?神奈の事好きなの?」

どうしてそうなるのかをまず聞きたいが、愛莉の勉強を捗らせてやるためにも愛莉の質問に答えることにした。

「恋人としてという意味ならノーだよ、愛莉がいるしね」
「それならなぜ?」
「愛莉。自分が正しいと思っていてもそれを他人に押し付けるのはどうかと思うよ」
「冬夜君にはそう見えるの?」
「多分誰が見てもそう思うと思う」
「そっか……」

落ち込む愛莉。

「愛莉の言うことも分かる。でも愛莉が何よりも僕を優先するようにカンナにも優先するものがあるんだと思う。カンナが悩んでいて立ち止まってる時にそっと背中を押してやればいい」」
「冬夜君、今日どうかしたの?昼間から変だよ?何か違う」
「いつもと一緒だよ」
「嘘だ、なんか突然悟ったようなこと言いだしてさ、実は中身が変わっちゃったとか……あ、模試の勉強しすぎて頭おかしくなっちゃったとかないよね」

失礼な。
まるで僕が普段食べ物の事しか考えていないみたいじゃないか。
って憤慨しても仕方ない。
慌てふためく小動物のように可愛い仕草をする愛莉をどうにかしないと。

「愛莉、変わったとしたら多分去年の大晦日だよ。あの時僕の全てを受け入れてくれたから僕は今すっごい楽なんだ。だから他人を見る余裕が出来たんだと思う」
「冬夜君……変わったんだね。嬉しいよ」

泣くなよ、泣いたらだめだからな。

「浸るのは勉強の後にしよ?そのあとじっくりいちゃつこう」
「……要はいちゃつきたいのね」

ため息交じりに言うけど、嫌とはいってない。
その後二人共談笑をしながら勉強を進める。
この先こんな日が続くんだろうな。
願わくば続いて欲しい。
何事もない安息の日々を。
何もないけど、その分充実した日々を。
密度の濃い時間を過ごしたい。
心の底からそう思っていた。
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