優等生と劣等生

和希

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3rdSEASON

私の愛情だけがあればいい

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(1)

「冬夜君、朝だよ」

愛莉の声で目が覚める。
ベッドから出ようとすると愛莉がしっかりと僕の腰を掴む。

「もうちょっとだけ」
「朝だって起こしたの愛莉だぞ」
「いつもより30分早くおこしたもん」

時計を見る確かに早い。
じゃあ寝るか。

ぽかっ

「愛莉、愛莉は僕といちゃつきたいんだろ?」
「うん♪」
「そして僕は寝たい」
「うぅ……」
「だから、僕は寝るから好きにして」
「それじゃいちゃついてることにならないじゃない!」

愛莉の機嫌を損ねたようだ。

「僕は愛莉の温もり感じられて幸せだよ」
「じゃあ、私にも幸せを下さい」
「どうすればいいの?」
「構って~。最近冬夜君全然構ってくれないんだもん」

そんなやりとりをしている間に時間は過ぎてく。
僕の寝る時間は後わずかになった。

「しょうがないお嫁さんだな」

愛莉を抱いてやる。

「最初からそうすればいいのに~」
「もう時間だよ、ジョギング行こう?」
「は~い」

僕達は着替えるといつもの公園に向かう。
愛莉は公園の入り口に立ちストップウォッチを持っている。
公園の周りを走るだけだから周回タイムを計っていた方が良いと思たのだろう?
1時間ほど走ると家に帰る。もちろん走って帰る。
そして家の前でストレッチして家に帰る。
シャワーを浴びると愛莉の作る朝食の匂いが漂ってくる。
テーブルの席に着くと朝食の盛られた皿が並んでいく。
両親も起きてきた。
朝食を食べ終わった後は部屋に入ってテレビを見る。
朝の仕返しだ。
愛莉が着替えようとするところを抱きつく。

「ちょ、ちょっと冬夜君!?」
「いちゃつきたいんだろ?」
「もうちょっだけ待ってよ~」

愛莉が着替え終えるのを待つ。
愛莉は思い出したかのように部屋を出る、
そしてマグカップを持ってくる。

「忘れてた~」

コーヒーを飲みながらたいして興味のないテレビを見ながらいちゃつく二人。
テレビがつまらないから。DVDを見る。
相思相愛の二人がいるのだが、親の言いなりで男がお見合い相手と付き合いだす話。
うちの親に限ってそれはないな。
そんな事を考えていると愛莉が突然言い出した。

「もし、冬夜君の親がお見合い相手と付き合いなさいって言ったらどうする?」

そんな事絶対無いと思うけど。

「そりゃ愛莉を選ぶさ。勘当されても愛莉を選ぶ」
「深雪さんみたいに、お見合い相手と結ばれなかったら家の事業がつぶれるってなったら?」
「う~ん……」
「やっぱり悩むんだね」

愛莉の声が沈んでる。

「愛莉と事業が上手くいくように努力するよ。上手くいかなくても愛莉を食わせるくらいの稼ぎはしてみせるよ」
「そうだね!」

どうしてこんな話を突然持ってきたんだろう?
話題を変えた方が良さそうだ。

「ところで愛莉。今日ドライブやめにしないか?」
「え~なんで?」
「買い物しておきたい。今年の春服まだ買ってないだろ?」
「あ、そうだね!」

愛莉の気を逸らすことに成功したようだ。
そろそろ時間だ、愛莉に「行こう」というと準備して家を出る。
トレーニングした後着替えて昼食を食べて、買い物して、余った時間でドライブする。
夕食も外で食べて帰る。
愛莉が何気なく聞いた一言。

もし家の人に結婚相手決められたらどうする?

そんな話は映画だけのものだと思っていた。

(2)

瑠衣の家に迎えに行く。
瑠衣に電話をするとすぐに出てきた。
私服姿の類を見るのは初めてだ。
デニムにシャツの上からカーディガンを羽織ってる。

「似合ってるよ」
「あ、ありがとう」
「それでどうする?何が食べたい?」
「あ、えーと……」

案の定困っている彼女。
分かっていた事だ。

「店予約してあるんだけどいいか?」
「は、はい。お任せします」

そう言ってやってきたのは街中にあるレストラン。
2人で食事をして楽しむ。
明日は試合だしと、アルコールは控えておいた。
瑠衣はテンション上がると口が軽くなるらしい。
羽海野と藤堂が洋平と祐樹が気になってる事を簡単に漏らしてしまう。

「そんな事言っても良いのか?」
「あっ」

慌てて口をふさぐ瑠衣。

「大丈夫だよ、内緒にしておいてやる」
「ありがとう。約束だからね」
「ああ」

他の話題を出しては見たが最後に行くのはやはり明日の試合。

「男子も女子も勝ちましょうね!絶対」
「女バスは問題ないだろ」

今まで勝ってるんだし。

「今回は男子に鍛えてもらったから完璧です」
「鍛えてもらったのは俺達だよ」
「そんなことないですよ、片桐君に引っかきまわされたまま終わったし」
「冬夜は別格だよ。気にしない方が良い」
「片桐君の目標……聞きました」
「あいつならやってくれると思う」
「そうですね……」

後は瑠衣の悩み。

「身長やっぱり高いみたいでワンピースとか着れないんですよね」
「いいじゃないか着れば」
「似合わないんですよ」
「似合うさ、今度一緒に探してやるよ」
「ありがとうございます」

一通り食べると店を出る。
駐車場に向かい車に乗ると、瑠衣を家に送って帰る。


「今日はありがとうございました」
「また遊びに行こう」
「はい、ご迷惑でなければ」
「迷惑なわけないだろ?俺達恋人だぞ?」
「そうでしたね」

瑠衣はそう言って笑う。

「では明日、頑張りましょうね!」
「また明日の朝来るよ。どうせ現地集合なんだろ?」
「お願いしてもいいですか?」
「ああ」
「ありがとうございます」
「じゃあ、また明日な」
「はい、おやすみなさい」

そう言って瑠衣は家に帰る。
明日の試合か、鍵はインサイドって言ってたな。
まだ早いとは思うけど、力が入る。
家に帰って風呂に入るとすぐに寝た。

(3)

寝耳に水だった。
春樹にお見合い相手がいると、春樹のお母さんから聞いた。
言葉が出ない。
春樹が手を握る。

「心配するなそんな縁談俺がぶち壊してやる」

春樹がそう言う。
でも……。

「そういうわけだから、うちの春樹との交際は諦めてもらえませんか?」

お母さんに懇願される。

「春樹の気持ちを知りたいです」
「お前以外の女に興味は無いと言ったはずだ」
「お前も十分遊んだだろ?いい加減にしなさい」

お父さんが言うも春樹は聞く耳持たない。

「勘当でも何でも好きにしろ。俺一人生きて行けばいいだろ」
「お前はうちの跡取りだぞ、勝手は許さん」
「銀行に跡取りも何もないだろ。俺は自由に生きる」
「本当にお前ひとりで生きて行けるのか?」
「生きていけるさ、咲良の愛情があればそれだけでいい」

お父さんは踵を返して病室を出る。
お母さんはなおも春樹に言い続ける。

「もっとお前にふさわしい相手を探したつもりなんだがね」
「俺にふさわしいかどうかは俺が決める事だろ?俺は咲良を選んだ。他の選択肢は考えていない」
「神崎さんはどう思ってるんだい?春樹とは遊びなんじゃないの?」
「そんな質問咲良にするな!」
「私は……」

言葉に詰まった。
春樹を一生支える覚悟はあるか?
まだ20にも満たない私にそんな責任負えるのか。
私は……。

「私は遊びなんかじゃない。春樹さんと一緒に生きていきたい」

今の自分の気持ちを正直に伝えた。

「それはずっと変わらないと誓えるの?」
「誓います」
「そう。じゃあ、確かめさせてもらうわね。春樹お見合いを受けなさい」
「何を言ってるんだ。今さっき言ったことを忘れたのか?」
「忘れてないよ。忘れてないから確かめさせてもらうの。二人が本気ならお見合いくらい受けても平気でしょ」
「……時間を無駄にするだけだぞ」
「それは分からないわよ。退院したらすぐに場を設けさせてもらうわ」

そう言ってお母さんも病室を出ていった。

「春樹、だいじょうぶですか~」
「お前も俺を信用してないのか?」
「信用してますよ~でも~」

不安なものは不安だ。
写真を見せてもらえた。綺麗なお嬢さんだ。
春樹は縁談をぶち壊すつもりだというけど。
ひょっとしたら春樹の気が変わるかもしれない。
それに後継ぎの問題もある。
知らなかった。春樹が銀行の代表取締役の息子だったなんて。
どうして教えてくれなかったの?
自分の見てくれしか見てくれないと思った?
私信用されてない?

「心配することはない、お前ひとり食わせるくらいの職には就くさ」
「うん、でも春樹は平気なの?」
「何が?」
「私の家は普通のサラリーマンだよ?」
「そんなこと関係ねーよ。何度も言わせるな、俺が選んだのはお前だけだ。今までも、そしてこれからも」
「……わかった」

今はその言葉を信じよう。
春の嵐が早くも吹き荒れていた。

(4)

佐(たすく)と2度目のデート。
私の希望もあって水族館に向かった。
綺麗な魚を見てイルカショーを見てアシカのショーを見て。
記念にぬいぐるみを買って帰る。
帰りにショッピングモールにあるスポーツ用品店に入る。
佐のバッシュを見てた。
ついでに私の春服をと服屋さんに入る。
佐はどれを試着しても似合うとしか言わない。
ちゃんとみてるのかな。
その後も色んな店を見て歩く。
本屋さんでスポーツ雑誌を手に取る。
月末の韓国戦の下馬評をやっていた。
やはり片桐先輩のドライブの少なさが指摘されていた。
身長の高い相手がマークについたら自由に動かせてもらえないんじゃないか?
そんな記事だった。
ちゃんと取材してからそういう事書いてよ。
今の片桐先輩を見てそれを言えるなら言ってみろと憤慨した。

「これは買わなくていいな」

そういって佐は元の本棚に戻した。
ショッピングモールの中にあるレストランで夕食にする。

「冬夜も大変だな」

佐はそう言って笑う。
練習の間をぬっては取材を受けていた。

「他の選手の練習の気が散るのでやめて欲しいんですけどね」
「それだけ冬夜に世間の関心がいってるってことだろ?」
「まあ、そうなんですけど」
「明日の試合、また報道関係者多いんだろうな?」
「そうですね、皆平静でいられたらいいんだけど」
「桜子的にはどう分析したんだ?明日の試合」
「作戦が成功したら大勝ち、じゃなかったら大負けですね。しんどい試合になることは間違いないです。お互い体力勝負ですね」
「キーマンはやはり冬夜か?」
「そうですね。どれだけ相手のプレスを引っ掻き回してくれるかだと思います」
「桜子はいつも冷静だな、桜子の分析アテにしてるよ」
「ありがとうございます」
「ところで、もう一つ知りたい事があるんだが」
「なんです?」
「俺達の将来はどうなると予想してる?」

動揺してフォークを落した。
慌てて代わりのフォークを持ってきてもらう。

「普通そういう事彼女に聞きますか?」
「冷静なマネージャーにコーチしてもらいたくてね?この後どう行動すればいい?」

質問の意味が解るのに少し時間がかかった。
理解すると次は気持ちを静めるのに時間がかかる。
落ち着け、今日は試合前日だ。

「まっすぐ家に帰って休養して明日に備える事」

ちゃんと言えた。
だけど今日の佐はやけに積極的だ。

「じゃあ、明日の試合に勝ったらさ……」

佐は私に耳打ちする。
それを聞いて私はまた動揺してしまった。

「試合に勝ってから言ってください」
「わかったよ」

そういう佐の顔は笑っている。

レストランを出ると言った通りに佐を家に送る。

「今夜はゆっくり休んでくださいね」
「ああ、シャワー浴びたらすぐ寝るよ」
「ではまた明日」
「ああ」

そう言って私は車を出す。
家に帰るとシャワーを浴びる。
シャワーを浴びた後スマホを手に取る。
佐から個人チャットが来ていた。
私の黄色いワンピース姿が映っていた。
今日の服装だ。

今日の服似合ってたぜ。

メッセージもそえられていた。
いつの間に撮っていたんだろう。
驚かされそして喜ばせてくれるのが上手な佐。
明日の試合について分析する。
色んな事態を想定する。
片桐先輩を重要視してゾーンに切り替えてくれたら。こっちの思い通りに試合が運べる。
その時スマホが鳴る。
佐からだ。
時計を見る。22時を回っていた。

「やっぱりまだ起きていたか」
「佐こそ。まだ起きてたんですか?」
「ああ、相手の試合DVDで見てたらこんな時間になってな」
「早く寝てくださいって言ったでしょ」
「桜子こそ早く寝ろよ、指揮官が居眠りじゃしゃれにならないぜ」
「ちょうど寝ようと思っていたところです」
「俺も寝る前に桜子の声聞いて寝ようと思ったところさ」

……もう!

「じゃあ、おやすみなさい。私も寝ますんで」
「ああ、おやすみ」

電話は終わった。
私も寝るとしよう。
佐迎えに行かなきゃいけないし。
アラームを早めにする。
木元先輩の為にも勝たせてあげたい。
そう思いながら眠っていた。

(5)

シャワーを浴びると愛莉が戻ってくるのを待つ。
今日はジュースを持ってきてくれた。
愛莉とジュースを飲みながらゲームの準備をする。
既に対人戦は始まっていた。

「掴んだ!冬夜頼む」
「了解」

身動き取れない相手を薙ぎ払っていく。

「ナイス冬夜!」

そして2時間が経過して試合は終わった。

「おつかれさま」

皆がそういう中愛莉のスマホが鳴る。
愛莉の表情が陰る。

「どうしたの?」
「ううん。何でもない」

ゲームをログアウトすると。テレビをつける。
愛莉の好きなドラマなのだが、愛莉はスマホに夢中だ。
どうしたんだろう?

「愛莉、なにがあったの?」
「うぅ……大したことじゃないってば」
「てことはなにかあったんだね?」
「あっ」

この手の罠に弱いな愛莉も。

「何があったんだい?」
「ごめん、女性だけの秘密だから」
「この前も同じ事言ってたね」
「うぅ……怒ってる?」
「いや、女性同士の話に首突っ込んでもろくなことないから」
「そっか」

愛莉がスマホを弄ってる間僕はドラマを見ながらスマホを弄ってる。
ドラマが終わるとゲームを始めた。
戦闘機のゲーム。
結構曲が好きなんだよね。
盛り上がるっていうかなんていうか。
スマホの話が終わったらしい愛莉がさっそく邪魔に入ってきた。
抱きつかれたくらいじゃ僕のドッグファイトは邪魔できないよ。
すると愛莉は僕からコントローラを奪い取る。
あっという間にゲームオーバーになってしまう。

「動かし方分かんない~」
「そりゃ説明書も見てないのに無理だよ」
「じゃ、今度教えて」
「……興味あるの?」
「ジャムがどばーッと出ないなら平気だよ」

そういう問題なのか?

「ところでそろそろ寝ないとまずいんじゃない?」

時計は0時を回っていた。
テレビを切って照明を落としてベッドに入る。

「いよいよ明日だね」
「そうだね」
「がんばってね」
「木元先輩の為にも頑張らないとな」
「うん」
「じゃあそろそろ寝ようか」
「その前に一つ……」
「なんだい?」
「祝勝会私達も行くからね」

それがどうしたの?

「浮気は許さないんだから」

ああ、そういうことね。

「前は浮気は許すって言ってなかった?」
「うぅ……そういう事だけは覚えてるんだね」
「まあ、しないから心配するなよ」
「冬夜君にその気なくても相手がその気になったら分かんないじゃん」
「まあ、そうだろうね」

精々どうやって断るか困るくらいだけど。
愛莉が意思を表明したのかどうか分からないけど僕の腰に腕を回す愛莉。
そんな愛莉の頭を優しく撫でてやる。
反応がない。
愛莉の顔を見ると眠っていた。
やれやれ……。
愛莉にそっと布団をかぶせてやる。
木元先輩最後の試合。
意識しなくても力が入る。
でもなるようになるさ。
そう考えながら眠りについた。
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