優等生と劣等生

和希

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5thSEASON

卒業

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(1)

「冬夜さんお待たせしました」

愛莉がリビングに現れる。
僕達は愛莉の着付けに愛莉の実家に来ていた。
白地に緑と赤の模様の入った上に緑色の袴を着ている。

「綺麗だよ」
「ありがとう」
「う、うむ……」

愛莉パパも感無量のようだ。
目頭を押さえている。

「冬夜さん、そろそろ行かないと」
「そうだね、そろそろ行こうか」

愛莉を車に乗せて会場に向かう。
会場に向かうと皆待っていた。

「これで全員そろったかな」

渡辺君が言うと皆でホールに入った。
学長の祝辞とか色々話があって、それをまじめに聞いている愛莉。
僕は眠っていた。
式典が終るとホールの入り口で皆が記念写真等を撮っている。
僕達も写真を撮影した。

「じゃあ、18時にいつものパーティホールで」

渡辺君が言うとみんな解散した。

「愛莉どうする?」
「私も帰って着替えたいかな」
「じゃあ、帰ろうか?」
「はい」

愛莉がそう言うと僕達は愛莉の実家に戻り愛莉の着替えを待つ。
愛莉の着替えが済むと、僕達は家に帰る。
僕もスーツを脱ぎ私服に着替える。

「お昼は適当でいいですか?」
「あんまり凝ったもの作らないでいいよ」
「は~い」

お昼を食べると愛莉が食器を洗っている間リビングでテレビを見て時間を潰す。
愛莉のは食器を洗い終えると僕の隣に座ってテレビを見る。
正直昼の番組に興味がない。
愛莉は興味があるみたいで色々話しかけてくる。
愛莉の相手をしてやる。
昼になると韓流のドラマをやりだす。
愛莉は熱心に見ている。
興味は無いのだけど愛莉と見ながらスマホを弄りだす。

「冬夜さんはどんなテレビが好きなの?」

愛莉が聞いてきた。

「う~ん、テレビにあまり興味がないかな」
「そうですよね、冬夜さんがあまりテレビに夢中になってるのみたことないから?」

暇ならゲームでもする?って聞いてくる。

「それだと愛莉が退屈するだろ?一緒に観てるから大丈夫」
「はい」

とはいえ退屈なものは退屈だ。
でもこんな毎日をこれから過ごしていかなくちゃいけない。
今のうちになれておかなくちゃ。
刑事ドラマが終る頃愛莉は寝室に行く。
出かける準備でもするのだろう。
準備が終ると愛莉が寝室から出て来る。

「お待たせしました」
「じゃ、行こうか?」
「はい」

そう言って愛莉と出かける。
バス停に向かい、バスに乗って駅まで下りる。
そのあとパーティホールのあるホテルまで歩く。
まだ少し早かったようだ。
コンビニで時間を潰してると次々と人がやってくる。
コンビニを出て皆と話をしてるとホールが開く。
中に入って皆を待っていた。

(2)

卒業式を終え家に戻ると誰もいなかった。
神奈はレンタルの袴を返しに行ってるんだろう。
神奈の帰りを待った。
神奈が帰ってくると、大在駅に向かう。

「来週から社会人か」
「そうだな。誠も来週からチームに合流なんだろ?」
「ああ、家を空けることが多いと思うけど……」
「仕方ないさ、プロになるって事はそう言う事なんだから」

だから冬夜はプロになるのを嫌がったんだろうな。

「あ、神奈じゃん!おーい」

桐谷夫妻も同じ電車に乗るつもりだったらしい。

「とうとう学生生活も終わりか」

亜依さんが言った。

「そうだな、瑛大は半年で済むんだって?」
「ああ、半期で卒業できるらしい。単位とれたらだけど」
「じゃあ、瑛大も就活か?」
「どうだか、何も考えていないみたい」

神奈と亜依さんが話している。
電車が来た。
地元駅に行くと水島君達がいた。
電車組が揃うとパーティ会場に向かう。
既に何人か揃っていた。
パーティ会場が開かれると皆中に入る。
来てない人達を待っていた。

(3)

その日僕達はUSEに呼び出されていた。
僕達より少し年上くらいの人が代表取締役社長でその奥さんが実質経営者らしい。

「中村さん、そう言う仕事は取ってこれるの?」

奥さんが中村さんに聞いていた。

「いきなりオーディションを受けさせるのは厳しいでしょうね。まずは演技力とかレッスンさせないと」
「それもそうね……望、どうする?コーチを雇うことは出来るけど」
「やる気はあるんですよね?」

望と呼ばれた社長が聞いてきた。
僕と理恵子は「あります!」と答えた。

「そう言う分野も作っていいかもしれない。もちろん恵美の意思も尊重するけど」

社長は言う。

「そうね、芸能界に進出は悪くないかもしれない。でも地元が拠点では色々不都合があるわね」
「まずは二人のやる気を試したらいいんじゃないかな?レッスンを受けさせながら雑用をこなさせるとか?」
「望が社長なんだから望の意向に従うわ」
「じゃ、そう言う方向で。あとは中村さんに任せます。演技指導は準備させます」

僕達は採用されたようだ。
二人で顔を見る。

「じゃ、演技指導が見つかるまで雑用をさせます。試用期間を作りましょう」

中村さんが言う。

「ありがとうございます。よろしくお願いします」

僕達が言った。

「頑張って」

社長が言った。
この日は帰っていいよ。仕事は来月頭からと言われると僕達は事務所を後にした。

「やったね、直己」

理恵子が言う。

「ああ、まずは第一歩だ」

だが、ここからが大変だという事は聞いていた。
演技などしたことが無い。それらを覚えることから全ては始まる。
僕達はようやくスタートラインに立ったに過ぎない。
この先どんな困難が待ち受けているか分からない。
でも二人で乗り越えてみせる。
そう二人で誓い合った。

(4)

「ちょっと遅れそうですね」

葵さんがそう言った。
丁度帰宅ラッシュだ。仕方がない。
電車で向かえばよかったか。
しかし満員電車に有栖を乗せるわけにはいかない。
有栖は遅くなる旨を渡辺君に電話している。
ALICEの新曲お披露目の場を用意してくれた。
卒業ソングを彼女が詩を書いた。
渡辺班に送る歌。
彼女はすでにCMの出演が決まった。
CMといっても地元企業のCMだけど。
彼女の地元での知名度は地下アイドルという地位には収まらなかった。
片桐先輩が言う通り地元に夢と希望を振りまいている。
彼女なりに罪を償おうと努力した結果が実っている。

「渡辺班、不思議なグループね」

有栖がふと漏らした。

「そうですね。敵ですら幸福をもたらす不思議なグループだ」
「私、上手に生きれているかな?罪を償えているかな?」
「誰が何と言おうと有栖が想っていることが真実だよ」
「ありがとう」

有栖はそう言って笑っていた。

「これからも渡辺班は幸福を振りまいていくのでしょうね」
「有栖も一緒だよ。ALICEは皆を幸せにしていく」
「そうだといいわね」

パーティ会場に着いた。

「じゃあ、電話をくれたら迎えに来ますので」

葵さんが言う。翠さんは警護にあたる。

「ええ、よろしくお願いします」

僕が言うと車は去っていった。

「じゃあ、行こうか?」
「ええ」

僕達が会場に入ると既にパーティは始まっていた。
有栖は更衣室に入って準備を始めた。

(4)

「それじゃ、始めます。まずは渡辺先輩から一言」

西松君が進行役を買って出た。
渡辺君がジョッキを手にもう片方の手でマイクを握る。

「皆4年間お疲れ、これから新しい生活が待っていると思うが、俺達の結束が切れることは無い、皆お互いに……」
「正志いつも言ってるだろ!前振りは良いからさっさと始めろ!」

美嘉さんが言うと皆笑っている。

「じゃあ、これからの皆の活躍を祈って乾杯」

渡辺君が言うと宴の始まり。
さて、食べ物を取りに。

「冬夜さんの分は私がとりますから」
「いや、好きなの食べるから愛莉も好きなの……」
「とりますから♪」
「……ありがとう」

僕達が食べたり飲んだりしてる間もパーティは進行していた。
西松君と咲さんからの送る言葉とか。
渡辺君に花束贈呈とか

「おいおい、俺達は引退するわけじゃないんだぞ」

渡辺君は苦笑していた。
そのあとも後輩たちがさまざまな演目をしていた。
そしてALICEさんの僕達へのメッセージが語られて卒業ソングが歌われる。
彼女が書き下ろした歌詞らしい。
じっとその歌に聞きほれていた。
女性陣は泣いている。
愛莉の頬にも一筋の涙が伝わる。
詩が終ると拍手喝采だった。

「先輩たち本当にありがとうございました!」

後輩たちがみんな揃って言う。

「俺達からも一言無いと駄目だな。冬夜何か一言言ってやれ」

渡辺君から無茶ぶりが。
慌てる僕。
愛莉も目じりをハンカチで抑えながら僕に「行ってらっしゃい」と、いう。

僕はステージに立つとマイクを持つ。
皆が僕を見る。
50人に上ろうかという大所帯。

「後輩のみなさんありがとう。この4年間色んな事があったけどよくここまでやってこれたと思う。それは僕や渡辺君の力だけじゃない。皆の努力の結果だと思う」

明日は今日よりも素敵なものになる。
皆がくれた日々が積み重なり過ぎ去った日々を歩いた軌跡。
僕らの出会いが偶然なら?運命なら?そんなのは関係ない。僕達が会えたのは一つの奇跡だろう。
上手くいかない日だってみんなと一緒なら晴れになるから
強がりや寂しさも忘れられるから。
例え明日を見失いそうになったとしても
明日、今日よりも笑顔になれる。皆といるだけでそう思えるから。
それは何十年、何百年、何千年時を越えても変わらない。

「僕達はこの先も変わらない。永遠に不滅だ」

僕がそう言い終えると。歓声と拍手を受けた。

「冬夜君、今までお世話になりました!」

咲さんが握手を求める。

「冬夜先輩自分感動したっす!」

晴斗が泣いて握手を求める。

「ああ、片桐は渡辺班が続いたのは渡辺や皆のお蔭というがここまで支えてきたのは紛れもなく片桐、お前だ」

丹下さんが言うと、再び拍手が。
僕は拍手を受けながらステージを下りると席にもどる。

「お疲れ様でした」

愛莉がにこりと笑う。

「ありがとう」

そう言って飲み物を飲んだ。
本当に色々あったな。
物騒な時期もあったけど。まさかバスケをすることになるとは思わなかったけど。
全てを運命と呼ぶのなら。それは軌跡であって奇跡へつながったのかもしれない。

(5)

「よし、2次会行くぞ!いつものカラオケでいいな!」

「僕達はこれで失礼するよ。じゃあ、皆おめでとう」
「おめでとうございます、これからも頑張ってください」

公生と奈留が帰っていった。

「今日も朝まで騒ぐぞ!てめーら覚悟できてるな!?」

美嘉さんが言うとみんながおお!と叫んだ。
カラオケに着くと皆が飲んで食べて歌っている。

僕と愛莉、渡辺君と亜依さん、咲さんと西松君で作戦会議

「来年度の新人の確保どうなの?」

亜依さんが聞いていた。

「前期始まったら探そうと思います」
「俺もそのつもりです」

咲さんと西松君が言う。

「慌てることは無いさ。導かれし者達が集うだろう」

渡辺君が言う。

「片桐君的にはどんな人をご希望なの?」

亜依さんが聞いてきた。

「僕は口出ししないよ。大学は西松君と咲さんに任せたんだろ?」

二人で考えて行けばいい。

「そうだな、俺達がとやかく言う問題じゃないかもしれない」

困った時は頼ってくれていいがと渡辺君は言う。

「そう言う事なら頑張ります」
「私達の後釜は晴斗と白鳥さんに任せてもいいの?」

咲さんと西松君が言った。

「まあ、そうなるだろうな」

渡辺君が答える。
歩いた日々が軌跡なら歩いていくこれからの運命は軌跡。
それはこれからも続くんだろう。

明日僕は君に出会うだろう。
僅かな星明りを頼りに。
僕には君が分かる、わかるよ。

まだ見ぬ君に期待を馳せていた。

「な~にまたしけた面してんだよ!私らまだ現役なんだろ!?盛り上がって行こうぜ!」
「神奈の言う通りだ!お前らだけ固まってないで皆に混ざれ!!」

カンナと美嘉さんが言うと。皆に混ざって騒ぐ。
ふとみると誠達3人が集まっている。

「冬夜ちょっと来い」

3人に呼ばれる。

「この後どうするんだ?」

誠が聞いてくる。

「いつも通り朝までカラオケだろ?」

何を今さら言ってるんだ?

「それでお前の学生生活いいのか!?お前このまま結婚したら遠坂さんしか知らないことになるんだぞ」

また、その手のネタか……

「愛莉だけで間に合ってるからいいよ」

そう言って立ち去ろうとする。

「待て!冬夜!まずお前を男として教育する必要がある!」
「そうだ!まずはお前を男にすることにした!」

誠が言うと桐谷君が言う。

「何も最後までやれって言ってるわけじゃないんだ。世の中にはライトってものがあってだな」
「へえ、それはどういうものなんだ?」

だから嫌だったんだ。
カンナと亜依さんと穂乃果さんと愛莉に囲まれている。

「誠君、冬夜さんに変な事吹き込まないで!何度も同じ事言わせないで!」
「瑛大!お前はまた性懲りもなく!」
「隆司君、いい加減にして!」
「誠……お前ってやつは」

3人は怯えている。

「冬夜さんあっちに行こう?」

愛莉が腕を引っ張る。

「待て冬夜お前だけ逃げるなんてズルいぞ!」
「黙れ、大体お前がトーヤに余計な事吹き込むからだろうが!」

誠とカンナが言い争ってる中僕達は渡辺君の隣に連れてこられた。

「渡辺君!冬夜さんを見てて!すぐに流れていくんだから!」
「冬夜も災難だな」

渡辺君は笑っている。

「でも、俺も美嘉を見てないと駄目なんだ、放っておくとすぐに飲み過ぎるからな」
「めでたい席でくらい飲んだっていいだろ!」
「じゃあ、私が見てるしかないですね。困った旦那様ですね……」

誠達3人は説教が続き抜け出す機会すら与えてもらえなかったらしい。
宴は朝まで続いた。

(6)

宴が終ると皆家に帰っていった。
僕達も家に帰るとシャワーを浴びてベッドにリビングのソファーに横になる。
シャワーから出てきた愛莉に見つかる。

「そんなところで寝ちゃうと風邪引きますよ。ちゃんとベッドで寝てください」
「愛莉を待ってたんだよ」
「ありがとう」

愛莉は横に座る。

「お疲れ様でした。でもこれからもっと大変だと思うけど。一生にがんばろうね」
「ああ、とりあえずはのんびり過ごすよ」
「そうですね」
「とりあえず寝室に行こうか」
「はい」

愛莉と寝室に向かうと。テレビをつけてPCを起動する。

「まだ寝ないの?」
「ちょっと待って、メールとニュースだけチェックさせて」
「は~い」

ちょっと不満気な愛莉だった。
ささっとすませると。愛莉が眠っている隣に横になる。
愛莉は微笑んで、僕に抱き着く。
僕も愛莉を抱いてやる。
愛莉はそれに満足したのかやがて寝息を立てはじめた。
やれやれ。
愛莉の頭を撫でてやる。

「ねえ、冬夜さん」

まだ起きてたのか?

「あと少しだね?」
「何が?」
「もう!約束忘れたんですか?」

ああ、その事か。

「まだ1年あるだろ?」
「あと1年だよ。小学校の時からずっと待っていました」
「ちゃんと約束は守るから」
「はい」

ついにやって来た
僕達の一つの節目の年。
何が待っているのか分からないけど。
ずっと君と同じ時間を生きていく。

たとえ神が許さなかったとしても。
僕達が求めたのは、恩寵、愛情、幸福、未来。
同じ時代に産まれて儘愛莉と出逢い、惹かれあう其の想いとめられずに。

君が今笑っている眩いこの時代に出逢えた奇跡。
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