優等生と劣等生

和希

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2ndSEASON

居場所

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(1)

県総体・開会式。
この日は競技場に集まっていた。
ジュースに買うのも一苦労だ。
愛莉たちを席に残して買いにく。
すると、すぐに女子生徒に囲まれる。

「わあ、テレビに出てた人だよ!」
「この身長でエアウォークするの!?」
「てか、去年サッカーで話題になってたじゃん!」

こんな調子だ。
愛莉たちと一緒だと、男子生徒に囲まれて大変だからとは思ったから一人で買いに来たけど、結果は変わらなかったようだ。
って、そんな事を言ってる場合じゃない。
こんなところ愛莉に見られたら……。

「な~に、やってるのかな?冬夜君」

見てるんだよな、お約束だよな。
大勢の男性陣を引き連れ、近づいて来る愛莉。
女性陣を押しのけてやってくる、
男性陣と女性陣が入り乱れてカオス状態。

「ジュースは買ったみたいだね」

僕が抱えてるジュースを見て言った。

「じゃ、もどろ?」

「もどろ?」じゃないだろ。
そんなにこれ見よがしに腕を組んだりしてたら……。

「何あの女、マジウザいんだけど」
「あれじゃん!?彼氏にサッカーさせないとか言ってた」
「テレビにも出てた。自慢の彼氏とか言ってた……」

「何であんな冴えないやつと一緒なんだよ」
「俺の方が数倍ましだぜ」
「ちょっとスポーツが出来るだけでパッとしねーじゃん」

言われたい放題の僕たち。
そして行く道を塞がれる。
男子も女子も口を揃えて言う。

「俺の方が優しいよ?」
「私の方が良いと思うよ?」

愛莉は一言言う。

「他人の恋人捕まえて貶める人より冬夜君の方がずっといいし、ちょっとテレビで見たからって言い寄ってくる人に負ける気なんてしないよ。ね?冬夜君」

「ね?」じゃないよ。
散々火に油どころか、ガソリンぶちまけておいて、最後は僕に振るのか?
ほら、怒りのオーラが燃え上がってる。
僕が何か言おうものなら。一気に爆発しそうな雰囲気だ。
とはいえ、何か言わないとこの場は収まりそうにない。

「冬夜君?」

不安そうに僕を見る愛莉。
感じたままに動け。か。
僕はペットボトルと缶をポケットにしまう。
一つだけ手に持って。
そして、愛莉の手を掴むと群衆の中に突進した。

「ごめんちょっと通して」

愛莉を守りながらかき分ける僕。
すると体格のいい男性が道を塞いでいた。
僕は見上げるとそれは良く知るカップルだった、

「渡辺君に美嘉さん?」
「よお、冬夜。美嘉がどうしてもお前に会いたいと言っていてな」
「冬夜君に?」

愛莉が聞き返すと渡辺君は頷いた。

「よお、とーや。久しぶり!」

美嘉さんが僕に挨拶する。

「テレビ見たぞ。お前見かけによらずすげーな」

美嘉さんはそう言って僕の肩を叩く。

「わ、渡辺君そういう話なら後でゆっくり……」

僕はそう言って後ろに目線をやる。

「そうだな、じゃあ……」

渡辺君が何かを言いかける前に美嘉さんが、僕たちと取り巻きの間に立っている美嘉さん。

「金魚の糞みてーにうじゃうじゃとうぜーんだよ!!とっとと失せやがれ!しばくぞこらぁ!」

と、怒鳴りつける。
美嘉さんの剣幕の凄さに加えて、後ろに渡辺君も立っていたせいか、取り巻きは解散していった。

「ありがとう、助かったよ」

僕は美嘉さんと渡辺君に礼を言う。

「礼はいらないからサインくれよ!」

そう言って美嘉さんは生徒手帳とペンを取り出す。
僕は生徒手帳のメモ欄に名前を書く。

「冬夜君もサイン書く練習しないとね」

愛莉はそう言って笑った。

「じゃあ、また後でな」

そう言って美嘉さんは去って行った。
あとで?

「誠もいっしょなんだろ?開会式終わったらファミレスでも行こうぜ」
「誠大丈夫なの?練習とかあるんじゃ……」
「音無さんに聞いた。『今日くらい構わない』ってさ。試合明日なのにな」
「あ、冬夜君私たちも戻ろう、神奈にジュース渡さないと」

愛莉に急かされる。
あ、そうだった。
僕たち3人は自分の高校の席に戻った。

(2)

「冬夜、今年は絶対出るなよ!」

誠は開口一番そう言った。

「頼まれたって出ないから安心しろ」

去年みたいな目に合うのは懲り懲りだ。
実際、今年も担任、顧問、そしてクラスメートの梅木くん、後輩の佐倉さんに頼まれた。

「一試合くらい出てやっても良いんじゃないか?」と水田先生が言う。

その一試合で散々な目に合ってるんですけど。
今年はサッカー部に加えてバスケ部にも頼まれた。
期末テストを理由に断った。

「まあ、そこまで言うなら無理強いはしないが……、前にも言ったがサッカーで進学もお前なら可能だぞ?」
「行きたい大学決めてるんで……」
「そうか……、今でも変わらないか」

入試を来年に控えてるせいもあって、無理強いをする者はいなかった。
佐倉さんが中々引き下がらなかったくらいか。
どこの大学に行くつもりなのかを気にする人はいたけど。


「よし、冬夜が出ないなら今年はインハイいける!」

誠は喜んでる。
今回は足の負傷等はなかったようだ。

「遠坂さん達も同じ大学だってね?」

誠が聞くと愛莉とカンナは頷いた。

「私たちも地元大学のつもりよ」

江口さんがそういう。
私たちもってことは石原君もそうなのか。

「俺もそのつもりだったが……、瑛大と指原さんはどうするんだ。
「私は地元大学なんだけど瑛大が……」

桐谷君がどうかしたの?

「俺この前の模試E判定だったんだよ。滑り止め受けるつもりだけど……だめだあ」
「……てなわけ」
「だいたい渡辺班は地元大学行きか。イッシー達は違うと思ったんだけどな」
「地元を離れる度胸が無くて……」
「私はイッシーに合わせたつもり」

石原君も大変だな。

「まあ、大体地元大学みたいだし、現役合格を願って……」

渡辺君が言うと皆がソフトドリンクの入ったグラスをカチンとならす。

(3)

伊田高サッカー部はインターハイ出場が決まったらしい。
カンナが喜んでいた。
僕にもメッセージが届いていた。

「出なくてありがとう!」と

県総体が終わり目下の目標は期末テストと、その後の模試。
……てわけにもいかず、そろそろまた次のデート計画しないとな。
今度は普通でいいかな?
しかし普通というのが難しいぞ。
ネットで調べたらランチを誘うのがいいらしいけど、僕の場合アウトだろうな。

「食べる事しか考えてないんだから!」って怒りだすのが見えてる。
「お前らは昨日今日付き合い始めた仲じゃないんだから何時でもいいんだよ!」とカンナは言ってた。
「愛莉、明日デートしよっか?」「どこに?」「……」ってなるのも見える。

何がいい?どうすれば愛莉が喜んでくれる?

「冬夜君、そこ間違ってるよ」

行き先は駅ビルかショッピングモールか、なんかマンネリ化だなぁ。
あ、映画最近行ってないなぁ。
調べてみよう。
スマホを取り出し、調べてみる。

ぽかっ

「勉強中にスマホを触るとはどういうつもりかな?」

愛莉に怒られた。
そうだ、勉強中だった。

「ごめん、映画をちょっと調べてた」

素直に白状する。
無駄に隠すと、後で面倒になる。

「映画?ああ、なるほど」

愛莉は感づいたらしい。
ただ、カンナに配慮したらしく抱き着いてはこない。

「う~ん、今はテスト前だしテストに集中しよ?」
「……そうだね」

どうやら、場所までじゃなく機会まで奪われてしまったらしい。
どうしてこうタイミングが悪いのやら。
その後は勉強に集中した。
集中したというか没頭したというか。

「トーヤ。そろそろ私帰るから」

と、いうカンナの声すら聞こえないほどに。

べしっ!

カンナの突っ込み方も容赦ない。

「また愛莉とデートの計画練りか、勉強中も上の空だったし」

何かあったのか?

「勉強はこれでお終いにして次は愛莉に没頭しとけ」

カンナはそう言って部屋を出て行った。
愛莉はさっきから大人しい。
シャーペンは止まったまま、僕をじっと見てる。
僕と目が合うと慌てて、ノートに視線を落とす。
没頭してる間に何かあった?

「愛莉何かあった?」

直球で聞いてみるのもたまにはいいだろ。

「な、なにもないよ?私もそろそろ帰ろうかな?」
「え、でもまだ21時だよ……?」
「あ、そうだね……それじゃもう少しいようかな?」

なんかあったな?
普通に聞いても答えてくれそうにない。
どうする?
……愛莉もいつもやってるしいっか?
僕は愛莉の隣に密着する。

「と、冬夜君まだ勉強の時間だよ!」

そんなの関係ないね。
愛莉の肩に手を回しそっと抱き寄せる。

「僕が勉強に没頭してたせいかもしれないけど、なんか様子が変だよ?どうしたの?」
「……今は勉強しよっ!あとで話すから……」

愛莉はそう言うと再びノートに目線を落とす。
これは怒ってるのか?それとも何とも思ってないのか?
機嫌を損ねる真似はしてないと思うけど。
没頭していた時間に何があったのか?
まあ、いい。
後で聞かせてくれるというのだから。
僕は勉強に再び没頭した。



「冬夜君」

愛莉に声をかけられて、ハッと気づいた。
時計は23時を回っている。

「ごめん!愛莉また入り込んでた!」

愛莉は首を横に振る。

「電話してもいいかな?」
「……いいけど誰に?」

嫌な予感しかしなかった。
そしてそれは当たった。

「もしもし、りえちゃん?今から制服取りに行くから……うん、今日は遅いし、冬夜君家に泊まる~」

電話を終えると愛莉は僕に「ちょっと家にもどってくるね」と言って部屋を出た。
もはや語るまい……。

(4)

また冬夜君が自分の世界に入ってる。
いつもと違うのは何かを考えているのではなく、ひたすら勉強に没頭している事。
勉強の世界に入り込むってどんな感じだろ?
ちょっと覗いてみたい気もしたけど、勉強に集中しよ!って言った手前邪魔も出来ない。
カンナもいるし強引な入り方はできない。
そんな時カンナが言い出した

「今、トーヤまったく話聞いてないよな?」
「多分聞いてないと思う」
「……あれからどうだ?トーヤ変わったか?」
「……なにが?」
「……だからあれだよあれ!いつもワンパターンだって不満漏らしてただろ?」

何のことか察しはついた。でも……。

「言ったよね?私は冬夜君が相手ってだけで幸せだって」
「もっと幸せな気分に浸りたくないか?」

うぅ……、そう言われるとそうかもしれないけど。

「そんな方法あるの?」

試しに他のDVD見せてみたけど、DVDの真似だってわかった途端そんなに変わらなかったよ。

「トーヤの能力があればできると思うんだよな」
「?」
「してる最中に愛莉に没頭させるんだよ。愛莉の事しか考えないように」
「さすがに、してる最中に他の事考えたりなんて器用な真似冬夜君にはできないよ」
「でも没頭もしてないだろ?多分その行為自体に没頭していて愛莉の事なんて考えてない」

うぅ……そう言われるとそうかもしれない。
でも、どうやって冬夜君の世界に私が入り込めばいいの?

「愛莉も頑張るんだよ、私はここにいるんだよ。トーヤの相手は私だよ。DVDの女優じゃないんだよってわからせるんだよ」
「その方法が分かればとっくにやってるよ……」
「トーヤは優しいからな、愛莉に要求しないんだろうな。自分ひとりでどうにかしようとする。共同作業に変わりないのにな……」
「?」
「いいか……」

神奈は私に耳打ちする。
それを聞いて私は顔が真っ赤になった。
全身が熱い。
恥ずかしいよ。

「そんなの無理!したことないし……難しいって書いてたよ」
「愛莉もトーヤの事だけを考えればいいんだよ。前にじっくり見てたろ?真似すればいいんだよ。どうすればトーヤが喜んでくれるか?言ったろ?共同作業だって」
「……私軽い女って見られないかな?」
「トーヤの気持ちになってみ?トーヤがそんな事考えると思うか?」

目を閉じて考えてみる。

それはない……か?

「じゃ、今夜でも試してみ?ちょっと遅めにくるからさ」
「来週テストだよ!そんなことしてる暇ないって」
「『普段から勉強してたらテスト期間に慌てる事はない』って言ってたの誰だっけ?」

神奈はそう言ってにやりと笑う。

「じゃ、そろそろ私は帰るわ。ごゆっくりな~」

神奈はそう言って冬夜君の頭をべしっと叩く。
冬夜君が自分の世界に戻ってきたようだ。
神奈が帰った後私は考え事をしていた。
本当に今夜するの?
色々準備出来てないよ?
心の準備もまだだよ?
そんな事考えていたら冬夜君が隣に密着してきた。
今勉強中だよ?
私も今勉強どころじゃないけど。
そんな真似されたら……その気になっちゃうよ。
冬夜君は私を抱き寄せ言う

「僕が勉強に没頭してたせいかもしれないけど、なんか様子が変だよ?どうしたの?」

違うよ、アナタのせいじゃないの?
冬夜君に触れて分かる冬夜君の世界。
そこには私しかいなかった。
今は私の事だけ考えてくれてるんだね?
……決めた。

「……今は勉強しよっ!あとで話すから……」

冬夜君はまた自分の世界に入ってた。
勉強でも自分の世界に入れるようになっちゃったんだね。
じゃあ、最中は私の事だけを考えてもらえるよね?
私の覚悟はできた。
時間が23時を過ぎた頃。
私は冬夜君に声をかけた。

「ごめん」と一言謝る冬夜君。

「電話してもいいかな?」
「……いいけど誰に?」

私は黙ってりえちゃんに電話する。
着替えとか取りに行くからと。
呆気にとられる冬夜君。
そんな顔しないでよ。
その気にさせたのは冬夜君だよ!
責任とってもらいますからね。



家に帰り荷物を準備すると冬夜君の家に戻った。
摩耶さんに「テスト前なんでしょ?大丈夫?」と聞かれた。

「今の冬夜君なら少々羽目を外しても大丈夫ですよ」と答えた。

首を傾げる摩耶さんを後に冬夜君の部屋に戻ると。
枕の下に何かを隠している冬夜君。

「ただいまー」

慌てふためく冬夜君。
誠君に言われたこと、今でも忠実に実行してるんだね?
けど、今夜はそうはいかないんだからね?
覚悟しててね。
愛することを誇れるアナタに会えた。
最善を尽くしても理解り合えない人もいるけどあなたは違った。
無理な事を言っても瞳の奥の優しさを持っているあなただから持っている私を上げたい。
忘れないでね、寂しくたって私は負けない。
自分を誇れるようになったのはきっとあなたに会えたあの日からだから。



(5)

いつにもなく、積極的な愛莉だった。
一生懸命に愛撫する愛莉。
だから僕も一生懸命に答えた。
一枚の銀盤に左右されることなく。
愛莉の声がいつにもまして大きい。
いつにもまして愛莉の息遣いが荒い。
息遣いが荒いのは僕も同じだった。



事が終わった後に始まる愛莉の告白。
じっと聞いていた。
どこまでも愛しい女なんだろう。
どこまでも優しい人なんだろう。
最後まで聞いた後僕はまた愛莉を抱いていた。
時計は25時を回っていた。

「そろそろ寝ないと明日寝坊しちゃうね?」
「私がキスで起こしてあげる……」

今したら今起きなくちゃいけないだろ?
愛莉は僕に抱き着く。

「うん、やっぱり私の居場所はここだよ」

僕は愛莉を優しく抱く

「じゃあ、僕の居場所もここかな?」
「そうだよ~」

愛莉は耳元で囁く

「これからもずっと一緒だよ。私の居場所はアナタの心の中にいるのだから」

そう言って愛莉は眠りに着いた。
僕も一緒だよ。
僕も愛莉を誇りに思う。
愛莉と同じ場所で僕も眠りに着いた。
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