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5thSEASON
永遠に涸れぬ光
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(1)
「冬夜さん、朝ですよ」
愛莉の優しい声で目が覚める。
「早く準備しないと朝ごはん食べそびれますよ」
急いで準備する。
食事が終ると愛莉の準備を待つ。
それから準備が終わった後も暫く部屋で寛ぐ。
お店が始まる頃を見計らって国際通りに行く、渡辺夫妻と石原夫妻、酒井夫妻と行動を共にする。
それぞれ、お店に入ってはあれよこれよと品定めをしてる。
国際通りは広い、全部の店を回っていたらそれだけで一日が過ぎてしまう。
愛莉は珊瑚や真珠を買ったようだ。
あとは沖縄ならではの服などを買っている。
もちろん愛莉について行って一緒に選んでやる。
昼食は沖縄そばを食べた。
そして公設市場に行く。
そこではショッピングはしない。
ただ見て回る。
カラフルな魚が並んでいる。
こんなの食べられるのか疑問だったけど。
小腹が空いたのでまたソーキそばと沖縄の焼きそばを食べる。
沖縄の焼きそばはうどんみたいに麺が太い。
今日は愛莉の機嫌も良かったのだろう。
食べることに関しては何も言わなかった。
そして今日最後の場所アメリカンヴィレッジに行く。
観覧車に乗る
町を一望できる巨大な観覧車。
そんな風景を愛莉と楽しむ。
カフェで休憩する。
「3日じゃ足りなかったな」
渡辺君が言う。
「そうね、また来たいわ」
恵美さんがいうと女性陣が同調する。
「ところで帰りは博多で解散にしたのは何か理由があるのか?冬夜」
渡辺君が聞いてきた。
「カンナの希望だよ」
僕が答える。
カンナは夜泊って屋台を見て回りたい。他にもそう言う人がいる。そう告げる。
「そう言えば美嘉も博多で飲むと息巻いていたな」
渡辺君が溜息をつく。
「当たり前よ!神奈と徹底的に飲むぜ!」
美嘉さんは息巻いてる。
「冬夜さんはいいの?美味しい物食べなくて」
愛莉が聞く。
「今回は沖縄で遊ぶのが目的だったからね。また機会があったら二人でのんびり博多まわろう」
「は~い」
「あんた達本当に仲いいわね。愛莉に秘訣を教えて欲しいくらいだわ」
亜依さんが言う。
「う~ん、秘訣か~」
愛莉が回答に苦しんでるのでそんな愛莉の頭を撫でながら代わりに答えた。
「愛莉は僕の事を考えてくれるから僕は愛莉の事を考える。それだけの事だよ」
「そうですね」
愛莉は嬉しそうにじゃれつく。
「いうのは簡単だけどそれが難しいのよ」
亜依さんは言う。
「そろそろ時間だ。ホテルに戻らないか?」
渡辺君が言うと皆店を出る。
帰る途中にも愛莉はお店によっては品定めをする。
美嘉さんは泡盛を買って配送したようだ。
女性陣の気が済むとホテルに戻る。
夕食には時間がある。
ベッドの上に横たわると愛莉がマッサージしてくれる。
「今日もお疲れさまでした」
愛莉がそう言う。
「ありがとう」
僕が答える。
「楽しかったね、また来たいね」
「連休が取れたらまた来よう?」
「はい」
愛莉の機嫌はいいようだ。
ホテルの窓から海が一望できる。
そんな海を二人で見る。
これも思い出の一ページになるんだろう。
夕食の時間まで愛莉と話をしながら沖縄の風景を目に焼き付けていた。
(2)
「それじゃ、皆今日は盛り上がろう。乾杯」
真鍋君が言うと宴の始まり。
今日の宴に参加したのは悠馬、真鍋夫妻、丹下夫妻、椎名夫妻、檜山夫妻、西松夫妻、亀梨君、森園さん、三沢君、岸谷さんの16名。
「そうか、竹本は進路を決めていたか」
丹下さんが言う。
「ええ、妻に苦労をかけるけど」
気にしなくていいのに。
「今期の皆は大体進路が決まっているわけだな?」
丹下さんが言う。
「そうなりますね」
悠馬が答える。
「後は無事に卒業するだけか」
真鍋君が言う。
「あと1年なんですね~」
咲良が言う。
「咲良は専業主婦?」
私が聞いた。
「そうですね~」
亭主の稼ぎで十分生活できる、なら態々働く必要もない。そう判断したらしい。
「西松君はまだ卒業は先の話よね?」
「そうだな。就職先は決まってるけどね」
西松君はそう言って笑う。
「亀梨君達はどうなの?」
「俺達も一応探してるけど石原先輩が言ってくれました。その気があるならうちに来いと」
「咲はどうなんですか~?当てはあるんですか~?」
「前期が始まったら考えるわ」
まずは晶先輩に相談かな?
皆それぞれの進路を決めて歩み始めてる。
先輩たちの後を追うように。
その先輩たちも今頃は、沖縄で羽を休めているのだろ。
将来に向けてはばたくために。
私達は二次会はせずにみんな解散した。
私と悠馬はせっかくだからとバーに寄った。
二人でカクテルを飲みながら話をする。
話しのネタは尽きることが無かった。
お互いのバイトの話から、生活の話まで様々で。
失くしたものすべて、愛したものすべて、この手に抱きしめて現在は何処を彷徨い行くのだろう?
生命が終わる前に眠る嘆き解いてあなたの薫りを抱きしめたい。
失意にのまれ立ち尽くす麗しき貴方。
悠馬の夢は怪我されることは無いだろう。
私たちが繰り返し大人になって、何度も何度も遠くへ行こうとも見守る私が眠れない私がくしゃくしゃになったとしてもあなたの名前を歌う為に……。
ずっと愛してる。日を追うごとに恋しくなっていく。
これからもあなたを愛していくだろう。
貴方を知ったその日から私の楽園という奈落には音楽が絶えない。
私達はやがて大人になるだろう?
様々な困難が待ち受けているだろう?
例え辿り着いた先が奈落だとしてもあなたの奏でる音楽はなり続けるだろう。
そして口ずさんで歩いてく。
(3)
「お疲れ様でした!」
九州巡業最後の夜。打ち上げが行われた。
巡業は大成功に終わった。
物販も売り切れて途中で品切れを起こす事態。
最後の一週間はオフにあてられた。
渡辺班の卒業祝いには出る事が出来る。
すでにテレビやラジオの出演依頼が来てるらしい。
断るのに営業の中村さんが苦労しているとか。
その中村さんからも要請があった。
大学を辞めて芸能活動に専念しないか?
私は断った。
アイドルの寿命は短い。
職を失った時の基盤が欲しい。
一過性で終わる危険があるなら尚の事だ。
圭太は私の意思を尊重してくれた。
石原社長の口添えもあった。
打ち上げが終わった後私達はホテルに戻る。
二人の交際発覚はこの際気にしない。
だけど飲酒とか不順異性交遊だけは気を付けて欲しい。
中村さんの要請だけだった。
圭太は守っていた。
私としてはもっと甘えさせて欲しいのだけど。
「明日の朝地元に戻ったらオフですから」
圭太が言う。
「オフの間は下村有栖でいいのよね?」
「ええ、構わないよ」
「じゃあ、デートしない?」
「……タレントの精神面のケアもマネージャーの務めですよね」
「そうじゃないでしょ!」
「そうだね」
コンコン。
誰かがノックする。
「そろそろ、時間です。圭太さん部屋に戻って」
恵美さんがSPに雇った。志水姉妹の声だ。
「じゃあ、僕はそろそろ行くよ」
「明日はお泊りでいいかな?」
「わかった」
「じゃあ、おやすみなさい」
「おやすみ」
圭太はそう言って部屋を出た。
もちろん圭太が部屋に戻ってからもスマホでやり取りをする。
私達は未完成。
あなたの隣で乾いた心がほどけて血を流すけど。
あなたの傍にいるから、よりそっていてずっと。
ふたりで始まりの風の音を奏でよう。
あなたを抱きしめる何度も何度も何度も。
(4)
「じゃあ、乾杯!」
渡辺君が言う。
冬夜さんが選んだアイリッシュバーで飲んでいた。
店の中は小さく私達で一杯になっていた。
「これであとは卒業を待つのみだな」
渡辺君が言う。
「随分と充実した大学生活だったけど呆気ない幕切れね」
恵美さんが言う。
皆思っている事だろう。
私達はいろんな事を経験してきた。
冬夜さんにとっても大変な4年間だったと思う。
私にとっても充実した4年間だった。
これからはそれぞれの道を道を歩む。
でも渡辺班の絆は途切れない。
これからもずっと……。
これからもいろんな出来事が待っているのだろう。
私達はそれを乗り越えて行く。
喜びを喜び、悲しみを悲しみ。
いのちを生きて目覚めたまま夢を見る。
この世の果てにまで響かせるよずっと。
繰り返し芽吹く一瞬こそすべて。
私達は未完成。
だけど、冬夜さんがいるから。
そばにして欲しいずっと。
寄り添っているからずっと。
向かい風に汚れない。
失う怖ささえ輝いてる。
愛してるよずっと
二人で光の船に乗る。
風の始まりの音を奏でよう。
私達はホテルに戻るとシャワーを浴びて休息する。
神奈達は自分の旦那さんを見張っていたらしい。
翌日寝不足だったようだ。
チェックアウトを済ませると、那覇空港に向かい福岡空港に飛び立った。
博多駅まで行くと皆解散となる。
冬夜さんは地元に帰るらしい。
博多に残るのは多田夫妻、中島夫妻、桐谷夫妻、渡辺夫妻。
「それじゃ、お疲れ様でした。卒業式が終わったら皆で飲もう」
渡辺君が言うと解散した。
「楽しかったね」
「そうだな」
「帰ったらいよいよ卒業式だね」
「色々あったな。愛莉にも迷惑かけた」
「若いうちの苦労は買ってでもしろっていうから平気だよ」
「そうか」
冬夜さんは笑っている。
地元駅に着くと冬夜さんが悩んでる。
「どうしたの?」
「いやさ……」
街で、時間を潰して夕食食べて帰るのが一番なんだろうけど。帰って休みたいし久しぶりに私の手料理が食べたいらしい。
「冬夜さんが望むなら作りますよ」
「でも愛莉も疲れてるだろ?」
「お互い様です。だって冬夜さんに買い物に連れて行ってもらうから」
「愛莉がそう言うなら作ってもらおうかな?」
「何が食べたいですか?」
「う~ん、簡単なものでいいよ」
「は~い」
こうして私達の大学生活は卒業式を残すのみとなった。
それは新しい生活へ誘われる道しるべ。
「冬夜さん、朝ですよ」
愛莉の優しい声で目が覚める。
「早く準備しないと朝ごはん食べそびれますよ」
急いで準備する。
食事が終ると愛莉の準備を待つ。
それから準備が終わった後も暫く部屋で寛ぐ。
お店が始まる頃を見計らって国際通りに行く、渡辺夫妻と石原夫妻、酒井夫妻と行動を共にする。
それぞれ、お店に入ってはあれよこれよと品定めをしてる。
国際通りは広い、全部の店を回っていたらそれだけで一日が過ぎてしまう。
愛莉は珊瑚や真珠を買ったようだ。
あとは沖縄ならではの服などを買っている。
もちろん愛莉について行って一緒に選んでやる。
昼食は沖縄そばを食べた。
そして公設市場に行く。
そこではショッピングはしない。
ただ見て回る。
カラフルな魚が並んでいる。
こんなの食べられるのか疑問だったけど。
小腹が空いたのでまたソーキそばと沖縄の焼きそばを食べる。
沖縄の焼きそばはうどんみたいに麺が太い。
今日は愛莉の機嫌も良かったのだろう。
食べることに関しては何も言わなかった。
そして今日最後の場所アメリカンヴィレッジに行く。
観覧車に乗る
町を一望できる巨大な観覧車。
そんな風景を愛莉と楽しむ。
カフェで休憩する。
「3日じゃ足りなかったな」
渡辺君が言う。
「そうね、また来たいわ」
恵美さんがいうと女性陣が同調する。
「ところで帰りは博多で解散にしたのは何か理由があるのか?冬夜」
渡辺君が聞いてきた。
「カンナの希望だよ」
僕が答える。
カンナは夜泊って屋台を見て回りたい。他にもそう言う人がいる。そう告げる。
「そう言えば美嘉も博多で飲むと息巻いていたな」
渡辺君が溜息をつく。
「当たり前よ!神奈と徹底的に飲むぜ!」
美嘉さんは息巻いてる。
「冬夜さんはいいの?美味しい物食べなくて」
愛莉が聞く。
「今回は沖縄で遊ぶのが目的だったからね。また機会があったら二人でのんびり博多まわろう」
「は~い」
「あんた達本当に仲いいわね。愛莉に秘訣を教えて欲しいくらいだわ」
亜依さんが言う。
「う~ん、秘訣か~」
愛莉が回答に苦しんでるのでそんな愛莉の頭を撫でながら代わりに答えた。
「愛莉は僕の事を考えてくれるから僕は愛莉の事を考える。それだけの事だよ」
「そうですね」
愛莉は嬉しそうにじゃれつく。
「いうのは簡単だけどそれが難しいのよ」
亜依さんは言う。
「そろそろ時間だ。ホテルに戻らないか?」
渡辺君が言うと皆店を出る。
帰る途中にも愛莉はお店によっては品定めをする。
美嘉さんは泡盛を買って配送したようだ。
女性陣の気が済むとホテルに戻る。
夕食には時間がある。
ベッドの上に横たわると愛莉がマッサージしてくれる。
「今日もお疲れさまでした」
愛莉がそう言う。
「ありがとう」
僕が答える。
「楽しかったね、また来たいね」
「連休が取れたらまた来よう?」
「はい」
愛莉の機嫌はいいようだ。
ホテルの窓から海が一望できる。
そんな海を二人で見る。
これも思い出の一ページになるんだろう。
夕食の時間まで愛莉と話をしながら沖縄の風景を目に焼き付けていた。
(2)
「それじゃ、皆今日は盛り上がろう。乾杯」
真鍋君が言うと宴の始まり。
今日の宴に参加したのは悠馬、真鍋夫妻、丹下夫妻、椎名夫妻、檜山夫妻、西松夫妻、亀梨君、森園さん、三沢君、岸谷さんの16名。
「そうか、竹本は進路を決めていたか」
丹下さんが言う。
「ええ、妻に苦労をかけるけど」
気にしなくていいのに。
「今期の皆は大体進路が決まっているわけだな?」
丹下さんが言う。
「そうなりますね」
悠馬が答える。
「後は無事に卒業するだけか」
真鍋君が言う。
「あと1年なんですね~」
咲良が言う。
「咲良は専業主婦?」
私が聞いた。
「そうですね~」
亭主の稼ぎで十分生活できる、なら態々働く必要もない。そう判断したらしい。
「西松君はまだ卒業は先の話よね?」
「そうだな。就職先は決まってるけどね」
西松君はそう言って笑う。
「亀梨君達はどうなの?」
「俺達も一応探してるけど石原先輩が言ってくれました。その気があるならうちに来いと」
「咲はどうなんですか~?当てはあるんですか~?」
「前期が始まったら考えるわ」
まずは晶先輩に相談かな?
皆それぞれの進路を決めて歩み始めてる。
先輩たちの後を追うように。
その先輩たちも今頃は、沖縄で羽を休めているのだろ。
将来に向けてはばたくために。
私達は二次会はせずにみんな解散した。
私と悠馬はせっかくだからとバーに寄った。
二人でカクテルを飲みながら話をする。
話しのネタは尽きることが無かった。
お互いのバイトの話から、生活の話まで様々で。
失くしたものすべて、愛したものすべて、この手に抱きしめて現在は何処を彷徨い行くのだろう?
生命が終わる前に眠る嘆き解いてあなたの薫りを抱きしめたい。
失意にのまれ立ち尽くす麗しき貴方。
悠馬の夢は怪我されることは無いだろう。
私たちが繰り返し大人になって、何度も何度も遠くへ行こうとも見守る私が眠れない私がくしゃくしゃになったとしてもあなたの名前を歌う為に……。
ずっと愛してる。日を追うごとに恋しくなっていく。
これからもあなたを愛していくだろう。
貴方を知ったその日から私の楽園という奈落には音楽が絶えない。
私達はやがて大人になるだろう?
様々な困難が待ち受けているだろう?
例え辿り着いた先が奈落だとしてもあなたの奏でる音楽はなり続けるだろう。
そして口ずさんで歩いてく。
(3)
「お疲れ様でした!」
九州巡業最後の夜。打ち上げが行われた。
巡業は大成功に終わった。
物販も売り切れて途中で品切れを起こす事態。
最後の一週間はオフにあてられた。
渡辺班の卒業祝いには出る事が出来る。
すでにテレビやラジオの出演依頼が来てるらしい。
断るのに営業の中村さんが苦労しているとか。
その中村さんからも要請があった。
大学を辞めて芸能活動に専念しないか?
私は断った。
アイドルの寿命は短い。
職を失った時の基盤が欲しい。
一過性で終わる危険があるなら尚の事だ。
圭太は私の意思を尊重してくれた。
石原社長の口添えもあった。
打ち上げが終わった後私達はホテルに戻る。
二人の交際発覚はこの際気にしない。
だけど飲酒とか不順異性交遊だけは気を付けて欲しい。
中村さんの要請だけだった。
圭太は守っていた。
私としてはもっと甘えさせて欲しいのだけど。
「明日の朝地元に戻ったらオフですから」
圭太が言う。
「オフの間は下村有栖でいいのよね?」
「ええ、構わないよ」
「じゃあ、デートしない?」
「……タレントの精神面のケアもマネージャーの務めですよね」
「そうじゃないでしょ!」
「そうだね」
コンコン。
誰かがノックする。
「そろそろ、時間です。圭太さん部屋に戻って」
恵美さんがSPに雇った。志水姉妹の声だ。
「じゃあ、僕はそろそろ行くよ」
「明日はお泊りでいいかな?」
「わかった」
「じゃあ、おやすみなさい」
「おやすみ」
圭太はそう言って部屋を出た。
もちろん圭太が部屋に戻ってからもスマホでやり取りをする。
私達は未完成。
あなたの隣で乾いた心がほどけて血を流すけど。
あなたの傍にいるから、よりそっていてずっと。
ふたりで始まりの風の音を奏でよう。
あなたを抱きしめる何度も何度も何度も。
(4)
「じゃあ、乾杯!」
渡辺君が言う。
冬夜さんが選んだアイリッシュバーで飲んでいた。
店の中は小さく私達で一杯になっていた。
「これであとは卒業を待つのみだな」
渡辺君が言う。
「随分と充実した大学生活だったけど呆気ない幕切れね」
恵美さんが言う。
皆思っている事だろう。
私達はいろんな事を経験してきた。
冬夜さんにとっても大変な4年間だったと思う。
私にとっても充実した4年間だった。
これからはそれぞれの道を道を歩む。
でも渡辺班の絆は途切れない。
これからもずっと……。
これからもいろんな出来事が待っているのだろう。
私達はそれを乗り越えて行く。
喜びを喜び、悲しみを悲しみ。
いのちを生きて目覚めたまま夢を見る。
この世の果てにまで響かせるよずっと。
繰り返し芽吹く一瞬こそすべて。
私達は未完成。
だけど、冬夜さんがいるから。
そばにして欲しいずっと。
寄り添っているからずっと。
向かい風に汚れない。
失う怖ささえ輝いてる。
愛してるよずっと
二人で光の船に乗る。
風の始まりの音を奏でよう。
私達はホテルに戻るとシャワーを浴びて休息する。
神奈達は自分の旦那さんを見張っていたらしい。
翌日寝不足だったようだ。
チェックアウトを済ませると、那覇空港に向かい福岡空港に飛び立った。
博多駅まで行くと皆解散となる。
冬夜さんは地元に帰るらしい。
博多に残るのは多田夫妻、中島夫妻、桐谷夫妻、渡辺夫妻。
「それじゃ、お疲れ様でした。卒業式が終わったら皆で飲もう」
渡辺君が言うと解散した。
「楽しかったね」
「そうだな」
「帰ったらいよいよ卒業式だね」
「色々あったな。愛莉にも迷惑かけた」
「若いうちの苦労は買ってでもしろっていうから平気だよ」
「そうか」
冬夜さんは笑っている。
地元駅に着くと冬夜さんが悩んでる。
「どうしたの?」
「いやさ……」
街で、時間を潰して夕食食べて帰るのが一番なんだろうけど。帰って休みたいし久しぶりに私の手料理が食べたいらしい。
「冬夜さんが望むなら作りますよ」
「でも愛莉も疲れてるだろ?」
「お互い様です。だって冬夜さんに買い物に連れて行ってもらうから」
「愛莉がそう言うなら作ってもらおうかな?」
「何が食べたいですか?」
「う~ん、簡単なものでいいよ」
「は~い」
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