74 / 442
2ndSEASON
二人の心
しおりを挟む(1)
「冬夜君おはよう~」
うん、いつも通りだね。
僕は起き上がり愛莉をチェックする?
あれ?
なんか目に隈が出来てる。
眠れない事でもあったの?
でもなんか嬉しそうというか、照れくさそうというか。
なんかあったっけ?
少し頭をひねって考える。
少し前の愛莉なら怒ってただろうな。
「この鈍感!!」って。
でも今年の愛莉は優しかった。
「気づいてないんだね」っていうとプレゼントをくれた。
ご丁寧にリボン付きの包装だった。
うーん、なにか記念日だったっけ?
……あっ!
「ありがとう」
僕は礼を言うと、愛莉は微笑みで返した。
「やっと気づいたんだね」
今日は2月14日。
バレンタインデーだ。
朝一からくれるのか。
「おっす、トーヤ。これ私からも。」
愛莉の後ろに立っていたカンナからもチョコを受け取った。
「ありがとう」
しかし、喜びは絶望に変わる。
今日は2月14日。てことは明日は15日。
僕と愛莉が付き合い始めて丸4年だ。
何も準備してない。
テストの事で頭一杯で気づいてなかった。
今日急いで買いに行くか?
でも何を?
慌てる僕。
そんな僕を見て、何を考えているのか気づいたんだろう。
愛莉はカンナに先に降りてもらえるようにお願いすると、僕に囁いた。
「明日は二人っきりで勉強しよっ!どうせ平日だし」
「え、でも……」
「前に言ったよね『二人っきりでまったりでいい』って」
そう言われて、はいそうですか。と言えたら苦労しない。
何かしてやらないと……。
まだもやもやしてる僕に愛莉は続けて囁いた。
「冬夜君が何か悩んで隠し事されるよりはずっとましだから」
完全に手段を塞がれた。
ごめんね愛莉。
不甲斐ない僕で。
来年からはもっと前もって準備するよ。
しかし、愛莉は僕の心をしっかり読みとってるらしい。
「来年も再来年もずっと同じでいいから。その時間勉強につかって。一緒にいてくれるだけでいい」
「……わかった」
渋々承諾すると。愛莉は笑顔で返した。
そして二人でダイニングに向かうのだった。
僕が朝食を食べている間、愛莉とカンナは二人で何やら話をしていた。
多分明日の事だろう。
愛莉が頭を下げている。
「おう、いいぜ」
カンナの声が一際大きく聞こえる。
「その代わり今日の夜もちょっと一緒には帰れないからな」
誠にチョコレート渡しに行くのか?
そのくらいの察しはついた。
「いいよ、じゃあ私の分も渡しておいてくれない?」
愛莉はそう言ってバッグから小さな包みを取り出すとカンナに渡す。
「おっけー。ちゃんと渡しとくよ」
そう言ってその包みをカンナは鞄にしまう。
そんなやりとりを見ながら僕は食事を終えると準備する。
準備を終えると家を出た。
(2)
今日は学校を終えると伊田校に向かっていた。
上り坂がきつい。
やっとつくと校門の前で待つ。
当たり前だが、伊田高の生徒がぞろぞろと帰路につく。
一人違う制服の女子が校門の前で立つ。
物凄い目立つんだろう。
皆じろじろ見てる。
……よく考えると誠部活中か。
夜まで待つしかないかな?
とりあえずメッセージを送る。
「校門の前で待ってる」と。
程なくして、誠は現れた。
サッカー部のジャージに汗だくの誠。
ヤッパリ練習中だったんだな。
「練習中だったんだろ?悪いな」
「いや、いいよ。ちょうど10分休憩だったから」
その間にスマホを見て飛んできたらしい。
「で、どうしたんだ?」
私は、鞄の中から包み紙を渡す。愛莉の分だ。
「これ、愛莉から」
え?と怪訝な顔をする。
「ありがとう、サンキューって伝えておいて」
トーンは明らかに暗い。
「用ってこれだけ?」
誠が尋ねてきた。
そんなわけないだろ。
私は愛莉の宅配便じゃないんだぞ。
私は黙ってもう一つ包みを誠に渡す。
「これは私から」
「お!これを待ってたんだよ!!てか最初にくれよ!!」
悪いな、ちょっと悪戯してみたかっただけだ。
「じゃ、用はそれだけだから。帰るな。練習頑張って」
そう言って帰路につく私を誠は呼び止める。
「待てよ折角来たんだし、コーヒーくらい奢るよ。寒かったろ?」
「バイトの時間もあるしのんびりしてらんないんだ」
ゆっくり話をしたいのは山々だけどな。
「そっか、態々来てくれてありがとう」
「いいよ、じゃあまたな」
「ああ、わかった」
二人の間に沈黙が流れる。
どうやら考えてることは同じようだ
「先に行けよ、休憩時間過ぎてしまうぞ」
「神奈こそ先に行けよ。バイト時間あるんだろ?」
「でも……」
いつも見送ってるのは私だろ?
最後まで見ていたいんだよ。
その背中を見送るのが私の役割。
でも考えてることは誠も同じだった。
「神奈の後ろ姿見送るなんて事滅多にないからさ。たまにはさせてくれ」
「……わかった」
そう言って私は自転車を漕ぎだす。本当に私が見えなくなるまで誠は私の背中を見ていた。
どうして分かるのかって?
私も時折振り返り確認してたから。
どんなに遠く離れていても、心はいつでも一緒だ。
それだけは誓う。
私には誠しか見えない。
バイトから帰って一息つくと夕飯を準備して一人で食べて。
お風呂に入って一人勉強。
トーヤ達は二人で仲良くやってるんだろうな。
大学進学か……。
考えても無かったな。
この前の模試の結果は悪くはないと言われたが。
誠はどうするんだろう?
誠はとてもマメだ。
毎日電話してきてくれる。
丁度そのくらいの時間だった。
今日もスマホの着信音が鳴り響く。
「もしもし」
「あ、神奈。俺俺」
声を聞いたらわかるよ。
この際だから、誠に聞いてみるか?
「なあ、誠。進路って考えてるか?」
「え?まだ1年だぜ?考えてないよ。今は部活で手一杯」
そうだよな。
私もバイトで手一杯だ。
「そうだよな」
「どうした?二人に何か言われたのか?」
「愛莉に地元大学一緒に行こうって言われた。模試の結果も悪くなかったし」
「なるほどな。それで神奈はどうしたいんだ?」
「どうしたいのか自分でも分からない。誠は地元大学行かないだろ?大学でも離れ離れになるかと思うと……」
「たとえ遠く離れていても、心はいつでも一緒だってさ。てかそんな離れてないし」
そう言って誠は笑う。
そうだよな、今とそんなに変わらない。
「なあ、神奈。俺進学するとしても私立大学だ。地元の」
「そうか」
スポーツ推薦枠狙ってるんだろうな。
そんなに離れてない。
そう言いたいんだろ?
「神奈さえよければ、大学に行ったら一緒に生活しないか?」
は?
何を言ってるんだこの男は?
「も、もちろん生活費は自分で何とかするよ。バイトするとか……」
「サッカーしてるのにそんな余裕あるのかよ」
「ダメか……」
本当に何も考えていなかったようだ。
でも気持ちは嬉しい。
「自分で言ったろ?離れてても心は一緒だって。心配するな。偶に顔見せてくれるだけでいいよ。進学するかどうかはもうしばらく考えてみる。ただ、どんな選択をしたとしても誠とは一緒にいたい」
「分かった」
「ありがとう、少し気が楽になった気がする」
「結局俺の事で悩んでたのか」
「まあ、誠の進路が気になってたのもあるな」
どんなに遠く離れていても二人の心は一緒だ。
いつも見守ってくれている。
偶に会えればそれでいいよ。
誠は会いに来てくれる。
高校卒業したら自分から会いに行くことも可能だ。
そう思えば気が楽になった。
ならば今まで通りでいいじゃないか。
「私決めたよ……地元大学受けてみる」
「そんな簡単に決めて良いのか?」
「これでも随分悩んだんだけどな」
「そうか、頑張れ」
「ありがとう、誠のお蔭だ」
もっと勉強しないとな。
バイトの時間削るか?
やっと見つけた自分の夢。
夢って言うほどのものでもないけど。
でも向かうべき方向はみつけた。
後はそれを実現する努力をするだけだ。
ガチャ。
母さんが帰ってきたみたいだ。
「誠悪い。母さん帰ってきたみたいだ。また明日」
「ああ、頑張れよ。神奈」
「ありがとう」
電話を切ると、母さんを出迎えた。
「お帰り、母さん。ちょっと話があるんだけど」
「ただいま。どうしたんだい?急にあらたまって」
「大学行きたいんだ。地元大学……」
「……そうかい。頑張って勉強しないとねえ」
「ありがとう。一回だけ頑張ってみる。それでだめなら働くよ」
「うん、お前のやりたいようにしなさい」
ありがとう、母さん。
心底から母さんに感謝する。
その決意を愛莉たちにも伝える。
すぐに返事が返ってきた。
「応援するから、一緒に頑張ろう」
結局3人ずっと一緒なんだな。
それも悪くない。
母さんのご飯の準備を済ませると一人机に向かった。
(3)
2月15日
僕と愛莉が付き合い始めて4年目の記念日。
その晩二人っきりで勉強をしていた。
雑談をしながら。
今日の話題はカンナについてだった。
「神奈積極的に勉強するようになったね。何があったんだろう?」
愛莉がそう言う。
何があったのかは知らないけど、誠が噛んでいたことには間違いないだろう。
授業が終わった後、分からない箇所を愛莉や僕に聞いてくる。
昨晩カンナから届いた突然のメッセージ。
「私地元大学受ける」
本当に突然だった。
二人で顔を見合わせる。
まあ、やる気になったのならそれでいい。
僕も負けてられないな。
何せ僕が落ちたら大変なことになるからね。
宿題を手早くすませ、過去問やら模試の見直しやらやってると愛莉のペンが止まっていることに気がついた。
どうしたの?
また何か不安な事でも?
「誠君、進学するとしても私立大受けるって言ったんだよね?」
「らしいね」
スポーツ推薦で狙ってるんだろうな。
「らしいね、じゃないよ。また二人離れ離れだよ!心配してあげたって」
「あの二人なら大丈夫だよ、離れてるといっても車で30分かかるかどうかだろ?」
「そうだけど」
「多分僕たちにはない絆みたいなのが二人にはあるんだよ」
「私たちにはないの?絆」
「あるよ」
無いなんていったらまた激怒だ。
多分種類が違うだけで、絆の深さとかそういうのは変わらないと思う。
スマホっていう便利なツールもあるしね。
高校卒業したら車っていう便利な道具もつかえる。
「うーん……」
愛莉はまだペン回しをして口を尖らせ考え込んでる。
頭のいい愛莉でも悩みはあるんだろうか?
まあ、悩みの無い人間なんて皆無だろうけど。
僕の悩みはどうでもいい事って言われたけど愛莉も結構どうでもいいことで悩んでたりする。
今回もその類だろう。
とは、いえこのまま放っておくわけにもいかず、声をかけてやる。
「どうした?」
愛莉の悩みはやっぱりどうでもいい事だった。
「最近冬夜君えらく達観的だなって。本当に先月からおかしいよ?」
愛莉の悩みに僕は笑みを浮かべて答えた。
「愛莉のお蔭だよ。僕が悩んでたら愛莉が助けてくれるんだろ?そう思えば気楽になった。迷ったら愛莉に頼ろう。その代わり愛莉が悩んでる時は一緒に悩もうって。そう思ったらちっぽけな悩みで揺らぐことは無くなったかな?」
僕の言葉に黙って耳を傾ける愛莉。
背中を押してくれる人がいるとわかったら、結構気が楽になる。
彼女が良いって言うんだからいっか。みたいな?
甘えられる人、休ませてくれる場所があるだけで人は強くなれると思う。
疲れたら休めばいい、挫けそうになったら頼ればいい。
甘えっぱなしは良くないと思うけど。
人って字は支え合って成り立っているもの。って昔のドラマで言ってたらしい。
寄り添う人、支えてくれる人がいるからこその強さなのかもしれない。
「まあ、今悩んでるのは記念日に勉強してるってことかな?」
「冬夜君強くなったんだね」
愛莉は一言言った。
まだ何か不安があるようだ。
僕が考え込むとそんなに不安か?
「愛莉はさ、僕と一緒の道を歩むって決めたら、脇目も振らず一直線だよね?カンナも大学に行くって決めたら一直線だろ?」
「うん」
「僕も一緒だよ、愛莉と一緒の道を歩むって決めたから迷いが無い。迷いが無いから視野が広くなる。それが達観的に見えるだけだよ」
「うん……。冬夜君もやっと気づいてくれたんだね。私の存在に」
「そうかもな……」
「あーあ。こんな空気になるなら。お泊りセット用意してくるんだった」
なんてことを言い出すんだこの娘は?
「いきなり何言い出すんだよ」
「だって、そんな気分なんだも~ん」
「週末に甘えさせてやるから」
「甘えさせるって……冬夜君にはその気ないの?」
あるに決まってるじゃないか!
僕だってまだ16の健全な男子だぞ。
常に賢者時間にあるような境地には至ってない。
自分で言ったろ?
「こんな空気」って……。
それくらい自分だってわかってる。
その空気を敢えてスルーするのにどれだけ苦労しているか。
「今は勉強に集中する時間だろ?」
僕がそう言うと愛莉は何を思ったのか。勉強道具を片付けだす。
そして一言
「私帰る」
え?
俺まずいこと言ったか?
またヘマやらかした。
しかも記念日に。
いや、大体特別な日にへまってやらかすもんだけど……。
すたすたと部屋を出ようとする愛莉の手を掴む。
「離して」
泣いてはない。怒っているのか?
なんか嫌な予感がする。
やっぱり勉強時間なんて決めつけないで欲望の赴くままに行動するべきだったか?
今からでも遅くないよね?
僕は立ち上がり愛莉を抱きしめる。
「待てよ愛莉。僕がわるかっ……」
「待つのは冬夜君だよ」
へ?
愛莉の表情は明るい。
そして頬を赤らめている。
まさかとは思うけど……
そのまさかだった。
「着替えとってくる。今日は一緒に過ごそ?」
本当にとんでもない事を言い出す娘だ。
「明日学校だろ?いくら愛莉ママでも許さないって!」
そう言うと愛莉はスマホを手に取ると家に電話をする。
「もしもし?りえちゃん?私今日冬夜君家に泊ってく。え?着替えは今から取りに帰るから……うん。分かった」
電話は数十秒で終わった。
愛莉の言葉と口調からさっするに許可は下りたんだろう。
何考えてるんだ愛莉ママ。
ていうか愛莉パパは何も言わないのか?
「パパさんも『う、うむ……気をつけるんだぞ』だって」
おかしいですよ!そんなの間違ってますよ!パパさん!
うちの親もこんな時間まで二人っきりで年頃の男女を二人きりにさせることに抵抗が無いのもどうかと思うが、仮にも年頃の娘の親だぞ。
少しは厳しくした方がいいんじゃないか?
親、そうだ親だ!?
僅かな望みをかけてみるか。
「僕の親の了承も得ない……」
あれ?いない。
まさか……!!
慌てて下に降りる。
案の定、両親に事情を説明する愛莉がいた。
「いいわよ。ただ、明日学校なんだからあまり夜更かししちゃダメよ」
「冬夜を頼むな……」
「はい」
なんか僕の考えがおかしいように思えてくるこの会話。
母さんが僕を見つけると一言
「冬夜、あんた大学に行く気なら分かってるでしょうね。ちゃんとすることはするんだよ。取り返しのつかないことだけはするんじゃないよ」
そこまで分かってるなら止めろよ母さん。
「今更何を慌ててるんだ冬夜、昨日今日付き合い始めた仲じゃないだろ?お互いの事はよく分かってるだろうし父さんたちは何も口出ししないよ」
お互いの事をよく……か。
最近になって分かったことなんだけどな。
だけど、まだ知らない愛莉がいるかもしれない。
僕にだってまだ愛莉に言ってない秘密がある。
それを愛莉が受け入れてくれるかは分からないけど。
でも今なら言ってもいいんじゃないか?
わざわざ言うほどの事でもないか、今となっては。
えーい、過去の事だ。忘れてしまえ。
「どうしたの?突然ぼーっとして」
あ、また入ってた。
最近多いな。
「なんでもないよ」
そんな事を言っていると愛莉が戻ってきた。
「あれ?冬夜君部屋に戻ってなかったの?」
制服と鞄を持った愛莉が驚いているようだった。
「今から戻るよ」
そう言って愛莉の背を押す。
「なあ、愛莉」
「な~に」
ベッドの中で抱き着く愛莉に話しかける。
「時間を戻せるとしたら何時に戻りたい?」
「へ?」
「やり直せるとしたら、いつまで戻りたい?」
「特にないかな~、そりゃ冬夜君と喧嘩する前にもどってやり直したいとかあるかもしれないけど、喧嘩して本音をぶつけ合って現在があると思うの。今となったらいい思い出だし。やり直したいと思うことはないかな」
「そうか」
過去の過ちも、いい思い出か。
僕もそう思える時が来るんだろうか……。
中1の頃に起こった出来事。
愛莉にも言えなかった、あの過ち。
「冬夜君はあるの?」
愛莉が聞き返してくる。
どうする?
打ち明けるべきか。
……。
「あるよ」
「え?」
愛莉の表情が曇る。
「……聞いてもいい?」
「良いけど……」
どうか嫌いにならないで……。
「あれは中1だったかな……」
………
……
…
全てを話終えると愛莉は僕を抱きしめる。
「大丈夫だよ。冬夜君は悪くない!」
「ありがとう」
僕は愛莉の胸の中で泣いていた。
「辛かったんだね。冬夜君もそんな時があったんだね。気づいてあげられなくてごめんね」
今こうして受け入れてくれるだけでもうれしい。
愛莉を抱きしめる。
そのまま僕たちは寝てしまう。
翌朝部屋にやってきたカンナに唖然とされるのは言うまでもない。
0
あなたにおすすめの小説
宿敵の家の当主を妻に貰いました~妻は可憐で儚くて優しくて賢くて可愛くて最高です~
紗沙
恋愛
剣の名家にして、国の南側を支配する大貴族フォルス家。
そこの三男として生まれたノヴァは一族のみが扱える秘技が全く使えない、出来損ないというレッテルを貼られ、辛い子供時代を過ごした。
大人になったノヴァは小さな領地を与えられるものの、仕事も家族からの期待も、周りからの期待も0に等しい。
しかし、そんなノヴァに舞い込んだ一件の縁談話。相手は国の北側を支配する大貴族。
フォルス家とは長年の確執があり、今は栄華を極めているアークゲート家だった。
しかも縁談の相手は、まさかのアークゲート家当主・シアで・・・。
「あのときからずっと……お慕いしています」
かくして、何も持たないフォルス家の三男坊は性格良し、容姿良し、というか全てが良しの妻を迎え入れることになる。
ノヴァの運命を変える、全てを与えてこようとする妻を。
「人はアークゲート家の当主を恐ろしいとか、血も涙もないとか、冷酷とか散々に言うけど、
シアは可愛いし、優しいし、賢いし、完璧だよ」
あまり深く考えないノヴァと、彼にしか自分の素を見せないシア、二人の結婚生活が始まる。
イケメン警視、アルバイトで雇った恋人役を溺愛する。
楠ノ木雫
恋愛
蒸発した母の借金を擦り付けられた主人公瑠奈は、お見合い代行のアルバイトを受けた。だが、そのお見合い相手、矢野湊に借金の事を見破られ3ヶ月間恋人役を務めるアルバイトを提案された。瑠奈はその報酬に飛びついたが……
靴屋の娘と三人のお兄様
こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!?
※小説家になろうにも投稿しています。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
王宮に薬を届けに行ったなら
佐倉ミズキ
恋愛
王宮で薬師をしているラナは、上司の言いつけに従い王子殿下のカザヤに薬を届けに行った。
カザヤは生まれつき体が弱く、臥せっていることが多い。
この日もいつも通り、カザヤに薬を届けに行ったラナだが仕事終わりに届け忘れがあったことに気が付いた。
慌ててカザヤの部屋へ行くと、そこで目にしたものは……。
弱々しく臥せっているカザヤがベッドから起き上がり、元気に動き回っていたのだ。
「俺の秘密を知ったのだから部屋から出すわけにはいかない」
驚くラナに、カザヤは不敵な笑みを浮かべた。
「今日、国王が崩御する。だからお前を部屋から出すわけにはいかない」
※ベリーズカフェにも掲載中です。そちらではラナの設定が変わっています。(貴族→庶民)それにより、内容も少し変更しておりますのであわせてお楽しみください。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる