優等生と劣等生

和希

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LASTSEASON

けし粒の生命でも

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(1)

「冬夜さん、朝ですよ」
「おはよう愛莉」
「おはようございます」

朝の挨拶を交わすとテントを出る。
今日も晴れてる。
思いっきり背伸びする。
それを見て愛莉も真似をする。

「おはよう片桐君」

石原君は起きていたようだ。

「公生達が散歩に行ってるよ」

僕と愛莉も散歩することにした。
湖を一周して帰る頃には皆起きて朝ごはんの仕度をしている。
愛莉も加勢に回った。
朝ごはんが出来るとそれを皆で食べる。
食べ終わると女性陣が片付けてる間にテントの撤収に入る。
テントの撤収が終る頃には女性陣の片付けも終わっている。
荷物を車に積むと僕達は移動を開始した。
今から行けばちょうどいい時間につくだろう。

「冬夜さん、お口あーんしてください」

口を開けると放り込まれる眠気防止のガム。

「ありがとう愛莉」
「いいえ」

のんびり運転しているとやっぱり追い越しにかかる車がいる。
そんなに急いだって開いてないだろうに。

「困ったものですね」

愛莉もご機嫌ななめだ。
また駐車場でもめ事かな?
今年入った新人が飛ばしていたと言う事でお咎めは無かった。
ただし厳重注意が入った。

「悠木さん大丈夫?同僚に見られたらまずいんじゃない?」
「渡辺君達についていくから大丈夫」

僕が聞くと悠木さん達は笑って答えた。

「でも私達付き合ってますって公言出来ないのは辛いわね」

悠木さんが笑って言う。

「じゃあ、園内では自由行動ってことで、入園ゲートに15:00集合でお願いします」

西松君が言う。
もう入り口からして既に洗礼を浴びている男性陣。
去年来た組は慣れたもので適当に彼女に合わせている。

「愛莉行きたいところある?」
「はい!」

愛莉もすっかり機嫌ががいい。

「でも少し急ぎましょう。パレードに間に合わなくなってしまいます」
「分かった」

ここでは愛莉の案内に任せた方がいい。そう判断した僕は愛莉に連れられ園内を回った。

(2)

俺達は立ち尽くしていた。
先輩から聞いていた通りの場所だった。
これはきつい。
問題はそれだけじゃない。

「つまんねえ」

そう言いだしたのは男性陣じゃない。
一緒に行動してるのは咢と豊。祥子と美琴ちゃんと柚希ちゃん。
祥子と美琴ちゃんは明らかに不満を漏らしている。
豊は多田さんの助言通り文句を言わなかった。

「ゆ、柚希。どっか行きたいところある?」

豊は柚希ちゃんに話しかけた。
もう柚希ちゃんに賭けるしかない。

「そうだね、取りあえずパレード始まるまで適当に時間潰そうか」

柚希ちゃんはそう言った。
しかしそれが一番の問題だった。
全てのアトラクションや建造物がファンシーな物で祥子や美琴には合わないらしい。
それでも柚希ちゃんは皆を盛り上げようとする。

「祥子ちゃん写真撮ってあげる。梅本君と並びなよ」
「いいよ、いい年して恥ずかしい」
「そんなことないって記念になるから」
「永遠、どうする?」
「祥子が撮るなら撮るよ」
「じゃあ、撮ろうかな?。どうせもう来ないだろうし」

先輩から来た話だと毎年恒例の行事らしいけど。

「あ、そろそろパレードの時間。急ごう」

柚希ちゃんはこういうの好きなんだろうか?
それとも盛り上げようと必死になってるのだろうか?
パレードが始まる。
柚希ちゃんは一生懸命写真を撮ってる。
豊もそれに乗って上手くやってる。
今日に限って不満は言わない。

「ここ喫煙所無いの?」

美琴が言い出した。
咢がマップを見る。

「あ、私も行く」

祥子も言い出した。
ここは豊に任せて4人で喫煙所に行った。
喫煙所には亀梨先輩、三沢先輩、真鍋先輩、丹下さん、椎名さんがいた。

「君達もタバコ吸うの?」
「加熱式タバコですよ」

そういって祥子達はポシェットから器具を取り出すと一服する。

「亀梨先輩達彼女は?」
「ああ、パレードに夢中だよ」
「これさ、5時間続くんだよね?」
「超絶暇なんだけど」

早くも美琴ちゃんと祥子が不満が上がった。

「まあ、パレード終わったら昼食食べて時間を潰そう」

しかし昼食もファンシーな物だった。
男性陣は苦笑いするしかなかった。
まさか女性陣から不評が出るとは誰が想像しただろうか?
結局喫煙組は昼飯を食べた後、お土産屋にもよらずに喫煙所で喋って時間を潰していた。

(3)

「圭太!急がないとパレード間に合わないよ!」
「分かってる」

僕達はあっちこっち回って疲労していた。
確かにこれはしんどい。
紀維も勝則も同じだったようだ。
それでも笑顔を維持する。
簡単に思えてなかなか難しい事。
男性陣が楽しむ要素など皆無に等しかった。
食事さえも食欲より疲労が先に来るものだった。
そして最後にお土産を買って帰る。
女性陣がお土産屋に群がる中、僕達は外で待っていた。
女性陣は僕達がいる事を忘れてるくらい夢中になってお目当ての商品を探す。

「やっと終わるね」

紀維が言った。

「先輩たちが言ってたことが身に染みたよ」

勝則が言ってる。

「何やってんだお前たち?」

振り返ると、多田夫妻と桐谷夫妻がいた。

「何って買い物済むの待ってるんですけど」

僕が答える。

「ぼーっと突っ立ってる暇があったら一緒に選んでやるとかやることあるだろ!疲労見せてるんじゃねーよ!」

神奈さんが言う。
僕達は慌てて店の中に入る。

「あ、圭太。どうしたの?」
「いや、なんかいいのがあった」
「うん、どっちにしような迷ってて」

そうやって有栖との買い物に付き合う。
買い物を終える頃には男性陣は疲れきっていた。
それでも笑顔を崩さない苦行。
帰りに銭湯に寄るらしい。
その時にやっと疲れをいやすことが出来た。

(4)

パレードを見ていた。
遥は写真を撮っていた。
姉さんも同様だった。
その後色々見て、昼ごはんを食べた。
先輩の言う事を実践していた。

どんな時も笑顔でいろ。

それがどれだけ難しい事だろう。
2人がそれではしゃいでいるならそれに越したことは無い。
最後にお土産屋にいってお土産を買う。
女性陣に任せて僕達は外で待つ。

「しんどいだろ?」

栗林先輩が言ってた。
僕は黙ってうなずく。

「それでも彼女が笑顔でいてくれるなら。そう思うしかないんだ」

栗林先輩は言う。

「あ、先輩達お疲れ様です」

小鳥遊さんと月見里君だ。

「私お土産見てくるね。秋空はゆっくりしてて」

そう言って小鳥遊さんはお店に入る。

「お互い苦労してるようだね」

僕は月見里君に声をかけた。

「僕は滅多につばめをデートに連れて行ってやれないからちょうどよかったかなって」

月見里君はそう言って笑う。
彼女の気分転換になったからちょうどよかったという。
普段は小鳥遊さんもそんなにデートに行かないらしい。
買い物が終るとゲートに集まる。
皆上手くやれた様だ。
機嫌の悪い女性陣は……いた。
桜木さんと若宮さんは疲れ切っていた。
女性でもこういうのが苦手とかあるらしい。

「皆お疲れ様でした。この後銭湯行ってファミレスで食事して解散です」

咲さんが言う。
本当皆お疲れさまだと思った。
車は銭湯にむかった。
みんな疲れをいやす。

「どうだった?」

片桐さんが声をかける。

「……疲れました」

僕は言う。

「でもほっとしたろ?」

片桐さんは言う。

「……そうですね」
「あと少しだ、頑張れ」

そう言って片桐さんは皆の所に行った。

「いや、参ったよ」

梅本君と涼宮君が来た。

「まさか彼女の方が退屈だなんて言いだすなんて予想外だった」

女性ならみんな好きなんだなと思ったら違うんだなと梅本君は笑う。

「そっちはどうだった」

涼宮君が聞いてきた。

「普通に楽しんでたよ」

涼宮君達は一日喫煙所で過ごしたらしい。
多田さんと桐谷さんは不満を言う気力すらないらしい。
静かに風呂を楽しんでいた。
渡辺さんですら苦笑していた。
長谷部さんと話をしている。

「僕達はお先」

そう言って江口君と中山君は風呂を出ていった。
僕達も頃合いを見てのぼせる前に風呂を出る。
そして、コーヒー牛乳を飲むとマッサージチェアで体をほぐす。
すると皆出て来て談笑していた。
その後女性陣が出て来るのを待ってファミレスに向かっていた。

(5)

「いやあ、参った」

私は風呂に入るとそう一言言った。

「あれは想像しなかったな」

美琴が言う。
想像以上に詰まらなかった。
ほぼ一日タバコを吸っていた。

「あまり吸い過ぎも感心しないわよ。少しは自制しないと」

深雪先生が言った。

「それに男性陣が一生懸命楽しませようとしてるのに露骨につまらない態度をとるのも問題かもね」

聡美さんが言う。

「なんだ、お前ら面白くなかったのか?」

美嘉さんが聞くと私と美琴は頷いていた。
単純に趣味じゃない。
それだけの事だった。

「そう言う子もいるんだね」

亜依さんが言っていた。

「男性陣は頑張っていたな。後は帰って褒めてやろう」

神奈さんが言う。
それは言えてる。
私達の態度もわるかったかな。
ちょっと反省した。

「そろそろ出ましょうか?」

聡美さんが言うと皆風呂を出た。
男性陣は先に出ていたようだ。
皆揃ったのを確認すると咲さんが言った。

「じゃあ、別府のファミレスに行くよ」

そして移動する。
人数が人数なだけに皆バラバラに席に着いた。
私達の席には永遠と咢と美琴と豊と柚希が座っていた。

「お疲れ様」

皆ジュースで乾杯する。
そこからは豊が一人で喋り続ける。
それを聞きながら食事をする。
永遠も会話に混ざる。
食事が終ると、皆外にでる。

「じゃあ、2日間お疲れ様でした。次は神奈先輩の誕生会だから」

咲さんが言う。
私は永遠と家に帰る。
家に帰ると荷物の整理。
永遠は本当に疲れていたようだ。
ベッドに入るとすぐに寝てしまった。
私はシャワーを浴びながら、テレビを見ていた。
すると電話が鳴る。
あいつからだ。
電話に出る。

「もしもし?」
「もしもしじゃないだろ?盆にも帰ってこないでどういうつもりだ!?」
「部屋探しとかで忙しかったんだよ」
「部屋探し?お前引っ越したのか?」
「ああ、今同棲してる!?」
「同棲だと!?そんなことさせる為に一人暮らしさせたんじゃないぞ!」

こんな時だけ親面しやがって!

「結婚するときは連絡するよ。いつも私の事なんて無関心のくせに、こんな時だけ一丁前に親面するな!」
「なんだと!?」
「いいんだぜ?学費打ち切ったって。私だって好きで大学に行ってるわけじゃないし」
「祥子!!」
「『せめて大学くらいは行っとけ』だろ。それがあんたの親の仕事だもんな!私が何をしたいかも聞いてくれない」
「何かしたい事あるのか?」

今さら聞くのかよ。

「とくにねーよ!あんたの言う通りに生きてきたんだ。生きる目的すらわかんねーよ」
「祥子?」

ちょっと大声を出し過ぎたようだ。

「永遠が起きた。もう切るぞ」
「永遠って誰だ?お前の男か?何をやってるんだ?」

電話を切った。

「どうしたんだ祥子?」
「何でもない。起こしてすまなかったな?」
「親と喧嘩でもした?」
「まあ、そんなところだな」

そういや、永遠に親の話してなかったな。

「興味あるなら話すけど……私の親の話」
「俺でいいなら、話し相手くらいにはなるよ」
「そうか、じゃあ……」

私の父親はシステムエンジニア、母さんは同じ会社のプログラマー。
2人でも忙しくて、朝から朝まで仕事。
よくそんなんで子供作ったなと思ったくらい育児放棄。
まともに世話してた頃なんて授乳期くらいじゃないのか?
親子参観はおろか入学式、卒業式も祖父母が立ち会ったくらいだ。
当然遊びになんて連れて行ってくれなかった。
金を渡されて「これで遊んで来い」という。
こんな風になるのも無理ないだろ?
高校出たら独立するつもりでいた。
でも親の体裁で「大学くらいは出とけ」という。
で、私立大に通ってる。
今さらになって「盆休みくらいは帰って来い」という。
それで喧嘩になった。

永遠は私の話を黙って聞いていた。

「祥子も苦労してるんだな」

永遠はそう言った。

「でもさ、いい親じゃん」

永遠が言う。

「どこがだよ」
「忙しくて相手できないから不自由ない暮らしはさせてくれた。そりゃ、祥子も寂しい思いはしたかもしれない。その罪滅ぼしに少しでも親らしいことしたいってんだろ?」

淋しい思いをさせてるから、最低限の事はしてやりたい。そんな親心を汲んでやれという。
永遠の言う通りかもしれない。

「そうかもな……」

お前はどれだけポジティブなんだよ。

「分かったら謝っとけ?俺も一緒に頭下げてやるからさ」
「……お前自分で言ってる意味わかってるんだろうな?」
「どういう事?」

分かってないらしい。
私は実家に電話する。

「祥子?……すまん、今ちょっと手が離せなくて」
「手短に用件を言うから黙って聞いてくれ」
「わかった」
「さっきは私もいいすぎた。ごめん」
「……」
「梅本永遠。私の同棲相手だ。来月休みあるか?」
「ああ、あるけど……」
「予定空けておいてくれ。今度連れてく」
「わかった」
「じゃあ、それだけ。また決まったら連絡くれ」
「わかった……その永遠って子は大丈夫なんだろうな」
「ああ、良い奴だよ。こうやって電話する気になったのも永遠のおかげだ」
「それじゃ、また休み決またら連絡する。母さんにも偶には連絡してやれ」
「わかった。仕事頑張ってな」
「ああ……」

電話は終わった。
唖然とする、永遠ににやりと笑って言う。

「と、いうわけだ。責任はとってもらうからな」
「あ、ああ……」
「じゃ、そろそろ寝るか?疲れただろ?」
「そうだな」

そうして私達は眠る。

水面が揺らぐ。
風の輪が拡がる。
透明な真珠のように宙に浮く涙。
悲劇だって構わないから貴方と生きたい。
濃紺の星空に私達は花火みたいに心が光の矢を放つ。
会話などなしに内側に潜って考えが読み取れる不思議な夜。
身体ごと透き通り絵のように漂う。
けし粒の生命でも私達瞬いてる。

(6)

家に帰ると片づけを始める。
冬夜さんがお風呂に入ってる間に片づける。
冬夜さんが風呂から出ると私が風呂に入る。
洗濯は明日でもいっか。
風呂から出て酎ハイを冷蔵庫から取り出して寝室に行く。
冬夜さんはベッドで寝てる。
今日は駄目ですよ。
約束したんだから。
私は冷えた酎ハイの缶を冬夜さんの頬に当てる。
冬夜さんはびっくりして起きる。

「あ、ごめん。気を抜いたら寝てた」

そう言って謝る冬夜さんに私は微笑んで返す。

「なあ、愛莉?」
「どうされました?」
「女性でも苦手な事ってあるんだな。あそこ」
「まあ、人それぞれですから」
「そうだな。ちょっと意外だったから」

しばらくテレビを見ると。冬夜さんはテレビを消す。

「約束だったよな?」

覚えていてくれたんだ。

「ええ……でも大丈夫ですか?明日から仕事ですよ?」
「だから愛莉が癒してくれるんだろ?」
「……はい!」

照明を消すと二人でベッドに入る。
けし粒の生命でも私達瞬いてる。
魂に銀河流れていく。
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