優等生と劣等生

和希

文字の大きさ
128 / 442
3rdSEASON

星の明かり

しおりを挟む
冬夜君の車に荷物を積み込む。
私の両親と冬夜君の両親が見送りに来てた。

「連休の始まりで車も多い。事故には気をつけろよ」と冬夜君のパパさん。
「愛莉……し、しっかりな」

パパさんなんで緊張してるの?今更だよ?いい加減慣れようよ。
あ、でも連休にパパさん達いなくて遊びに行くのは初めてか?
大学生だもん、親子連れはないよね。

「冬夜、くれぐれも安全運転でね」
「わかってるよ」

麻耶さんが心配してる。
大丈夫だよ、冬夜君普段は凄い安全運転だから。

「愛莉ちゃん、オーベルジュだからね~。偶には大人の気分をあじわいなさいな~」

宿の手配はりえちゃんがやってくれた。
こういう時のりえちゃんは手配が速い。

「冬夜忘れ物ないだろうね?」

麻耶さんが心配してる。

「大丈夫ですよ、私が預かってるから」
「愛莉ちゃんが言うなら大丈夫ね」
「じゃ、行ってくる」

冬夜君はそう言うと車をゆっくりと走らせた。



今年の連休は前半2連休、後半5連休だ。
前半の2連休はのんびり過ごすつもりらしい。
私もそう思ってた。
連休に入る前日授業が終わると冬夜君が車をいじってた。

「どうしたの?」
「いや、そろそろ点検時期かなと思って」
「一か月点検はしたんでしょ?」
「そうだけど、オイルとかタイヤとか。あとブレーキパッドとかね……」

冬夜君はタイヤを触って言う。

「結構無茶したからタイヤの摩耗が早いなと思って」
「スリップサインは出てるの?」
「いや、出てないけど……」

そう言って冬夜君はタイヤを蹴飛ばす。

「空気圧が一回見てもらわないとダメかも」
「ふ~ん」
「もう無茶な運転はできないな」

そう言って笑ってた。
冬夜君は次にボンネットを開けオイルとウォッシャー液の残りを確認する。

「やっぱりオイル減ってるな。汚れは問題ないみたい」

そう言うと、オイルを継ぎ足す。
ブレーキオイル等も点検していた。
次にジャッキで車を上げ。下に潜り込むとパッドの点検に入る。
問題はないみたい。
私は車をさすってやる。

「いつもいつもありがとうね。これからもよろしくね」と、一言残して。
「よし、点検終わり」

冬夜君は道具を片付けながら私に聞いてきた。

「で、どうしたんだ?」
「婚約者の家に遊びに着たらいけないの?」
「いや、その割には荷物少ないからさ」
「前半短いでしょ。だからうちに泊まりに来ない?パパさん達また出かけるみたいだから」
「そういう事か、分かったよ。お泊りセット用意してくる」

最近冬夜君がうちに泊まることに抵抗を感じなくなった。
昔はあれだけ嫌がっていたのに。
随分変わったんだね。
暫くすると冬夜君が現れる。荷物は持ってない。

「愛莉ちょっとお出で」

どうしたんだろう?


「はい、これ……」

渡されたのはオーベルジュの宿泊チケットだった。

「はい?」
「せっかくの連休でしょ?二人でゆっくり遊んできなさいな」

え?

「後半遊ぶからいいよ。母さんたち行ってきなよ」

冬夜君が言う。

「冬夜達の大学生活見てたわ、もっと遊び惚けてるかと思ったら。しっかり勉強してるじゃない。連休くらいしっかり休みなさい。5月病になっちゃうわよ」
「それは無いと思うけど」
「冬夜の為じゃない、愛莉ちゃんの為と思いなさい。これは夫としての義務よ。愛莉ちゃんは家事もこなして勉強してるの。少しくらい遊ばせてあげないと」
「ま、まあそれはそうだけど……どうする愛莉?」
「……ありがとうございます」

私はチケットを受けとった。

「でも、冬夜君ちゃんと労わってくれてますよ。よく遊びにつれて行ってくれるし」
「それも知ってる。でも、ゆっくりしてきなさい。そのオーベルジュ温泉付きらしいし」

私はチケットを見る。あ、阿蘇だ。

「ありがとうございます」


と、いうわけで阿蘇に向かっているのでした。

国道10号線から中九州横断道路に入って朝地から……ってえ?
冬夜君はナビを無視して山の方へと向かう。

「冬夜君、道間違えてるよ?」
「知ってる、帰りはそっち通ってみるよ。どっちが早いのか知りたくてさ」

冬夜君は山を越えると朝地町に入る。
そこからは国道57号線を走る。
うーん……冬にはあまり通れそうにない道だったね。
細いし、カーブが多いし。
因みにすっごい安全運転してくれた。
前みたいな無謀な加速は控えてた。

「この車乗り心地重視でサスが柔らかくてさ。あまり継ぎ目の多い道で飛ばせないんだよね」

ぽかっ

「そう言う問題じゃないの!安全運転でお願いします」
「分かったよ」

車は竹田市に寄り、ちょっと散策する。
荒城の月で有名なところとか。

「思ったより何もなかったな」
「私は……」
「冬夜君と居るだけで幸せ……だろ?」
「うん♪」

お土産屋さんによると面白いものを発見した。
ゲームに出てくるようなまん丸のキャラクターの中に飴玉が入ってるらしい。
このケース可愛い。

「一個買ってくか?」
「全色買う!」

そう言うと3色くらいの飴玉を買ってた。
部屋にケースだけ飾ろうっと。

「そろそろ行こっか?」
「うん♪」

そう言うと再び阿蘇を目指して車は走るのでした。


「冬夜君お腹空かない?」
「空いてる……」
「ファミレスでもなんでもいいよ?」
「ここまで来てその選択肢はないでしょ!」

冬夜君は阿蘇につくまでお昼ごはんを我慢していた。
阿蘇は動物園に行く車で渋滞しており中々進まない。

「冬夜君、私お腹空いた」
「ごめん、もうちょっとだけ待って……、あ、お手洗いは大丈夫?」
「そっちは大丈夫」
「もうじきだから……ごめんね」

冬夜君が我慢してまで食べたいもの……なんだろ?

「着いた!!」

冬夜君が目指していたのは一見ただの食堂。
こんなところに何があるの?
メニューを見てすぐにわかった。
高菜めしを食べたかったんだね。
前に言ってたね。

「高菜めしセット大盛りで!あと馬刺しも……」
「私は高菜めしだけで」

店員は注文を受けると去って行った。

「ごめんな、どうしても食べたくて」
「地方に行ったらその地域の郷土料理を食べたい。普通だと思うよ」

精一杯フォローしたつもりだった。

「そうだよな!馬刺し二人で食べような」

冬夜君は嬉しそうだ。
店は人で溢れてる。
普通、注文が来ないとイライラするよね?
でも冬夜君は違うの?
まだかなまだかな~♪と待つ時間も楽しんでる。
そういうところ好きだよ。

注文がくるとその量に驚いた。
山盛りの高菜めしにだんご汁とその他つけたし、それに馬刺し。
私が頼んだ高菜めしもちょっと食べれないかな?くらいなのに。
冬夜君は迷うことなく箸で口に運ぶ。
凄くおいしそうだった、
私も食べてみる……美味しい!
高菜とご飯の相性が絶妙、錦糸卵のアクセントの甘みもいい。
そして馬刺しを一切れもらう。
前に食べたものよりは……って感じかな?
でも冬夜君の美味しそうに食べる姿を見てると美味しいと思えるの。
でも全部食べれないよ。
気がつくと冬夜君は全部食べていた。
そして私を見ている。

「……どうぞ」

冬夜君は再び食べ始める。
十分に満喫するとお会計を済ませて店を出る。
お会計をするのは私の役目。

「レシートはどうしますか?」

私は悩んだ。
冬夜君はレシートを受け取らないタイプだ。
財布の中身好きに使っていいと言ってくれてる。
今日もコンビニのATMで少し下ろしてた。
しかし支払いを任された身としては……。

「お客様?」
「レシート下さい」

レシートを受け取ると私の財布に入れる。
表計算ソフト入ってたよね。
あれで家計簿つけてみよう。
それで私がいくら負担すればいいかを決めればいい。
そっと冬夜君の財布に入れておいても気づきはしないだろう。

会計を済ませ、店を出ると冬夜君が待っていた。

「お待たせ、ごめんね。ちょっと色々考えてて」
「支払いで?気にすることないのに」
「うん」

彼を不安にさせる事はない。
ただ、月にどのくらい使っているのか知りたいだけだから。

「ところで相談なんだけど」

冬夜君が何か悩んでるようだ。

「今日は阿蘇に行かずにオーベルジュに直接行かないか?」
「どうして?」
「この混雑だろ?多分阿蘇の火口までたどり着けない。オーベルジュだって多分着くころにはチェックイン時間になってる」

オーベルジュのあるところまで行くには動物園を越えないといけないらしい。

「なるほどね……」
「明日早起きしてさ、早めに見た方が良いと思うんだよね。どうかな?」
「運転手の判断に任せるよ」
「そっか、愛莉じゃあそこの自販機でジュース買っておこう。あとお手洗い……」
「大丈夫」

そう言って自販機でジュースを買うと車は熊本方向に向かった。
確かに渋滞がすごい。

「うわあ、思った以上だな」
「本当だね」
「やっぱりこっちで正解だったな」

冬夜君はそう言っている。
車は遅々として進まない。
1キロ進むのに30分かかるといった混み具合だ。
こんな時険悪なムードにしちゃいけない。
私はCDをかける。
J-POPの女性歌手の良くカバー曲を歌う人だ。
前に言ってた素敵な歌詞を歌う人。

「いつまでも私はここにいるから~♪」
「行けるから~♪」

そんなフレーズが流れてくる。

「前に愛莉が行ってた曲?」

冬夜君覚えてくれてたんだ。

「うん♪素敵な曲でしょ♪」

そのほかにも色んな曲をカバーしてる。
偶に失恋の歌とかも歌っていて気まずい空気になるかと思ったけど。
そんな曲で揺らぐほど私たちの絆は細くない。
CD一枚分の時間が流れてもやっと動物園の入り口が見えてきた程度だ。
その先は凄く空いてた。
原因はやっぱり動物園らしい。

「あとちょっとだから。頑張って行こうか」

冬夜君がそう言ってくれた。

「うん♪」
「愛莉はフランス料理って食べたことある?」
「ほえ?」
「いや、マナーとか知らなくてさ」

基礎的な知識しかないよ。
ていうか小学生の時からずっと一緒だったでしょ。
家でフランス料理なんてマナー関係ないよ?

「ナイフやフォークは外側から順に使う……くらいかな?」
「……今度からフランス料理も慣れておいた方が良いかもな」

冬夜君の口からフランス料理!?
また素敵なデートを用意してくれるんだろうな~。
服も用意しておかなくちゃ。


動物園を過ぎると。車はすいすいと進む。
オーベルジュのある、ペンションの密集地に入る前にコンビニに寄る。

「夜中にお腹空くかもしれないだろ?ジュースも買っておきたい……」

ぽかっ

「ジュースはともかくお菓子は却下でーす」

冬夜君の財布だけでなくて胃袋も管理しないとだね。


オーベルジュに着くとチェックインを済ませる。
部屋に案内されると荷物をベッドのそばに置きくつろぐ。
え?ベッドの上に置かないのって?
冬夜君気づいてくれてるから。
その証拠に今ソファーに座っていちゃついてる。
その後ベランダに出て景色を堪能する。
今日も晴れて良かったね。
明日も天気予報だと晴れみたいだよ。
ここ夜天体観測やってるんだって。
楽しみだね。
お風呂も離れの露天風呂貸切だって言ってたし。

食事の時間までテレビを見てくつろいでいる。
冬夜君はベッドで寝ている。
お疲れさまでした。
ちょっとの間だけゆっくりしててね。

時間になると冬夜君を起こす。

「ご飯だよ」の一言で彼はすぐに反応する。

朝起こすときこの手で行くかな?

テーブルに着くとナプキンが置かれてある。

冬夜君はどうしたものかと悩んでいる。
私は折り目を自分に向けて太ももの上に置く。
冬夜君も真似をした。

店員がやってくる。

「食前酒は如何いたしますか?」
「あ、僕達未成年なんで」

良く分かってるじゃない。

「じゃあお飲み物は?」

メニューを見て悩んでる冬夜君。

「ペリエで」

私が代わって答えてあげた。

「かしこまりました」

そう言って店員は去っていく。

「ペリエって何?」

冬夜君が聞いてきた。

「分かりやすく言うと炭酸水だよ」
「なるほど」

冬夜君は頷いた。

グラスに継がれたペリエとペリエのボトルが置かれた。
私と冬夜君はグラスを手に乾杯する。
こらこら一気に飲むんじゃないの!
私は冬夜君のグラスに注ぐ。

それからコースが次々と運ばれていく。
アミューズからはじまりオードブル、スープ、ポワゾン、ソルベ、アントレ、サラダ、チーズ、アントルメ、フルーツ、カフェ・ブディフール。
魚料理と肉料理を両方食べるのはきついと思ったけど量がそんなにあるわけではないので普通に食べれた。
冬夜君には物足りないかなと思ったけど、緊張しているのかそうでもないみたいだった。
最後のコーヒーと小菓子を出されたときに「フランス料理は初めてですか?」と聞かれた。

「そうなんです」と答えると「そう言う人が気軽にフランス料理を楽しめるようにあるのがオーベルジュなのよ」と言ってくれた。

そういうもんなんだ。
食事を終えると部屋に戻ってお風呂に入る準備をする。
冬夜君は買ってきた飲み物を口にして、一息ついている。

お風呂からも星空は綺麗だったんだけど、お風呂の後オーナーさんが星空の説明をしてくれた。
北斗七星やおおくま座などを懇切丁寧に教えてくれる。
冬夜君は話を聞いてるのか聞いてないのかわからないけど星空を見つめていた。
鑑賞会は30分くらいで終わった。

部屋に戻りテレビを見ながらくつろぐ。
冬夜君はまだ星を見てる。
私は冬夜君のもとに行く。

「風邪引いちゃうよ?」
「あ、ごめん。つい夢中になってさ。こんなにきれいな星空観たことないから」
「そうだね、地元でもみれるところそんなにないよね」
「久住でも同じくらい綺麗らしいんだよね」
「じゃあ、今度いこうね?」
「そうだな……」

うん……やっぱり基本パーツはそんなに悪くない。
色眼鏡って言われたらそれまでだけど、
星の明かりに照らされた冬夜君はとても素敵に思えた。

「じゃ、部屋に戻ろうか?」
「うん」

部屋に戻ると冬夜君はすやすやと寝息をたてている。
冬夜君にそっと布団をかけてあげる。
私も今日はゆっくり休むかな。
おやすみなさい。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

王宮に薬を届けに行ったなら

佐倉ミズキ
恋愛
王宮で薬師をしているラナは、上司の言いつけに従い王子殿下のカザヤに薬を届けに行った。 カザヤは生まれつき体が弱く、臥せっていることが多い。 この日もいつも通り、カザヤに薬を届けに行ったラナだが仕事終わりに届け忘れがあったことに気が付いた。 慌ててカザヤの部屋へ行くと、そこで目にしたものは……。 弱々しく臥せっているカザヤがベッドから起き上がり、元気に動き回っていたのだ。 「俺の秘密を知ったのだから部屋から出すわけにはいかない」 驚くラナに、カザヤは不敵な笑みを浮かべた。 「今日、国王が崩御する。だからお前を部屋から出すわけにはいかない」 ※ベリーズカフェにも掲載中です。そちらではラナの設定が変わっています。(貴族→庶民)それにより、内容も少し変更しておりますのであわせてお楽しみください。

宿敵の家の当主を妻に貰いました~妻は可憐で儚くて優しくて賢くて可愛くて最高です~

紗沙
恋愛
剣の名家にして、国の南側を支配する大貴族フォルス家。 そこの三男として生まれたノヴァは一族のみが扱える秘技が全く使えない、出来損ないというレッテルを貼られ、辛い子供時代を過ごした。 大人になったノヴァは小さな領地を与えられるものの、仕事も家族からの期待も、周りからの期待も0に等しい。 しかし、そんなノヴァに舞い込んだ一件の縁談話。相手は国の北側を支配する大貴族。 フォルス家とは長年の確執があり、今は栄華を極めているアークゲート家だった。 しかも縁談の相手は、まさかのアークゲート家当主・シアで・・・。 「あのときからずっと……お慕いしています」 かくして、何も持たないフォルス家の三男坊は性格良し、容姿良し、というか全てが良しの妻を迎え入れることになる。 ノヴァの運命を変える、全てを与えてこようとする妻を。 「人はアークゲート家の当主を恐ろしいとか、血も涙もないとか、冷酷とか散々に言うけど、 シアは可愛いし、優しいし、賢いし、完璧だよ」 あまり深く考えないノヴァと、彼にしか自分の素を見せないシア、二人の結婚生活が始まる。

イケメン警視、アルバイトで雇った恋人役を溺愛する。

楠ノ木雫
恋愛
 蒸発した母の借金を擦り付けられた主人公瑠奈は、お見合い代行のアルバイトを受けた。だが、そのお見合い相手、矢野湊に借金の事を見破られ3ヶ月間恋人役を務めるアルバイトを提案された。瑠奈はその報酬に飛びついたが……

靴屋の娘と三人のお兄様

こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!? ※小説家になろうにも投稿しています。

【完結】転生したら悪役継母でした

入魚ひえん@発売中◆巻き戻り冤罪令嬢◆
恋愛
聖女を優先する夫に避けられていたアルージュ。 その夜、夫が初めて寝室にやってきて命じたのは「聖女の隠し子を匿え」という理不尽なものだった。 しかも隠し子は、夫と同じ髪の色。 絶望するアルージュはよろめいて鏡にぶつかり、前世に読んだウェブ小説の悪妻に転生していることを思い出す。 記憶を取り戻すと、七年間も苦しんだ夫への愛は綺麗さっぱり消えた。 夫に奪われていたもの、不正の事実を着々と精算していく。 ◆愛されない悪妻が前世を思い出して転身したら、可愛い継子や最強の旦那様ができて、転生前の知識でスイーツやグルメ、家電を再現していく、異世界転生ファンタジー!◆ *旧題:転生したら悪妻でした

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

厄災烙印の令嬢は貧乏辺境伯領に嫁がされるようです

あおまる三行
恋愛
王都の洗礼式で「厄災をもたらす」という烙印を持っていることを公表された令嬢・ルーチェ。 社交界では腫れ物扱い、家族からも厄介者として距離を置かれ、心がすり減るような日々を送ってきた彼女は、家の事情で辺境伯ダリウスのもとへ嫁ぐことになる。 辺境伯領は「貧乏」で知られている、魔獣のせいで荒廃しきった領地。 冷たい仕打ちには慣れてしまっていたルーチェは抵抗することなくそこへ向かい、辺境の生活にも身を縮める覚悟をしていた。 けれど、実際に待っていたのは──想像とはまるで違う、温かくて優しい人々と、穏やかで心が満たされていくような暮らし。 そして、誰より誠実なダリウスの隣で、ルーチェは少しずつ“自分の居場所”を取り戻していく。 静かな辺境から始まる、甘く優しい逆転マリッジラブ物語。

処理中です...