優等生と劣等生

和希

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2ndSEASON

取扱説明書

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(1)

コンコン、ガチャ

「冬夜君おはよう~♪」

冬夜君はベッドで寝てる……ようかに見えたけど、その手には乗りませんからね~。
部屋を見回すと冬夜君の寝間着が散乱してある。
もう着替えは済んであるようだ。
どうせ私がベッドの側に行ったら抱きつこうとか思ってるんだろうけど。
どうしたものかと考えた。
この頃の冬夜君は凄く優しくて積極的で私に甘えてきてくれる。
夜二人きりになるとそれはもう……。
昔が懐かしい。
ちょっと抱きついたりキスするだけでドギマギしていた冬夜君が、今ではそれを待ち受けてるかのような節さえ見える。
いいの、アナタが甘えたいならそれでも。
いいの、アナタが私にいちゃつきたいならいつでも待ってる。
冬夜君は優しくなった。
ずっと私を好きでいてくれる。
ずっとそばにいてくれる。
きっとこれからもずっと。
やっと食べ物の情熱が私への愛情に変わってくれたんだね。
でも偶には食べ物も許してあげるよ。
またもんじゃ焼き食べにいこうね。
あんまり好きじゃないけどラーメン屋さんでもうどん屋さんでもいいよ。
食べ過ぎには注意してね。
私の手料理も食べて欲しいな。
冬夜君の為なら何でも作るよ?
今摩耶さんに冬夜君の好みの味学んでるから楽しみにしててね。
もっと甘えてきてもいいんだよ?
……誠君みたいな要求は無理だけど……でも頑張る。それで冬夜君が喜んでくれるなら。
なんてね。
冬夜君は私が嫌がることは絶対にしないよね。
今の冬夜君を信じてる。
心の底から愛してる。
あれ?冬夜君が起きてきた。
ちょっと焦らし過ぎたかな。
自分から起きてきて私を抱きしめる。
あの晩以降摩耶さんも気を使っていきなり部屋に入ってくるってことは無い。
私は冬夜君に甘んじてそれを受け入れる。

「何考えてた?」

冬夜君が私に聞いてきた。
冬夜君の顔を私の胸に埋めてみる。

「気持ちに聞いてみて」

冬夜君はしばらくじっとしてる。
そして顔を上げるとキスを迫ってきた。
私は目を閉じる。
そして……。

コンコン。

ノックの音に反応して冬夜君が離れる。
ああ、もう少しだったのに。

「仲がいいのもいいけど、学校に遅刻するわよ。早く降りていらっしゃい」
「は~い♪」

私が代わって返事する。

「じゃ、下に降りよっか……!?」

冬夜君がバードキスをしてきた。

「おはよう、愛莉」

冬夜君の目を見る。
どこまでも優しいその笑顔。
その世界に引き込まれるの。

「し、下に降りなきゃ」

そう言ってドアを開ける。
冬夜君をドキドキさせるのは私の役目だったのに、最近は冬夜君にドキドキさせられっぱなしだった。
本当に私の心のディフェンスを掻い潜ってゴール決めてくるんだね。
でもそんなに掻い潜ってこなくても良いんだよ。
アナタにはとっくに心のドアは開けて待ち構えてるんだから。

(2)

校門の前に人だかりが出来てる。
こういうときの人だかりってろくなことがないんだよな。
愛莉もそれを察したらしい。そうっと校門を出ようとすると、人だかりの渦中の人が声をかけた。

「おい、冬夜俺だよ俺」

誠!?
伊田高の制服を着た誠がこっちに寄ってくる。

「どうした?カンナなら先にバイトに行ったぞ?」
「その神奈の事でな、ちょっと冬夜に相談したい事があって……」
「相談?」

恋愛相談で誠にアドバイス出来る事なんてないぞ?

「冬夜君に恋愛相談なんて破滅への一歩だよ?」

グサッとくるぞ愛莉。

「……遠坂さんにも聞いてもらおうかな」
「いいよ。実を言うと神奈からも相談受けてるから」
「うっ……そうかやっぱり……」

じゃあ、愛莉は察してるのか。
口ぶりからして深刻な問題なのか?
しかし問題があるぞ……。

「?。どうした冬夜?」

深刻に悩んでる僕。
そんな僕に愛莉が一言。

「ファストフード店ダメだもんね。ドーナツ屋さんでもいこっか?」
「愛莉、僕の今の気持ちを読んでる?」

愛莉はけろっと答える。

「ファストフード店がだめだから中華かラーメンかうどんで悩んでたんでしょ?でもご飯前だし我慢しようね?」
「ラーメン屋でもうどん屋でも良いって……」
「それはデートの時。今とはいってませーん」
「冬夜、お前俺の悩みより食い物かよ!」

誠が裸締めを決める。

「まあ、ドーナツでもいいけど、お前部活抜け出してきたんだろ?平気なのか?サッカーで進学するんだろ?」
「現役引退してるから平気だよ。一日くらい休んだって」
「ならいいけど……」

サッカーよりも深刻な問題なのか?


ドーナツ屋さん。

「これとこれとこれとあとジェノベーゼとラムネアイスとりんごジュースを……」
「私はこれと山ぶどうスカッシュ」
「これは外せないよな、あとこれとカルピスで」

3人が頼むと主に僕の注文した食べ物がテーブルを占める。

「で、話って?」

僕がパスタをフォークでくるくると巻きながら、誠に話を聞いた。

「最近神奈何か変なところないか?」

へ?

「なんかこう元気がないっていうかなんていうか……」
「うちにいる時は普通だと思うけど?」

パスタを食べながら、誠に答える。

「じゃあ、俺と一緒にいる時だけなのかな?」
「そんなことないんじゃね?気のせいだって……いてっ!」

ぽかっ!

「誠君、神奈今誠君に対してちょっと不信感抱いてる」

愛莉がドーナツを一口食べるとそう言った。

「不信感?」

僕が愛莉に聞いていた。

「誠君が神奈の事好きじゃないんじゃないか?って」
「やっぱり……」

誠が一言そう漏らす。

「なに?誠と神奈別れたいとかそういう話?」
「……やっぱり私が一緒にいて正解だったね。冬夜君はそれ食べてて」

どうせ僕は役に立てませんよ……。

「冬夜君は私の事しか見てないから周りの事わからないんだよ」

愛莉がフォローする。

「やっぱり……あれが原因かな?」

誠がそう言ってため息を吐く。

「多分誠君の想像通りだと思う」

愛莉がそう言うと誠は頭を抱える。

「やっちまったか、やっぱり……」

何をやったんだ、誠よ。

「でも、別れたいとかそういう話じゃないから心配しないで」
「そうなのか、良かった」

胸を撫でおろす誠。

「ただ、接し方の問題だと思う。以前から神奈不審に思ってたところあるみたい『私の事玩具程度にしか思ってないんじゃないか?好きなのは間違いないだろうけど、私が求めてるそれとは違うんじゃないか?』って不安になってる」
「最近調子に乗り過ぎていたからなぁ」
「思うところはあるんだ」
「まあね。で、どうすればいいと思う?遠坂さん」
「うーん、私は神奈じゃないから」
「?」
「私の相手は冬夜君だから、具体的なアドバイスはできないかな?」
「冬夜はどう思う?」

パスタを食べ終わってドーナツを食べようとする僕に、誠は話を振ってきた。
なんて答えればいいんだろう?
こういう相談をされたことは正直無い。
良く言われるのは「お前は直感で動け」「お前の世界を愛莉で埋め尽くせ」などなど。
多分誠のそれには当てはまらない。

「僕からも誠にアドバイス出来ることは無いと思うよ。僕より誠の方が経験多いでしょ?」
「お前にしか愛莉さんを攻略できなかっただろ?その時のポイントでいいんだよ?」
「パスタと一緒だよ誠」
「は?」

誠は首を傾げる。

「同じパスタでもスパゲティとリングィーネ、ラザニアにマカロニ、ペンネと種類によって料理が全然違う。同じ女子でも愛莉とカンナじゃ取り扱い方は全然違う」
「お前のやり方じゃ、神奈には通用しないってことか?」
「そそ、ゆで方ひとつでも大きく違うからね。誠なりにカンナの取扱説明書をつくるしかないんだよ。失敗を繰り返しながら……」
「誠君。一つだけ言えるのはまだ神奈の中では誠君の占める割合は大きいと思う。だから悩んでるの。二人で少しずつ解いていくしかないよ」

愛莉が付け足した。

「なるほどな……」
「神奈の事を考えるのと神奈の顔色うかがうのは全然違うんだからね。あとは……基本的に神奈の取り扱い方は間違ってないと思うの。ただ、もう少し優しくしてあげて」
「?」

言ってる意味が分からない。

「神奈は誠君のおもちゃじゃないんだよ?感情をもっているんだよ?その事を理解してあげて。独りよがりの愛し方じゃダメ」
「やっぱりそこか~……」

誠は思うところがあったようだ。
何をやったんだ誠。
考える誠。

「誠君も完璧じゃないんだね。その一点を覗けば女子の扱い方は完璧なのにね。誰かさんと違って」

愛莉はそう言ってジュースを飲む。
その誰かさんって僕の事なんだろうな。

「二人の言いたい事は分かったけど、結局どうすればいいんだ?」
「そもそも何が神奈を不安にさせてると思ってるんだ?」

僕が質問で返すと誠は黙ってしまった。
愛莉は知っていたのか、答えた。

「分かっているならそれを直せばいいんだよ『男のロマン』なんて言ってないでさ」
「……ついやっちゃうんだよなあ」

頭を抱える誠。
僕ならロマンよりマロンを選ぶけどね。

「冬夜君は私と食べ物を比べてきて今は私を選んでくれてる……と、思う。誠君は神奈とロマンどっちを選ぶ?」
「それは当然神奈だよ!」
「冬夜君も同じ回答すると思う。でも偶にやっちゃうんだよね。冬夜君は最初は迷わず食べ物を選んでた。ぶつかり合って傷つけあってひび割れてそれでも光ある方に進んでいけるから。神奈も少しは受け入れてくれてるんでしょ?」
「ま、まあ。要望には応えてくれてるかな」
「なら、次は誠君の番。神奈の求めてる事を考えたらいいんじゃないかな?」
「わかった……考えてみるよ。ありがとう、遠坂さん」
「いえいえ」

誠の相談は終わったようだ。
その時僕は気づいた。

「ああ!!」
「どうした冬夜?」
「ど、どうしたの?」

「チャンポンて手もあった!!」

いや、まて。たかだかパスタとドーナツ食ったくらいだ。いける!……はずもなく。

「じゃ、話終わったから帰りましょうね」
「まて、誠と男同士の話が……」

抵抗してみた。
誠はカンナのバイトが終わるまで、暇なんだろ?

「時間あるから一度帰るよ」

非情な誠の一言。

「じゃ、冬夜君もお家でお話すればいいよね?ていうか最初からチャンポン目当てなんでしょうけど!」
「愛莉は僕の食欲を受け入れてくれるって言ったじゃないか」
「私の我儘も受け入れてくれるって冬夜君言ったよね?ドーナツとパスタとアイス食べたら十分でしょ?」

エゴだよそれは!

「お前本当に懲りないやつだな」

誠、お前に言われたくないぞ。

(3)

更衣室で着替えを済ませると私は店を出る。

「よっ!」

誠が手を振っている。
本当に毎日マメな奴だな。
私は無言で自転車に跨る。
意地が悪いな私。
せっかく迎えに来てくれた彼氏に対する仕打ちじゃないよな。
あの日以降どうしても素直になれない。
本当は凄く甘えたいのに。

私ハ貴方ノ玩具ニスギナイノ?

そんな問いかけを繰り返ししている。
きっと誠はそんなことないという。
私と何かを天秤にかけて私を選んでくれると思う。
その根拠が知りたい。
なぜ私なのかを教えて欲しい。
……知っているか。

好きになるのに理由がいるがいるかい?

今でもそうなのか?
今でも私を好きって言えるか?
もっと自分の要求を満たしてくれる人が良いんじゃないのか?
私はこれ以上は無理だ。
怖いんだ。
誠の要求を拒めば他の人好意は向かっていくんじゃないかって。
怖いんだ。
これ以上追及したら重い女と思われるのが。
偶にしか会えなかったから誠の要求にもこたえてきた。
誠という最高のヒトに会えながらも、これ以上私から誠に要求するのは傲慢なんじゃないかって。
怖い……。
誠の本当の気持ちを聞くのが……。

「神奈!」

誠が私を呼んでいる。
どうすればいい?
愛莉のように彼氏の心の中に入っていけたらいいのに。
入っていけるはず。
でも怖いんだ。
誠の世界をしるのが。
自分で扉を閉めてる。


家に着いた。
鍵を開けようとすると誠が後ろから抱きしめてきた。

そのまま離さないで

と、一言いえばすべて丸く収まるだろ。
でも、警察にみられたら誠は間違いなく捕まるだろ。

「……茶ぐらいだすから、家によってけよ。話あるんだろ」

自分でも驚くくらい冷淡な声。
そんな言い方するから誠が勘違いするのに。
不器用な自分に嫌気がさす。


誠を部屋に案内するとお茶を出して、「ちょっと食事とお風呂済ませてくるから待ってろ」といった。
簡単に食事を済ませてお風呂に入る。
そして出ると「お待たせ」と自分の部屋に戻る。
風呂上がりのジュースを飲むと誠に尋ねた。

「何の用だ?」

違うだろ。
そんな言い方じゃないだろ。

「ごめん!」

そう言って誠は頭を下げる。
違うだろ。
私が聞きたいのは謝罪じゃない?
それともその謝罪は……?

「薄々気づいてた。神奈の悩み。どう対応していいか分からなかった」

お前が謝ることじゃないよ。
私が一人で悩んでるだけだから。

「もういいよ……大丈夫だから」

そう言って作り笑いをする。

「今夜は泊ってくのか?」

荷物を見る、着替えは準備してないらしい。

「自重するよ……」

自重するところが違うよ。
お前の愛は幾らでも受け入れるさ。
寧ろもっと愛で満たして欲しい。
黙って首を振る私。

「どうしたんだ?」

戸惑う誠。
なんて言えばいいかやっと分かった。

「自重しなくていいんだ。ずっと私に愛を向けて欲しい。愛を止めないで欲しい。ただ……お前の全てを受け入れるだけの器が無い私をどうか許して欲しい」

嫌わないで。
黙って静かに聞いていた誠。
そして優しい笑みを浮かべて私をそっと抱く。

「嫌いになんてなるわけないだろ。俺の我儘を今まで全部受け止めてくれた神奈の器が小さいわけないよ。俺が甘えてただけだ。心配しなくていいんだよ」
「ありがとう……」

誠の胸に顔をうずめる。
これからも、もしも涙に濡れてしまったら、今みたいに強く抱きしめて欲しい。
こんな私だけど笑って許して欲しい。
永久保証の私だから。

(4)

「う~ん……」

僕は悩んでいた。
トリセツかぁ……。
愛莉のトリセツなんてのもあるのかな?
あるのなら是非とも読んでみたいものだ。
注意事項だけでもいいから教えて欲しい。

「う~ん……」

僕は迷っていた。
でもそんなのが世に出回っていたら、皆に愛莉取られちゃうな。
それは困る。

「私のトリセツが欲しいの?」

愛莉が僕の膝を枕にして寝ていた。
また入っていたのかな?
入っていたというか単に鈍いだけなのか分からない。
愛莉は耳を僕のお腹に向けている。
そんな姿勢をしていると……。
ほら下半身が緊急事態になるだろ?

「今更気にしないよ」
「今勉強中じゃなかったっけ?」
「だって、う~んて唸って勉強どころじゃなかったみたいだから。で、私のトリセツが欲しいの?」

そんなのが世の中にあったら全部焚書したいよ。

「あるよ。私のトリセツ」
「どこに?」

愛莉は身を起こし僕の胸に顔を当てる。

「ここにあるから、冬夜君だけが知ってる私のトリセツ」
「僕だけが知ってる?」
「うん、冬夜君が自分で築きあげてきた物があるじゃない」

今でも愛莉の取り扱いには困ってるんだけどな。
愛莉の体に「fragile」ってラベルついてるよ。
優しく優しく、傷つけないように。

「出逢った時から始まってたんだよ、喧嘩したりもあったけれど『いっしょにいたい』とそう思えることが今日につながってきたんだよ」

僕だけが知ってる愛莉のトリセツ。
それなら安心だな。
心の倉庫にしまっておこう。
誠もこれから作るんだろうな。カンナのトリセツ。
誰にも知られないようにしっかり保管しておけよ。

「なお、これから先も更新していかないと古いままじゃ意味がないんだからね」

教えてくれ、僕は一体後何回更新をすればいい。ゼロは僕に何も言ってはくれない。

ぽかっ

「アニメの台詞引用するの止めよう?って言ったよね」

心の中で思うくらいいいだろ?っていうかどれだけ僕の心に入ってこれるんだ。

「冬夜君がそういう顔してる時は大抵そういうときだもん」

顔なんて見てないだろ!……てみてた。

「そうだね、少なくとも結婚するまでは続けて欲しいな」

愛莉は満面の笑みで言う。
愛莉の頭の中では僕たちの頭上にエンジェラスの鐘の音が鳴ってるんだろうな。
そんな愛莉は僕の顔を見て目を閉じる。

「……今勉強の時間だったよな?」
「私のトリセツちゃんと読んで」

勉強の時間にキスをしろとは書いてないけど。
でも、愛莉の心の中を覗くとそんな気持ちでいっぱいだった。
結局トリセツって何なんだろう?
そんなことを思いながら愛莉の要求にこたえるのだった。
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